十和田八幡平国立公園 十和田
398件の記事があります。
2018年09月19日オオハンゴンソウ防除活動に行ってきました
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
こんにちは。
日ごとに太陽が沈む時刻が早くなって、帰宅するころには辺りは真っ暗になるようになりました。
北海道では氷点下に気温が下がった、というニュースを聞くと、そろそろ冬の準備をしなければと思うこの頃です。
さて、少し時間が過ぎてしまいましたが、8月末に実施したオオハンゴンソウ防除活動の様子をお知らせします。
毎年、自然公園財団八幡平支部のご協力のもと、秋田県立比内支援学校かづの校の生徒さんとパークボランティアの皆さんが、一緒に行っている活動です。
学校活動の目的は「オオハンゴウソウ防除活動を通して、地元の自然の素晴らしさを感じ、自然保護活動に協力する気持ちを高める」ということでした。
【開会式で簡単な説明】 【力を合わせて抜き取る】
オオハンゴンソウは、在来生物の生態系に影響を及ぼす恐れがあるため、特定外来生物に指定されていて、許可無く栽培、保管、運搬、輸入、譲渡を行うことが禁止されています。
【オオハンゴンソウの花】
【スキー場周辺の、活動前と活動後の様子】
【大きなゴミ袋15個分抜き取りました】 【スキー場周辺に咲いているヤナギラン】
防除場所は昨年と同様に、鹿角市八幡平の大沼に隣接する八幡平ビジターセンターから歩いて5分ほどの八幡平スキー場周辺でした。
自然公園財団の方には、道具の準備から抜き取った後の対応までお願いしました。また、森林セラピーステーション「ゆらら」さんには、昼食場所を提供していただきました。
パークボランティアの皆さん、自然公園財団のスタッフ阿部さん、学校支援行事ではいつも快く場所を提供してくださる「ゆらら」のスタッフのみなさんの温かさが、心にしみる1日となりました。
このような活動を続けることで、もとの美しい自然景観が保たれたら嬉しいですね。
活動を終えた後に立ち寄った大沼で、時折吹く風は秋の気配がしました。
【八幡平大沼】
今朝の出勤途中の気温は10度でした。この気温の変化が、燃えるような紅葉を作り出すかと思うと、寒さも少し嬉しくなりますね。十和田八幡平にお越しの際は、防寒対策をしっかりしてお越しください。素晴らしい景色に出会えますように。
2018年09月14日十和田ビジターセンター企画展「紅葉を科学する」
十和田八幡平国立公園 村田 野人
こんにちは、十和田八幡平国立公園管理事務所の村田です。十和田湖は、徐々に色づいた葉が多くなり、秋の気配がしてきました。気温も朝夕はちょっと寒いくらいです。
さて、今回は十和田ビジターセンター運営協議会主催企画展の紹介です。十和田ビジターセンターでは、平成30年9月13日(木)から11月18日(日)まで、企画展「紅葉を科学する」を開催しています。
企画展示では、十和田湖、奥入瀬渓流、八甲田山の鮮やかな紅葉の写真を掲示し、景色を構成する樹木や色付きのしくみについて解説しています。紅葉の景色を見る前や見た後にお寄りください。実際の景色を見たときの感動や興味がより増すと思います。
十和田八幡平国立公園十和田・八甲田地域の紅葉は9月下旬に八甲田山の頂上から始まり、11月上旬に奥入瀬渓流の最下流部(焼山地区)に到達して終わります。約1ヶ月の間、公園内のどこかしらが、紅葉の最盛期を迎えていることになります。自分だけの最高の景色を探してみてください。
十和田ビジターセンター企画展「紅葉を科学する」
期 間:平成30年9月13日(木)から11月18日(日)9:00-16:30
会 場:十和田ビジターセンター ※11月7日、14日は休館日
(〒018-5501青森県十和田市大字奥瀬字十和田湖畔休屋486)
問合せ電話:0176-75-1015
2018年09月13日秋の気配の漂う十和田湖畔、八幡平
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
流れる季節に速度があるとしたら、時速何キロなのでしょう。
そんな事を考えているうちに、過ぎゆく季節に置いていかれるような気がしています。まだまだ夏を楽しみたかったと思う今日この頃です。
このところの台風や地震といった自然災害の被害に遭われた皆様に、心からお見舞い申し上げます。
大自然の前では人間は為す術もありませんが、折に触れて見せる風景に癒やされ、力をもらう事も多いと感じます。
動物や植物の逞しさには勇気をもらい、花々の美しさには安らぎを感じ、だからこそ人は自然の中に身を置こうとするのかもしれません。
八幡平や十和田湖畔では、ブナやミズナラが実を結び、秋の花が咲き始めました。
【ミズナラの実とブナの実】
また、巡視の途中で面白い木の実を見つけました。
【ヤシャビシャクとツノハシバミ】
秋になると紫の花が目立ってくるように思います。
【八幡平大沼の紫の花々】
ナナカマドやツリバナなどの赤い実も私達の目に鮮やかに飛び込んできます。
【恵比寿大黒島とナナカマド】
【桂浜のツリバナ】
枯れ葉が甘い香りのするカツラの木は、少しずつ黄色みを帯びてきました。
【十和田八幡平国立公園管理事務所付近のカツラの樹】
やがてやって来る白い季節を思わせる白い花も、短い季節を一生懸命咲いています。
【八幡平大沼付近のアケボノソウ】
今だけしか出会えない風景に、会いに来ませんか?
十和田八幡平、八甲田の燃えるような秋はもうすぐです。
2018年07月30日十和田八幡平の夏
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
ご無沙汰しております。十和田八幡平国立公園管理事務所の伊藤です。
東北地方も梅雨明けし、あっという間に7月も終わろうとしています。豪雨、猛暑などで被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。
さて、日記を書く間もなく日々の業務をこなしていましたが、撮りためた写真を見ながら、一ヶ月の業務を振り返ってみました。
十和田八幡平国立公園の7月は、岩手山の山開きから始まりました。
【山頂目前】
【満開のコマクサ】 【のぼりを掲げ山頂にむかう】
6月から8月にかけては学校支援業務で、パークボランティアさんの協力のもとに、自然観察会、登山遠足などを行っています。
【八幡沼で昼食休憩する生徒さん達】
【八幡平黒谷地に行く途中にある熊の泉】 【雨天時は後生掛自然散策路に変更】
【八幡平は花盛りです】
さらに、パークボランティアの皆さんの活動も多岐にわたっています。
【八幡平地区パークボランティア「ヒナザクラ会」の皆さんによる環境整備作業に同行】
八幡平見返り峠から、鏡沼から八幡沼周辺にかけて設置してある傾いたベンチを直しました。
十和田八幡平の自然を愛するパークボランティアの皆さんの熱意に、いつも頭が下がります。
そして、私達アクティブレンジャーが日々の業務で撮りためた写真を、各地のビジターセンターで展示しています。アンケートにお答えいただくと、ポストカードをプレゼントしています。
東北各地のアクティブレンジャーの写真も展示していますので、ぜひご覧になってください。
【十和田ビジターセンターで開催中のアクティブレンジャー写真展】
2018年07月23日とわだこのどうぶつ展
十和田八幡平国立公園 村田 野人
こんにちは、十和田八幡平国立公園管理事務所の村田です。事務所のある休屋の最高気温は、ようやく25℃を上回る程度です。みなさま、湖畔でゆったり避暑はいかがでしょうか?
さて、今回は十和田ビジターセンター運営協議会主催のイベントの紹介です。十和田ビジターセンターでは、平成30年7月21日から8月26日(日)まで、企画展示「とわだこのどうぶつ展」を開催しています。
<とわだこのどうぶつ展>
企画展示では、森の中に隠れていてなかなか見られない動物や鳥を知ってもらおうと思い、動物や鳥、全22種の写真を中心にしつつ、「クマタカの羽」などの実物展示もしています。写真は、自然公園財団十和田支部の皆さんや当事務所の職員が撮りためたもので、いずれもなかなかの迫力の写真ばかりです。子供たちにも分かりやすい展示、解説を心がけました。夏休み期間中のご家族での来館お待ちしております。
「とわだこのどうぶつ展」
期 間:平成30年7月21日(土)から8月26日(日)9:00-16:30
会 場:十和田ビジターセンター ※期間中休館日なし
(〒018-5501青森県十和田市大字奥瀬字十和田湖畔休屋486)
問合せ電話:0176-75-1015
<会場の様子>
2018年06月22日八幡平外来種駆除に行って来ました
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
いよいよ北東北も梅雨入りしました。
十和田湖畔は最低気温が10度を下回る日もあり、ストーブが欠かせない日もあります。
6月13日は、八幡平地区の外来種駆除活動でした。
山頂の気温は6度、風速は10メートル以上あり、体感気温はマイナスです。
そんな悪天候の中集まってくださったパークボランティアの方々、および自然公園財団八幡平支部の方々と一緒に、セイヨウタンポポの駆除活動を実施しました。
【強風、濃霧です】 【西洋タンポポと、ハクサンチドリが混在】
【参加の皆さんお疲れさまでした】 【2袋で合計4キロ弱でした】
野山に黄色い花を咲かせ、綿毛を飛ばすセイヨウタンポポは、外来生物法に基づく生態系被害防止外来種のうち、重点対策外来種に指定されています。
悪天候の中、作業をしてくださったパークボランティアのみなさんの八幡平を愛する心意気をしみじみ感じました。
【西洋タンポポと日本タンポポの見分け方】
【2016年8月南アルプス】
【2018年6月十和田湖畔】
ガクに見えるところ総苞片(そうほうへん)がきちんとしぼんでいるのが日本タンポポで(写真左)、外側に散らかったように反っているのが西洋タンポポ(写真右)です。
大自然の中には、こんな悪天候の日ならではの風景もありました。
八幡平山頂から秋田側に30分ほど下った大沼から、長沼に行く途中に咲いていた花を紹介します。
【前日からの雨で花びらが透けて見えるサンカヨウ】
【後ろ姿を撮ってみました】
サンカヨウのこんな様子が見られるのは、雨の日ならではです。
梅雨時で、自然の中を散策するのがためらわれる時でも、ひょっとしたら素敵な風景が見られるかもしれません。
お天気が悪い日でも、外へ出て、その時しか見られない風景を探すのもいいのではないでしょうか。
2018年06月05日十和田湖山開きに参加しました
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
エゾハルゼミの声が賑やかになってきた十和田湖畔です。夏山シーズンが始まり、あちこちの山開きの便りが届く季節となりました。
十和田湖畔の外輪山にある山の一つ、白地山(しろじやま)の山開きは6月3日でした。
白地山(1,034メートル)は、十和田八幡平国立公園の秋田県小坂町と青森県平川市の県境にまたがる、十和田湖の西に位置している山です。
今回は、小坂町から発荷峠へ至る途中にある鉛山峠園地から登りました。
1時間もすると、眺めの良い白雲亭展望台に着きます。
悪天候の昨年と打って変わって、十和田湖の素晴らしい景色が見られました。
【白雲亭展望台からの十和田湖の風景】
樹林帯を20分ほど歩くとミソナゲ峠に至り、再び展望がひらけます。
997展望所までアップダウンを繰り返し、さらに白地山湿原を経て30分ほどで山頂です。
【白地山湿原からの岩手山】
【山頂から見た岩木山】
登山道脇には、白地山のバッジの絵柄にもなっているツバメオモトを始め、サンカヨウ、ヒナザクラ、シラネアオイなど数々の花が咲いていました。
【ツバメオモト】 【サンカヨウ】
【ヒナザクラ】 【イワイチョウ】
【ユキザサ】 【ミヤマカタバミ】
下りは、神事が執り行われる小坂町大川岱の樹恩の鐘広場へ下ります。
【シラネアオイの群落】 【樹恩の鐘】
日差しは夏のような1日でしたが、標高が上がるにつれ風が涼しくなり、快適な登山日和でした。登山道が乾いている時は危険箇所が少ないですが、雨で濡れてしまうと滑りやすいのでお気をつけください。
見慣れた十和田湖の風景を、違う角度から眺めるのもまたおもしろいのではないでしょうか。
2018年06月01日十和田湖畔の風
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
爽やかな風が十和田湖畔を流れています。
十和田八幡平国立公園管理事務所の伊藤です。
十和田湖畔休屋にある十和田ビジターセンター前の、私のお気に入りの風景をお届けします。
【中央の二本のがシロヤナギの大木】
十和田ビジターセンターは、十和田湖、奥入瀬、八甲田の各エリアの動植物や地形などの展示や、クラフトコーナーなどがあり、十和田八幡平国立公園の情報を知ることもできます。
管理事務所から十和田ビジターセンターに行く途中に、十和田神社に通じる杉並木がありますが、今、様々な花が咲いています。
【十和田神社に続く杉並木】
【いい香りが漂うラショウモンカズラ】 【マイズルソウ】
【ニリンソウ】 【ムラサキケマン】
十和田湖畔には、山沿いに行かないと見られない植物が、たくさん咲いています。
ゆっくり歩いて、風を感じながら、湖畔を歩いてみませんか?
【湖側からみたビジターセンター】
2018年05月24日今日の十和田湖畔
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
あっという間に5月も終わろうとしています。風薫る5月と言いますが、十和田湖畔を渡る風は毎日いろいろな表情や香りがあり、色も付いているように感じます。
今日の風は何色でしょうか?
【乙女の像前から見える、兜島、鎧島】
【ツリバナ】 【クルマバソウ】
【チゴユリ】 【ホウチャクソウ】
【アズキナシ】
【カエデの花】 【ナナカマドの花】
【ブナの新緑 花は見つけられませんでした】 【カツラの雌株に実がついています】
【マイズルソウがキラキラ輝いています】
湖畔を少し歩いただけで、たくさんの花々や木々の息吹を感じることができます。
足元に咲く花を探しながら、ときおり空を見上げながら、ゆっくり湖畔を歩いて五月の風を
感じてみませんか?


十和田八幡平国立公園管理事務所の伊藤です。
十和田湖畔が仕事の場である喜びを感じる瞬間があります。
例えば、通勤途中に思いがけなく素晴らしい風景に出会った時です。
【十和田湖畔桂浜の夕暮れ】
さて、私が関っている、十和田八幡平地区のパークボランティア活動のひとつに、八幡平山頂付近に点在する沼周辺などの植生回復作業があります。
八幡平山頂周辺は、十和田八幡平国立公園の特別保護地区(特に優れた自然景観を、原始状態を保持している地区で、最も厳しい行為規制が必要な地域)に指定されています。
今回作業した眼鏡沼周辺は、雪の影響などで沼の周辺の斜面が崩れてガレ場となり、植物の生育が難しくなっている箇所があります。そこに、植生マットを敷くことによって、地面がくずれないようにするとともに、マットに種が付着し、植物が根付くように手助けします。
【今回の作業場所と、以前作業した反対側の斜面】
【作業の様子】
植生マットは、風で飛んでしまわないように竹串などでとめます。その上に、周辺に実をつけている植物の種をまきます。以前、私がパークボランティアとして参加した時に作業した、向かい側の斜面の植生マットの上に、植物が根付いているのが見えて嬉しくなりました。
【マットの上に種を蒔きます】
【いつかこんな実が実りますように】
【八幡沼】
【岩手山と早池峰山】
【ガマ沼からのぞむ岩手山】
【八幡平の象徴オオシラビソの実】
【天気が良く、遠く鳥海山までのぞめた】
国立公園は、様々な人々の手でその景観が守られ、後世に引き継がれるような努力がなされています。皆さんもそんな活動を目にすることがあるかもしれません。利用する際には、そんな事を少しでも思い出していただけたら嬉しいです。