磐梯朝日国立公園 裏磐梯
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2021年07月28日「桧原湖観光船の運航再開」
磐梯朝日国立公園 裏磐梯 田中謙行
こんにちは。裏磐梯自然保護官事務所の田中です。
今回のAR日記は、7月22日から運航再開された「桧原湖観光船」の試乗会の写真報告になります。
2019年11月から運行していなかった桧原湖の観光船が新たな運営をするグランベルホテルにより約2年ぶりに運航再開となりました。
桧原湖が凍る11月上旬まで1日6便の運航予定。約35分の周遊コースとなります。
中学生以上が\1,400- 4歳から小学生まで\700-(いずれも税込み)です。
湖上からはまた一味違った裏磐梯、桧原湖の景観が望め新鮮です。
安達太良山の沼の平も確認できました。 デッキは爽快感でいっぱいです。
この「あづま丸」が裏磐梯、桧原湖のシンボルの一つとして親しまれていくことを期待しています。
景観はもちろんですが、これから夏本番の猛暑がやって来ますので爽やかな「涼風」を、秋には湖上からの「紅葉」を満喫しに来てくらんしょ。
今回はこれで、おしまい。
2021年07月19日「五色沼自然探勝路」巡視
磐梯朝日国立公園 裏磐梯 村上英夫
東北地方の梅雨が明けた7月16日の金曜日、「五色沼自然探勝路」の巡視活動を行いました。この日、福島市と会津若松市は35℃以上の猛暑日の予想でしたが、裏磐梯には夏空に涼しい風が渡っていました。
〈るり沼〉
平日でしたが、多くの方々が散策したり写真撮影や写生を楽しんでいました。いくつかの小学生の団体も大型バスで訪れていました。
〈弁天沼〉
先日開催された『磐梯吾妻・猪苗代地域満喫プロジェクト地域協議会』に参加されていた有識者のご意見の中に、磐梯朝日国立公園の長所は、①アクセスが良いこと、②地形がフラットな場所が多いこと、③四季折々の豊かさがあること、というご指摘がありました。確かに、裏磐梯地区には、深く豊かな自然の懐の中へ誰もがアプローチしやすい場所がたくさんあります。五色沼の他にも、整備された探勝路が多く点在しています。私は福島市出身なのですが、裏磐梯に勤務するようになってから、この地区の良さを再認識しています。この場でまたいつかご紹介したいと思います。
〈毘沙門沼より磐梯山を望む〉
2021年07月15日「磐梯朝日国立公園磐梯吾妻・猪苗代地域 満喫プロジェクト地域協議会」
磐梯朝日国立公園 裏磐梯 田中謙行
「磐梯朝日国立公園磐梯吾妻・猪苗代地域 満喫プロジェクト地域協議会」
こんにちは。裏磐梯自然保護官事務所の田中です。
今回のAR日記は、7月13日に行われた「磐梯朝日国立公園磐梯吾妻・猪苗代地域 満喫プロジェクト地域協議会」設立の報告になります。
「明日の日本を支える観光ビジョン」に基づき、国立公園の「ナショナルパーク」としてのブランド化を目指すため、環境省は「国立公園満喫プロジェクト」を立ち上げております。
これまでの国立公園満喫プロジェクトの取り組みをもとに、「磐梯朝日国立公園」においても国立公園のさらなる魅力向上、新たな展開を図るため協議会を設立しました。環境省や県、それに関係する市町村、観光協会、山岳会などによるおよそ50人ほどが会場とオンラインに分かれての参加となりました。
13:30司会の東北地方環境事務所の苅部氏の発声で開催スタート。
我らが黒江保護管理企画官が設置要綱の説明をし、中山 東北地方環境事務所長が本協議会の会長を
つとめさせていただく事となりました。
「この地域の魅力を磨いて、そして地元が誇りをもっていけるような、そして多くの人に来ていただく。
当面、コロナでちょっと厳しいけれども、ゆくゆくは海外の人にも来ていただく。というような事を考えながら皆さんと一緒に進めていきたいと思います。」と会長の挨拶。
・自然を満喫できる上質なツーリズムの実現とブランド化。
・コロナウイルスによる影響前の国内利用者の復活。
・訪日外国人利用者数1000万人目標を見据えた、コロナウイルス影響前の訪日外国人利用者の復活。
・取り組みを行う公園・地域ごとに個別の目標・指標の設定。
などを上げ、今後の部会において具体的な事項の検討を進めて行くとしました。
協議会のメンバーからは、観光客が年々減少している実情などが報告され、「精神文化、食文化とつなげたツーリズム」「農業体験ツーリズム」「自然アクティビティ体験ツーリズム」「教育旅行」などの充実、また「修景伐採、廃屋問題」「二次交通の確保」「登山道、村道の整備」などなど様々な課題が上がりました。
この協議会を通して、国立公園を軸に利用することで(自然を壊すことなく)地域の活性化に繋げて行けるよう裏磐梯自然保護官事務所も一丸となって進みたいと思いました。
良い意味で稼げる国立公園めざして頑張っぺ。
今回はこれで、おしまい。
2021年07月06日小学校で授業を行いました
磐梯朝日国立公園 裏磐梯 村上英夫
先日、地元の小学校の授業に講師として参加しました。ここ数年、毎年お手伝いさせていただいています。
まず6月28日(月)に外来種と特定外来生物についての授業を行いました。生徒は小学3年生8名。
この授業は、後日、野外で実施される「自然体験教室」の事前学習です。
パワーポイントを使って授業を進めます。これは当事務所の先輩レンジャーさんが作ってくださった
教材です。外来種の説明の後、裏磐梯に生息する特定外来生物のウチダザリガニを紹介します。
村上:沼にはいろんな生き物が住んでいますが、さあ、ウチダザリガニが入ってきたらどうなるんだろう?
生徒:うわあああああ(悲鳴)
村上:というわけで金曜日に、みんなにザリガニを減らすお仕事を手伝ってほしいんです。
手伝ってくれるかな?
生徒:は~~~い!
村上:でも、沼の生きものたちを食べたり追い出したりするウチダザリガニは、悪者なのかなあ、、、
生徒:僕はちがうと思う。だってウチダザリガニは人間に連れてこられたんだから、、、悪いのは人間!
村上:ん~、そうだね~。ウチダザリガニはただ一生懸命に生きているだけなんだよね。
というようなお話を踏まえて、週末の金曜日に曽原湖の近くの小さな沼で、ウチダザリガニ釣りが行われ
ました。
村上:釣ったウチダザリガニは他の場所に持って行くことはできません。ではどうしたらいいだろう?
生徒:(ちょっと考えて)食べる~~~!
村上:そうだね。生きものはみんな他の生きものの命をいただいて生きています。このザリガニはレンジャーがいただくことにします。
生徒:僕たちも食べたーい!
村上:ん~、残念だけどみんなはもう学校へ帰らなくちゃね。
生徒:はーい。でもちゃんと食べてあげてね~。
村上:ありがとうという気持ちでいただきます。
生徒:クロレンジャー、ムラレンジャー、今日はありがとうございました~
一緒に参加していたレンジャーの黒江さんは「クロレンジャー」、アクティブレンジャーの村上は「ムラレンジャー」という愛称を子供たちからいただきました。終始、黄色い元気な声に包まれ、好奇心にあふれた瞳の輝きに触れ、こちらが元気をもらえた心温まる2日間でした。
2021年06月24日雄国沼探勝路巡視
磐梯朝日国立公園 裏磐梯 村上英夫
6月21日(月)に、裏磐梯から雄国沼へ至る2つの探勝路(雄国せせらぎ探勝路―雄国パノラマ探勝路)の巡視を行いました。湿原の花々が見頃を迎えつつあり、多くの人々が訪れていました。湿原の様子をお楽しみください。
ニッコウキスゲはまだ5~6割の開花でコバイケイソウはほぼ最盛期、ヒオウギアヤメの紫とレンゲツツジの橙色がアクセントとなり、湿原は花の絨毯を敷き詰めたような風景です。ニッコウキスゲは、雪が早く消えた影響らしく例年より早い開花、コバイケイソウはどうやら全国的に当たり年のようです。
〈雄国山から雄国沼を望む〉
雄国沼湿原と喜多方市の萩平駐車場とを結ぶ道路のマイカー規制が6月19日から7月11日まで実施され、シャトルバスの運行も新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となったため、雄国沼へは北塩原村から入る3つの探勝路を利用することになります。徒歩で約1.5~2.5時間のルートです。最短ルートの「雄国せせらぎ探勝路」の起点の雄子沢駐車場は狭く(普通車23台、大型車3台)、路上駐車されるハイカーが多く見られます。満車の場合は「ラビスパ裏磐梯」または「裏磐梯高原駅(物産館)」より路線バスのご利用をお願いしています。「ラビスパ裏磐梯」からは「雄国パノラマ探勝路」を利用することもできます。雄国山を経て雄国沼へ至る、趣のあるルートです。
2021年06月15日「西吾妻山 山開き」
磐梯朝日国立公園 裏磐梯 田中謙行
「西吾妻山 山開き」
こんにちは。裏磐梯自然保護官事務所の田中です。
今回のAR日記は、6月11日に行われた西吾妻山山開き安全祈願祭及び登山ルート巡視を行った報告になります。この度は天気に恵まれ快晴のもと山開き安全祈願と巡視ができました。
登山ルートにはまだ残雪があり危ないところが数か所ありました。雪解けしたばかりで春の花はこれからが見頃になると思われます。
西吾妻山は吾妻連峰最高峰で標高2035mの名山です。たおやかな山脈で山域全体にはハイマツ、アオモリトドマツ、ブナ林が広がり、高層湿原では高山植物が鮮やかな彩りを添えてくれる山です。
今回は安全祈願祭を行った天元台ロープウェイ終点からリフトを乗り継いで終点北望台まで行き、人形石→天狗岩→西吾妻山のコースを予定していましたが、安全祈願祭後のリフト運行であったのと残雪がおおく時間的に厳しいものがあったため山頂手前の天狗岩までの巡視となりました。
安全祈願。
最初に出迎えてくれた「オオカメノキ」「ムラサキヤシオツツジ」と「バイカオウレン」
自戒もこめて、人もこうありたいものです。
「梵天岩」からは東大巓、家形山、一切経山が見えます。その奥には積乱雲。
雲行きがあやしくなってきたころ「天狗岩」に到着です。あと少しで山頂でしたが、「吾妻神社」にお参りをして、帰りのリフトの時間に間に合うようここで引き返すことにしました。
今回の登山口にあたる天元台ロープウェイ湯本駅周辺には白布温泉があり、趣のあるたくさんの温泉宿も隣接していますので、こちらもお薦めです。
梅雨が明けたら、皆さまも来てくらんしょ。
今回はこれで、おしまい。
2021年06月04日雄国沼の巡視
磐梯朝日国立公園 裏磐梯 村上英夫
6月1日(火)に雄国沼の遊歩道と木道の巡視を行った時の様子をお伝えします。
〈雄国沼〉
湿原にはコバイケイソウ、タテヤマリンドウ、ミツバオウレンがたくさん姿を見せています。これから梅雨にかけて、湿原は様々な花々で賑やかになります。
〈雄国沼から西吾妻の山々を望む〉
〈ミツバオウレン〉
6月はワタスゲが白い穂を膨らませ、花々が美しい可憐な花が姿を見せ始めます。そして7月にはニッコウキスゲが湿原を黄色い絨毯のように覆います。毎年多くの方々が木道を散策しますが、木道の一部で、冬の間に雪の重みで段差ができたり傾いてしまった箇所がありますので、歩行には注意が必要です。
さて、雄国沼湿原と喜多方市の萩平駐車場とを結ぶ道路のマイカー規制が、6月19日から7月11日まで実施されます。そのルートは例年ですとシャトルバスが運行していましたが、残念ながら、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、昨年に続いて中止となりました。なお、雄国沼へは北塩原村から3つの探勝路があります。徒歩で約1時間半から2時間半のルートです。探勝路の起点にある駐車場は狭く、路上駐車はできないので、ハイシーズンは公共交通期間のご利用をおすすめします。
2021年06月01日登山者カウンター設置
磐梯朝日国立公園 裏磐梯 村上英夫
こんにちは。
5月に裏磐梯自然保護官事務所に配属されました村上英夫と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
雪が消え木々の新緑が芽吹き始め、人々が自然のフィールドに入る頃、私たちは登山者カウンターを設置します。裏磐梯の事務所は、管内の10カ所に設置しますが、その時の様子の一部をお伝えします。
〈銅沼から望む磐梯山〉
5月24日(月)、裏磐梯スキー場から磐梯山に至る登山ルート2カ所に設置しました。曇天でしたが、時々陽射しが差し込んで、磐梯山が新緑にくっきりと映えていました。
〈銅沼のほとりの登山道〉
スキー場トップからしばらく歩くと「銅沼(あかぬま)」に至ります。ここは湖底の泥が水酸化鉄を含んでいて赤茶けて見えます。沼にさしかかった登山道脇に一基設置しました。設置場所は慎重に選んでいます。しかし通過時に、やや窮屈な感じを抱く方もいらっしゃるかもしれませんが、貴重なデータを得るために必要なものですので、どうかご理解をいただければ幸いです。
〈スキー場から噴火口方面へ至るルートの入り口〉
スキー場トップから左に分ける登山ルートの分岐点にもう一基設置しました。このルートは噴火口の火口原に至ります。そのまま登ると山頂ですが、ガレているので足下に注意が必要なルートです。
〈携帯トイレ回収ボックス設置〉
裏磐梯スキー場の登山道から駐車場へ入る場所に、携帯トイレ回収ボックスを設置しました。
登山ルートにトイレはありませんので、山行中は携帯トイレが必要ですが、山頂直下の弘法清水小屋で携帯トイレを販売しており、使用するためのブースも設置されています。
翌5月25日(火)、吾妻連峰の浄土平に一基設置しました。一切経山の火山活動は落ち着いています。
浄土平の様子は、「一般財団法人自然公園財団浄土平支部」のHPに数時間おきにUPされています。当日の気象情報、道路規制情報、工事のお知らせ、山の様子などを伝えてくれています。貴重な情報源として私たちも利用しています。→ https://www.bes.or.jp/joudo/
〈一切経山が間近に望める浄土平の中央部付近〉
浄土平では、ワタスゲの黄色い花が終わって白い綿毛に変わり始めました。これから様々な高山植物が顔を見せ始めます。梅雨の頃は高山植物が賑やかになる時期です。
〈吾妻小富士〉
毎年、多くの方が足を運ぶ吾妻小富士では、登山道の改修工事が始まって、お鉢までは通行できなくなっています。工事情報についての情報は、浄土平のHPやスカイライン横に設置した立看板等で周知が図られています。工事は8月下旬まで行われる予定です。
登山者カウンターは秋に撤去します。それまでは少し目障りかもしれませんが、どうかご理解を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。
2021年05月20日「安達太良山 山開き」
磐梯朝日国立公園 裏磐梯 田中謙行
「安達太良山 山開き」
こんにちは。裏磐梯自然保護官事務所の田中です。
今回のAR日記は、5月16日に行われた安達太良山山開き安全祈願祭及び登山ルート巡視を行った報告になります。雨が降り始める前に下山できましたが、あいにくの空模様と霧でビューティフルな景観報告はできませんが、山に咲くお花が出迎えてくれたので紹介を兼ね時系列で写真報告をいたします。
安達太良山は磐梯山とならび、東北のみならず日本を代表する標高1700mの名山です。
登山道はいくつかありますが、今回は利用者の多いコースで奥岳登山口からゴンドラリフトで山頂駅→薬師岳展望台→安達太良山山頂→峰の辻→くろがね小屋→あだたら渓谷自然遊歩道→奥岳登山口の周遊コースで巡視して来ました。
淡い紅色が悪天候を忘れさせてくれます。
「薬師岳展望台」まったく眺望ができません。空をみつめる「たそがレンジャー1号2号」
山頂は山開きとあって多くの登山客で賑わっていました。 安達太良山は乳首山ともいわれています。
「たそがレンジャー1号2号」
晴れていれば、和尚山、鉄山、箕輪山、吾妻山、磐梯山などが望めます。
下山途中で出会った「ミネズオウ」の花が可憐です。
濃い紅紫色の「ムラサキヤシオツツジ」 淡い紫色の「タチツボスミレ」
晴天バージョンのAR日記もお届けいたしたいと思います。
奥岳登山口には奥岳温泉が隣接しております。露天風呂ではパノラマが望めます。
お湯もよろしいのでお勧めです。
皆さまも来てくらんしょ。
今回はこれで、おしまい。
国立公園において、自然解説や美化清掃、野生動植物の保護管理や調査などの活動に、自発的に協力していただける方々を「パークボランティア」として登録しています。裏磐梯地区では19人の方々が登録され、探勝路や登山道の巡視と清掃美化、オオハンゴンソウの防除などに活躍されています。さて例年は4月に始動式を行い、11月までの8ヶ月間の活動がスタートするのですが、昨年に続き今年も感染症対策のために、8月のスタートとなりました。
午前中は活動計画内容についての説明と事務連絡の後、意見交換が行われました。ボランティアの皆さんは、多くの知識と見識をお持ちで、経験も豊富な方ばかりなので、特定外来生物の駆除方法やシカ・イノシシ対策、登山道整備のあり方などについて深い議論が交わされました。午後は消防署から救急救命士を招いて救命講習を実施しました。
これから月に4~5回のパークボランティア活動が予定されています。それにより特定外来生物防除が着実に進み、探勝路や登山道の美化と景観維持が担保されるようになります。計画通りに活動が実施できるよう、感染症状況が収まることを祈るばかりです。