ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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仙台

257件の記事があります。

2009年08月21日秋来ぬと目にはさやかに見えねども・・・・・

仙台 鎌田 和子

今日は、仙台海浜の井土浦の巡視に出かけてきました。松林の中の自転車道を走っていると、あるところは「ミーン、ミンミンミー」とミンミンゼミの声、こんどは、「つくづく惜しい、つくづく惜しい」と過ぎ去る夏を惜しむかのようにツクツクボウシが鳴きはじめていました。夏本番が来ないうちに夏が過ぎて行きます。

4つの鳥獣保護区の巡視を行っていると、そこに生育している植物から、季節の変わり目を教えてもらいます。例えば、イネ科、カヤツリグサ科、シソ科、ゴマノハグサ科、タデ科などです。また、湿地では水生植物が8月~9月が最盛期、この季節は日に日に変化しているように感じています。

他にもいろいろな植物が見られるので、今回は、巡視中に見つけた植物たちを紹介します。


写真は伊豆沼のミズアオイ(絶滅危惧Ⅱ類)です。(近づけないので400㍉の望遠で撮影しています。)同じミズアオイ科のコナギは休耕田で群生し、農家の皆さんには雑草として厄介者になっています。

マメ科のヤブツルアズキ(小豆の原種とも言われています)です。井土浦や化女沼でも見られます。そこでなければという訳ではありませんが、マメ科の花もあちこちで目立ってきました。

カヤツリグサ科のイガガヤツリと後ろはタマガヤツリです。井土浦で撮影しましたが、この日、カヤツリグサの図鑑が役立ちました。

巡視する4ヶ所の共通はウエットランド(湿地)で、植物や野鳥など生物もかなり重なるものがあります。それらが、秋がそこまで来ていることを知らせています。

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2009年08月14日ヒナの成長

仙台 鎌田 和子

以前、伊豆沼でオオバンの親子の姿を紹介しましたが、あれから1カ月そのヒナが親と同じくらいに成長していました。
水生植物を隠れ家に2羽のヒナは無事に成長したのです。それぞれお父さん子、お母さん子に分かれて、ゆっくり羽繕いの様子を間近で観察できました。


傍では、はすまつりの音響「演歌」が高らかに流れ、そのお陰なのか近寄っても逃げませんでした。オオバンの親子は演歌がお好きかも?

どちらがお父さんでどちらがお母さん?家族なかよく、マコモの座布団でくつろいぎ、観光客を逆に観察しているのかもしれません。




一方、こちらはミズアオイです。伊豆沼の伊豆沼のミズアオイもつぼみの青紫が目立ちだしましたので間もなく咲くでしょう。
ヒシも犇めき合って水面を覆ってます。晴れた日には葉がキラキラと反射して眩しい。

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2009年08月07日花盛りパートⅡ

仙台 鎌田 和子

今日は、伊豆沼・内沼の蓮を紹介したいと思います。こちらも花盛りです。伊豆沼・内沼では、蓮祭りが開催されています。


伊豆沼と内沼でハスの花を遊覧船から見ることができます。連日、観光客が訪れ、いつもと違った雰囲気に包まれています。


内沼では、遊覧を終えた人たちを歓迎?しているのが「居残り組」のハクチョウたちです。観光客の皆さん、ストレスを与えないようにある程度の距離をもって見てあげてほしいと思います。


花盛りなのは蓮だけではありません。アサザ・ガガブタのお花も最高です。咲き始めから観察してましたが、こんなに咲くとは思ってませんでした。

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2009年08月06日花盛り

仙台 鎌田 和子

東北地方は夏祭り真っ盛り、高速道の上下線も混雑しています。
「仙台七夕まつり」は今日からですが、仙台の事務所周辺も混雑していました。

今日は蕪栗沼の植物を紹介します。
人気のない沼ではミズアオイが花盛りとなりました。


ミズアオイの群落です。どのくらいの広さかと言われれば、田んぼ2枚分位かな?それとももっとかな?
環境省では準絶滅危惧種ですが、宮城県では絶滅危惧Ⅱ類です。特別保護地区だから守られているのか?ちょっとした環境の変化で影響を受けるのが水生植物です。毎年このくらい咲いているのでしょうか。
それにしてもこのブルーの色はきれいですから、一見の価値ありです!


こちらは、コガマです。他にガマ、ヒメガマも生育しているので、3種類を一度に観察できますから、違いが良くわかると思います。

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2009年07月28日ハスの葉

仙台 鎌田 和子

化女沼です。毎日のように雨が降っているので水位が大分上がっていました。
岸の植物が水没したり、ハスの葉がアップアップしているように見えます。

ハスが花をつけるまでの段階があることを先日伺いましたので、それをちょっとだけ、伝えたいと思います。ハスの葉には2種類あり、水面にピタッタリ吸いつくように浮いている葉と、立っ葉と言って水面からスーッと立ち上がる葉があります。その立っ葉が出ると蕾が出てくるそうです。しかし、その立っ葉が豪雨で水没することがあると、せっかくの蕾も花を咲かせないでしまう可能性があるそうです。そう思って観察すると、今年のハスは・・・とか昨年はどうだったとか違いや、気象との関係が見えてくるかもしれません。

化女沼のハスは今年はどうなんでしょうか?群生はしていませんがきれいでした。ハスの花は午前中それも早朝から午前10時位までが美しく写真撮影できるそうです。



パトロール中のギンヤンマです。中々止まってくれません。止まれと念じて観察してました。

水面を覗くとブルーギルの稚魚やオオクチバスの稚魚が結構大きくなっていました。これは心配です。

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2009年07月27日蒲生干潟のまっくろくろすけ

仙台 鎌田 和子

蒲生干潟です。海岸には、夏休みに入ったことからいつもより大勢のサーファーや魚釣りの人々が訪れています。それでも蒲生特別保護地区内はいたって静か、ただ潮風が草原を駆けぬけ草が波打っています。

干潟で一番目立ついきものを紹介します。またカニなんですが、これが実にかわいいのです。大きさは大きくても成人の親指の爪位の甲羅、目立つといいましたが甲羅は砂模様ですから、じっとしていると足元にいても?どこにいるのか分からなくなります。しゃがみ込んで観察しているとしばらくすると私の回りがカニだらけとなります。小さなハサミで甲羅をなでてお掃除したりお食事をしたりしていますが、私のちょっとした動きでそれぞれの巣穴に一斉に隠れてしまいます。


このカニたちは、コメツキガニです。巣穴からの出入りは、まるで「となりのトトロ」に出てくる「まっくろくろすけ」のようです。一度は観察してみてください。


また、砂浜では、ウンラン(ゴマノハグサ科)が咲きだしました。海岸の前線部だと写真のようにこじんまりとしていますが少し他の草が生えているような場所だと伸び伸びと葉を成長させ、同じ植物かと思うくらいに変化しています。

蒲生の海は楽しいよ!

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2009年07月24日憩いの広場

仙台 鎌田 和子

蕪栗沼です。周りの田んぼのイネもグングン草丈を伸ばしています。また、沼周辺でもヨシやマコモが私たちの立ち入りを遮るかのように背丈をのばしています。

この頃の雨で蕪栗沼や白鳥地区の水位も上がり、5月下旬に出かけたコアゾーンの沼底のひび割れもすっかり分からなくなりました。



白鳥地区のいつもみんなが集まるところです。ここはダイサギ、アオサギ、カルガモやカイツブリ、居残りしている1羽のオオハクチョウなどが憩いの広場なのか、くつろいでいます。見ている私までがホッとする場所でもあります。


ここでもトンボに出会えます。コバネアオイトトンボのメスです。よく見ているとイトトンボやヤンマなど草に止まる時、翅を閉じていたり、写真のように半開していたり、その種類によって特徴がありますから、じっくり観察してみてください。

水路にはタヌキモが水面より上に黄色い花を咲かせていました。沈水性の水草、食虫植物で茎や葉に捕虫嚢があり吸い込むようにして微小動物を捕えるそうです。

私の担当している国指定鳥獣保護区4ヶ所の内3ヶ所はラムサール条約登録湿地、蒲生干潟も湿地です。どうしても、共通することや、違うところがあります。そんな小さな違いが見えればと思っています。

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2009年07月23日不思議なトンボ

仙台 鎌田 和子

伊豆沼です。またトンボの話題ですが、7月になってから私の視界に
「あれっ!ベッコウトンボ?まさか~」ということが何回かありました。その謎が解けましたのでお知らせいたします。

不思議なトンボ実は「コフキトンボ」でした。オスはシオカラトンボに似ているのですが、東北から関東地方では大部分が白粉型で、10~20%が写真のようなオビトンボ型になるそうです。九州や沖縄ではまたちょっと違う感じらしのです。なんで同じコフキトンボなのに別の種類のように見える姿をしなければならないのでしょうか?不思議です。


伊豆沼に行くたびに湖面に変化があります。現在は、黄色のアサザ白色のガガブタの花が満開です。小さな花たちですがとてもきれいです。


ガガブタの花です。よく見ると雌しべが長い(長花柱花)と雌しべが短い(短花柱花)2種類の花がありますからじっくり観察してみてください。
注意:覗き込んで沼に落ちないよう気を付けてくださいね。

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2009年07月17日環境学習「オオハンゴンソウを除去しよう」

仙台 鎌田 和子

昨日、伊豆沼で地元の中学生による環境学習が行われました。
登米市立新田中学校全校生徒120名が伊豆沼登米市側の駐車場を中心に外来植物駆除を目的にオオハンゴンソウ、セイタカアワダチソウなどを抜き取る作業です。昨年までは、マコモを植え付ける作業でしたが、周りの外来植物が増えて来たことを危惧し今回の学習だそうです。

これからここでは、外来植物駆除事業が行われるので私たちも少しだけお手伝いしました。





はじめに伊豆沼・内沼環境保全財団の講師陣から、オオハンゴンソウ、セイタカアワダチソウ、オオアレチノギク、ヒメムカシヨモギとヨモギ(在来種)の違いを見てもらい、2班に分かれ抜き取りをしました。

3年生の班はオオハンゴンソウの大きな株の抜き取り、大きな穴が開いたところは埋め戻しながら、みんな頑張りました。引き抜こうとしても思うように抜けず、四苦八苦の場面も・・・。それでもオオハンゴンソウは持ち帰り禁止で除草の山ができました。


オオハンゴンソウは花を付けていない株でも根の部分はこんなに大きくなっています。本当に抜き取る作業は大変でした。
120名の力はスゴイ!
新田中学校では、これからも自分たちの家の周りにも目を向け、気がついたら取り除くよう呼びかけをしてこの日の作業は終わりました。

皆さん、暑い中お疲れ様でした。

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2009年07月15日とんぼのめがね

仙台 鎌田 和子

仙台市勾当台公園で3日前、ヒグラシの声を聞きました。梅雨明け間近でしょうか。
伊豆沼では、ニイニゼミのほかに暑苦しい声でアブラゼミも鳴きはじめています。

8月には「はすまつり」が開催されるし、お盆には欠かせないハスもそれに合わせるかのように急成長しているように感じます。巡視の際、必ず時間をかけて観察するポイントが数か所あります。そこでの出会いをちょっとだけお知らせします。


オオバンの親子です。いつもだと警戒の声が聞こえてくるのですが優しい声がするので、えっ!とその方向を見たら、雛を見せてくれました。子育て中の警戒を解いて特別公開だったのでしょうか。ありがとう。元気に育ってねと思わず声をかけてしまいました。


先日は、オオセスジイトトンボのメスを紹介しましたが、写真はオスです。童謡「とんぼのめがね」の1番の歌詞覚えていますか?
「とんぼのめがねは みずいろめがね あおいおそらをとんだから とんだから」ほんと凄い、みずいろめがねです。しかも6月に見たときより体の色もさらに美しく濃くなっていました。
そう、トンボは羽化したときからどんどん色が変化していく種類が多いのです。みんなの知っている赤とんぼの仲間ももう出現して赤くなる日を待っているのです。

アオヤンマですが、これはまだ羽化したてなのか、アオヤンマらしい美しさにはなっていませんが、翅が少し黄色味がかっているのが特徴です。
オオセスジイトトンボ(環境省絶滅危惧Ⅰ類)、アオヤンマこれらは宮城県レッドリストの絶滅危惧Ⅱ類になっています。
絶滅危惧種であろうがなかろうが、伊豆沼が居心地いいよと言っているように見えました。

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