十和田八幡平国立公園 十和田
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2020年03月09日本日の十和田湖
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
いつも様々な言葉を駆使して十和田湖の魅力をお伝えしようと思う私ですが、
言葉を忘れ、頭を空っぽにして、ぼんやり十和田湖を眺めていたい時もあります。
【鏡のような穏やかな湖面】
【モノトーンだった山の色合いが変わりつつあります】
【マンサクは間もなく満開です】
【愛らしいくるくるした花】
日々移り変わる風景の一瞬の輝きに出会うために、出来るだけ長い時間の滞在がおすすめです。
暖かくなるこれからの季節、ゆっくり、まったりとした時間を過ごしに、十和田湖へ来てみませんか?
2020年03月04日開花宣言
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
湖畔を渡る風から、マンサクの花の囁きが聞こえた気がしたのです。
きっと待っているに違いない。
しかし、昨日はどっかりと重い雪が降りました。
モノトーンに逆戻りの十和田湖畔です。
【雪景色の恵比寿大黒島】
カツラは、モノトーンだった外輪山にいち早く春の訪れを知らせてくれる花ですが、
私がそれと同じくらい開花を心待ちにしているマンサクの花が微笑んでいました。
十和田湖畔の一番花です。
【微笑むマンサクの枝にとけた雪が凍り付いている】
信州地方では、寒のうちに花が咲くので「トキシラズ」とも呼ばれています。
秋田には「まんさくの花」という銘酒もありますね。
愛飲しているクロモジ茶のクロモジの花芽も、マンサクの側でそっと春を待っているようでした。
(クロモジ茶にするのはもちろん国立公園外で採取したものです。)
【クロモジの尖った葉芽(葉が出る芽)と丸い花芽(花が咲く芽)と綿毛で守られている枝】
クロモジ茶は地域により「ふくぎ茶」とも呼ばれ、飲めば幸せになれるといわれるそうです。
枝や樹皮からとれる「烏樟(ウショウ)」「釣楠(チョウショウ)」と呼ばれる生薬は薬用酒に使われます。
和菓子に添える高級爪楊枝の材料でも有名ですね。
千葉県の伝統工芸品で「雨城楊枝」というものもあります。
大地は雪に覆われ、時折吹雪いたりすることもある弥生の空ですが、木々はほころび、
白鳥の北帰行の声が響きわたり、近づく春を感じます。
五感で春を感じる十和田湖畔です。
【御前ヶ浜のヤナギ】
【御前ヶ浜からのぞむ兜島、鎧島、鉛山と大川岱方面】
2020年02月18日【開催報告】企画展連携トークショー「ナザレ修女会と十和田湖」
十和田八幡平国立公園 村田 野人
こんにちは、十和田八幡平国立公園管理事務所の村田です。
今回は十和田ビジターセンターで開催中の企画展の連携イベントとして行ったトークショーの様子を紹介します。
現在、十和田ビジターセンターでは、令和2年2月23日(日)まで、「企画展「修女たちの夏休み」in十和田湖」と題して約90年前に十和田湖を訪れた英国の修女がスケッチブックに描き残した水彩画を展示しています。十和田湖の名所や湖畔に今もあるゆかりの礼拝堂(現存は2代目)など、のどかな大正時代の風景をごらんいただけます。十和田湖にお越しの際はぜひお立ち寄り下さい。
トークショーは企画展にもスケッチブックを貸していただくなど大変お世話になっている宗教法人日本聖公会ナザレ修女会の協力の下行われました。
まず、ナザレ修女会副霊母の三澤美代志修女から水彩画を描いたシスターについての情報、湖畔の民宿に残されていたスケッチブックの発見から水彩画集『修女たちの夏休み1920ー1940』の出版、企画展までの経緯をお話いただきました。その後、当方から開催中の企画展の意図や内容について説明したのち、日本聖公会東北教区の小野俊作司祭より第二次世界大戦前に鉛山礼拝堂に掲げられていた天使の絵が行方不明になったこと、沖縄での再発見、2代目礼拝堂への設置までのお話を聞きました。会場には、沖縄で再発見された天使の絵を発送するのに携わった方、天使の絵が再設置された2代目礼拝堂での結婚式をコーディネイトした方、諸々の事情により親類をナザレ修女会に預け育ててもらった方など様々な参加者の方がいらしていて、それぞれの思い出が語られました。会場から多くの発言があり、盛況のうちにトークショーは終了しました。トークショーをきっかけとして多くの方に、英国の修女が訪れていた歴史やひいては十和田湖とのつながりを再確認していただけたのではないかと思います。
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<企画展「修女たちの夏休み」in十和田湖ポスター>
※企画展の詳細はこちら
タイトル:企画展「修女たちの夏休み」in十和田湖
期 間:開催中ー令和2年2月23日(日)9:00ー16:30
(毎週水曜日は休館。)
会 場:十和田ビジターセンター
(〒018-5501青森県十和田市奥瀬十和田湖畔休屋486)
主 催:十和田ビジターセンター運営協議会
協 力:宗教法人 日本聖公会 ナザレ修女会
2020年02月07日冬ですが春さがし
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
立春も過ぎたというのに、今期最強の寒波がやってきました。
【毎日違う表情の恵比寿大黒島:流氷のような小さな蓮氷が見られる】
この寒さに耐えながら春を待っているだろう、マンサクの花を見に行ってみました。
【じっと春を待つマンサクの花:丸いのが花、先端のとがっているのは葉】
この時期の十和田湖畔の散策は長靴をはいていても、踏み抜くと雪が入って冷たくなりますので、できればスノーシュー(西洋かんじき)やワカン(樹木の枝などを輪にして作ったかんじき)があると、快適にどこまででも歩いて行けます。
【スノーシューとワカン(かんじき) 】
スノーシューは深い雪や平坦な道は得意ですが、トラバース(雪の斜面を横切ること)や急登には弱いので、急峻な斜面にはワカン(かんじき)がおすすめです。ワカンはスノーシューより軽くて大きさも小さいので、スピードを要する山岳救助帯などはワカンを多用すると言われます。山で狩猟をするマタギの人達もワカンですね。ワカンは素材も紐の結び方も様々です。私のワカンは、アブラチャン(春に黄色の花をさかせる)の枝にケヤキの爪を、クルミの樹皮で巻いて仕上げてあります。それぞれの樹木の特性を生かして作られているのでしょう。紐の結び方は、脱げない結び方、すぐに脱げる結び方など、興味の有る方は調べてみてください。どちらにしても湖畔は雪が積もっていて、雪の下が水ということもありますので、十分気をつけて散策してください。
十和田ビジターセンターではスノーシューの貸し出しも行っています。
【十和田ビジターセンターで貸し出しています】
スノーシューで湖畔を散策したあと、二階の展望室で移りゆく季節を眺めるのもいいかもしれません。
【十和田ビジターセンターの二階の展望室 望遠鏡も備えてあります】
十和田湖畔を歩いていると、大好きなカツラの花芽ももうこんなに成長していました。
【かわいらしいカツラの雌花】
先日出かけた白神山地の森では蕗の薹(フキノトウ)を見つけました。
確実に季節は春へ向かっています。
季節の狭間で、ふと見せる大自然の息吹を十和田湖で感じてみてください。
【晴れた日の穏やかな湖畔】
2020年01月20日十和田湖冬物語始まります
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
前回、十和田湖が氷り始めたとお伝えしたものの、連日の暖かさですっかり
溶けてしまいました。刻々と風景が変わる十和田湖です。
先日、真っ白い雪の上に動物達の熾烈な生存競争の痕跡がありました。
【キツネに襲われたと思われる水鳥の残骸】
さて、日照時間の短い今の季節に、私は毎朝二度の日の出を拝む事ができます。
住まいのある標高130mの鹿角市から、標高600mの発荷峠を越えて、標高400mの十和田湖への通勤は、
家を出るときはまだ太陽は山の陰です。
十和田湖に向かうにつれ明るくなり、途中で外輪山の東から太陽が顔をのぞかせます。
【発荷峠付近で外輪山から登る朝日】
ところが、外輪山の中に入ると再び太陽は姿を隠し、管理事務所に着いても太陽はまだ隠れたままです。
ペレットストーブに火を入れてしばらくすると、木立の間からまばゆい太陽が顔をのぞかせます。
寒さが厳しいこの時期ですが、晴れた日はとても幸せな気持ちで車を走らせます。
しかしそんな日ばかりではなく、前も後ろも天地さえもわからない吹雪の日は、奈落の底に
落ちていくような感覚に陥ります。
すべて引っくるめた十和田湖の風景がとても大好きです。
そんな十和田湖畔の冬の大きなイベントである「十和田湖冬物語2020」が1月24日から始まります
雪が少ない中、陸上自衛隊八戸駐屯地の皆さん他関係各者による会場設営が大詰めを迎えています。
【メインステージの作成中】
【付近の雪を集めています】
【かまくらバーの作成中】
今年は、土日祝日に津軽三味線の演奏が予定されているようで、とても楽しみです。
期間中は毎日20時より冬花火が打ち上げられ、会場は幻想的な光景に包まれます。
http://www.city.towada.lg.jp/docs/2016010800064/
湖畔には。しぶき氷も出来はじめていて、太陽を浴びてキラキラ輝く風景も素敵です。
【湖畔のあちこちで見られる しぶき氷】
冬の十和田湖畔の楽しみはいっぱいあります。是非とも湖畔に宿泊して、昼も夜も
ゆっくり楽しんでいただきたいものです。
2020年01月10日新年のご挨拶
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
新しき 年の始めの 初春の 今日降る雪の いや重け吉事
(あたらしき としのはじめの はつはるの きょうふるゆきの いやしけよごと)
大友 家持
【湖が凍り始めました】
令和も二年めとなりました。令和という元号が万葉集を引用していると言うことですが、
万葉集の最後に、新春に相応しい和歌がありました。
降り積もる雪のように、たくさんの良いことが皆様の周りで重なってくれ、との願いを込めた歌です。
そんな願いを込めながら初詣で引いたお神籤がなんと「大々吉」
後日調べたら、日本の神社で11箇所しか無いそうです。(残念ながら十和田神社ではありません)
本年も皆様にとって幸多き一年である事を祈ります。
【間もなく始まる冬物語】
冬の楽しみ方は様々ですが、この時期ならではのアニマルトラッキング(野生動物の足跡)の紹介です。
赤:キツネ 青:ウサギ
【右手の奥木の手前を歩いていたウサギが、キツネと鉢合わせ追いかけられ左手に逃げたと想像】
この寒い中で繰り広げられるドラマを思い浮かべながらの散策も楽しいものです。
寒さ対策をしっかりした上で、冬の十和田湖を楽しんで下さい。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
【湖畔より櫛ヶ峰をのぞむ】
遙かなる 白き峰より 吹く風よ 皆の幸い 乗せつ吹け 詠み人 阿弥(いとうあけみ)
2019年12月25日令和の風
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
降雪が少ない日々が続く、令和元年の年の瀬です。
今年は雨も少ない一年でしたが、そんな影響は自然界でどう作用するのでしょうか?
夏の間歩いて行けた恵比寿大黒島の前に、水量が増えて小さな湖が出来ていました。
【12月中旬頃の恵比寿大黒島】
先日、管理事務所の玄関ではない場所からコンコンと音がしました。
誰か用事があって壁をたたいていると思って音のする方の窓から外をのぞくと、
アオゲラが壁をつついていました。私に気付いたようで慌てて飛び去って行きました。
アオゲラは一年中事務所の付近にいて、近くの木をドラミングしているのが見られますが、
事務所の壁もその標的になっていたようです。
【夏のある日、事務所前の桐の木をつつくアオゲラ】
雪の少ない湖畔を歩いているとミズナラの実は昨年の半分も無く、ブナに至っては皆無です。
東北森林管理局の調査によると、北東北の今年のブナの実は、福島県以外は大凶作とのことです。
そんな事が、ツキノワグマの出没回数を増やしているのでしょうか?
私自身の通勤途中のツキノワグマの遭遇回数は3回でした。
また、昨年から冬になると毎日のように野生のキツネが現れ、車に近づいて餌をねだるような仕草をします。人間に餌付けされた野生動物は、やがて自分で餌を獲れなくなり、
人間に依存し車に近寄る事で、交通事故で命を落とすこともあるようです。
かわいいと思っても食べ物を与えないことが、結局は動物の為ですので、
見かけても絶対に食べ物を与えないようにお願いします。
【発荷峠に出没するキツネ】
野生動物は、生きていくことに必死です。
湖畔では、ナナカマドやヤドリギの実が鳥に食べられることなく大量に落ちていましたが
どんな理由があるのか思いをめぐらしてみます。冬でも風の無い日はゆっくり湖畔散歩もいいものです。
(風があると体感気温はぐっと下がりますので、ご注意ください。)
【今年のどんぐりは昨年の半分もありません】
そんなこんなしているうちに再び十和田湖は雪景色に戻りました。
【ハートの形に見えると言われる紫明亭展望台よりの十和田湖】
様々な思いを抱きながら令和の風に吹かれ過ごした一年が終わろうとしています。
どんな風が吹こうとも、あるときは風に乗り、あるときは風に耐え、
令和2年目も前に進んでまいりましょう。
今年も私の拙い文章と写真に目を通して下さり感謝申し上げます。
良きお年をお迎えください。
2019年12月18日師走の風景と写真展のお知らせ
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
晩秋の風景をみなさんお伝えしようと思っていたところでしたが、
あっという間に白い訪問者がやってきて、周囲の山々に雪化粧をしてしまいました。
【早朝の十和田湖畔和井内】
【十和田湖畔生出】
十和田湖畔で三度目の冬になりましたが、来年の今頃はどこでどうしているのだろうと、
少しセンチメンタルな気持ちになるのは季節柄でしょうか?
冬は渡り鳥が多く見られる季節です。
昨年は、大好きなキレンジャク、ヒレンジャクが少ししか見られませんでした。
りりしい顔がたまらなくかわいいのです。今年は、ちらほら見かけることがあります。
管理事務所の窓から見える、ナナカマドの樹に残っている赤い実と黄色のヤドリギの実の上に
雪が降り積もって行く様子は、私の好きな風景です。
【事務所の窓から見えるナナカマドにやってくるキレンジャク】
大群でやってきてヤドリギの実を食し、一斉に飛び立つ姿を見た時は、言葉がありませんでした。
長く厳しい冬ですが、楽しみな事もたくさんあります。
奥入瀬渓流の滝が凍りつきます。
【2月中旬頃の奥入瀬渓流】
また、今回で22回目になる「十和田湖冬物語」が期間を早めて1/24から2/24に実施するとのことです。
【十和田湖冬物語2019 メインゲート】
美しい風景と対峙するとき、言葉が出てくる時もあれば、言葉が見つからない時もあります。
寒いだけでなく、美しい北東北の風景にぜひ会いに来てください。
また、十和田八幡平国立公園管内5人のアクティブレンジャーが業務中に撮影した写真を展示した
「十和田八幡平国立公園写真展」を、国立公園関係市町にて開催しています。
今後は、以下の会場にて開催予定です。
12月4日から12月24日:滝沢市:ビッグルーフ滝沢
1月4日から1月27日:鹿角市:十和田図書館
http://www.kazuno-library.jp/shisetsu/shisetsu_towada
お近くにお越しの際には、ぜひお立ち寄り下さいますようよろしくお願いいたします。
2019年10月11日秋の気配
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
令和という年号に変わり半年がすぎ、2019年も残り3ヶ月をきりました。
近隣の山の初冠雪の便りも聞こえてくる季節ですが、スキーをするのが楽しみな私は
今年の雪の量はどうだろうとワクワクしています。
十和田湖は相変わらず水位が低い状態が続いています。
【十和田湖畔にある大畳石】
南八甲田の麓に位置する蔦野鳥の森が、一年で一番賑わう季節がすぐそこまで来ています。
蔦野鳥の森は、赤倉岳の山体崩壊によってできた場所に、堰止湖と人造湖が7つ点在し、
そのうち6つをめぐる約3キロの遊歩道が整備されています。
ブナをはじめとする樹木、様々な植物やコケ、野鳥を観察しながら、
豊かな森を観察できる素晴らしい場所です。新緑の時期も美しいのですが、最も人々の心を魅了する季節が
やはり紅葉の季節なのでしょう。
【穏やかな蔦沼】
十和田八甲田地区パークボランティアの皆さんは、一年を通してここの歩道の整備に関わって
くださっています。今年度は10月10日で三度目の歩道整備でした。
【歩道にかかった倒木の処理】
【菅沼】
紅葉した蔦沼が日の出の一瞬の時間だけ、朝日を浴びて燃えるように赤く染まる様子は、
死ぬまでに一度は見たい絶景とうたわれたほどです。ただ、いつ行っても必ず見られるわけではなく、
季節や天気、時間などの様々な条件が揃った時のみ見ることができます。また、付近の道路や駐車場は混雑が予想されるばかりではなく、期間と時間は限定ですが、今年から交通規制も実施されることになりました。
十分な情報収集のうえお越しくださるようお願いいたします。
http://www.city.towada.lg.jp/docs/2019091200020/
歩道整備の後に、蔦七沼の一つである赤沼まで足をのばしてみました。
紅葉のピークまではまだまだでしたが、綠の上に少しだけ赤や黄色の絵の具を落としたような
色合いの森はまた趣があり、長い時間見入ってしまいました。訪れる人も少なく静かな森と沼に囲まれて
ゆったりとする時間は、日々の忙しさなどを忘れて、リフレッシュする時間となるのではないでしょうか?
【秘境のような赤沼は極めて透明度が高い】
蔦沼や八甲田を散策される際は、十和田八甲田地区パークボランティアの皆さんが、歩道整備にご協力いただいている事を頭の片隅に置いていただけたら幸いです。


令和元年度も間もなく終わろうとしている十和田湖畔。
吹雪く日もあり、うららかな日もあり、波瀾万丈の人生ドラマを見ているようです。
春の兆しとともに、別れもあり、新たな出会いもあり、3月は様々な想いが交錯する時です。
【風が無く穏やかな早朝の発荷峠から南八甲田をのぞむ3/27】
【穏やかな月夜の十和田湖3/9】
【吹雪の十和田湖3/16】
デデッポー デデッポッポーと林の中から声がします。
キジバトでしょう。初鳴きなのかどうか、今年に入り初めて耳にしました。
ハトは餌の見つけやすい暖かい場所で生活しているのか、冬の間は十和田湖畔で声を
聞くことはありませんでした。
湖畔で樹木調査をしていたら、まだ雪の残る湖畔にウサギの足跡がありました。
ウサギにも利き手(足)があるらしいことを最近教わりました。
【湖畔のウサギの足跡 前足のついている位置を良くご覧ください】
萼片が赤いマンサクは満開を過ぎましたが、赤くない種類の花がまだ咲いています。
一般的に早春に咲く花は、花粉媒体であるハエやハナアブが少ないので花期が長く、
マンサクは赤い部分が肉を連想させるように出来ているそうです。
確かにかすかに肉桂の香りがします。
赤い部分がないマンサクは他のマンサクよりも遅い開花や、長い花期で対抗しないと
結実することが出来ないのでしょう。
【萼片が黄色いマンサク3/25】
【萼片が赤いマンサク3/16】
春を感じるのは、その空気感だったり、春紅葉に染まる山の色合いだったり、鳥の声だったり、
自然の中にいると五感をフルに刺激されます。山菜も春の香り満載です。
十和田湖畔にもフキノトウが顔を出し始めました。
【雄花でしょう】
マンサクの次に春の色を披露してくれるカツラの開花も待ち遠しいです。
あらゆる生命が輝き始める早春の十和田湖畔の様子を、お届けするのがますます楽しみな季節の到来です。