ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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仙台

257件の記事があります。

2018年05月23日エコパル化女沼の皆さん、おめでとうございます。

仙台 鎌田 和子

こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。

あっという間に、愛鳥週間は終りましたが、今、あちこちでヒナの声や、せっせとエサを運ぶ親鳥の姿を見ることができます。その愛鳥週間につながる話題です。

この度、第72回愛鳥週間平成30年度野生生物保護功労者表彰において、特定非営利活動法人エコパル化女沼の皆様の活動に、「公益財団法人日本鳥類保護連盟会長感謝状」が授与されました。

今年登録10周年を迎える化女沼ラムサール条約湿地をフィールドに、エコパル化女沼の皆さんは、「里地里山探検隊」といったホタルの観察会や山菜・野草採り等の様々な自然体験活動を活かして子どもたちの心を育む活動、また外来魚の駆除活動など、生態系保全にも貢献されている宮城県大崎市にある団体です。

そこで、いつも活動の拠点となっている化女沼観光資料館にお集まりいただき、東北地方環境事務所長の小沢より、感謝状の贈呈を行いました。みんなで記念撮影です。

 

 

感謝状をお持ちの木村理事長、小沢所長(中央)、高橋副理事長(左)、理事の皆さんたちです。

皆さんの笑顔、素敵でしょ。

大崎市役所からも祝福に駆けつけていただきました。

いつも化女沼での活動では、子どもたちの笑顔と歓声、エコパル化女沼の皆さんの笑顔があります。

これからもご活躍いただき、参加されている子どもたちやそのお父さん、お母さんたちの中から、化女沼を大切にしたいという気持ちとともに、将来の担い手が誕生したら素敵だなと思いました。

あらためて授賞おめでとうございます。

 

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2017年12月19日仙台市八木山動物公園で写真展開催します。

仙台 鎌田 和子

こんにちは。

仙台自然保護官事務所の鎌田です。

今日は写真展開催のお知らせです。

東北のアクティブレンジャーが国立公園、世界遺産、鳥獣保護区などで撮影したおすすめ風景、出合った野生動物をこの4月から各地で写真展を開催してきておりましたが、仙台市でも今日から開催いたします。

会場は、仙台市八木山動物公園のビジターセンターです。今年春からネーミングライツ導入でセルコホームズーパラダイス八木山の看板がお出迎えします。

開催期間は、12月19日から1月31日までです。

 

 

 

写真展では、国立公園の魅力と共に、私たちアクティブレンジャーの仕事も紹介しています。

動物園にお出かけの際は、ぜひご覧ください。

 

予告:1月27日に八木山動物公園のふれあい館で、共催イベントを企画中です。案内は1月上旬に行います。

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2017年08月30日伊豆沼・内沼で最新機器開発

仙台 鎌田 和子

こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。

8月29日、伊豆沼・内沼自然再生協議会及びラムサールトライアングル関係者の現地視察会が開催されましたので、紹介いたします。

内容は「ロボットやネットワークカメラ、ドローンを活用した湿地生態系の監視・管理システムの構築」と題して、研究開発しているロボット等の公開デモンストレーションです。

 

①ハス刈りロボット(東京大学大学院農学生命科学研究科)

 

このロボットは、無人でGPSにより指定した場所のハスやヒシなどの水生植物をバリカン状のカッターを装着し水草刈りをして、指定した場所までちゃんと帰ってきます。まるで自走式の掃除機のようです。大きさは軽トラの荷台に積載できるそうです。

  

 

②水鳥モニタリングシステムにおけるドローンの活用(酪農学園大学)

 

マガンがねぐら入り後の残照時に短時間で撮影することができるそうです。上空100mから150mの高さから、高感度カメラで撮影しAI処理によって、マガンの羽数の自動カウントも行うことができ、水鳥の生息数の推移把握、沼の植生やハス刈りなどに活用することができそうです。

 

 ③マガン・トンボ・水中の遠隔・自動モニタリングシステム

              (北海道大学大学院農学研究院生態環境物理学研究室)

 

 沼に設置することで、マガンの飛び立ち、ねぐら入りの羽数について撮影、自動カウントができ、220度までの角度で撮影可能だそうです。カメラは、トンボ用、水中用と3種を開発中です。丸いドーム型のカメラ(写真)には、ワイパー兼日よけが装備され、汚れをふき取り、いつでもクリアな状態で撮影ができるそうです。

 

これら3つの研究開発は、環境省の補助で、東京大学大学院農学生命科学研究科、酪農学園大学、北海道大学大学院農学研究院生態環境物理学研究室、宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団と共同で研究開発が進められています。

 

出席した伊豆沼・内沼自然再生協議会や宮城県北部にある3つのラムサール条約湿地の関係者の方々は興味津々に視察しました。全国には、同じような悩みを抱えた湖沼、渡り鳥が多く集まる湖沼があります。人手不足や調査困難な場所などそれぞれの地域の問題が解決できるかもしれない研究開発が進んでいることを知ってもらう絶好の機会となりました。まだまだ、課題があると思いますが、「願うと叶う」そんな研究開発された最新機器を見ることができました。

そして、研究者のみなさんの目が輝き、ワクワクしている感じが印象的でした。

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2017年06月09日草刈り日和

仙台 鎌田 和子

こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。

6月に入り、梅雨入りがいつなのだろうか天気予報を気にしながら、鳥獣保護区の区域を示す制札の管理を行っています。先日、伊豆沼鳥獣保護区の制札の回りの草刈りを行ってきました。

 

 鳥獣保護区内の制札は写真のような、赤い角柱制札に鳥獣保護区、特別保護地区を示し、道路沿いや、分岐のところなどに立っています。6月から10月に定期的に草刈りを行い、制札が草やつる性植物に覆われて見えなくならないようにしています。

 

この日、うれしかった一つを紹介します。

 

伊豆沼・内沼の南側で草刈りをしていて、視界に入ってくるのが栗駒山です。空を駆けているかのように見える馬がハッキリと見えました。山の左手に見える雪形です。この山の由来の一つになっている雪形です。栗駒山は、宮城県、岩手県、秋田県の3つにまたがる山です。

栗駒山は、高山植物に面会に出かける山の一つですが、この日は、草刈りで腰をかがめてることが多く、見上げる先に駒が駆けている姿が見え、雪形に励まされた気分で過ごすことができました。

 

間もなく、雪形も消えることでしょうが、晴れた日に雪形を探して、お出かけしてみてはいかがでしょうか。

 

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2017年05月31日第71回愛鳥週間「全国野鳥保護のつどい」で受賞

仙台 鎌田 和子

こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。

今日は、うれしい報告です。

5月14日に静岡県内で開催されました「全国野鳥保護のつどい」で、宮城県から「公益財団 宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団」が野生生物保護で貢献が認められ、環境大臣賞を受賞されました。おめでとうございます。

その喜びを携えて本日、「公益財団宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団」の菊地理事長、白岩事務局長のお二人が受賞報告にいらっしゃいました。

 

  写真左から、坂川所長、菊地理事長、白岩事務局長です。

 

今シーズンも日記に紹介しました「バス・バスターズ始動」でも外来魚駆除方法確立を伊豆沼方式として全国に注目されていることを取り上げましたが、伊豆沼・内沼ラムサール条約湿地に登録された当初から、自然再生に取り組まれてきています。そして、全国有数のガン・カモ類、オオハクチョウなど冬の渡り鳥の飛来地を見守ってきています。

今回の受賞にあたって、菊地理事長は、バス・バスターズの開会式で、宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団が受賞したことは、地元のみなさんやボランティアでこの沼にかかわる多くの人々の尽力が評価されたのだとおっしゃっておりました。

 

伊豆沼・内沼に地元の方々や環境保全、保護、愛鳥家を引きつける魅力を持った研究員の皆様がいてこそのことと、思っています。

現在、沼周辺では、オオヨシキリやケリなど、愛鳥週間は過ぎましたが子育ての真っ最中です。これからの伊豆沼・内沼では、数多くのトンボの観察ができたり、夏には、アサザやガガブタ、ハスなどの水生植物の観察もできます。宮城県伊豆沼・内沼サンクチュアリセンター(宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団)では沼に関する展示が沢山あります。ぜひ、お立ち寄りくださいませ。

 

 

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2017年05月22日バス・バスターズ始動

仙台 鎌田 和子

こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。

今年もこの季節がやってきました。「伊豆沼・内沼ゼニタナゴ復元プロジェクト」バス・バスターズが始まりました。

 

バス・バスターズは、伊豆沼・内沼の在来生物を脅かす存在である、ブラックバスやブルーギルを、ボランティアが集まって、人工産卵床に産み付けられた卵や、稚魚を三角網で掬うという地道な作業で駆除しています。

 

 

人工産卵床を引き上げ、産卵していないか確認中。

 

 

三角網で、稚魚掬いをしています。今回は、ブルーギルの稚魚が多く、三角網でヨシの繁みを挟み撃ちをすると、ブルーギルが網の中に入ってきます。多いといいながら、網に入る数は1度に1匹から10匹程度、これは昨年生まれた稚魚、大群での行動からバラバラでの行動になっているので、丁寧に探さなければ、網に入りません。

 

みんなで掬ったブルーギルの稚魚です。(体長約4cm)

 

 

こちらの人工産卵床では、オオクチバスの産卵が確認されました。人工産卵床に敷き詰められた石が回りに寄せられ、中央部のメッシュ状の処に産卵してあります。二段式の産卵床の上部と下部に卵が見られました。産卵の確認はこの1基、開始当初からすれば本当に少なくなりました。今シーズンも、設置してある産卵床は100基、一つ一つ確認しています。これからも、卵、仔魚、稚魚、成魚段階に合わせた駆除活動が行われます。

 

 参加してみたい方は、(公財)宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団のホームページから下記をご覧いただき、参加者登録を行ってご参加ください。

 http://izunuma.org/2_3.html

 

参加は1回でもよいそうです。また毎回参加していると、ガガブタやアサザなどの水生植物の生育、イトトンボなど、季節の移ろいを感じることもできます。

 

ワンポイント:人工産卵床を使用して、オオクチバスを駆除する方法は「伊豆沼方式」と呼ばれ、全国から注目されています。オオクチバスは、尾びれで産卵する場所を整地して産卵し、親バスはその卵を守ります。その習性を活かした駆除方法です。

 

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2017年04月27日冬鳥 まだ、います。

仙台 鎌田 和子

こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。

伊豆沼では、毎年、2月中旬からマガンはどんどん北帰行し、「そして誰もいなくなった。」となるはずなのです。

 

 昨日の伊豆沼周辺の水田の光景です。マガンの群れです。間もなく5月になろうとしているこの季節に、600羽~700羽が田んぼに集まっています。今頃は、伊豆沼など宮城県北部で越冬したマガンたちは、北海道の宮島沼で過ごしているはずで、5月になるとさらに北へ旅立つ予定です。

 

約18万羽が越冬するので、一斉に飛び立ったとしても、親とはぐれる幼鳥は毎年出ています。はぐれた幼鳥を引率する成鳥もおり、気が付くと、「あれっ、いなくなったね。」となり無事に北帰行するはず、それは、遅くとも4月中旬位までと思っていました。ところが、4月下旬になっても、600~700羽がまだいるのです。

 

先週より増えているので、びっくりしたのです。考えてみると、あちこちに散らばっていた小グループが伊豆沼に集結し、成鳥のマガンが北帰行の促しをして、本当に旅立つ寸前なのかもしれません。

 

 こちらは、田んぼに水を入れだしています。その中にも、マガンがいます。数えると15羽が休んだり、餌を探したりしています。こちらは、北帰行ができないかもしれないグループ、羽根をけがしたか、私たちには見えない傷があるのかもしれません。家族愛の強いマガンは、飛べないマガンに家族が寄り添っているかもしれません。ここで心配なのは、農家さんの田植えの邪魔をするのではないか、心配の種です。

 

  

 

このオオハクチョウは、人が近づいても逃げない個体、一般の方々に気にかけてもらっているようです。自力で泳ぐことができるので、水辺を移動しながら、餌を食べ暮らしています。田植えが始まると、田んぼに出かけて、苗を踏むのではないか、農家さんに迷惑をかけないか心配です。

 

様々な理由を持って、冬鳥がまだいます。

今期冬鳥シーズンは、鳥インフルエンザの発生が多発したことから、宮城県北部の越冬地では、ハラハラドキドキして見守ってきました。その分、冬の伊豆沼、蕪栗沼・周辺水田、化女沼の様子を十分にお伝えできなかったなと冬を振り返り、春からは、もう少し鳥獣保護区の情報をお伝えできたらと思っております。

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2017年04月25日避難の丘

仙台 鎌田 和子

こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。

震災後、国指定仙台海浜鳥獣保護区を巡視している中で、いざという時のために確認しているところがあります。もし万が一、現場で津波警報を受信したとき、どこに逃げるかです。仙台市では、津波被害の有ったところに、数か所、避難タワーが建設されています。さらに海に近いところには、「避難の丘」が出来上がっています。

 

 

 

 仙台市若林区荒浜の避難の丘です。遠くの山々も見えます。傍にはパークゴルフ場ができ、楽しまれる方が多くなってきています。

 

 

こちらは、井土浦特別保護地区に隣接している避難の丘です。登ると見晴らしがよく名取市閖上地区からぐるっと見渡すことができます。

 

 

こちらは、震災遺構として保存される「旧荒浜小学校」(仙台市若林区)です。4月30日から、一般公開される予定です。ここもいざという時は、避難できる場所となります。

 

もう起きないだろう、起きないでほしいという気持ちはありますが、海辺にお出かけの際は、いざという時のために登って確認してみてください。逃げる時には、意外と時間がかかります。

 

仙台海浜では、皆さまにシギチドリ類を紹介することがありますが、楽しむための確認事項でした。

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2017年04月21日蕪栗沼の春

仙台 鎌田 和子

こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。

今日は、国指定蕪栗沼・周辺水田鳥獣保護区の蕪栗沼の様子をお伝えいたします。

3月12日に蕪栗沼では、野火が実施されました。野火と聞くと、みなさんには、原野火災、火事を想像するかもしれませんが、蕪栗沼では、湿地の陸地化を防ぐための火入れです。多く人々によって安全に野火が実施されています。

 

  

 

  

写真は、今年の野火、勢いよく枯れヨシが燃え上がりました。時折、ウグイスがホケ、ホケキョと発声練習の声が聞こえてきます。そしてまだ残っていたマガンが上空からヨシの燃え具合を監視していました。

 

 

 4月20日の蕪栗沼の様子、焼け野原が少し緑に変化してきました。ヨシが芽を出し始めています。数日前の雨で湿地が広がって見えるようです。上空を飛び交うのは、ツバメです。ウグイスの囀りはすっかり上手になり、沼に響き渡っています。

 

 

お花畑も紹介しましょう。蕪栗沼に通じる道端には優しいピンクの花が、ハマダイコンです。ダイコンの花にそっくりです。咲きはじめでしたので、これからしばらくはピンクのお花畑を蕪栗沼周辺で観察することができますよ。

 

ゴールデンウイークも近づいてきました。これからの季節は夏鳥が、東北各地で観察されるようになります。新緑が深緑に変わるまでの期間は、野鳥観察に適しています。この春から、何かチャレンジしてみたいと考えている方、ぜひ、バードウォッチングを始めてみませんか。

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2017年04月04日春の恒例!新メンバー紹介

仙台 鎌田 和子

こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。

ウグイス、カワラヒワ、シジュウカラ、ヤマガラ・・・・様々な鳥たちの声が春を告げるようになりました。

そして、東北地方環境事務所の自然保護官事務所に新たな仲間が入りましたのでご紹介いたします。

 

  

写真上段左から、鳥海南麓自然保護官事務所の希少種保護増殖等専門員の長船裕紀さん、十和田八幡平国立公園管理事務所鹿角管理官事務所の齊藤航来さん、裏磐梯自然保護官事務所の楊寛明さん、十和田八幡平国立公園管理事務所の村田野人さん、下段左から、西目屋自然保護官事務所の佐々木春佳さん、羽黒自然保護官事務所の澁谷満紀さん、十和田八幡平国立公園管理事務所の伊藤あけみさん、以上7名が辞令をいただきまして本日より各事務所に配属になっております。

これから各地でレンジャーの制服姿で活躍していきますので、どうぞ、温かく見守っていただき、お声がけよろしくお願いいたします。

 

今回の紹介で、事務所名がこの4月から変更になったところがありますのでお知らせいたします。

十和田自然保護官事務所 → 十和田八幡平国立公園管理事務所

鹿角自然保護官事務所 → 十和田八幡平国立公園管理事務所 鹿角管理官事務所

盛岡自然保護官事務所 → 十和田八幡平国立公園管理事務所 盛岡管理官事務所

アクティブレンジャーに変わりはありませんので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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