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アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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十和田八幡平国立公園 鹿角

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2014年09月25日秋田駒ヶ岳地区での登山道保全作業(その2)

十和田八幡平国立公園 鹿角 高橋 孝貴

秋田駒ヶ岳の新道コース、阿弥陀池手前の登山道脇で裸地が点在している箇所を対象として、南八幡平地区パークボランティア・ホシガラスの会主催で登山道保全作業が行われました。

この日は仙北市役所の皆様、そして一般の方々も参加され、絶好のお天気の中での作業となりました。



今回は上の写真のような状態となっている場所3箇所で、以下の作業を行いました。



まずは土留めを兼ねた休憩用のベンチの作成・設置です。材料は、キャンプ場での改築工事の際に発生した廃材や、登山道で使われていた古い木製の杭など、リサイクル材がメインです。



ベンチ後ろの裸地には植生マットを敷きます。



そしてベンチの後ろには人が踏み込まないよう、ロープを張ります。



ベンチは座り心地も抜群で、しっかりした安定性!しかもこの場所は田沢湖や周囲の山々、そして遙か鳥海山まで見渡せる絶好のビューポイント!すでに紅葉がだいぶ進んでいますし、秋田駒ヶ岳登山の際には是非このベンチからの眺めを楽しみつつ疲れを癒やし、登山の後半戦への準備を整えていただければと思います。

素晴らしい整備計画を立案・実行してくださったパークボランティアの皆さんをはじめとして、絶妙の連携・作業分担で作業を完遂してくださったご参加の皆さん、本当にお疲れ様でした!

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2014年09月16日秋田駒ヶ岳地区での登山道保全作業

十和田八幡平国立公園 鹿角 高橋 孝貴

先日、秋田駒ヶ岳地区で登山道の保全作業を実施しました。今年度3回計画していたうちの2回は荒天により中止となっていたため、最終回の3回目にしてようやく実施できた今回の作業には力が入りました。



しかし残念ながら今回も天気に恵まれたとは言えない状況で、ご参加いただいたパークボランティアの皆さんや秋田県自然保護課の方々と一緒に秋田駒ヶ岳の八合目避難小屋から作業用具を持って出発するときにはポツリポツリと雨粒が、、、なんとか作業終了まで天気が持ちこたえてくれることを願いつつ作業場所に向かいました。

今回の作業場所は、秋田駒ヶ岳八合目から笹森山に向かう登山道。分担して以下のような作業を行いました。



雨水による浸食で谷状となっている箇所では、現地にある石を使い、「土佐積み」と呼ばれる石組み(ダム)を作りました。飯豊連峰や大雪山、屋久島などの登山道でも活用されているというこの伝統的な石組みの技術、景観に調和し低コスト、そして土砂の流出を防止して植生回復を促進してくれるという、見事な先人の知恵ですね。



登山道脇の斜面で土が露出している箇所には、土の流出を抑えて植物が根付きやすくするため、植生マットを敷きました。太い針金をヘアピンのように曲げたものや大きめの石を使って地面に固定していきます。



木製階段が崩れてしまっている部分は、鉄製金具の打ち直しで補修します。



心配していた空模様も、作業が進むにつれて徐々に青空が広がり、休憩のひとときに心が和みます。ご協力いただいた皆さん、ありがとうございました。

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2014年09月05日東北アクティブレンジャー写真展情報

十和田八幡平国立公園 鹿角 高橋 孝貴

八幡平・南八幡平地区で現在開催中の東北アクティブレンジャー写真展についてお知らせします。

9月1日から10月31日までの間、八幡平ビジターセンターでは「東北の自然~いきもの~」、休暇村乳頭温泉郷では「東北の自然~風景~」というそれぞれのテーマで、東北各地のアクティブレンジャー達が日常業務の中で撮影した数々の写真を展示しています。また、各アクティブレンジャーの担当地域や日頃の活動内容についてご紹介する資料も併せて展示中です。



上の写真は、八幡平ビジターセンターでの展示の様子の一部です。



こちらは休暇村乳頭温泉郷での展示の様子です。

各アクティブレンジャーならではの視点で撮影された写真をご覧になることにより、すでに訪れたことのある場所や見たことのあるいきものについての新たな発見があったり、今度ぜひ訪れてみたいという場所が見つかるかもしれません。

現地ご訪問の際には写真展にもぜひお立ち寄りください。

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2014年08月27日オオハンゴンソウ駆除作業

十和田八幡平国立公園 鹿角 高橋 孝貴

各地区で実施されている特定外来生物・オオハンゴンソウの駆除作業、八幡平地区でも実施しました。



今回の作業場所は、後生掛駐車場近くの水路沿い。まだ花が咲いていない個体や背丈の低い個体も多く、写真では少し分かりづらいですが、肥沃で湿った環境を好むというオオハンゴンソウがあちこちに生育しています。



今回は八幡平地区パークボランティアの皆さん、自然公園財団八幡平支部の方々に加え、比内養護学校かづの分校中学部の生徒さん達も参加してくれました。生徒さん達は初めての作業を前にして少し緊張気味ながらも、オオハンゴンソウの抜き取り方の説明を熱心に聞いていました。



パークボランティアさんのアドバイスを聞きながら、力強くオオハンゴンソウを引き抜いていきます。



経験豊富なパークボランティアさん達は、水路向こうの狭い場所に生えた小さなオオハンゴンソウも見逃さず、着々と作業を進めてくれました。



長靴を履いて軽々と水路に入り、抜き取りづらい場所の作業を進めてくれるパークボランティアさん、頼もしいですね。



慣れない作業に疲労困憊となり座り込んでいる方、抜き取ったオオハンゴンソウを抱えて充実感いっぱいの方、様々でしたが、生徒さん達もみんな一生懸命に作業をしてくれました。作業にご参加いただいた皆さん、本当にお疲れ様でした。

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2014年07月08日夏の小白森・大白森湿原観察会

十和田八幡平国立公園 鹿角 高橋 孝貴

7月6日(日)、休暇村乳頭温泉郷・環境省共催で「夏の小白森・大白森湿原観察会」が行われました。

小白森・大白森は、八幡平から秋田駒ヶ岳まで連なる縦走路上に位置する高層湿原で、周囲の山々から眺めたとき、その広大で平らな台地状の山容がひときわ目に付きます。




乳頭温泉郷・鶴の湯温泉近くの登り口に集合し、まずは長い登り坂です。パークボランティアさんの先導による絶妙なペースで登っていきます。今回参加された方々は皆さん健脚揃いでしたが、それでもやはり休憩の際にはお疲れの表情が、、、




長い登りを終えて前方の視界が開けると、最初の目的地・小白森に到着です。オオシラビソの木が混じる湿原には、たくさんのニッコウキスゲやワタスゲが見られ、皆さん疲れも忘れて写真撮影をされていました。




小白森を越え、大白森までの間はオオシラビソの林を歩きます。パークボランティアさんから、オオシラビソの枝の曲がり具合を観察するとここらへんの積雪量が分かるという説明があり、皆さん木を見上げて納得していました。




最終目的地・大白森の手前は急な登り坂となっていますが、この坂を登り切ると一気に広大な空間が広がります。




見渡す限りの平らな湿原ではトキソウやモウセンゴケ、サワラン(アサヒラン)などが観察され、皆さん周囲の山々の景色も眺めながら、のんびりと木道散歩を満喫されていました。

小白森・大白森は、そこにたどり着くまでの登り坂が厳しいですが、その先に広がる景色は何とも言えない開放感に満ちています。ぜひ一度訪れてみて下さい。

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2014年06月30日高山植物盗採防止合同パトロール

十和田八幡平国立公園 鹿角 高橋 孝貴

先週、八幡平と秋田駒ヶ岳でそれぞれ高山植物盗採防止合同パトロールが行われました。岩手側、秋田側の関係機関、パークボランティアの皆さんが、各県毎のコースに分かれてパトロールを行い、合流地点でお互いのコースの状況報告と意見交換をしました。




八幡平では、盗採と思われる箇所は見受けられませんでした。




雪解け後の八幡沼の周りには、ヒナザクラがたくさん咲いていました。




秋田駒ヶ岳では、片倉岳手前の新道コース脇に不自然な踏み込み跡、そして盗採と思われる痕跡が見受けられました。また写真撮影のためと思われるコース外への踏み込み跡も散見されました。




たくさんの高山植物をそのままの状態で楽しみ、植生にダメージを与えないように配慮することの大事さを改めて痛感したパトロールとなりました。

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2014年06月20日八幡平での外来種(セイヨウタンポポ)駆除

十和田八幡平国立公園 鹿角 高橋 孝貴

八幡平地区パークボランティアの皆さん、自然公園財団八幡平支部さんにご協力いただき、八幡平山頂付近の歩道沿いで、外来種(セイヨウタンポポ)の駆除作業を実施しました。





作業開始前、八幡平山頂付近は一面雲に覆われ、あいにくの空模様ではありましたが、皆さん精力的に駆除作業を行ってくださいました。





めがね沼・ガマ沼分岐で2班に分かれ、それぞれの歩道沿いで作業を行っていきましたが、徐々に雲が晴れていき、合流地点のガマ沼展望台に着いたときには展望台から八幡沼周辺が一望できました。

なお八幡平山頂付近の雪解けはかなり進んできているものの、歩道にもまだ雪が残る部分があります。散策される際には十分お気をつけ下さい。





帰り道、歩道沿いの草陰に一輪のキヌガサソウがひっそりと咲いているのにパークボランティアさんが気づき、教えてくれました。思わずニッコリ、という作業中のひとときでした。

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2014年06月05日秋田駒ヶ岳ルート点検と山開き

十和田八幡平国立公園 鹿角 高橋 孝貴

秋田駒ヶ岳山開きを前に、数回にわたり登山道のルート点検が実施されました。これは新道コース、シャクナゲコースに残る雪渓上に溝を掘って歩きやすくしたり、雪渓上でルートを見失わないようにするために杭を打ち込んでロープを張ったりする作業です。冬の間の積雪で傷んだ木道の簡易補修や、登山道の点検も同時に行われました。





南八幡平地区パークボランティアの皆さんを始め、各組織の皆さんのご尽力により安全に歩ける環境が作られていることを実感し、本当に頭の下がる思いです。





6月1日には秋田駒ヶ岳の山開き神事が行われ、多くの方々が晴天の中、登山を満喫していました。





まだまだ残雪も多い状況ですので、登山の際には安全第一で十分注意しましょう。

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2014年04月18日八幡平アスピーテライン開通!

十和田八幡平国立公園 鹿角 高橋 孝貴

平成26年4月より鹿角自然保護官事務所のアクティブレンジャーとして活動することになりました、髙橋孝貴と申します。十和田八幡平国立公園の八幡平地域をフィールドとして担当し、この地域の自然や人々の魅力を様々な角度からお伝えしていきたいと思います。よろしくお願いします。

本日は八幡平アスピーテラインの開通日でした。岩手県側/秋田県側双方のゲートがいよいよオープンとなり、八幡平にもようやく春がやってきた!という感じです。今日は穏やかな晴れ模様の中、八幡平アスピーテラインの開通式、八幡平の山開きが行われ、関係者の方々や一般のお客様方が、待ちに待った八幡平の春を味わっておられました。

とはいえ、道路脇の雪壁は最大9メートル。八幡平はまだまだ雪の世界が広がっています。防寒対策をしっかりとして、この時期ならではの穏やかな天気と残雪の雄大な眺めを満喫しにいらしてください。

なお八幡平ビジターセンターではゴールデンウィーク付近に、スノーハイキングを始めとした各種イベントが企画されていますので、ぜひ以下の八幡平ビジターセンターブログも併せてご確認ください。

八幡平の自然 ~アスピーテ日誌~
http://blog.goo.ne.jp/hatimantai

それでは以下に、本日の八幡平での眺めをいくつかピックアウトしてご紹介します。



八幡平アスピーテラインの秋田側・蒸ノ湯ゲートの開門待ちの間、蒸ノ湯休憩所から北の八甲田方面を眺めた時の写真です。残雪の中で噴気の上がる一帯の向こう、今日は春霞で八甲田連峰までは見えませんでしたが、鹿角の山々が望めました。



八幡平山頂近く、見返峠から秋田県側に下る際のアスピーテラインの眺めです。オオシラビソがまだ半分近く埋まる雪壁が迫力タップリでした。



アスピーテラインの秋田県側展望所から、南の秋田駒ヶ岳方面を眺めた写真です。ちょっと分かりにくいかもしれませんが、写真中央から少し右に寄ったところに、秋田駒ヶ岳が霞んだ状態で写っています。中央少し左のピークは、畚(もっこ)岳です。ゆるやかな山容と稜線が続く残雪の眺め、いいですね。

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2013年09月02日八幡平地区におけるオオハンゴンソウ駆除

十和田八幡平国立公園 鹿角 阿部 明広

8月28日(水)、八幡平地区パークボランティア「ヒナザクラ会」の皆さんの協力を得て特定外来生物のオオハンゴンソウの駆除作業を行いました。

駆除作業は八幡平の特別保護地区に隣接する車道脇で実施しました。普段は車で通過してしまう所なのですが、歩いてみると道路脇にちらほらとオオハンゴンソウが見え、確実に侵入し、分布拡大していることが実感出来ました。パークボランティアの方が「これは延々と続くオオハンゴンソウとの戦いだな」と話していましたが、まさしくその通りと思いました。
後生掛駐車場からスタートし、延長3㎞にわたる駆除作業は、考えていたよりも多い15㎏ほどの駆除量となりました。

今回駆除したオオハンゴンソウはまだ芽の状態の物が多く、種子をつくる前に駆除することで効果的な駆除になりました。時期を逃さない確実な駆除と地道な継続した作業を引き続き実施していきたいと思います。



作業開始前、八幡平ビジターセンターに勢揃いしたパークボランティアの皆さん、これから駆除作業に出発します。

駆除作業の様子です。
道路の脇の笹藪の中に花が咲いたオオハンゴンソウ発見!ここにも、こっちにもある。と総掛かりで駆除作業が始まりました。


パークボランティアの皆さんは黙々と晴天の駆除作業に汗を流してくれました。

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