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アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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磐梯朝日国立公園

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2015年08月25日自然ふれあいイベント『五色沼散策とオオハンゴンソウ防除体験』を開催しました!

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 渡部 のり子

みなさんこんにちは。

裏磐梯の渡部です。

         

早いもので、もうすぐ9月ですね。

裏磐梯は日中も涼しく、長袖で過ごせるようになりました。

みなさんはどのようにこの夏を過ごしましたか。

          

さて、今回の日記では先日開催しました、自然ふれあいイベント「五色沼散策とオオハンゴンソウ防除体験」の様子をお伝えします。

          

〝オオハンゴンソウ〟ってなんだろうと疑問に思った方もいらっしゃると思います。

オオハンゴンソウは外来生物で、もともと日本にはいなかった黄色の花を咲かせる植物です。

写真:オオハンゴンソウ(左)、ヤエザキオオハンゴンソウ(右)

       

明治時代の中ごろに観賞用として日本にやってきたのがはじまりです。

この〝オオハンゴンソウ〟ですが、とても繁殖力が強く、

もともと日本に住んでいた植物たちの生育場所を奪ってしまっています。

      

今回のイベントでは、そのオオハンゴンソウを抜き取る、防除体験を行っていただきました。

午前中は五色沼自然探勝路をパークボランティアの皆さんの案内で散策し、五色沼周辺の美しい自然や裏磐梯の特徴などを知っていただきました。

散策路にはマイヅルソウやクロモジなどのかわいい実や、ホツツジやミズヒキなどの花が咲いてしました。その他にも磐梯山の噴火後、裏磐梯でアカマツの植栽を行った遠藤現夢という方の話や裏磐梯にすむ外来生物の話などをしながら、楽しく散策を行いました。

    

写真:自然散策の様子

    

午後の防除では、オオハンゴンソウが沢山咲いている場所で抜き取り作業をおこないました。

オオハンゴンソウの根は数センチ残っているだけで、そこからまた芽がでてくるので、根っこをきれいに取り除かなくてはいけません。

参加者の皆さんはちぎれやすい根っこに悪戦苦闘しながら一生懸命に防除作業を行って下さいました。

1時間もしないうちに45Lの袋、5袋分のオオハンゴンソウを除去しました。

     

写真:防除活動の様子と集合写真

     

当日はあいにくの雨模様でしたが、外来生物や裏磐梯の自然について楽しく話しながらイベントを開催することができました。

イベントにご参加下さった皆様、オオハンゴンソウ防除へのご協力とご理解をいただき、心より感謝申し上げます。

また、開催にあたりご助力いただきました関係機関の皆様、裏磐梯地区パークボランティアの皆様に心より御礼申し上げます。

     

*・*・*・*・*・*・*・*・*・*

    

ここ裏磐梯・五色沼周辺でのオオハンゴンソウの防除活動だけでも生育スピードに追い付けず、オオハンゴンソウの勢いが衰える気配はありません。

オオハンゴンソウは裏磐梯だけでなく全国でその生育地を広げています。

もし、皆さんのお家の敷地内にオオハンゴンソウが生育している場合は、抜き取りや除草剤による除去を行って下さい。皆様のご協力とご理解を賜りますようお願い申し上げます。

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2015年08月12日「磐梯朝日国立公園 第7回月山を外来植物から守ろう」を開催しました。

磐梯朝日国立公園 羽黒 白銀 顕

 平成28年より国民の祝日となる「山の日」8月11日にあわせて、平成27年8月11日(火)に「磐梯朝日国立公園 第7回月山を外来植物から守ろう」を開催しました。

【除去作業の様子】

 今回の行事では、月山スキー場上駅周辺にて外来植物の除去作業を実施しました。夏スキーで有名な月山スキー場ですが、月山登山の際にリフトを利用する方も大勢いらっしゃいます。ここでも外来植物の種が登山者の靴や服、工事用資材などに付着して運ばれ、生育していると思われる外来植物が多数分布(平成25年調査では9種)確認されています。

【除去した外来植物】

 今回は、調査結果や事前下見のもとに「生態系被害防止外来種」該当種の中から、一般参加者による植物の見分けを考慮して、「セイヨウタンポポ・エゾノギシギシ」の2種を対象として除去作業を行いました。参加者27名、作業時間約1時間30分で、生重量93.6㎏もの外来植物の除去を行うことができました。

※「生態系被害防止外来種」については、下記ホームページを参照ください。

■環境省HP外来生物法内 http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/list.html

【姥ヶ岳登山中の様子】

 除去作業後には、羽黒地区パークボランティアの案内で姥ヶ岳へ登り、キンコウカやチングルマ、ニッコウキスゲといった高山植物の花々を楽しみました。

【姥ヶ岳山頂での昼食中の様子】

 曇り空で眺望はいまいちでしたが、月山の爽やかな涼しい風を浴びながら、山頂で賑やかに昼食をとりました。(この頃から、暑い下界に下りたくない旨の声が多々耳に。。。)

 

 月山の高山植物や景色にふれあい、それらを守るために外来植物の除去作業を行い、「山の日」の趣旨「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」に、合致する一日となったように思います。

 

 多くの参加者から「次回はいつ開催する予定ですか?」とお尋ねいただきました。今年度は最後の企画となりましたが、外来植物の生育分布状況を注視しながら、来年度も継続して開催していく予定です。引き続き、活動へのご協力・ご参加をお待ちしています!

 

 今回、共催の月山ビジターセンター運営協議会、後援の西川町、協力の休暇村羽黒、月山観光開発株式会社、月山ガイド協会、関係者の皆様のお力添えで開催することができました。また、参加者の皆様、ガイド役を担っていただいた羽黒地区パークボランティアの皆様、本当にありがとうございました。

※今回の植物除去は、関係機関・土地所有者の了承を得て行っています。また、国立公園 特別保護地区内では、許可なく植物を採取することは禁止されています。

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2015年07月17日鶴岡市自然学習交流館「ほとりあ」にてアクティブ・レンジャー写真展開催中!

磐梯朝日国立公園 羽黒 白銀 顕

 鶴岡市自然学習交流館「ほとりあ」(山形県鶴岡市)にて、アクティブ・レンジャー写真展(春・夏編)を平成27年7月27日(月)まで開催しています!

【館内まったりルームで展示中】

 「ほとりあ」は、ラムサール条約登録湿地と国指定鳥獣保護区に指定されている大山上池・下池のほとりにある自然学習交流拠点の施設です。「ほとりあ」でのアクティブ・レンジャー写真展は初めての開催となります。

【展示休憩室】

 木のぬくもりを感じられる館内では、手作りの展示が満載で、子どもも大人も一緒に楽しみながら過ごせる雰囲気となっています。先日、写真展の設置に伺った際には、夕方時ということもあって、地域の子ども達がひっきりなしに遊びに訪れていて、わいわい賑やかな様子でした。

 里山情報マップコーナーには、大山上池・下池や隣接する都沢湿地の生き物情報が掲載され、鳥獣保護区管理員さんの巡視時の野鳥情報も提供・掲示されています。職員の方「毎週のように県外から「ほとりあ」へ訪れ、野鳥情報を確認してから下池周辺の野鳥観察に訪れる方もいらっしゃいますよ!」とのことには驚きでした。池や湿地、山に囲まれた多様な環境が、多くの種類の野鳥を観察することに適しているのかもしれません。下池の周囲には散策路があり、1時間余りで散策することもできます。

【ほとりあ外観】

 また、クラゲ水族館で知られる「鶴岡市立加茂水族館」や、「湯野浜温泉・海水浴場」の近くに立地していますので、近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。

■ほとりあホームページ http://hotoria-tsuruoka.jp/

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2015年07月06日〝国指定重要文化財 天鏡閣〟にてアクティブ・レンジャー写真展開催中!

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 渡部 のり子

みなさんこんにちは。

裏磐梯の渡部です。

裏磐梯も雨の日が多く、梅雨らしい天気が続いています。

     

さて、今回はアクティブ・レンジャー写真展の開催案内です。

毎年、裏磐梯自然保護官事務所では管内のビジターセンターや自然を案内する施設で写真展を開催してきました。

今年はビジターセンターを飛び出し、猪苗代湖畔にある『国指定重要文化財 天鏡閣』にて〝東北アクティブ・レンジャー写真展-四季-〟を開催しています!

天鏡閣にお立ち寄りの際はぜひ、写真展の方もご覧になっていただければと思います。

       

写真:天鏡閣

       

さて、今回写真展を開催している天鏡閣ですが、こちらの建物も磐梯朝日国立公園内にあります。

天鏡閣は明治40年に有栖川宮威仁親王殿下(ありすがわのみやたけひとしんのうでんか)が東北地方を訪れた際、その風光の美しさを賞され、御別邸を建てられました。猪苗代湖が鏡のように見えたことから『天鏡閣』と名付けられ、李白の句『明湖落天鏡』に由来しているそうです。

現在は、国指定重要文化財として保護され、福島県が管理を行っています。

       

1階食堂(写真展開催中)

             

明治の時代、その風光の美しさから御別邸を建てられたとのこと。

これからもその美しい風景や自然の営みを次の世代に引き継いでいけるよう、

国立公園としても、美しい自然を守っていかなければと感じました。

        

今回、写真展を開催している天鏡閣では「ドレスの試着」や「ロイヤルティー&スイーツ」なども楽しむことができるそうです!

明治時代の優雅な雰囲気を楽しみながら、私達アクティブ・レンジャーが撮影した四季の美しい写真も同時に楽しんで頂きたいと思います。

       

1階廊下(アクティブ・レンジャーの仕事を紹介)

        

最後に天鏡閣についてですが、入館料が必要となりますので事前にお確かめの上お越しいただければと思います。

天鏡閣ホームページ http://www.tif.ne.jp/soumu/tenkyokaku.htm

     
天鏡閣でのアクティブ・レンジャー写真展は7月末まで開催中です。

皆様、ぜひお越しください!

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2015年06月08日登山者カウンター設置と落としもの

磐梯朝日国立公園 羽黒 白銀 顕

 先日6月4日、磐梯朝日国立公園 朝日地域内の「朝日鉱泉口」と「古寺鉱泉口」の2箇所に、登山者カウンターを設置してきました。環境保全対策等の基礎データである登山者数の把握のため、朝日地域では平成24年より計測を始め、今年4年目となりました。

▼磐梯朝日国立公園朝日地域における入山者数調査について(お知らせ)

http://tohoku.env.go.jp/to_2015/post_27.html

【朝日鉱泉口設置状況】

 朝日鉱泉口は平成25年7月の豪雨災害によって、災害以降、不通となっていました。今年、ようやく開通となりましたので、計測を再開しました。開通によって登山者の動きが変わるのか、気になるところです。

【古寺鉱泉口設置状況】

 古寺鉱泉口は、広大な朝日連峰の数ある登山口で一番利用の多い登山口となっています。

 平成26年は、平成25年の豪雨災害の影響により、近辺の登山口である「日暮沢口」と「朝日鉱泉口」が車両によるアクセスができない中、古寺鉱泉口へは車両によるアクセスが可能であったため、特に古寺鉱泉口への利用が集中・増加しました。そのため、古寺鉱泉-大朝日岳へ至る登山道については、登山道利用による道への負荷がより高まっていると考えられます。

 特に、平成25年の豪雨災害によって大規模な侵食が発生し、朝日連峰保全協議会により合同保全作業を実施した「三沢清水下部」は当該登山道中にあります。もともと荒廃が進行しやすい箇所ですので、登山道利用者数が増えたことによる道への負荷の高まりが、さらなる登山道の荒廃を進行させてしまう恐れがあります。そのため、今後も注視していく予定です。

 設置作業を行った日は、一日中、強い風が吹いていました。そのためか、機器設置のために登山道を歩いていると、沢山の落としものがありました。その一つが風や虫によって落ちたと思われるブナの枝でした。平成26年は管内の朝日地域をはじめ、飯豊地域、出羽三山地域では、実がなっているのをほとんど確認できませんでしたが、どうやら今年は豊作のようです。

 夏山シーズンに向けて、現場での業務が多くなってきました。冬の間、私の身体についた余分なものが徐々に落ちていくものと思われます。(こちらは個人的に計測)

※登山者カウンターの倒れや破損などありましたら、羽黒自然保護官事務所(TEL:0235-62-4777)までご連絡 をお願いします。

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2015年06月01日磐梯山山開きに行ってきました。

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 渡部 のり子

皆さんこんにちは。裏磐梯の渡部です。

裏磐梯ではエゾハルゼミが鳴き、森の中が賑わっています。

皆さんがお住まいの場所ではどんな虫たちが活動をはじめたのでしょうか。

さて、磐梯山や安達太良山など、各所で山開きが行われました。

今回の日記では、磐梯山の山開きの様子をお伝えします!

5月24日(日)に猪苗代スキー場で磐梯山山開きの神事が行われました。

猪苗代スキー場にある登山口には多くの登山者が集まり、今シーズンの安全を祈願しました。

左上:神事の様子         右上:スキー場を登っていく登山者

左下:ムラサキヤシオが咲く登山道 右下:水辺に咲いていたミズバショウ

登山道は色とりどりの服装で彩られ、とても華やかな道のりでした。きつい上り坂も多くの方と一緒に山を楽しみながら、元気に登ることができました。

登山道の道端には、ムラサキヤシオ(赤紫色のツツジ)やミヤマキンバイが咲き、水辺にはミズバショウも咲いていました。

弘法清水に付くと、他の登山口からの登山者の皆さんと合流し、山小屋で休憩したり、弘法清水という湧水を飲んだりして、多くの方で賑わっていました。

山頂へと続く道は大渋滞で、いつもの倍の時間がかかりましたが、すれ違う方々と言葉を交わしながら、楽しく山頂に向かうことができました。

山頂では翁島登山口から直登して来た方々とも合流し、たいへんな賑わいでした。

とても良く晴れていたので、山頂からの景色も素晴らしいものでした。南には猪苗代湖が一望でき、田んぼに水が張ってあったので、まるで猪苗代湖の水があふれだしたかのように見えました。東には安達太良山を望むことができました。北側は猫魔ヶ岳や吾妻連峰、桧原湖などを楽しむことができ、西側を見ると、会津盆地が広がり、遠く飯豊山も望むことができました。

写真:山頂から見た猪苗代湖

今シーズンも山々の恵みに感謝して過ごしていきたいと思いました。

本格的な登山シーズンが始まりました。

登山の際はしっかりとした計画をたて、万が一の場合に備え登山者カードの提出を忘れずに行って下さい。

また、地図や防寒具、場所によってはクマ鈴の携帯など万全の装備でお出かけ下さい。

これから皆さんが登る山々で、沢山のすてきな思い出や出会いがありますように。

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2015年04月23日羽黒地区パークボランティア年度はじめ集会

磐梯朝日国立公園 羽黒 白銀 顕

 4月より羽黒自然保護官事務所に下本敬己(しももと たかき)自然保護官が着任されました。私の3倍は爽やかです!現場などでお会いしましたら、是非ご気軽にお声がけください。

【左:白銀 右:下本保護官】

 さて、今回は月山ビジターセンターにて4月12日(日)に開催の「羽黒地区パークボランティア年度はじめ集会」をご紹介します。

 毎年恒例の開催となっていますが、今年はパークボランティアの皆さん17名、月山ビジターセンター職員、羽黒自然保護官事務所で21名の参加となりました。

 午前中は山形県鶴岡市消防署の職員の方を講師に、消防避難訓練と救命講習会を行いました。

【避難訓練の様子】

【初期消火訓練の様子】

 まず、センター館内で火災が発生した想定で、来館者役と誘導役に分かれて避難誘導訓練を行いました。その後、訓練用の水消火器を用いて初期消火訓練も実施しました。

【救命講習会の様子】

 続いて、AED(自動体外式除細動器)を用いた救命講習会を受講しました。万が一に備え、繰り返しの反復練習が重要とのことで、毎年、同講習を受けています。実際にAEDも用いた救命処置の経験者が、参加者のうち、3名もいたことには驚きでした。

 下本保護官の歓迎会を兼ねた昼食会をはさみ、午後からは意見交換会を行いました。

【意見交換会の様子】

 平成27年度の活動計画をはじめ、月山ビジターセンターの自然観察会といった行事に関することを中心に、意見を交わし合いました。

 外は春のぽかぽか陽気。青空のもとで話し合いたい程でしたが、活動に対する提案もありましたので、それらを今後の活動に反映できるように進めていきたいと思います。

 皆様、今年度もよろしくお願いします!

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2015年03月19日国指定大山上池・下池鳥獣保護区の巡視

磐梯朝日国立公園 羽黒 白銀 顕

 先日、3月16日(月)に山形県鶴岡市にある国指定鳥獣保護区大山上池・下池へ、管理員の方と巡視に行ってきました。
 上池と下池の2つの池からなるこの保護区は、ラムサール条約湿地にも登録されていています。秋から春にかけて、カモ類やハクチョウ類を中心に、数万羽の渡り鳥が越冬します。

【飛び立ちの様子】
 当日の朝早くには20羽ほどのコハクチョウを確認しましたが、明るくなってから一斉に飛び立っていきました。今季は10月上旬に飛来が確認され、多いときで約4,000羽確認されたとのことです。ハクチョウの北帰行は終盤のようです。

【巡視中の様子(管理員さんカウント中)】
 まだ滞在しているカモ類は、マガモやコガモなど数千羽確認されました。それらを種別にカウントする管理員さんにはいつも脱帽です。
 陽気な日差しに誘われてうたた寝しているカモ達の姿に、帰行前のんびりしているように感じられました。しかしながら、敏感な鼻を持つ私のくしゃみ(花粉症)によって、彼らの眠りを妨げてしまったのは反省事項でした。渡り鳥の北帰行がおよそ終わる5月までは、万が一の鳥インフルエンザ発生に備えて、陽気とは逆に今一度気を引き締めたいと思います。

【キクザキイチゲ】
 大山上池・下池は日本海に近く、庄内地方の中でも積雪が比較的少ないこともあり、春の訪れが一歩早いところです。池の遊歩道沿いではオオミスミソウ、キクザキイチゲ、カタクリ、マルバマンサクといった春一番の花を確認することができました。どれも今春の初見でした。

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2015年01月30日母校へ講師に

磐梯朝日国立公園 羽黒 白銀 顕

 挨拶(投稿)遅くなりましたが、本年もよろしくお願いします。羽黒自然保護官事務所のある山形県鶴岡市では、年始めの頃は例年より雪が多いとよく聞いていましたが、ここ1~2週間程はまとまった雪もなく、締まりつつあるようです。

 さて、1月13日(火)に母校である東京農業大学の講義に、講師として招かれる貴重な機会がありました。造園科学科の「自然保護論」という講義の1コマを担当させていただきました。数年前には、私自身も受講していた講義です。

 講義では、①自然公園の制度、②磐梯朝日国立公園の紹介、③羽黒自然保護官事務所の業務紹介の3つに分けてお話しました。

 講義の冒頭「皆さんは、国立公園へ訪れたことがありますか?」と学生へ投げかけたところ、8割程が手を挙げて答えてくれました。これまでの講義でも幾度が学んでいることもあったかと思いますが、想像していた以上の回答率に大変嬉しく感じました。

 講義の中で一番伝えたいこととして「自然公園へ訪れ、造園の多角的な視点で観て楽しんで欲しい」とお話しました。私自身が大学卒業後、国立公園と関わる中で常々感じていることです。学生の皆さんはまもなく春休みに入るとのことで、この講義が国立公園をはじめ自然公園へまた訪れるきっかけ、就職などの将来の参考になればと思います。

 講義の終わりには、何点かの持参した資料を配り、学生から質問を受けました。シカ対策や登山道保全に関する質問、初めてみる公園計画図を興味深そうに見入る学生もいました。

 まだまだ私自身が勉強不足であることも多々感じる機会ともなりましたが、この経験を逆に励みにこれまで以上に現場での業務に取り組みたいと思います。

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2015年01月06日裏磐梯地区パークボランティア・スキルアップ研修会を行いました!

磐梯朝日国立公園 渡部 のり子

皆さん明けましておめでとうございます。裏磐梯の渡部です。
今年もよろしくお願い致します。
2015年が皆様にとって、より良い1年になることをお祈り申し上げます。

   

さて、だいぶ前の話になってしまいますが、今回の日記では先月12月13日(土)に行った裏磐梯地区パークボランティア・スキルアップ研修会の様子をご紹介します。

   

昨年9月に起きた御嶽山の噴火を受けて、登山者の方にも広く火山防災の意識が高まっています。裏磐梯地区パークボランティアの皆さんが活動する磐梯朝日国立公園の磐梯吾妻・猪苗代地域には磐梯山をはじめ吾妻山、安達太良山の3つの火山があります。今回の研修ではそれぞれの火山の特徴を確認し、火山防災について学び、巡視活動や自然観察会の際に役立ててもらうことを目的に行いました。
   

研修会の様子

   
研修会の講師には磐梯山噴火記念館の佐藤公副館長をお招きして、「火山の基礎知識と火山防災」について実験を交えながらご講義頂きました。
   

火山の基礎知識として、火山のできる場所や火山の種類、噴火の種類などを学びました。また、火山防災に関してはハザードマップの見方を教えて頂いたほか、火山災害を始めとした災害に対応するには日頃から『自分自身の住む地域や活動する地域の大地を学ぶことが命を守ることに繋がる』ということを教えて頂きました。
   

講義の他に火山に関する実験も行いました。1つめは成層火山が出来上がる様子を再現する実験、2つ目はマグマの粘り気の違いを見る実験、3つ目は模型に液体を流して泥流を再現する実験を行いました。
成層火山の実験では、火口となる穴から噴出物となる色違いのドロドロが幾重にも重なり、層ができる様子をよく理解することができました。
  

左上:火口となる穴から色のついた粘土のような素材を出す作業
右上・左下:色が違うものを何度も火口から出しました
右下:ストローを使ってボーリング調査!そして切ってみるときれいな層に!

  
マグマの粘りに関する実験では、サラサラな緩いマグマとドロドロな固いマグマの違いを観察しました。きなこで作った山の下から粘り気が違う2種類の液を使って再現しました。サラサラなマグマの方が山の崩れ方が大きく裾野にあたる所まで流れ、ドロドロなマグマは山の崩れ方が小さく、下まで流れていかないという違いが見て取れました。実験を交えての講義だったので、とても分かりやすく、そして楽しく火山について知ることができました。
  

左:サラサラなマグマ
右:ドロドロなマグマ


普段は温泉や美しい景観など、火山の恩恵を受けて生活していますが、火山には噴火という一面もあります。沢山の性質を持つ、火山とどう付き合っていけば良いのかを改めて深く考え、学ぶことができました。
とても分かりやすく講義をして下さった磐梯山噴火記念館の佐藤副館長様、心より御礼申し上げます。
そして、お集まりくださったパークボランティアの皆さん、本当にありがとうございました。


最後に、昨年の12月12日に吾妻山(一切経山)の噴火警戒レベルが2に引き上げられました。大穴火口から半径500mが立ち入り規制区域となっています。(気象庁基準)
現在は冬季のため、磐梯吾妻スカイラインが冬季通行止めとなっておりますが、福島市の対応として高湯ゲート、土湯ゲート、微湯温泉からの登山口で入山規制が行われ、登山を自粛するよう呼びかけを行っています。
山形県側の登山口にも注意喚起の看板が設置されているそうです。各自治体の案内に従って、安全第一とした対応をお願い致します。

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