ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2021年7月 6日

2件の記事があります。

2021年07月06日八幡平での高山植物盗採防止パトロール

十和田八幡平国立公園 鹿角 谷川真実

こんにちは。鹿角管理官事務所の谷川です。

季節も夏になり、山の植物たちもみんな生き生きと生命力に溢れています。

先月八幡平にて、盛岡管理官事務所と合同で「十和田八幡平国立公園八幡平地区高山植物盗採防止パトロール」を実施いたしました。

このパトロールは秋田・岩手両県の高山植物の生育状況及び盗採防止策の検討、公園利用者に対する高山植物保護の啓発を行うものです。

八幡平山頂付近一帯は特別保護地区に指定されています。

特別保護地区とは、全ての植物(キノコを含む)の採取や損傷、落葉・落枝の採取が規制されている地区です。絶対に植物を傷つけてはいけません。

                   パトロールの様子です。

秋田側はドラゴンアイ経由、岩手側は黒谷地から、2班に分かれてスタートします。

秋田側は、東北森林管理局、秋田県、鹿角地域振興局、鹿角警察署、鹿角市、自然公園財団、鹿角管理官事務所の職員の12人でパトロールを行いました。

チングルマ、ヒナザクラ、ワタスゲ、ショウジョウバカマ、イワナシ、キヌガサソウ、シラネアオイ、サンカヨウ、エンレイソウ、ベニバナイチゴ等の様々な植物を確認することができました。

     

         ベニバナイチゴ                 チングルマ

さて盗採です。

ドラゴンアイにさしかかった辺りでフキノトウが抜き取られた跡を発見しました。

                    抜き取られたフキノトウ

規制されていると知らずに取ってしまったのか知っていての確信犯なのかは分かりませんが、ここでの採取は禁止されています。

また、歩道を外れて歩いた事による植生の損傷も確認できました。

                 (2021.6.18当日のドラゴンアイ)

近年、ドラゴンアイは人気スポットになっており、非常にたくさんの方がドラゴンアイを見に八幡平に訪れます。

一人一人がきちんとマナーを守ることが大切です。

パトロール後、見返峠駐車場で岩手班と意見交換をいたしました。

ドラゴンアイの季節に限らず八幡平は非常に美しい自然がたくさんあります。

マナーを守り、美しい八幡平の自然を守っていきましょう。

環境省は今回の結果を踏まえ、登山者に注意を呼びかけるとともに、今後もパトロールを継続していきます。

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2021年07月06日小学校で授業を行いました

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 村上英夫

先日、地元の小学校の授業に講師として参加しました。ここ数年、毎年お手伝いさせていただいています。

まず6月28日(月)に外来種と特定外来生物についての授業を行いました。生徒は小学3年生8名。

この授業は、後日、野外で実施される「自然体験教室」の事前学習です。

パワーポイントを使って授業を進めます。これは当事務所の先輩レンジャーさんが作ってくださった

教材です。外来種の説明の後、裏磐梯に生息する特定外来生物のウチダザリガニを紹介します。

村上:沼にはいろんな生き物が住んでいますが、さあ、ウチダザリガニが入ってきたらどうなるんだろう?

生徒:うわあああああ(悲鳴)

村上:というわけで金曜日に、みんなにザリガニを減らすお仕事を手伝ってほしいんです。

手伝ってくれるかな?

生徒:は~~~い! 

村上:でも、沼の生きものたちを食べたり追い出したりするウチダザリガニは、悪者なのかなあ、、、

生徒:僕はちがうと思う。だってウチダザリガニは人間に連れてこられたんだから、、、悪いのは人間!

村上:ん~、そうだね~。ウチダザリガニはただ一生懸命に生きているだけなんだよね。

というようなお話を踏まえて、週末の金曜日に曽原湖の近くの小さな沼で、ウチダザリガニ釣りが行われ

ました。

村上:釣ったウチダザリガニは他の場所に持って行くことはできません。ではどうしたらいいだろう?

生徒:(ちょっと考えて)食べる~~~!

村上:そうだね。生きものはみんな他の生きものの命をいただいて生きています。このザリガニはレンジャーがいただくことにします。

生徒:僕たちも食べたーい!

村上:ん~、残念だけどみんなはもう学校へ帰らなくちゃね。

生徒:はーい。でもちゃんと食べてあげてね~。

村上:ありがとうという気持ちでいただきます。

生徒:クロレンジャー、ムラレンジャー、今日はありがとうございました~

一緒に参加していたレンジャーの黒江さんは「クロレンジャー」、アクティブレンジャーの村上は「ムラレンジャー」という愛称を子供たちからいただきました。終始、黄色い元気な声に包まれ、好奇心にあふれた瞳の輝きに触れ、こちらが元気をもらえた心温まる2日間でした。

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