十和田八幡平国立公園 十和田
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2019年09月25日夏の思い出
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
残暑が厳しい日があったり、吹く風がひんやりと冷たい日があったり、季節は巡ってくるものの、
きっと同じように過ぎる年は無いのでしょう。
十和田湖畔で何十年も過ごしている方に聞いても、誰も記憶にないくらいの水位が低い十和田湖です。
7月から8月と業務をこなし、夏の景色を早送りで見ていたような2ヶ月がすぎ、いま9月も終わろうと
しています。
春夏秋冬、素晴らしい風景が広がる十和田湖、八甲田、奥入瀬渓流の夏の景色を日記でお伝え出来なかった
ことを残念に思っていました。
そこで業務の合間に撮った写真で、夏を振り返ってみたいと思います。
【2019/7/23 夏の早朝に見られる十和田湖の雲海】
【2019/8/8 緑濃い奥入瀬渓流 】
【2019/7/4 残雪の八甲田大岳】
【2019/7/4 八甲田 毛無岱湿原】
【2019/7/4 八甲田の可憐な高山植物】
また次にやって来る夏に、こんな風景に出会うことができたらとても幸せなことです。
夏の次は秋、そして冬、けして間違う事無く季節は巡り巡って再びやってくる春と夏。
日本に生まれ育って、この北東北の地で暮らしている中で出会える風景。
かけがえのないこの自然が、いつまでも続いていったらいいですね。
2019年09月09日秋の気配
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
今年の夏は暑さが厳しく屋外の業務には熱中症対策が必須でしたね。気がつくと湖畔から涼しい風が
吹いてくるようになり、やっと過ごしやすい日々となってきました。
夏の間は雨が少なかったので、十和田湖の水位がかなり下がって普段とは違う光景が広がっています。
【恵比寿大黒島まで陸続きになってしまいました】
さて8月に実施されたパークボランティア活動二つをご紹介します。
8月10日は、十和田八甲田地区パークボランティアの皆さんと蔦野鳥の森の歩道整備を行いました。
笹で覆われた歩道の刈り払いを行い、快適に歩けるようになりました。
【雨の中、野鳥の小路の刈り払いをしました】
雨が上がった後の夏の暑い日差しも、ブナ林をクッションにして和らいだようで、気持ちの良い風が
吹き渡っていました。
また、蔦沼は見る角度によって全く違う色を見せてくれます。この日、デッキ付近から見る色は深い緑
でしたが、少し歩道を登って上から沼を見下ろすと、エメラルドグリーンに鮮やかに輝く沼をブナの
木々の間から眺める事ができました。
【蔦沼のデッキから5分ほど歩いた場所からの沼の色】
また、29日は十和田八幡平地区パークボランティア「ヒナザクラ会」の皆さんと、秋田県比内支援学校
かづの校の皆さんと合同で、特定外来植物であるオオハンゴンソウの駆除活動が行われました。
八幡平の外来種駆除活動を通じて、地元に自然の素晴らしさを感じながら、自然保護活動に協力しよう
とする気持ちを高める、ということを目的に行われているものです。
【八幡平スキー場付近での活動】
あっという間に夏も終わり、十和田八幡平国立公園がいっそう賑わうシーズンが訪れます。
【早朝の十和田湖畔宇樽部 10月下旬ころ】
【奥入瀬渓流 10月中旬ころ】
【八幡平大沼 2018年10月中旬】
十和田湖、奥入瀬、八甲田や八幡平が、こんな表情を見せる季節がもうすぐやってきます。
2019年07月19日令和の刻に身をまかせ
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
令和という元号もだいぶ耳に馴染んできましたね。
時は嵐のように過ぎ去り、更に時間の流れは加速していきます。
しかし、流されないように、かつ逆らわないように、流れに乗って生きたいと思う毎日です。
日々の業務中に出会った美しい風景とともに、6月から7月の業務を振り返ってみました。
【6/2八甲田地区パークボランティアの方々が湿原への踏み込み防止のロープを張った】
【6/13 ひめます放流式:数ヶ月間育てた稚魚を十和田湖に放流した】
【6/26 八幡平地区パークボランティアの方々による傾いたベンチの補修】
【6/30八幡平地区パークボランティアの方々による焼山登山道補修】
【7/1岩手山山開きに参加】
【7/2 八幡平市立柏台小学校校外学習での八幡平】
【7/2 ヒナザクラ ワタスゲが満開の八幡平】
【7/4八甲田地区高山植物盗掘防止パトロールに参加 いつまでもここに咲いてほしい】
過ぎ去った時は戻りませんが、花はまた咲き、緑の木々の葉はやがて色づき、地に落ち雪に覆われ、
真白き大地もやがて緑に芽吹く。
そんな繰り返しの中で一瞬だけ見せる光景に、感動できる心を持ち続けたいです。
2019年05月30日春爛漫
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
遠くの山々の雪模様は日に日に形を変え、流れるように皐月の月日は遠ざかっていきました。
五月晴れ、五月雨、五月富士(梅雨の晴れ間に富士山が見えること)五月闇(梅雨で空に雲が多く暗いこと)五月で始まるこれらの言葉の季節は、本来は旧暦の五月(六月から七月初旬)を差しているそうです。
五月雨は、梅雨の長雨を差すそうですが、これからやってくる長雨も、忙しい自分に休んでいいよ、という
空からの贈り物だと思われて、ほっとします。
屋根を打つ雨音、窓を流れる水模様、青葉に滴る水滴、水は生命の源、全てに生命の息吹が吹き込まれる
ような気がします。
【十和田湖畔の生出キャンプ場付近の新緑】
動物も植物も全身で喜びを表しているようで、眺めている自分も幸せな気持ちになります。春爛漫という
言葉がぴったりな季節ですね。
ソメイヨシノもオオヤマザクラもすっかり青葉となりました。ヤエザクラの花びらと、ヤナギの綿毛が、
風にのりはらはらと舞い、太陽の光で輝いている様子も幻想的です。
【十和田湖畔桂浜の桜と夕景】
忙しかった一ヶ月の業務を振り返ってみました。
5月7日は奥入瀬渓流の歩道の危険木点検でした。
【歩道上の危険木を点検する樹木医】
翌日5月8日は、十和田八甲田地区パークボランティアの、蔦沼遊歩道整備作業でした。
【残雪の蔦野鳥の森沼遊歩道を整備する十和田八甲田地区パークボランティア】
15日は、奥入瀬渓流の車道沿いの危険木点検を行いました。
【歩道にかかる危険木に印をつけ、業者が処理します】
そして18日は、同じく十和田八甲田地区パークボランティアの、十和田湖西湖畔自然観察会と
休屋清掃作業が行われました。
【十和田湖西湖畔のカツラの巨木】
28日は、休屋地区を中心に行われる、十和田湖ウォ-ク、十和田湖マラソン、湖水まつりの各実行委員会
が行われました。十和田湖畔にたくさんの人々が訪れ、素敵な風景に出会えることを楽しみにしています。
これからも更に屋外の業務が多くなります。晴れても、雨でも、その一瞬のきらめきを見つけられたら
いいですね。
2019年04月22日奥入瀬隠花帝国展in十和田湖
十和田八幡平国立公園 村田 野人
こんにちは、十和田八幡平国立公園管理事務所の村田です。
今年度最初の企画展の紹介です。十和田ビジターセンターでは、平成31年4月18日(木)から6月16日(日)まで、「奥入瀬隠花帝国展in十和田湖」を開催しています。
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<奥入瀬隠花帝国展in十和田湖>
今回は、NPO法人奥入瀬自然観光資源研究会(以後、「おいけん」)が一昨年、東京のジュンク堂池袋本店で開催し、好評を博した「奥入瀬隠花帝国展」が十和田ビジターセンターによみがえります(陰花植物とは、シダ、コケ、藻類、菌類など、花らしい花を咲かせず、胞子で繁殖する植物の古い呼び名です)。
おいけんは奥入瀬渓流をフィールドとするプロ集団です。奥入瀬渓流は日本のコケの三大聖地の一つ。そのコケの全てを知り尽くしたおいけんがコケも含めた陰花植物の魅力を写真と文章で分かりやすく解説しています。今回の企画展では、その写真や展示物をお借りすることで実現しました。
雨にとっぷりとぬれるコケ観察のベストシーズンを前に、ぜひミクロの神秘に触れてみてください。奥入瀬には何度も行ったことがある方でも、コケなどの目立たない隠花の世界ははじめてのはず。十和田湖にお越しの際はぜひお立ち寄り下さい。
※企画展の詳細はこちら
タイトル:「奥入瀬陰花帝国展in十和田湖」
期 間:平成31年4月18日(木)から6月16日(日)9:00ー16:30
(毎週水曜日は休館。ただし、4月下旬から5月下旬は無休)
会 場:十和田ビジターセンター
(〒018-5501青森県十和田市奥瀬十和田湖畔休屋486)
主 催:十和田ビジターセンター運営協議会
協 力:NPO法人奥入瀬自然観光資源研究会
2019年04月16日なごり雪 その3
十和田八幡平国立公園 管理者
壁のカレンダーは早送りで進んでいるように感じるこの頃、先週9日は季節が逆戻りの朝でした。
出勤途中にある、湖畔のオオヤマザクラは降り続く雪の重さに耐えて、咲く時を夢みているようでした。
10センチ以上積もった雪も、昼には溶けてしまい、その後はそれが夢だったのかと思えるような
日差しが降り注いでいました。
〈9日生出キャンプ場前のオオヤマザクラ〉
〈10日早朝の十和田湖畔〉
ところで、みなさんの中には、十和田湖は青森なのか秋田なのかという疑問を持っている方も
いらっしゃるかもしれません。
答えは、両県にまたがっています。
その証拠をご紹介します。
〈桂浜で湖畔に流れ込む神田川、橋は両国橋〉
十和田湖には、神田川という川が流れ込んでいて、その川が青森県と秋田県の県境です。
かつては青森県側も秋田県側も南部藩であり、1871年(明治4)年に鹿角郡が秋田県に編入された
のちも、湖面上の境界線は確定していませんでした。湖面の境界が確定したのはそこから130年以上
経った2008年で、まだわずか10年しか経っていないのです。現在、青森県6:秋田県4の割合で
湖面上に境界が引かれています。
湖畔を散歩すると、歩いて青森県と秋田県を行き来することができますので、お越しの歳は
ぜひ歩いてみてください。
遊覧船の運航も12日から始まり、いよいよ春の行楽シーズンがやってきました。
〈運行を待つ遊覧船〉
十和田湖畔に向かうバスも20日から運行開始し、また賑やかさが戻ってきますね。
遊覧船時刻表は十和田観光電鉄、バスはJRバスのウェブサイトでご確認ください。
http://www.toutetsu.co.jp/ship.html/
https://www.jrbustohoku.co.jp/route/detail.php?rc=11&r=45/
日によってまだまだ冷え込む日もありますし、湖畔は風が強ければ体感気温はぐっと下がります。
防寒対策をしっかりとして、おこしください。
2019年04月04日なごり雪 その2
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
新元号が発表された4月1日、十和田湖畔は銀世界の朝でした。
新年度の始まりに、今までの良いことも悪いことも真っ白にリセットして、また今日から元気
に歩んで行きなさいという、大自然からのメッセージのように感じました。
ところが、2日から3日と断続的に雪が降り続き、3日の朝はすっかり真冬に逆戻りしたような
風景でした。
〈4/1 恵比寿大黒島〉
〈4/3 朝の管理事務所〉
十和田湖畔で3度目の春を迎えましたが、これからやって来るまばゆい季節に、どんな風景や
出会いが待っているかと心躍ります。
一年間どうそよろしくお願いいたします。
さて、十和田八幡平国立公園の秋田と岩手を繋ぐ八幡平アスピーテラインの開通に向けた除雪作業が
開始され、その除雪作業を公開するイベントが3月23日に行われました。昨年に続いて二回目の公開
です。今年の標高1400m付近の積雪量は5.5メートルで、昨年より1メートルほど少ないようです。
4月15日の開通に向けて、一日600から700メートルづつ進んでいるそうです。開通した暁には、
雪の回廊の中のドライブと同時に、標高の低い場所では新緑が楽しめます。
〈雪の壁の高さを測ったり、記念撮影をしたりしました〉
天気の良かった昨年の除雪公開の様子はアクティブレンジャー日記をご覧ください。
http://tohoku.env.go.jp/blog/2018/04/post_354.html/
また、八甲田地区の冬期通行止めの道路も除雪が進み、4月1日に奥入瀬渓流から酸ヶ湯温泉に
抜ける103号線が開通しました。
当分の間は夜間通行止めが続きますので、情報入手のうえお越し下さるようお願いします。
(青森県内の交通情報は以下ウェブサイトにて公開されています)
〈2017/4/7 笠松峠付近〉
また、3月24日には、十和田八甲田地区パークボランティア春季研修会が行われました。会員
のお一人である針生倖吉氏による講話で、様々な活動の中での体験談、豊富な登山経験からの知恵、
などとても興味深く、役立つ事の多い講話でした。
一年間のパークボランティア活動の報告、反省会も行われ、活発な意見が交わされました。
今年度も十和田八甲田地区のパークボランティア活動どうぞよろしくお願いいたします。
〈針生氏による講話〉
春は、異動される方を見送る寂しさと、赴任される方をお迎えする喜びとが交錯し、心が
揺れ動く季節ですね。
そんな心のページを彩る素晴らしい風景が、十和田八幡平国立公園には満ちあふれている
ことと思います。
2019年03月28日なごり雪
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
木々の芽が膨らみ、モノトーンだった十和田湖の外輪山は、春色の水溶き絵の具を少しだけ
落としたような色合いになってきました。
あちこちに春の兆しを感じ始めていた矢先、やはりやってきたのはどっしりと重い雪でした。
先週末は前が見えないほどの吹雪で、一日吹き荒れた天気でした。
そして今日もまた、冬に逆戻りしたような天気です。
〈3/28 恵比寿大黒島〉
植物も動物も驚いた事でしょう。いつもの事だと気にも止めないのでしょうか?
そんな中で、ずっと観察していた湖畔のマンサクの花がほころんでいました。
可愛らしい黄色の花は、日当たりの良い枝は、太陽の光を受けひらひらと踊っているように
咲いていました。
一方、日陰の多い枝の花は、くるりと縮こまったようになって寒さに耐えているように見えました。
〈日当たりの良い枝の花〉
〈日陰の枝の花〉
地面はまだまだ雪に覆われているところが多いですが、雪の下では春を心待ちにしているお花達が
今か今かとそれぞれの出番を待ちわびていることでしょう。
野の花は誰に褒められる事がなくても、毎年同じ時期に同じ場所に咲きます。
花咲いて、実を結び、また芽を出し、そんなくり返しを延々と続けてきたのでしょう。
私達はそんな自然の中で、歓喜したり、悲しみの涙を流したりすることもあるでしょう。
後に同じ風景に出会って、その時の感情が蘇ったりすることがあるものです。
春は、心躍る季節ですが、新しい門出とともに別れの季節でもあり、少し寂しくもあります。
十和田湖の風景が、皆さんの心に思い出とともに、鮮やかに、温かく、
生き続けることができたらいいですね。
〈マンサクの花越しに見る恵比寿大黒島〉
一年間、十和田八幡平国立公園で私が関わった地域の、四季折々の風景や、日々の業務の様子を
自分なりにお伝えしてきました。
ご覧になった方が少しでも、私達の業務やそこに広がる素晴らしい自然に感心を持っていただけたら
幸いです。
2019年03月07日春の香り
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
三月の声を聞くとともに、慌ただしい空気が流れているように感じます。
十和田湖畔を吹く弥生の風は、時に優しく、時に厳しく、私の背中を後押ししてくれるようで身が引き締まります。
〈3/8 発荷峠より十和田湖をのぞむ〉
旧暦の二月に吹く万物を成長させるめぐみの風を「恵風」と言いますが、湖畔を渡る風は少し前とは違う香りがしていました。
そんな「春の香り」といえば何が上げられるでしょうか?
〈管理事務所前に顔を出したフキノトウ〉
雪解け後に顔を出すフキノトウをはじめとする、タラの芽、コシアブラ、ウド、シドケ(モミジガサ)などの山菜の香り、いち早く咲く梅や桜の花の香り、海沿いでは春が旬のわかめなどの磯の香など、人により思いつくものはそれぞれでしょうか?
それらの香りは、長い冬を耐えた人間の身体の細胞に新鮮な息吹を吹き込んでくれるように思います。
路上の雪も少なくなり、日常生活が楽になってきましたが、油断は禁物です。
必ずといっていいほど、どっかりと重い雪が降る日があるのです。
雪と一言で言っても、太宰治の小説「津軽」によれば、津軽に降る雪の種類は、「こな雪」「つぶ雪」「わた雪」「ざらめ雪」「みず雪」「かた雪」「こほり雪」の7つあるとあります。
それによれば、「こほり雪」とでも言いましょうか。
どっしりと重い雪が積もったと思っていても、あっという間に溶けてしまいます。
そうして、少しずつ春が近づいてくるのです。
日本三大樹氷の一つである八甲田の樹氷は間もなく終盤で、暖かくなると一日で落ちてしまうとのことです。
雪解けとともに、4月から5月にかけて冬期通行止めだった道路の通行規制が解除され、八甲田の山々では春スキーで賑わうシーズンを迎えます。
〈ロープウェー山頂駅〉
〈ロープウェー山頂駅前の風景〉
〈樹氷原より赤倉岳をのぞむ〉
〈赤倉岳山頂より井戸岳、大岳方面〉
八甲田ロープウェーを中心とした八甲田の山々の周辺には広大なゲレンデが広がっており、3月にオープンするコースや、4月にオープンするコースもあり、指導標や誘導ポールが設置されています。しかし、天候が急変したり、視界が悪くなったり、危険箇所も多くありますので、入山には十分な注意が必要です。
また、2018-2019シーズンからは、「Mt.八甲田ローカルルール」が八甲田山岳スキー安全対策協議会により制定されました。(詳細は、八甲田ロープウェーウェブサイトをご覧下さい。)
http://www.hakkoda-ropeway.jp/
〈3/1にオープンした宮様ルートの指導標〉
「恵風」には、君主の恩恵が広く行き渡るのを風にたとえた、という意味もあります。
春の風は皆に万遍なく行き渡り、明るい春が訪れることと思います。
十和田湖の春ももうすぐです。


10月1日、ヒメマス漁が解禁になりました。船釣り、岸釣りの多少の期間の違いはありますが、
7月下旬から岸釣りが禁漁だったヒメマスを釣るために、多くのお客様が訪れていました。
【十和田湖畔和井内の桟橋】
【水位の減った湖畔で釣りを楽しむ人々】
【多くの釣船が出ていた】
ヒメマスは毎年6月に放流する稚魚が3から4年の間湖で暮らし、
産卵のために最後の力を振りしぼり、放流した場所に戻ってきます。
十和田湖増殖漁業協同組合では、遡上してきたヒメマスをオスとメスに分け、
更にメスの中ですぐ採卵できるものを分け、稚魚を育てる準備をします。
成熟していない卵は稚魚になれないということで、お腹の卵の手触りだけでそれを判別していきます。
手袋をはめた手で素早く作業する様子をしばらく見学していましたが、
元気で勢いのいいヒメマスを一匹ずつ手にとり作業するのはとても難しそうでした。
【ヒメマスのオスとメスを分ける作業】
十和田湖といえばヒメマスというくらい、湖とヒメマスは切っても切れない繋がりがありますが、
それも、ヒメマスの養殖事業に生涯尽力した和井内貞行(1858年から1922年)の功績によるものです。
ヒメマス解禁で、十和田湖は秋が加速していくような気がします。
大好きなカツラの樹が、他の樹よりも先に色づいて、辺りが甘い香りが漂っています。
(カツラの葉が黄色くなってくると、砂糖を煮詰めたような甘い香りがします)
【甘い香りを放つカツラのハート型の葉】
【早秋の十和田湖畔に彩りを添えるツリバナ】
色の移ろい、漂う香り、食べ物などなど、十和田湖のいろんな秋を楽しみに来ませんか?