十和田八幡平国立公園 十和田
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2019年02月22日如月の十和田湖畔より
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
十和田事務所の伊藤です。
19日は暦の上では「雨水」でした。
雪や氷が溶けて水になる時期という名前のとおり、その日は寒さが緩み、雨模様でした。
前回、寒風吹きすさぶ十和田湖畔とお伝えしましたが、時折見せる青空に、少しだけ春の気配がのぞいているように感じます。
【凍った湖面に雪が積もった、御前ヶ浜】
それをロシアでは「光の春」と呼ぶそうです。
降り注ぐ日差しにも色があるとしたら、今日の色は何色だろう?などと考えていると、
十和田湖畔は人を空想の世界で遊ばせてくれる場所なのではと思います。
【凍った湖面に反射する太陽】
「光の春」を自然界の植物や動物は敏感に感じ取っているのでしょうか?
【真っ先に咲くマンサクの花芽】
鳥や動物も、きっと同じように春を心待ちにしているに違いありません。鳥のさえずりも聞こえるようになってきました。「光の春」に続いて「音の春」もやってきているようです。雪が降ったあとの湖畔ではたくさんの足跡が観察できます。見えていないところでどんなドラマがあるのでしょう?
【恵比寿大黒島付近の動物の足跡】
どんなに厳しい冬も、やがて雪や氷はとけて流れゆき、花が咲き、実を結ぶ。何万年も繰り返されてきた営みの中で、小さな存在の人間は、どんなにあがいても大自然にはかなわないのでしょう。ふとそんなことを考える十和田湖畔です。
まだまだ寒さ厳しい日もありますが、そんな中にちらりとのぞく春の兆しを、探しに来ませんか?日々の光景は刻々と変化します。きっと、訪れた人それぞれに、特別な風景が待っていることと思います。
2019年02月06日厳冬期の十和田八甲田、奥入瀬渓流
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
時の流れの速さと、十和田湖畔を吹き荒れる風の速さは、どちらが速いのだろう。
寒風吹きすさぶ十和田湖畔を歩きながら、そんな脈略もない事を考えていました。
1メートルの風で気温が1度下がるとしたら、今の時期の十和田湖畔は
体感マイナス20度以上が体感できます。
さて、前回お知らせした、十和田湖冬物語が開幕しました。
開催初日の 2月1日には十和田神社で安全祈願祭が執り行われました。
【神事の様子】 【由緒ある神社の外観】
【会場メインゲート】
この時期は中国のお正月である春節にあたり、たくさんの方々が訪れてくださいます。
みなさん、寒さを物ともせず、楽しんでいらっしゃるようで、とても微笑ましく思います。
【厳冬期に湖畔の所々で見られるしぶき氷と御鼻部山遠景】
日本三大樹氷の一つである八甲田の樹氷も順調に成長しています。
ロープウエイを使って気軽に樹氷を見ることも出来ます。
【1月中旬の八甲田 仙人岱付近より高田大岳をのぞむ】
奥入瀬渓流氷瀑ツアーもなかなか好評のようです。
特別なライトで一時的に照らされた氷瀑を見る、ナイトツアーもあります。
【2月5日の奥入瀬渓流氷瀑】
一年で一番寒い時期でも、たくさんの方が十和田湖、八甲田、奥入瀬渓流に来てくださいます。
見どころがたくさんあり、短時間ではなかなか回ることが難しいので、
ゆとりを持った日程で、ゆっくり見ていただく事をお勧めします。
交通事情も夏とは大きく異なりますので、十分に情報収集したうえで、お越しください。
非日常的な景色の中に身をゆだねる事で、身体も心もリフレッシュできるのではないでしょうか?
厳冬期の十和田八甲田、奥入瀬渓流が皆さんをお待ちしています。
2019年01月29日十和田湖冬物語が始まります
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
新年を迎えたと思っていたら、あっという間に1月もあと数日となってしまいました。
大寒は過ぎましたが、これからが冬本番です。
十和田湖の湖岸も少しずつ凍り始め、蓮氷と呼ばれる流氷に似たような氷の塊ができ始めていました。
【昨年の同時期の恵比寿大黒島と蓮氷】
また、しぶき氷といって、湖岸の波が岩や木々にくっついて凍りついた様子が見られます。晴れた日は、太陽の光を反射してキラキラしています。
【桟橋が凍り付いています】
あたりは真っ白な世界ですが、その中でちょっとした彩りを添えているものが有ります。
【青空に映えるヤドリギの実】
【枯れ木に花が咲いたようです】
管理事務所のある休屋で毎年行われている「十和田湖冬物語」の準備が始まりました。
http://towadako.or.jp/event/post1653/
2月1日から2月24日の期間中は、毎日20:00より花火が打ち上げられ冬の夜空に彩りを添えます。
十和田神社への参道や、乙女の像は雪灯籠で照らされ、幻想的な雰囲気をかもし出します。
冬の十和田湖は、昼も夜も魅力いっぱいで皆さんをお待ちしています。
気温は氷点下10度以下の日もありますので、防寒対策をしっかりとしてお越し下さい。
2018年12月27日十和田湖畔に冬の訪れ
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
季節は早送りで進んでいるような気がするのは私だけでしょうか?
例年より遅い雪が降ったのはいつの事だったか忘れてしまいましたが、十和田湖畔はあっという間に雪景色になりました。
【風が強く湖面が波立っている十和田湖と恵比寿大黒島】
降り積もった雪が風で舞い、晴れていても視界が悪い時もあります。
【雪が降った朝、管理事務所前の道路】
何かと忙しい師走、少しの時間でも自然の中で、風の音、空気の温度、太陽の光や木々のささやきに身をまかせていると、身体の中の細胞が喜んでいるような気がします。
【十和田湖畔のあちこちで見られるオオウバユリ】
冬の奥入瀬 氷瀑ナイトツアーなど、冬ならではのイベントもあります。
【厳冬期の奥入瀬、銚子大滝】
北国の冬を楽しんでみませんか?
2018年12月27日十和田ビジターセンター企画展「100年前からの十和田湖観光案内」(A History of tourism guidebook for a century)
十和田八幡平国立公園 村田 野人
こんにちは、十和田八幡平国立公園管理事務所の村田です。
今回は十和田ビジターセンター運営協議会主催の企画展の紹介です。十和田ビジターセンターでは、平成31年2月17日(日)まで、「100年前からの十和田湖観光案内」を開催しています。
<十和田ビジターセンター企画展「100年前からの十和田湖観光案内」>
今回の企画展では、大正時代から観光地として全国的に注目された十和田湖の現在までの移り変わりを大正末期、昭和初期、昭和30年代、昭和50年代の4つの時代に分けて、当時の観光案内や写真から探っています。写真は現在と比べられる場所を主に選びました。今では想像もつかない昔の観光地の雰囲気を感じていただければと思います。また、年表や時代背景の解説により当時の十和田湖を取り巻く環境についても説明しています。参考にした資料もあわせて展示しております。手にとって見たい方は、十和田ビジターセンターの職員にお申し出下さい。
ちなみに、十和田ビジターセンターは12月29日(土)から12月31日(月)はお休みですが、年が明けると元日から1月8日(火)まで毎日開館しています(午前9時から午後4時30分)。十和田湖にお越しの際はぜひお立ち寄り下さい。
ところで、最近、人から
「十和田湖は冬も行けますか?」
と聞かれる事が続きました。ご説明いたしますと、十和田湖、周辺の道路はきちんと除雪されています。秋田県の小坂町と鹿角市、青森県の十和田市からは一年中、車で訪れることができます。付近の高速道路のインターチェンジでいうと十和田IC、小坂IC、八戸IC、新幹線の駅でいうと八戸駅、七戸十和田駅です。期間が限られますが、バスも運行されます。詳しくは下記URLを御覧下さい。イベント情報もあります。びっしり着込んできて下さい。
十和田観光電鉄(株):とわだこウィンターシャトルバス
http://www.city.towada.lg.jp/docs/2017090500028/
JRバス東北(株):八戸駅・十和田市-奥入瀬渓流・十和田湖(冬のおいらせ号)
https://www.jrbustohoku.co.jp/route/detail.php?r=43&rc=21
※企画展の詳細はこちら
企画展「100年前からの十和田湖観光案内」(A History of tourism guidebook for a century)
期 間 2018年12月13日(木)から2019年2月17日(日)
休館日 水曜日と12月29日から31日
時 間 9:00から16:30
会 場 十和田ビジターセンター(入場無料)
問合せ (TEL) 0176-75-1015
(住所)青森県十和田市大字奥瀬字十和田湖畔休屋486番地
主 催 十和田ビジターセンター運営協議会
2018年11月26日十和田八甲田地区パークボランティア活動のご報告
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
休屋の銀杏の木の葉がすべて落ちてしまうと、十和田湖畔に雪が降ると聞きました。その言葉
どおり舞い降りてきた雪は、まだ地面を覆うことはありませんが、所々に雪が残っています。
さて、11月18日に行われた十和田八甲田地区パークボランティアの、二つの活動の様子を
お知らせします。
午前は自然公園財団十和田支部主催で、紅葉シーズンを終えた奥入瀬渓流をゴミ拾いしながら
歩くイベント「奥入瀬クリーンハイキング」が行われ、パークボランティア16名の方に参加して
いただきました。
【十和田湖畔子の口よりスタートし奥入瀬渓流を歩きます】
木々の葉が落ちて林の中まで光りが差し込み、葉がある時は見えない滝が眺められました。
【葉があるときは見えにくい滝】
雪が降る前にゴミを拾ったことで、雪解け後は美しい奥入瀬渓流を歩く事が出来ることと思います。
午後は、十和田ビジターセンターで、環境省十和田八幡平国立公園管理事務所主催の十和田八甲田地区
パークボランティア秋季研修会でした。
北秋田市森吉山周辺ででマタギを生業としながら、多岐に渡る活動をされている、鈴木英雄氏を講師に
お呼びして、「山に役立つマタギの知識、秋田県の登山道整備の実態」についてお話いただきました。
【様々な資料を見せていただいた】
講師の方が持参したマタギの道具を間近で見せていただいたり、熊の胆(い)をいただいたりと、
貴重な体験をさせていただきました。
【熊の胆と熊の毛皮】
これから長い冬を迎える十和田湖、八甲田、奥入瀬渓流では、今しか見られない景色がたくさん
待っています。
【ナナカマドに積もる雪】
【初雪の日、生出キャンプ場前の倒木】
道路情報や、交通機関情報を入手したうえでおこしください。
http://www.koutsu-aomori.com/
2018年11月15日十和田湖一周船上観察会に参加してきました。
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
十和田八幡平国立公園管理事務所の伊藤です。
山の木々の多くは葉を落としてしまい、初冬のたたずまいの十和田湖畔です。
所々に残る秋の名残が、湖の風景に彩りを添えています。
【桂浜のナナカマド】
先週行われた、自然公園財団十和田支部主催の船上観察会の様子をお知らせします。
十和田湖の遊覧船のルートは、休屋と子の口間の片道ルートと、休屋発着で西湖(にしのうみ)と中湖(なかのうみ)を周遊するコースがあります
【湖側から眺める乙女の像】
今回の船上観察会では、管理事務所のある休屋を出発して奥入瀬渓流の玄関口である子の口に一旦下車し、午後からは西湖畔を周り休屋に戻って来るという、今回のイベント独自のルートで行われました。
定期の遊覧船では行かない場所を、たくさん見ることができました。
【古くからの信仰の場所、占場】
【遊覧船の波が趣を添える】
【湖の水量が少ない時期に見られる御門石】
今シーズンの遊覧船の営業は11月19日までとなっています。
営業を再開する4月には、新緑と残雪の山々の景色が待っていることでしょう。
これから訪れる冬ならではの景色に出会えるのが楽しみです。
2018年11月07日奥入瀬渓流渋滞対策業務、十和田八甲田パークボランティア活動のご報告
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
朝の気温が10度を下回るようになり、ストーブが欠かせない時期になりました。
十和田湖の外輪山の木々の葉はだいぶ落ちてしまいましたが、所々に残っている葉の色は、燃え尽きる前の激しい炎のようにも見えます。
【10月中旬頃の十和田湖畔】
【早朝の一瞬だけ、湖から水蒸気が漂う十和田湖】
10月中旬に紅葉が見頃を迎え、混雑する奥入瀬渓流の渋滞を緩和する目的で行われている、渋滞対策事業に従事してきました。
奥入瀬渓流沿いの車道は、幅も狭いうえに、今の時期は大型バスが頻繁に行き来したり、駐停車したりするため、混乱が起きないように、誘導や交通整理をします。
【大型バスで賑わう石ヶ戸駐車場】
天気にも恵まれ、たくさんの方に訪れていただきました。
現在はだいぶ葉が落ちてしまいましたが、葉が落ちると、日差しが林の中まで入り込み、また違った風景が楽しめます。
【葉が落ち始めた奥入瀬渓流】
また、21日には北八甲田薬師沢(酸ヶ湯温泉から大岳に登る途中)に道迷い防止のため6月に設置されたロープ撤去作業でした。
毎年、十和田八甲田地区パークボランティアの方々が行っています。
【ロープ撤去作業】
この時期にしては穏やかな天気で、岩木山まで見渡せました。
【津軽富士ともいわれる岩木山】
初冠雪の便りも聞かれ、いよいよ長い冬がやってきます。
また、冬期閉鎖の道路も出てきますので、事前に交通情報を確認して下さい。
冬ならではの景色、楽しみを見つけにぜひ十和田八甲田、奥入瀬、十和田湖におこしください。
2018年10月15日十和田八幡平国立公園の今
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
こんにちは。
十和田八幡平国立公園管理事務所の伊藤です。
十和田湖畔のヒメマス漁は10月1日に解禁し、毎日沢山の釣り客で賑わっています。
〈十和田湖畔和井内にある桟橋〉
標高の高い八甲田の山々の紅葉は終盤を迎え、奥入瀬渓流や十和田湖畔がだいぶ色づいてきました。
〈北八甲田雛岳よりのぞむ高田大岳の東斜面〉
〈色づき始めた奥入瀬渓流〉
〈色づき始めた十和田湖外輪山〉
〈10月12日の蔦沼〉
〈蔦沼のコケは青々としています〉
〈蔦沼の小さな紅葉〉
この時期、標高の高い山は雪になることもあります。十和田湖畔や奥入瀬渓流なども、日によっては気温がぐんと下がりますので、防寒対策をしっかりとしておこしください。
訪れる人それぞれの目に、どんな風景が映るのか想像して、わくわくしてきます。
日々の業務の中で出会えた風景を、またお届けしたいと思います。


十和田の伊藤です。
2月最後の週末は、良い天気に恵まれました。十和田湖冬物語も好評のうちに終了して、最終日には、沢山のお客様にお越しいただいたようです。3月1から3日は、「冬のおかわり ほぼ!冬物語」と称するお祭りの後夜祭のようなイベントが行われますので、どうぞおこしください。
https://www.facebook.com/towadakofuyumonogatari/
日本中から毎日届くニュースや新聞記事からも、確実に春が近づいていることを実感できます。
前回「光の春」「音の春」についてお話しましたが、水辺に光りが反射する様子や、流れる水の音、空の青ささえも、厳冬期とは明らかな違いを感じます。
【2月28日早朝の十和田湖畔】
【鏡のような湖面 遠くに櫛ケ峯をのぞむ】
今回は更に「色の春」について考えてみました。
皆さんが「春の色」として思い浮かぶのは、どんな色でしょうか?
私は、雪解けとともに芽吹く新緑の緑、日本の春の代名詞のような桜の桃色、幼い頃から身近にある、タンポポの黄色、などが真っ先に思い浮かびます。
春はあらゆる生命の息吹が溢れだし、活力をくれるように思います。
マンサクが咲き、大好きなカツラの樹に花が咲くと(カツラは葉よりさきに花が咲きます)湖畔の一部が赤く燃えたように見えて、心躍ります。
【カツラの雄花の花芽】
【カツラの雌花の花芽と昨年の球果】
【黄色い顔をのぞかせ始めたマンサクの花芽】
やがて、ブナやナナカマド、ドロノキやハンノキがこぞって芽を出し始めると、山はいっきに賑やかになります。山笑うという言葉のように、私達も自然と笑顔になることでしょう。
【一年中緑色のツルマサキの落枝とリスの足跡】
今朝は北帰行を始めた白鳥の声が上空に響いていました。
「光」「音」「色」の春は十和田湖畔のあちこちに見え隠れしています。