ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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三陸復興国立公園 大船渡

82件の記事があります。

2022年02月03日冬の楽しみ

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

寒い寒いとできるだけ外に出ずお家でぬくぬくなんて方いらっしゃいませんか?

寒い季節は海の水がとっても綺麗です。

砂浜から、漁港から、桟橋から、船の上から

深さや海底の素材などによって変わる海の色の変化を楽しめます。

なぜ海は青いのか。

太陽光構成7色のうち青以外が海水に吸収されてしまうから

とざくっと認識していますが

プランクトンが少なく透明度の高い冬の海は

そんな光と水の関係性について頭を働かせるのに格好の現場です。

環境省選定快水浴場百選にも選ばれている

宮城県気仙沼大島の小田の浜(こだのはま)へ行ってきました。

穏やかで安全な遠浅の海水浴場として海水浴シーズンには毎年賑わう砂浜です。

そんな小田の浜ですが、実は冬期は貴重な水鳥を観察できるスポットなのです。

その貴重な鳥とは、首に白いネックレスを巻いたコクガンです。

海に漂う海藻をエサとしています。

1日の多くをこうして海の上で過ごすため、観察するためには双眼鏡が必携です。

国の天然記念物、絶滅危惧種Ⅱ類とされてるコクガンですが

ご興味ある方はコチラ(東北地方におけるガンカモ類の渡り経路および分布状況

をご覧になってみてください。

ある1月の午後3時頃です。いましたいました。

海での食事を一時中断し、陸に上がって羽繕いしている様子に遭遇できました。

みんな一生懸命お腹のあたりをつついています。

そろりそろりと私が近づくと1羽だけ首を長く伸ばしこちらを警戒している様子。

(横向きに見えますが、目が横に付いているので

この状態でこちらを凝視していると思われます)

この1羽は警備担当なのでしょうか。

驚かさぬよう、これ以上近づくのはやめました。

しばらくすると今度はこっちに一斉におしりを向けました。

なんとも可愛らしい。

左にいる4羽はオオバンです。

泳ぎも潜りも得意な彼らはせっかく自分で採った海藻を

いつもコクガンたちに横取りされてイラッとしているのかと思いきや

こうして一緒にいるところを見ると案外そうでもないのかな、

もはや一緒にいたいと思っているのかなと見えてきます。

小さいことは気にしない、おおらかなオオバンが私は大好きです。

しばらくするとエサ場へ移動するため一同は飛び立っていきました。

砂浜には別の団体様もいらっしゃいました。カモ類のようです。

海から上がってどこかへ急いで向かっている様子。

オナガガモですね。

首が長くスラッとしていてオスの尾羽が長いのが特徴です。

淡水を求めて砂浜を流れる沢に向かっていたんですね。

うがいと羽繕いに夢中でした。

越冬などで飛来している水鳥たちは、こうして海域で見ることもありますし

まちなかの川や池など淡水域でも見ることができます。

ついつい出不精になってしまう冬ですが、この時期だからこそ

見られる生き物たちの観察を楽しんでみてはいかがですか?

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2022年01月17日国立公園おいしい楽しみ方

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

今が旬のカキの画からこんにちは、大船渡自然保護官事務所より坂本です。

今しか味わえない美味しい時期の美味しいカキをお届けしたいと、年末からカキ漁師さんたちは大忙しです。

先日のトンガ沖で発生した海底火山噴火の影響で津波警報が発令された岩手県ですが、この時の波で漁具や養殖筏に被害が及んだというお話も聞きました。警報・注意報が解除されてから点検や作業など、自然相手の仕事、海の男たちは本当にたくましいです。

上の写真を見て「わぁ美味しそう!」と思った方いますか?実はこのカキは食べ頃まであと2~3週間といったところで、まだ全体的に透きとおっていて成熟する前なのです。

↓食べ頃のカキはこんな感じです。↓

ぽてっとした部分がしっかりと濁ったクリーム色になります。水分の多い時期の早いカキは火を入れると水分が抜けて小さく縮んでしまいますが、ここまで白くなっているとあまり身縮み起こしません。これを知っているとカキの目利きができますね。

三陸復興国立公園は、自然の恵みと脅威、人と自然との共生により育まれてきた暮らしと文化が感じられる国立公園です。崖や岩礁が織りなす海岸風景はもちろんですが、その地で暮らす人々が自然と共存する姿や産業風景も大切な要素になっています。リアス海岸となっている公園南部の湾内には、カキ、ホタテなどの養殖筏やワカメなどの養殖ブイが多数浮かぶ風景が印象的です。

 

〔夕日に染まるカキ筏 陸前高田市広田湾〕

〔ブイが並ぶ日の出を待つ大船渡湾〕


養殖風景を眺めていると海に浮かぶ施設が様々あることに気がつきます。代表的な2種をご紹介します。

【筏(いかだ)式養殖】

木や竹などで筏を組んで海に浮かべ、筏からロープに貝を付けて海に沈めているものです。主にカキやホタテが育てられています。下の写真の筏はカキの養殖棚ですが、水面から浮き上がっているものと水面にぴったり付いているものとあるのが分かりますか?

この筏の下にはロープで垂れ下がっているカキが付いています。カキは大きく育ってどんどん重くなります。水面にぴったり付いている=重みで沈んでいるということです。沈んでいる筏の下には大きなカキがたわわにぶら下がって収穫されるのを待っている状態です。浮いている筏は収穫後のものか、沈めて間もないか(多くは沈めて2年で出荷)ということです。

                               〔気仙沼大島瀬戸〕

【延縄(はえなわ)式養殖】

水面に浮かぶ丸い玉、これはブイと呼ばれています。海にアンカーを下ろして直線にロープを張る方法です。主にワカメ、コンブ、ホヤが育てられています。

貝や海藻の養殖は特に餌を与えるでもなく、海の栄養だけで育てる、ほぼ天然の状態に限りなく近いのです。

ブイの下にはフサフサゆらゆら海藻の林が広がっていると想像するとおもしろいですね。

                                  〔大船渡湾〕

2種類の方法をどのように使い分けているかですが、筏式は水深の深いところでも設置可能で生産効率性も高い方法として普及してきましたが、高波やうねりなどで壊れやすいという難点があります。一方延縄式はシンプルな構造で耐久性が高く潮流れもいいとのこと。その漁場の環境で最適な養殖施設が置かれているのですね。一概には言えないのですが、筏がある場所は波が穏やか、延縄だと波が荒いのかな、そんな目線で眺めることができます。

筏式で主にカキ・ホタテと前述しましたが、実は延縄式でもカキ・ホタテは育てられています。その場合はブイの大きさ(形)が見分けるポイントだったり、一直線に見えるロープの下は実は複数列・複数段になっていたりと、とてもとても奥が深く、いまだに私も勉強中でございます。

三陸の海を眺めた時にちょっとした豆知識としてご活用いただけたら嬉しいです。美味しい国立公園、三陸復興国立公園へ是非お越しください。

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2021年12月24日お宝マップができるまで2021②~陸前高田市広田小学校~

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

温暖なここ三陸沿岸でも最低気温がマイナスを指す日が多くなってきました。

年末を目前に、本格的な冬がはじまりました。

冬でもツバキ・サザンカで花盛りの碁石海岸周辺です。

今回の日記では、これまでもお伝えしていた岩手県陸前高田市広田小学校のみちのく潮風トレイルマップ作りの進捗をご紹介します。(前回の記事はコチラ

2学期最初の授業は9月21日。1学期にみちのく潮風トレイルの一部の遊歩道をみんなで歩いて、オススメしたい場所や事柄を自分で撮った写真を添えてみんなで発表し合うという授業をしました。そのオススメポイントをシールで地図に貼る作業がありましたが、だいぶ地図の見方も慣れてきました。

次の授業は9月24日。広田の文化財について調べる授業をしました。家でもじっくり学べるよう、市のホームページからの調べ方も教わりました。国指定はもちろん、岩手県指定と陸前高田市指定の文化財は想像しているよりたくさんの数が広田にあって、驚いている様子でした。

そして10月29日の授業。3グループに分かれて広田半島を調査に行くグループワーク、もちろん歩いてです。ハイカーの気持ちになってレッツゴー!

授業で学んだ文化財・石碑の場所の確認やハイカーが喜ぶものを探しながら担当範囲をぐるっと歩きました。時には地元の人に声をかけられ寄り道しながら私が一緒に歩いたグループの歩行距離は約8キロ、約2.5時間でした。

11月16日の授業では、前回のグループワークのまとめです。グループで歩いた中でみつけたオススメや便利情報などを各自選んできたものを出し合い、地図に落として最後にはグループで発表し合いました。