ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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三陸復興国立公園

200件の記事があります。

2022年02月10日国立公園クイズにチャレンジ

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

もうチャレンジされましたか?

↓↓↓↓

国立公園クイズ・チャレンジ

おうち時間で日本全国の国立公園をのぞけます

自分の実力を試せます

行ってみたい場所が見つかります

まだの方は是非チャレンジしてみてください。

中でもクイズ王で知られる伊沢さん率いるQuizKnockが

挑戦している「国立公園全部当てないと帰れないクイズ」

のYouTube動画がおもしろいですよ。

この日記をご覧になっている方には簡単かもしれませんが

国立公園に関わるレンジャーにとっても難問が隠れています。

さて今回は岩手県大槌町の国立公園指定エリアをご紹介します。

大槌町は海、山、川と自然豊かなまちで、特産の荒巻鮭をはじめとする海産物やこんこんとわき出る湧水が有名です。そんな大槌町の国立公園スポットとは・・・

【浪板海岸/なみいたかいがん】

東日本大震災で数十㎝もの地盤沈下をし、砂浜が流出してしまった海岸です。震災前は寄せては返さない、片寄せの浜として海水浴客やサーファーで賑わっていました。現在は地域住民の願いを叶えるべく砂浜再生中です。弓なりに見える海岸線の奥側はお隣山田町(やまだまち)と繋がる四十八坂海岸(しじゅうはっさかかいがん)で、手前の浪板海岸とあわせ全てが特別地域になっています。

【野島/のじま】

浪板海岸の南、井上ひさし著「吉里吉里人」の舞台なのではと想像するにたやすい吉里吉里(きりきり)と言う地域から赤浜(あかばま)へ繋ぐ半島周回ドライブウェイ、リアスシーニックライン上にある崎山展望台から北東眼下に見えるのがこの野島です。一望できる湾が船越湾、一体が花崗岩の海岸です。花崗岩特有の白い岩肌に青々としたマツ、青い海のコントラストが映えます。野島を含む半島の海岸線全体が特別地域となっています。

【筋山/すじやま】

リアスシーニックラインの南側に筋山展望台があります。この展望台を含めた太平洋とリアスの景色は一見の価値ありです。まるで額縁に納めた絵画のようにリアス海岸が切り取れるのです。自分だけのアングルを探してみてください。筋山園地駐車場から海側に下りたところにひっそりと佇む展望台、駐車場からは展望台が見えませんのであれ?と思うかもしれませんが、案内看板を見つけて是非立ち寄ってください。南に見える釜石方面の半島の入り組み具合に視線が釘付けです。

【蓬莱島/ほうらいじま】

出ました、蓬莱島です。冒頭に話題にした動画をご覧になった方ならおわかりですね。

大槌町の象徴的存在、大槌湾にぽっかりと浮かぶひょうたん型の島です。島のお社には豊漁と航海の安全を祈願して弁財天がまつられています。灯台の根元にはちょっと珍しい青銅のオットセイ像がありますが、戦後オットセイの資源調査のため犠牲になったオットセイの供養塔であると聞きました。蓬莱島の灯台は震災後再建されたものですが、このデザインは町民から公募し、復興のシンボルとしてここに新たに建てられました。この桟橋から東側に見える海と海岸線全てが特別地域となっています。

三陸復興国立公園ではあまり知られていないエリアかもしれませんが、豊かな自然と人の歴史・文化・営みがコンパクトにたっぷり楽しめるのが大槌町です。歴史をたどればもっとおもしろいご紹介したいことがあるのですが、長くなるのでご興味ある方は調べてみてくださいね。

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2022年02月08日マニア向け!?浄土ヶ浜の隠れたSNS映えスポット

三陸復興国立公園 宮古 古館 百合子

宮古自然保護官事務所の古館です。

浄土ヶ浜といえばこのアングルの写真を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

【撮影:どちらも202167日】

 

ここからでも十分綺麗ですが、浄土ヶ浜のフォトスポットはここだけじゃないんです。

今回は、ちょっとマニア向け(!?)な浄土ヶ浜の隠れたSNS映えスポットをご紹介しちゃいます!

 

【穏やかな干潮の時限定!潮だまりに空を閉じ込めて】

【撮影:2022271337分(この日は小潮で1335分干潮(41cm))】

 

浄土ヶ浜の海岸歩道沿いには、3箇所浜辺があります。そのうち2つ目の浜・中の浜では、干潮になると、マグマが急激に冷え固まってできた流紋岩(りゅうもんがん)の岩のくぼみに潮だまりができます。

ぐぐーっと海面にカメラを近づけたらシャッターチャンス

ただし、足元は非常に滑りやすいので、転倒したりカメラを水没させないよう慎重に。

潮だまりにはイソギンチャク(左)や、運がよければアメフラシ(右)などの生きものも見られます。磯の生きものを観察してみるのも面白いですよ。

 

今回は中の浜をご紹介しましたが、中の浜のほかにも、数々の展望所やSNS映えするスポットがまだまだあります。いらした際は、想い出作りにカメラとともに浄土ヶ浜で遊び倒してみてください。

 

では、また!

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2022年02月03日冬の楽しみ

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

寒い寒いとできるだけ外に出ずお家でぬくぬくなんて方いらっしゃいませんか?

寒い季節は海の水がとっても綺麗です。

砂浜から、漁港から、桟橋から、船の上から

深さや海底の素材などによって変わる海の色の変化を楽しめます。

なぜ海は青いのか。

太陽光構成7色のうち青以外が海水に吸収されてしまうから

とざくっと認識していますが

プランクトンが少なく透明度の高い冬の海は

そんな光と水の関係性について頭を働かせるのに格好の現場です。

環境省選定快水浴場百選にも選ばれている

宮城県気仙沼大島の小田の浜(こだのはま)へ行ってきました。

穏やかで安全な遠浅の海水浴場として海水浴シーズンには毎年賑わう砂浜です。

そんな小田の浜ですが、実は冬期は貴重な水鳥を観察できるスポットなのです。

その貴重な鳥とは、首に白いネックレスを巻いたコクガンです。

海に漂う海藻をエサとしています。

1日の多くをこうして海の上で過ごすため、観察するためには双眼鏡が必携です。

国の天然記念物、絶滅危惧種Ⅱ類とされてるコクガンですが

ご興味ある方はコチラ(東北地方におけるガンカモ類の渡り経路および分布状況

をご覧になってみてください。

ある1月の午後3時頃です。いましたいました。

海での食事を一時中断し、陸に上がって羽繕いしている様子に遭遇できました。

みんな一生懸命お腹のあたりをつついています。

そろりそろりと私が近づくと1羽だけ首を長く伸ばしこちらを警戒している様子。

(横向きに見えますが、目が横に付いているので

この状態でこちらを凝視していると思われます)

この1羽は警備担当なのでしょうか。

驚かさぬよう、これ以上近づくのはやめました。

しばらくすると今度はこっちに一斉におしりを向けました。

なんとも可愛らしい。

左にいる4羽はオオバンです。

泳ぎも潜りも得意な彼らはせっかく自分で採った海藻を

いつもコクガンたちに横取りされてイラッとしているのかと思いきや

こうして一緒にいるところを見ると案外そうでもないのかな、

もはや一緒にいたいと思っているのかなと見えてきます。

小さいことは気にしない、おおらかなオオバンが私は大好きです。

しばらくするとエサ場へ移動するため一同は飛び立っていきました。

砂浜には別の団体様もいらっしゃいました。カモ類のようです。

海から上がってどこかへ急いで向かっている様子。

オナガガモですね。

首が長くスラッとしていてオスの尾羽が長いのが特徴です。

淡水を求めて砂浜を流れる沢に向かっていたんですね。

うがいと羽繕いに夢中でした。

越冬などで飛来している水鳥たちは、こうして海域で見ることもありますし

まちなかの川や池など淡水域でも見ることができます。

ついつい出不精になってしまう冬ですが、この時期だからこそ

見られる生き物たちの観察を楽しんでみてはいかがですか?

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2022年01月27日十和田湖トレイル(仮称)の現地調査

三陸復興国立公園 八戸 大友千夏

八戸自然保護官事務所の大友です。

以前より十和田八幡平国立公園管理事務所と合同で十和田湖トレイル(仮称)の調査を行っております。

秋晴れの中の現地調査。

ツンツンする太刀川レンジャー。

クンクンする櫻庭レンジャー。

史跡を調べる太刀川レンジャーとノビAR。

ルート上にある南部町・諏訪ノ平駅の横にはツリーハウスのような建物がありました!

やはりツンツンする太刀川レンジャー。

↑↑これらは実際に歩いて現地調査した際の一コマです。

十和田湖トレイル(仮称)については詳しくは

十和田八幡平国立公園管理事務所、伊藤あけみARの日記を御覧いただければと思います!

https://tohoku.env.go.jp/blog/2021/11/post_795.html

今回はルート上に設置する標識の位置確認調査へ行ってきました。

ルートは何度か歩いて現地調査をしている場所ですが、

やはり行き慣れていない場所は、日頃見る風景とは違うので行くとソワソワ&ワクワクします!

地域ならではの商品を置く自販機について最近は多く聞きますが、

こちらには黒ニンニクの自販機がありました!

標識設置個所の調査中。夕方には雪と強風が・・・。

東京都生まれ育ちの太刀川レンジャーの写真と違い、モノクロと昭和感が一気に出ております。

トレイルが作りあがるにはまだまだ時間がかかりますが、

ルート設定、土地確認等、関係する自治体・DMOさんたちや地元の方々と

コツコツ進めていきたいと思っております!

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2022年01月17日国立公園おいしい楽しみ方

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

今が旬のカキの画からこんにちは、大船渡自然保護官事務所より坂本です。

今しか味わえない美味しい時期の美味しいカキをお届けしたいと、年末からカキ漁師さんたちは大忙しです。

先日のトンガ沖で発生した海底火山噴火の影響で津波警報が発令された岩手県ですが、この時の波で漁具や養殖筏に被害が及んだというお話も聞きました。警報・注意報が解除されてから点検や作業など、自然相手の仕事、海の男たちは本当にたくましいです。

上の写真を見て「わぁ美味しそう!」と思った方いますか?実はこのカキは食べ頃まであと2~3週間といったところで、まだ全体的に透きとおっていて成熟する前なのです。

↓食べ頃のカキはこんな感じです。↓

ぽてっとした部分がしっかりと濁ったクリーム色になります。水分の多い時期の早いカキは火を入れると水分が抜けて小さく縮んでしまいますが、ここまで白くなっているとあまり身縮み起こしません。これを知っているとカキの目利きができますね。

三陸復興国立公園は、自然の恵みと脅威、人と自然との共生により育まれてきた暮らしと文化が感じられる国立公園です。崖や岩礁が織りなす海岸風景はもちろんですが、その地で暮らす人々が自然と共存する姿や産業風景も大切な要素になっています。リアス海岸となっている公園南部の湾内には、カキ、ホタテなどの養殖筏やワカメなどの養殖ブイが多数浮かぶ風景が印象的です。

 

〔夕日に染まるカキ筏 陸前高田市広田湾〕

〔ブイが並ぶ日の出を待つ大船渡湾〕


養殖風景を眺めていると海に浮かぶ施設が様々あることに気がつきます。代表的な2種をご紹介します。

【筏(いかだ)式養殖】

木や竹などで筏を組んで海に浮かべ、筏からロープに貝を付けて海に沈めているものです。主にカキやホタテが育てられています。下の写真の筏はカキの養殖棚ですが、水面から浮き上がっているものと水面にぴったり付いているものとあるのが分かりますか?

この筏の下にはロープで垂れ下がっているカキが付いています。カキは大きく育ってどんどん重くなります。水面にぴったり付いている=重みで沈んでいるということです。沈んでいる筏の下には大きなカキがたわわにぶら下がって収穫されるのを待っている状態です。浮いている筏は収穫後のものか、沈めて間もないか(多くは沈めて2年で出荷)ということです。

                               〔気仙沼大島瀬戸〕

【延縄(はえなわ)式養殖】

水面に浮かぶ丸い玉、これはブイと呼ばれています。海にアンカーを下ろして直線にロープを張る方法です。主にワカメ、コンブ、ホヤが育てられています。

貝や海藻の養殖は特に餌を与えるでもなく、海の栄養だけで育てる、ほぼ天然の状態に限りなく近いのです。

ブイの下にはフサフサゆらゆら海藻の林が広がっていると想像するとおもしろいですね。

                                  〔大船渡湾〕

2種類の方法をどのように使い分けているかですが、筏式は水深の深いところでも設置可能で生産効率性も高い方法として普及してきましたが、高波やうねりなどで壊れやすいという難点があります。一方延縄式はシンプルな構造で耐久性が高く潮流れもいいとのこと。その漁場の環境で最適な養殖施設が置かれているのですね。一概には言えないのですが、筏がある場所は波が穏やか、延縄だと波が荒いのかな、そんな目線で眺めることができます。

筏式で主にカキ・ホタテと前述しましたが、実は延縄式でもカキ・ホタテは育てられています。その場合はブイの大きさ(形)が見分けるポイントだったり、一直線に見えるロープの下は実は複数列・複数段になっていたりと、とてもとても奥が深く、いまだに私も勉強中でございます。

三陸の海を眺めた時にちょっとした豆知識としてご活用いただけたら嬉しいです。美味しい国立公園、三陸復興国立公園へ是非お越しください。

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2021年12月28日今年撮影の印象的な写真ベスト3

三陸復興国立公園 宮古 古館 百合子

宮古自然保護官事務所の古館です。

2021年も残りわずか。みなさんはどんな1年でしたか?

今回の日記は、年の暮れということで、今年業務で訪れた先で撮影した印象的な写真を、【今年撮影の印象的な写真ベスト3】と題して3枚ご紹介します。

 

\第3位/

【ニホンカモシカ、浜辺に現る】

20211129日 宮古市震災メモリアルパーク中の浜)

浜辺に黒い影が...と思ったら、ニホンカモシカでした。10分ほどカメラを構えていましたが、こちらを見つめつつも動じる様子なく、野草をむしゃむしゃと美味しそうに食べていました。ちょうど夕刻。食事風景を見せつけられて、私のお腹が鳴ったのは言うまでもありません...。

 

\第2位/

【子キジの隊列を見守る親鳥】

202163日 宮古市松月浜付近)

松月浜での植物調査が終わり、車に乗り込んでさて事務所に帰ろうか...と走り出して数十秒。道路脇の草むらにキジの親子を見かけました。親子を見かけるのは初。4羽の子キジの歩く姿を優しく見守っているようで、こちらもほっこりした1枚です。この写真から子キジ4羽見つけられますか?

 

\第1位/

【砂浜一面のハマエンドウ】

2021526日 宮古市田老)

ハマヒルガオにハマエンドウ、ハマナス...と、初夏は浜辺がお花畑になる時期。浜辺の植物調査で田老の浜を訪れた際、ちょうど一面が満開でした。浜辺の植物は、波や風に負けないように這うように成長するので、背丈は決して高くないですが、圧倒された光景でした。踏まないよう足元を選びながら歩くのが大変でした。

 

まだまだご紹介したい瞬間がありましたが、またの機会に。

来年はどんな印象的な出来事に遭遇するか今から楽しみです。

 

みなさまにとっても素敵な一年になりますように。

では、また来年!

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2021年12月24日ウミネコさんがもうお戻りに!?

三陸復興国立公園 八戸 大友千夏

八戸自然保護官事務所の大友です。

三陸復興国立公園、北の玄関口である蕪島には毎年、

ウミネコが2月頃から飛来し賑やかな鳴き声と共に春を告げます。

4月頃に産卵しヒナが誕生し、8月頃には蕪島を旅立ちます。

夕暮れの蕪嶋神社。

師走の蕪島付近の漁港で季節はずれのウミネコさんたちの賑やかな鳴き声がしました。

蕪島から南にある恵比寿浜漁港へ行ってみると、岩にみっちりウミネコさんたちが!

地元の方からお話を聞いたところ去年も11月頃にはウミネコさんたちが戻って来たという事で

今年も早くも戻って来たのではという事でした。

近年、冬が暖かいからでしょうか。

JR八戸線の鮫駅にある鮫のモニュメントがクリスマス仕様に仕上がってました!

クリスマスが過ぎればあっという間にお正月ですね。

種差海岸インフォメーションセンターは1229(水)~13(月)まで休館します。

また、14(火)の開館日からは様々なイベントが行われますのでぜひお楽しみいただけばと思います。

種差ICお正月イベント.pdf

↑詳しくはこちら。

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2021年12月24日お宝マップができるまで2021②~陸前高田市広田小学校~

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

温暖なここ三陸沿岸でも最低気温がマイナスを指す日が多くなってきました。

年末を目前に、本格的な冬がはじまりました。

冬でもツバキ・サザンカで花盛りの碁石海岸周辺です。

今回の日記では、これまでもお伝えしていた岩手県陸前高田市広田小学校のみちのく潮風トレイルマップ作りの進捗をご紹介します。(前回の記事はコチラ

2学期最初の授業は9月21日。1学期にみちのく潮風トレイルの一部の遊歩道をみんなで歩いて、オススメしたい場所や事柄を自分で撮った写真を添えてみんなで発表し合うという授業をしました。そのオススメポイントをシールで地図に貼る作業がありましたが、だいぶ地図の見方も慣れてきました。

次の授業は9月24日。広田の文化財について調べる授業をしました。家でもじっくり学べるよう、市のホームページからの調べ方も教わりました。国指定はもちろん、岩手県指定と陸前高田市指定の文化財は想像しているよりたくさんの数が広田にあって、驚いている様子でした。

そして10月29日の授業。3グループに分かれて広田半島を調査に行くグループワーク、もちろん歩いてです。ハイカーの気持ちになってレッツゴー!

授業で学んだ文化財・石碑の場所の確認やハイカーが喜ぶものを探しながら担当範囲をぐるっと歩きました。時には地元の人に声をかけられ寄り道しながら私が一緒に歩いたグループの歩行距離は約8キロ、約2.5時間でした。

11月16日の授業では、前回のグループワークのまとめです。グループで歩いた中でみつけたオススメや便利情報などを各自選んできたものを出し合い、地図に落として最後にはグループで発表し合いました。

2学期最後の授業は12月20日でした。6年生のみんなが1学期・夏休み・2学期と頑張ってきたことの総まとめです。この回までに一人ひとつずつオススメポイント担当が決定しています。担当になったポイントのオススメ文章を作成し、写真をえらび、地図の場所を示せるようになっています。今年も生徒20名分、20箇所のポイントを紹介することになります。

こうして地図に入れ込む情報がまとまり、みんなはマップが刷り上がってくるのを楽しみに待っているところです。2月のマップ完成が楽しみですね!

今年、「広田半島マップを見て歩きに来たよ」というハイカーや観光客の嬉しい声を聞きました。今年度版も広田のいいところを発信する力を持ったツールになりますように。ご興味ある方は是非お手にとって見てみてくださいね。完成しましたらダウンロードできるPDF版を用意する予定です。

子どもたちが冬休みに入ります。大人はカレンダー通り休める人も年末年始こそ稼ぎ時という人もいらっしゃいますね。何かと忙しい年末年始ですが、みなさま良いお年を。また来年お会いしましょう。

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2021年12月15日みちのく潮風トレイルを歩きにおでんせ!~岩手県沿岸北部(久慈〜山田)~

三陸復興国立公園 宮古 古館 百合子

今回は、これから春先にかけて「みちのく潮風トレイル(MCT)を歩いてみたいなぁ~」と思っている方へ向けて、私が担当している岩手県沿岸北部の久慈市から山田町までのエリアの特徴や、おすすめのルートをご紹介します。

 

岩手県沿岸の地形は、リアス海岸の入り組んだ優美な海岸線の南部と、切り立った崖が連続する北部に分かれ、北部では、高さ200mの断崖が数km続く北山崎や鵜の巣断崖など、崖の景観美を探勝できます。

1,000kmに及ぶMCTで、攻略が難しいルートが多いとされる切り立つ北部エリア。そのなかで、初めて挑む方でも楽しめる普代駅を中心としたルートをご紹介します。

三陸沿岸道路の最寄りインターチェンジを下車し、3分弱。まちなかの雰囲気を楽しむ周回ルートの出発点・潮風心地よい普代浜に到着です。商店街はレトロ感満載のアットホームな雰囲気。名物も多く、お店で買い物して普代浜でランチやおやつ時間を過ごすのもおすすめです。1時間半~2時間程で周回できるので、お散歩気分で気軽に楽しめます。

 

【左:普代浜北側。ベンチや芝生でまったり。 右:普代浜南側。砂浜にも下りられます。】

 

続いては普代駅から北方面。沿線に秘境駅として知られる白井海岸駅などの小さな駅が点在し、ルートを短く刻んだり、長く歩いたりと、自由に計画を組めるのが特徴。森~集落~まちなか~海~森と、景色が変化し飽きずに歩けます。さらに北上し野田村ルートでは、春先はカタクリなどの野花、初夏はニッコウキスゲやハマナスなどが浜辺を彩ります。3km以上もの緩やかな弧を描く海岸・十府ヶ浦も圧巻です。普代駅と白井海岸駅の間は、沢沿い歩きや川の渡渉が待つアクティビティルート。替えの靴下やタオルがあると安心です。

 

【野田村十府ヶ浦を望む】

 

最後に普代駅から南方面。波が荒れた日には通れない"これぞ潮風トレイル"な波打ち際や、勾配ある階段が立て続けにたたみかけるルート。そのぶん、登りきった達成感は格別で、いつしかクセになるかも。さらに南下し田野畑村エリアでは、深い森の谷や岩に掛けられた階段、ライト必須の手掘りトンネル...と、ワクワクがとまりません。

南北どちらもツキノワグマやタヌキなどの野生動物が暮らす豊かな森を歩くので、「熊鈴」を響かせて歩きましょう。浜辺を歩く際は、満潮干潮の時間帯を調べられる「潮汐表」があると心強いです。

 

【左:ネダリ浜自然歩道 右:落葉後~新緑までの間は海を望みながら歩けます】

 

また、もっとMCTを挑戦したいマニアの方は、山田町船越半島がおすすめ。海抜0mから一気に500m登るルートなど、崖の要素を残しつつ、リアス海岸のはじまりを思わせる南北両方の風景が味わえます。

岩手県沿岸北部を制すものはMCTを制す!?かもしれないこのエリア。まずは気軽なところから挑戦してみてください!

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2021年12月09日三陸復興国立公園パークボランティア合同研修会

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

日ごとに寒さが募ってまいりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。12月に入ってすぐ三陸沿岸の市街地でも初雪を観測しました。いよいよ冬到来、何かと忙しい年末に備え、段取りよく仕事はもちろん、家の事も進めていきたいものです。

この日記をご覧になる方はパークボランティアについてはご存じのことと思いますが、国立公園において、自然観察会等の解説活動や美化清掃、利用施設の簡単な維持修理などの各種活動について、自発的に協力して頂ける方々を環境省はパークボランティアとして登録しています。登録されているパークボランティアは日々の活動の他、知識向上のため勉強会など受講するのですが、先日、三陸復興国立公園陸中南部地区と中部地区の合同研修会を行いました。この研修会は毎年度1回開催していて、同じ三陸復興国立公園内で活動する仲間が、お互いのエリアの見聞を広げつつ同じ学びを受ける場として、南部を管轄する大船渡自然保護官事務所と中部を管轄する宮古自然保護官事務所とが毎年持ち回りで担当し開催しています。今回は大船渡市での開催となりました。

1日目は秋田県自然保護課よりクマ被害対策専門職員の近藤さんをお招きし、クマの生態から山での活動中に事故に遭わないようにするための基礎的なことの他、集落への出没の対策などお話しいただきました。日頃からクマ鈴を付け、山では単独行動はしないなど慎重に活動しているほど私たちの身近にいるクマ。クマ対策については一般的に言われていることをなんとなく実行していましたが、専門家の話を聞き、確信を持って山行に挑める気持ちになれました。恐れ備えることは大切なことですが、好物や遭遇したときの対処法、そして臆病者の可愛らしい一面を持つクマを知ることができ、とても有意義な講義でした。

〈クマの世界でもスリムやマッチョなど体格は様々です〉と近藤さん

手前に写る黒い塊はツキノワグマ成体の毛皮です。

〈迫ってくるクマにクマ撃退スプレーをうまく向けられるか??〉


2日目は、前日の講義を頭に置いて、クマが生息する山中を実際に踏査です。舞台は地名"熊ノ入"からスタートする綾里峠(りょうりとうげ)、みちのく潮風トレイルのルートです。この時期は落葉し、とても見通しのいいトレイルなのでクマに遭遇することは難しいですが、痕跡があるか注意して歩いてみました。

〈獣の糞発見!数回分をためていて、太さからも「タヌキ」を導き出しました。〉

〈引っ掻き跡。交差しているのでクマの爪跡ではなく「シカの角研ぎ」を導き出しました。〉

〈落葉で膝まで埋まるトラバース。フカフカだけど道が消えてるので目印テープを頼りに。〉

〈絶景ポイント、大船渡湾を一目に見下ろせます。サクサク霜が下りていました。〉

こうして2日間の研修会は終了しました。今後の活動にいかしてますます活躍お願いします。

パークボランティアの皆さんはご自身の地域の美しい国立公園を守り、利用してもらうために自然保護官事務所の職員と様々な活動を行い、さらに知識を高めるため学んでいます。各地の国立公園にいらっしゃいますので運良く遭遇できたら是非声をかけて色々聞いてみてくださいね、きっと喜んで説明してくれますよ。

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