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アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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三陸復興国立公園 大船渡

82件の記事があります。

2020年06月01日ご案内します  「みちのく潮風トレイル」*鍬台峠(くわだいとうげ)前編

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

5月27日にみちのく潮風トレイルルートの現地巡視へ行ってきたので

おうち時間で楽しんでいただけるよう「想像旅行」形式でご報告します。

お待たせしましたシリーズ第二弾、今回は鍬台峠(くわだいとうげ)前編 へご案内します。

鍬台峠は岩手県釜石市と大船渡市の境にまたがる人気上昇中の浜街道の一つ。

三陸浜街道は現在の国道45号の旧街道にあたります。

現在では三陸沿岸道という大変便利な道路もでき

舞台である鍬台峠は真下を"鍬台トンネル"が貫き、車ではものの3分で通過できてしまいます。

しかしみちのく潮風トレイルは"あえて"歩くのです。

大船渡市の吉浜(よしはま)という地区に峠へと繋がる入り口があります。

今日はこちら大船渡側から釜石側へと北上しましょう。

入り口過ぎてすぐ現れる分岐。

楽しくおしゃべりしながら歩いているとついついまっすぐ行っちゃいませんか?

 そう、左上ですよ。

 目印のテープも、杭も、恒例のクマへの注意看板も設置してあります。

 

 ちょっと勾配がきついですが頑張っていきましょう。

凜とした杉林を縫うように進みます。

所々倒木がありますが、乗り越えたりくぐったりするのも楽しいものです。

この先ルートがちょっとわかりにくいため幹にくくりつけていたテープ(右から二本目の木)、

左上を示している矢印のように見えますね?

そう、ルートは左前方へ向かうので工夫して表現したんだなぁと感心したのですが・・・

近づいてよく見てみると、樹皮の隙間にテープが挟まって止まっているではありませんか!

風の仕業か、通りがかったハイカーの仕事か・・・

どちらにしても、にんまり嬉しくなる発見でした。

さてさて、ルートに戻り、飛び出てきたカナヘビちゃんと戯れて進みます。

いままで乾いた茶色い地面をカサリカサリと歩いてきましたが、

小さなピークを境にガラリと空気と色が変わりました。

小さなピークを下るとそこにはきれいな清流が。

少し盆地になり地面が水分をため込んでいるのでしょう、足元も緑に輝いています。

清流を渡った先にあるトレイルの杭にクマさんのかじった痕がありました。

水辺にクマさんはよく立ち寄りますから。

クマさんの生活場所を通らせてもらいますので

存在をわかってもらえるように鈴を鳴らし、おしゃべりをし、注意しながら進みます。

その後わたしたちが『迷いの森』と呼ぶ赤松が多い雑木林帯を進んでいきます。

激しく絡み合う木々の生命力に圧倒されます。

この一帯は絵本の世界に迷い込んだような錯覚を起こす、幻想的な空間

ついつい時間を忘れ時を過ごしてしまう『迷いの森』

ちゃんとルートを見失わないように目印のテープを多めに付けてありますのでご安心を。

中間地点鍬台一里塚へ到着。

ここはクリンソウ群生地で、豊かな水分があることを証明しています。

まだ下の段が咲き始めたばかりのよう。もう少し先まで楽しめそうですね。

この日はクリンソウだけでなく、レンゲツツジも満開で迎えてくれました。

瑞々しく美しいレンゲツツジ、近くで見るとこの淡い色が奇麗すぎてため息が出ます。

一里塚周辺はクリンソウだけではなく、ワラビの群生地でもあります。

この日のワラビはまだかわいい膝丈でしたが、梅雨が明ける頃には腰の高さまで伸び

道がわかりにくくなる管理難関エリアです。

この日嬉しい発見が!

真ん中にすっと伸びる、これ『道』じゃないですか?

歩くことによって道ができる 本当ですね。

みちのく潮風トレイルでここを楽しむハイカーが増えたことで踏み跡が道になったのです。

毎年夏に汗だくになりながらここのワラビを刈る私たちには感動の発見!

では峠越えといきますか。

次回後編で釜石側へご案内します。

今回もお付き合いいただきありがとうございました。

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2020年05月14日大船渡市「綾里峠」(りょうりとうげ)色月(いろいろづき)

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

今年のゴールデンウィークは日本全国ステイホーム期間だったので静かな連休でしたね。

そのゴールデンウィークが明けた大船渡、気温20℃を上回る晴れやかな日々が続いています。

田植え、山菜、こどもの日、運動会、母の日、、、

私の拙い脳内から連想された「5月」について です。

皆さんにとっての「5月」ってどんなイメージですか?

日本では月についてさまざまな呼び名があって、学生時代に覚えるのに必死だった記憶がありますが

おもしろいなぁと思った5月に、「五色月(いろいろづき)」がありました。

この世の物はすべて五色で表現できる といった五行思想からきた呼び方のようです。

これについてじっくり語りたいところですが、この日記の趣旨と離れてしまうので

興味が沸いた方は別途調べてみていただければと思います。

先日みちのく潮風トレイルの現地巡視で大船渡市の綾里峠を歩いたときのこと。

新緑光る5月の巡視

五色月が頭から離れない私は、勝手に「5月の五色をみつけよう」を自分の中のテーマに歩いてみました。

中国伝来の五行思想での五色は 『 黒(紫)・青・赤・白・黄 』

綾里峠で見つけた五色、いかがでしょうか?自分としてはコンプリートできたと思っています。

みなさんの身近な自然の中でこんな色遊びどうでしょう?昔遊んだ"色オニ"に似てますね。

いつもの散歩、いつもの時間、いつもの仲間

いつもと変わらず迎えてくれる全ての"いつも"に感謝し、大切にしたいと思います。

『 黒(紫)』

   〔アケビの花〕まるくてカワイイ      〔エツキクロコップダケ〕名前長い!そして不気味・・・

『 青 』

 〔フデリンドウ〕小柄なのに見事な大株     〔モミジガサ〕緑だけど青分類。"シドケ"でおなじみ    

『 赤 』

〔ヤマツツジ〕5月末頃まで見頃です      〔クルミの雌花〕深紅のベルベットみたい

『 白 』

〔水しぶき〕不動滝へ向かう途中の名も無き小滝      〔白鳥居〕綾里地区澤内不動明王の石鳥居

『 黄 』

〔フチゲオオバキスミレ〕凜々しく咲いています     〔シマヘビ〕苦手な方ゴメンナサイ!

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2020年04月30日ご案内します 「みちのく潮風トレイル」*大船渡市綾里崎(りょうりざき)

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

みなさんこんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

おうち時間でこの日記を眺めてる方もいらっしゃるでしょうか。

イメージや思い巡らすことは、時間も場所も選ばない

脳を刺激しメンタルへも作用、しかもタダでできる。

昨今にもってこいの時間の使い方じゃありませんか。

現地にいる私たちアクティブレンジャーの発信を見ながら、

一緒に「想像旅行」してみませんか?

今回ご案内するのは岩手県大船渡市のみちのく潮風トレイル綾里崎コース。

4月22日に現地巡視してきました。

高さ30メートルの白亜の灯台がそびえる岬の先端は国立公園にも指定され、断崖美はもちろんのこと

三陸復興国立公園南部の特徴である連なる多くの岬が太平洋に突き出している様子の大展望が楽しめます。

ここ灯台分岐までは最寄り駅の三陸鉄道綾里駅から集落・林道をぬけて歩いて約1.5時間。

眼下に見える灯台までは寄り道ルート。片道20分ほどで到達できますので

体力と時間に余裕がある方は是非お立ち寄り下さい。

歩きながら地図を見ているとこの周辺の岬の名前に目がとまります。

「脚崎(すねざき)」「首崎(こうべざき)」「鬼間ヶ崎(おにまがざき)」「死骨崎(しこつざき)」

なんだか不気味に名付けられた岬が連なるのです。

昔何があったのか、鬼がいた地域なのか、その鬼を成敗してバラバラに? などとここでもつい妄想。

さて、ルートに戻りましょう。灯台分岐から立石山登山道入り口を入ります。

おっと出ました、春から気をつけたい"クマ"への注意看板。

みちのく潮風トレイルの山あいのコースではクマへの注意を呼びかける案内をよく見かけます。

山菜が出始める今時期から本格的に活動開始しますので十分すぎる注意をはらって進みましょう。

 

標高差50メートル急坂のつづら折りを登り切ると道の左右に海が見える気持ちいい尾根歩きになります。

まだ芽吹き前は木々の間から見晴らしが良いです。

さらに進むと、かつて牛の放牧地だった広場に到着。

今は褐色の大地もこれから緑の植物たちがずんずん伸びてきます。

日当たりの良いこの場所、夏には胸の高さまで伸びたワラビモンスターの群生地に大変身。

こんな感じ。(2019年7月撮影)

この日のワラビはまだかわいらしい。

地面にころころしているのはニホンジカの糞です。シカがワラビ食べてくれたらモンスターにならないのに。

広場から5分ほど進むと"藤二大明神(とうじだいみょうじん)"が現れます。

太平洋が見渡せる見晴らしの良い場所に鳥居と石碑が建立されています。

ここから海を眺めて大魚礁を見つけた藤二という男をまつる、大漁祈願の明神様です。

藤二大明神のすぐそばにある"味噌玉石(みそだまいし)"

味噌玉って、見たことないけど似てるのかしら?

大きな岩のひび割れた表面が不思議ですね。

自然を歩くだけのルートかと思いきや歴史や伝説など妄想どころが点在しています。

その後は立石山の中腹を横切る形でルートが取られています。

とても歩きやすい気持ちの良い道です。

地域の方の手作り看板が所々打ってあります。愛されている道なんだなって感じますね。

ヒトリシズカが咲き始めていました。

白い花のように見えるのは実は雄しべ。花びらもガクもない不思議な花なんですよね。

灯台口からスタートした綾里崎歩きももう終盤。

田浜に下りるには、一昨年伐採作業をした場所をくだることになります。

自然の中から一気に産業を感じるエリアになるわけですが、人々の営みとしてサイクルのある山もあります。

自然と人との関わり方を考えてもらうこともみちのく潮風トレイルの役目

『歩くことは考えること』 そんな名言もありますね。

田浜に下りたら集落に出ます。あとはスタートした綾里駅まで舗装路歩き。

綾里駅スタートゴールの周回コースは約16㎞、約5時間。

大自然と人との関わりを感じられる、大船渡で人気の綾里崎コースいかがでしたか?

また次回別のコースをご案内します。お付き合いいただきありがとうございました。

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2020年03月12日9年目の3.11

三陸復興国立公園 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

三陸復興国立公園は、東日本大震災により被災した三陸地域の復興に貢献するために、

平成25年5月24日に創設された国立公園です。

平成23年のあの日から9年が経ち、令和になって初めての3.11を迎えました。

本公園の指定理由からも忘れてはならない日。

2,000名近くもの市民が大津波の犠牲となり、まち全体甚大な被害を被った岩手県陸前高田市に、

国・県・市で整備を進め、昨年一部供用を始めた高田松原津波復興祈念公園があります。

公園には3月11日に手を合わせ、思いを届けたいとたくさんの方々が訪れていました。

犠牲者の思いを引き継ぎ、大切なふるさとを復興させ、震災の教訓とともに未来へつなぐ

復興への決意を胸に10年目に向かって歩み出します。

【14時46分 海へ向かって黙祷 まっすぐ延びる"祈りの軸"の先には"海を望む場"があります。】

 

【"海を望む場"で献花 大津波により無くなってしまった7万本もの松原は再生中。】

 

【"奇跡の一本松" 大津波後一本だけ生き残った松、今はモニュメントとして復興のシンボルに。】

 

【"道の駅高田松原"外観の一部 壁に刻まれた孔は犠牲者の数。端の途中で途切れている所わかりますか?】

 

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2020年01月20日国立公園巡視*釜石市箱崎半島

三陸復興国立公園 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

久々の投稿になり恐縮ですが、2020年もよろしくお願いいたします。

昨年の秋は各地で台風被害が多発し、未だに完全なる復旧に至っていない地域も多くあります。

三陸復興国立公園も例外ではなく、各地で土砂崩れや作業路崩壊など被害は多く、

まずは生活圏の復旧が最優先で施され、その後徐々に商業・漁業・林業圏等へと移行し、

休むことなく完全復旧へ向けて前に進む姿を毎日目にしています。

釜石市の北部、箱崎半島は南東海上に特別保護地区の三貫島を臨め、先端南側に景勝地御箱崎千畳敷を有し、

半島沿岸部ほとんどが第2種特別地域に指定されている守りたい海岸景観を持つ半島です。

半島内にいくつか点在する集落をつなぐように半島をぐるっと林道が巡っていて、

その林道は環境省が進めてきたプロジェクト「みちのく潮風トレイル」のルートにもなっています。

台風19号が東北を襲った直後、この林道も倒木や土石流で寸断している箇所も多くありましたが、

地元有志の方々、市行政、復旧作業者そして訪れてくれたボランティアやハイカーの方々など

たくさんのお力により復旧が進んできています。

その進捗具合を確認しに現地入りしてきたのでご紹介します。

【左】両脇にガードレールがある道。大量の水の流れにより路面が掘れてしまい車両通行困難となってしまいましたが、元の道の山側の林を少し切り開き、作業車両が先に進めるよう迂回路ができていました。
【右】路面が掘れた先には道路崩落。ガードレールもぐにゃり。

 

 

大量に雨水が集中し流れた箇所の人工物はことごとく破壊されていました。これらの場所のすぐ横に視線を動かせば何事もなかったように佇む木々。
 

 

道がすっかり崩落してしまい、跡形もありません。堆積している土砂の歩けるところを選んで歩き、前に進みます。

 

 

作業車が入り、道を直しています。一般車両は通行できませんが、歩く場合には作業員の方へ声をかければ問題なく先へ進めます。「歩いてるなんて元気だね~、ご苦労様!」と励まされ、「こちらこそありがとうございます!」そんな掛け合いが嬉しいですね。

 

 

今回は車両で行ける千畳敷遊歩道の根元大沢遺跡駐車場から桑の浜漁港までの約17㎞を歩いて調査しました。

冬のこの時期は落葉し、視界が良くずっと海を目や耳で感じながら周遊できます。

復旧に向けて前進する箱崎半島のパワーを感じられて、安心できた巡視となりました。

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2019年08月02日夏の自然環境調査*大船渡市首崎(こうべざき)

三陸復興国立公園 坂本麻由子

みなさんこんにちは、大船渡自然保護官事務所の坂本です。

いよいよ北東北が梅雨明け、夏本番となりました。

連日30度を超す暑さ、今週は三陸沿岸でも猛暑日の地域がいくつもあるほどです。

外で行う業務も熱中症対策を万全に取り組まなくてはなりません。

梅雨明け前の7月末に、国立公園の自然環境調査でパークボランティアの皆さんと大船渡市の秘境、

首崎(こうべざき)へ行ってきました。

毎年植生や地形の変化を確認するため調査に入る場所ですが、7月に入るのは初めてで

どのような景色が待っているのか楽しみに出かけました。

首崎の先端へ向かう前に、気持ちの良い林道をしばらく進みます。

木漏れ日、沢の音、鳥の声、木々のにおい、さまざまな感覚で楽しみながら。

ん??何か置いてあります。近づいてみると大きな石でした。脇の斜面からの落石ですね。

よくここで止まったな、と思うほど道のど真ん中。

この林道は作業車が通るので、我々も行こうと思えば車でもいけるのですが、

せっかく素敵な道なので歩きましょうと、車を置いてきたのが正解。

帰りにこの石は邪魔にならないところに動かしてきましたが、3人がかりでやっとでした。

この日市街地は30度を超す真夏日だったそうですが、

時折頬をなでる海風と、天然シェードのおかげで快適。

4キロほど快適な林道を進み、首崎灯台への分岐点につきました。あれ・・・?

この奥が首崎へ続く道なのですが、濃い霧が立ちこめています。

どうやら「やませ」のまっただ中に入り込んでしまったようです。

先端へ向けて歩みを進めましたが、視界が開けて海が見えるはずの所は・・・真っ白。

林道歩きでほてっていた体もすっかりクールダウン、震えるほどの寒さでした。

半島の先端は、この辺では珍しい、カシワの群生林です。霧に包まれて少し不気味ですね。

岬の先端に近づくと背の高い樹木は見られなくなり、

厳しい環境下でも生き残れる植物だけが地面から生えています。

灯台のある高台より下はある程度の草原地帯。数種類の植物が花期を迎えていました。

この階段の上にあるはずの灯台が見えませんが、進みます。

灯台が座する先端の高台は風当たりも強く、砂地です。

青々と緑草が茂ることはありませんが、いくつかの植物たちを観察することができました。

灯台の輪郭すら消してしまうほどの霧ですが、その水分がこれらの植物たちに大切なのでしょう。

そして灯台を背に海を臨むと素晴らしい絶景が待っているはずでしたが、このとおり。

過去の同じ場所からの写真を並べてみます。

今回は視界不良のため、連なるリアスの海岸線を見ることはできませんでした。

また次回、リベンジしたいと思います。

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2019年07月08日碁石海岸きれいなジオパーク&トレイルでおもてなし美化運動

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

大船渡自然保護官事務所の坂本です。こんにちは。

先月末になりますが、岩手県主催で碁石海岸のボランティア美化運動が行われました。

『三陸防災復興プロジェクト2019(6/1~8/7)』 https://sanriku2019.jp/

や『みちのく潮風トレイル全線開通(6/9)』 http://tohoku.env.go.jp/mct/

など、今年の三陸の夏はいつもと違う盛り上がりを見せてくれそうな予感。

三陸復興国立公園に県内外からより多くの来訪者が見込まれるということで

碁石海岸でも夏休み等の観光シーズンを迎える準備として

「きれいなジオパーク&トレイル」でおもてなしをしようと

碁石海岸やその周辺の関係団体等が連携し、ボランティア清掃活動を実施しました。

この日活動に参加したのは約30名。

いつも碁石海岸でお客様のおもてなしをしている関係施設の皆さんのほか

環境省パークボランティア、大船渡市、岩手県多くの方が汗を流しました。

碁石浜の海岸ゴミ拾い班。

流れ着いているゴミはペットボトルやロープの切れ端、包装フィルムのようなものが多かったです。

海外の文字が印刷されているものも多く、今話題の海洋ゴミ問題は

太平洋に面するの小さな浜でも他人事ではないのです。

海の恵みで生きている以上、一人一人が心がけてなくてはならないことですね。

こうやって拾うことも、買い方や捨て方を考えることも、小さなことだけど大事なこと。

こんな話をしながらゴミを拾う機会がもっとあってもいいですよね。

今日の成果はこの通り。ほんの一時間でこの量です。

       回収ゴミ合計26.9㎏

(もえるゴミ 17.7㎏、もえないゴミ 7.5㎏、空き缶 1.7㎏)※県計量による

そしてこちらは遊歩道案内板清掃係。

とっておきの絶景に"なるほど"をくれる案内看板。

読みやすいように丁寧に拭き取りました。

このようにみんなで汗を流し碁石海岸をきれいにできました。

三陸沿岸各地でこのような美化運動が実施されています。

この夏は是非、三陸復興国立公園へ遊びに来て下さい、お待ちしております。

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2019年07月01日出前授業に行ってきました*2019~陸前高田市広田小学校~

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

みなさんこんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

 

昨年度に引き続き、今年度も広田小学校の6年生と触れあう機会をいただきました。

国立公園・ジオサイト・みちのく潮風トレイル3点が揃っている広田町だからこその授業です。

今年度は総合的学習のカリキュラム「地域について学ぶ」において、

国立公園とみちのく潮風トレイルの観点から野外授業を3回行うことになっています。

今日は第一回目の授業の様子をご紹介します。

最初に教室で三陸ジオパークと国立公園について座学。

       【(左)ジオパークについて授業する三陸ジオパークの佐藤さん】

       【(中)国立公園について授業する大船渡事務所の福濱自然保護官】

       【(右)トレイル中の観察ビンゴゲームについて説明する島田先生】

そしてみんなが「ジオ」「国立公園」に興味が沸いたところで

自分たちの地元の宝、三陸復興国立公園黒崎仙峡がみちのく潮風トレイルの一部と紹介し

実際に歩いてみる、トレイルプチ体験をしてもらいました。

【みちのく潮風トレイルを知っていると手を挙げた生徒さんがちらほら・・・うれしい!】

ゲストとして岩手県立大学准教授島田先生が植物解説をしてくれるというプレミア付きで

生徒さんだけでなく先生方までもがトレイルと自然観察を楽しんでいました。

震災後、自由に外で遊べる場所が限られているみんな、そしてその状況が身に染みてわかっている先生方にとっては本当に楽しい時間だったと思います。

【黒崎仙峡は歩きやすく歩道が整備され、木漏れ陽が気持ちいい林間コース。植物観察にもってこいです。】

【島田先生の説明を熱心に聞いてましたね。一番お気に入りの植物は何だったかな。】

【自分の手で植物に触れてみる場面も。】

途中休憩の石浜にて・・・やっぱり始まった水切り大会。

水辺に石があると必ずやってみてしまうのは今も昔も変わらないですね。

ちょっと危ない?と思う場面でも、生徒が好きに遊ぶ姿を先生は笑顔で見守っているのが印象的でした。

次回は秋、周辺地域の資源発見ということで碁石海岸のトレイルルートを体験してもらう予定です。

またみんなに会えるのが今から楽しみでなりません。

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2019年06月03日ニッコウキスゲが咲き始めました

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

みなさんこんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

市街地が晴天でも、「やませ」に覆われて視界は真っ白、涼しい日が多い最近の三陸。

沿岸各地で初夏を告げるニッコウキスゲが咲き始めましたよ!

暖かい南から咲き始めるので、宮城県唐桑半島から広田半島、碁石海岸と順に

キスゲ前線が北上してきました♪

碁石海岸においてはまだまだ蕾がたくさん、あと2~3週間は楽しめそうです。

ニッコウキスゲはやや水分の多い高山帯に群生する植物。

高山でもない沿岸部に見られるのは、「やませ」が一役かっている様子。

  1. ニッコウキスゲ、別名ゼンテイカ。朝開き夕方にはしぼむ1日花。

    その習性からつけられた花言葉は『日々あらたに』。

    この時期、毎朝新しく咲く花に元気をもらえます。

  2. 三陸復興国立公園を代表する初夏の花

    青い海と松林、パッと目を引く山吹色。

    是非この時期の三陸でお楽しみいただきたい景色です。

    1. *おまけ*

    ニッコウキスゲが咲く時期と同じくして、ウミネコの島が賑やかになります。

    三陸沿岸南部にはウミネコの繁殖地になっている小島がたくさん。

    孵ったばかりの雛、見つけられますか?

    卵も雛も見事な保護色。岩の色に溶け込んでいます。

  3. (答え)

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2019年04月18日春の自然観察会 in 碁石海岸

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

やっと碁石海岸の桜も開き始めました。

待ちに待っていた春の訪れにワクワクします。

桜の蕾がまだ堅く閉じていた先週末、碁石海岸で自然観察会を行いました。

桜より一足先に見頃になるカタクリを愛でる会です。

パークボランティアの自然解説付きで、いつもの散歩道も発見の場に。

カタクリの発芽から花を咲かせるまでの説明や、春の味覚フキノトウの雄雌など

皆さん身近な植物のなるほど!に耳を傾けていらっしゃいました。

カタクリは花をつけるまでに7~8年要するそうです。

今年咲いているカタクリは震災の年に咲いた花の子孫かもしれませんね。

フキノトウに雄雌があることはご存知でしたか?

雄は花粉を飛ばし終えたら枯れてしまい、背高く伸びているフキノトウはすべて雌。

砂山に生えていたフキノトウを見つけたので根の観察もしました。

そのほか見られた春を告げる花たち。

これから訪れるうららかな春、色とりどりの花が楽しみですね。

今回の観察会では、通常通行止めでいくことができない"トンボロ"という場所へ許可を得てお連れしました。

この場所は大船渡港の湾口防波堤の根元です。

大船渡湾を守る湾口防波堤を目の前にするとその巨大さに驚きます。

震災前と現在の構造の違いなどを聞き、豊かな大船渡湾の成り立ちを学びました。

今回の参加者は地元の皆さんでしたが、知らないことも多かったようで、

このような地元の方が学べる場で今後もお手伝いしていきたいと思いました。

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