ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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白神山地

202件の記事があります。

2015年10月28日秋のふれあいデー

白神山地 伊藤 亮平

 今月10月17日~18日に、毎年白神山地ビジターセンターで夏と秋に開催される、ビジターセンターふれあいデーが行われました。ふれあいデーも今回で19回目になります。

                                                西目屋自然保護官事務所では、夏のふれあいデーと同じく「草木を使ったちびっ子アート教室」という工作ブースを出展しました。

内容は秋らしく木の実や落ち葉を使った工作と体験コーナーとして落ち葉プールを用意しました。

                                                木の実の工作ではどんぐりのこま作り、トチの実の笛作り、葉っぱのしおり作りをしました。

                                                   どんぐりのこまは、頭の部分に画鋲などで穴を空けて、そこに軸としてつまようじを刺すだけなので簡単です。形や大きさによって回り方も少し変わってきますが、少し縦長で重みがあるものがよく回る感じがしました。

                                                トチの実の笛は、実に小さな穴を空けてそこから中の黄色い実を取り出して中を空洞にします。完成した笛を吹くと「ピーッ」という高い音や「ホー」という感じの少し低めの音が出ました。吹き方や実の形によって変わるのでしょうか?

トチの実は見た目が栗に似ているので、最初は栗と間違える方もいました。見た目は似ていますが、栗のようにとがった部分がないことで見分けられます。また、渋みが強いので栗のようにすぐには食べられません。動物達も食べないのか、山に行くときれいな状態のトチの実がたくさん落ちています。

 

しおりもちょうど紅葉の時期なのでカラフルなものが出来ました。

                                                                                                                                         
                                                               

落ち葉プールはダンボールでできた囲いの中に多量の落ち葉を入れたものです。裸足で歩いて落ち葉の感触を楽しんだり、落ち葉に埋もれてみたり、入ってみるとなかなか楽しいです。

                                                この他にもたくさんのイベントが行われていました。ビジターセンターには行ったことがあるけれど、ふれあいデーはまだ、という方は次の機会に足を運ばれてみてはいかがでしょうか。

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2015年10月27日晩秋の白神山地

白神山地 野原七恵

天気予報に"雪"が混じり始めて、そろそろ冬支度か...と思ってくる季節になってきました...

...が、この時期に入山者数カウンターを設置してきました。

春の雪どけと共に道路が崩れて、冬期閉鎖を解除せずに通行止めになっていた「白神ライン(県道28号)」の復旧工事が終わったそうで、10月31日に無事に開通するそうです(雪が降らなければ)。

白神ライン沿いにはいくつかの登山道や歩道の入口があります。

西目屋自然保護官事務所では、それぞれの登山口に入山者数カウンターを設置して、世界遺産地域にどのくらい人が入っているのかを調べています。

「アクセス道路が開くのであれば、登山者が来る可能性もある!」ということで、カウンターを伊藤ARが頑張って組み立てています。

冬期閉鎖までの約2週間で何人入るのか...誰も入らないのか...結果が楽しみです。

結果は1月末くらいに発表しますので、ぜひ白神山地世界遺産センターのHPもご覧ください。

http://tohoku.env.go.jp/nature/shirakami/research/check_enter/

また、一昨年から白神山地の動物相調査のための定点カメラも設置しています。

データを回収してきたところ、上の写真のカウンター(太夫峰登山口)の近くに設置しているカメラではツキノワグマが撮れていました。

カウンターを設置した場所の周りにもクマの糞がたくさん落ちていて、道路が閉鎖されて人が入っていないだけあって、クマさんたちはのびのび生活していたようです。

冬眠前で活発に動いている時期ですので、登山に行かれる方は気をつけて行かれてください。

ちなみに今の白神山地は、紅葉はすでに終わっていました。日当たりが悪い場所や低木に色づいた葉が残っているくらいです。

個人的には葉の落ちきったブナ林も好きなので、残り少ない晩秋の白神も皆さんに楽しんでもらえたら良いなと思っています。

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2015年09月14日白神学習~大川トレッキング~

白神山地 野原七恵

9月8日に、西目屋小学校4年生の子どもたちと白神山地の自然を体験するために、白神山地が源流の大川周辺の生き物探しに行ってきました。

前回の春の森と何が違うのか...色々と探してきました!

ただ、今年は残念ながら、大川に行くための林道が今年の雪どけと共に崩れてしまっていて奥までバスで行くことができませんでした....

そこで、林道も探検の一つということで歩きます。道ばたにあった大きいフキを日傘にしながら歩くだけで楽しそうです。

車で通り過ぎればただの道ですが...

両脇がブナの林という自然豊かな道なので、歩いてみるとキノコや鳥の羽やクマの糞まで。色々なものが落ちていて、意外と退屈しません。歩きながらもカナヘビやカエルを捕まえたり観察したりと、色んな生き物とも出会えました。

途中でお休みしていたマムシを発見し、遠巻きに観察できたときには、

「バスからじゃ気がつかなくて見られなかったね!」と林道歩きも満喫できたようです。

クマの糞を見つけたときには

「動物の糞を調べれば、その動物が何を食べているのかが分かるよ」

と教えると、さっそく木の枝を拾ってきて、ほじくります。

この落とし物をしていったクマさんは木の実と昆虫を食べているという発見がありました。

歩き疲れたところで、歩きながら葉っぱをひろって、葉っぱでじゃんけんをして遊びました。

"大きい葉っぱが勝ち""ギザギザしている葉っぱが勝ち"などルールを自分たちで決めてじゃんけんをします。

最後にみんなの葉っぱを集めると...

ブナ林の中だけでも多種多様な葉っぱがあり、多様性があることがわかりました。

目的のブナ林まで辿りついてからは、ブナ林のトレッキングです。

すでに紅葉している葉っぱがあったり、赤い木の実がついていたりして春とは様子が違います。

大きなブナの木を発見して、ほおずりをしてみると「すべすべして気持ちいい」と言っていました。春の森で観察している子どもたちは、どれがブナの木なのかもすぐに分かるようで、学習の成果が出ていました。

まだ若いものでしたがブナの実も落ちていて、秋を感じることもできました。

帰り道は林道を戻っても面白くないので、子どもたちのリクエストを聞いて川を下ってバスまで戻ります。

最初は「冷たい!無理!」と騒いでいましたが、慣れてくると楽しくなってくるようで、歩きやすい川原があっても無駄に川の中を歩き回ります。子どもたちの驚異的な体力には驚かされます。

春の森、夏(秋)の川の体験をしたので、次は雪山の体験です。

色んな体験をして、白神山地を身近に感じてもらえれば嬉しいなと思いました。

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2015年08月04日平成27年度第1回白神山地子どもパークレンジャー

白神山地 伊藤 亮平

8月1日~3日の2泊3日で環境省の子どもパークレンジャー事業の一環として「白神山地子ども自然体験キャンプ IN あかいし」を実施しました。

「白神山地子ども自然体験キャンプ」とは白神山地の自然の中での活動を通して、白神山地の自然の豊かさや大切さ、そこで育まれてきた地域の文化を学ぶキャンプです。

 今年の第1回は幼い頃から自然の中でマタギの生活を営んできた熊の湯温泉旅館の吉川隆さんを講師に鰺ヶ沢町の赤石川を中心に活動しました。ここでは、3日間で行った活動の中からいくつか紹介したいと思います。

まず初日は、ブナの巨木がある然ヶ岳へ登りました。森の中は湿度が高いので蒸し暑くて登るのが大変でしたが、登っていくと確かに大きなブナの木がありました。

人と比べるととても太い木だというのがわかります。

幹の上でひと休みしています。

帰りには、木の蔦にぶらさがってターザンをすることができました。切れたりしないか不安でしたが、吉川さんに見本を見せてもらうとみんな次々と掴まっていきました。斜面なので勢いがついてなかなか迫力がありました。

3日間を通して行ったのが、赤石川の水辺の体験です。

ライフジャケットを着て川の中を泳いだり、流れに身を任せて流されたり、岸から飛び込んだりと赤石川の清流を満喫しました。特に森を歩いてきた後は水が冷たくて気持ちよかったです。

川で泳ぐ以外にも水辺の体験としてカジカ釣りをしました。

自分たちで釣り糸と針で仕掛けをつくり、エサのミミズを付けて釣りをしました。

カジカは食欲旺盛なのか一度取り逃がしてしまっても、もう一度食いついてきたりすることもあって全員が1匹以上釣りあげることができました。釣った魚は素揚げにして食べましたが、みんなすごく美味しい!と言ってすぐに食べてしまいました。

夜には吉川さんから山で熊と戦ったお話を聞いたり、街灯のない道を歩いてホタルの観察をしたりしました。

山と川の自然を存分に満喫した3日間でした。

明日からは第2回の「白神山地子ども自然体験キャンプ IN いわさき」が8月5日~7日の間青森県深浦町で行われます。十二湖や沢、海を中心に活動していきます。

また今月8月18日~19日には第3回の「白神山地子ども自然体験キャンプ IN ふじさと」が秋田県藤里町で行われます。こちらは現在も募集中ですのでお申し込みをお待ちしております。詳しくはこちらをご覧下さい。(http://tohoku.env.go.jp/to_2015/post_43.html

参加申し込み・問い合わせ先

〒018-5201

秋田県山本郡藤里町藤琴里栗63

白神山地世界遺産センター藤里館

TEL:0185-79-3001

FAX:0185-79-3008

開館時間9:00~17:00(毎週火曜休館)

子どもパークレンジャー参考HP(http://www.env.go.jp/kids/gokan/jpr/about/index.html#charaBox02

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2015年07月23日夏のふれあいデー

白神山地 伊藤 亮平

7月18日~19日に白神山地ビジターセンターふれあいデーが開催されました。

「ふれあいデー」とは白神山地ビジターセンターでクイズラリーや工作、特別上映などさまざまなイベントが行われ、たくさんの人がビジターセンターや白神山地へ訪れる機会を作るお祭りです。

西目屋自然保護官事務所では「草木を使ったちびっ子アート教室」という工作ブースを出展しました。

今回は石や木に色を塗ったり、絵を描いたりするナチュラルペイントと、流木を組み合わせて並べて、模様や生き物の形を作ったりする流木アートを行いました。

 

どちらも白神山地から集めてきた自然の素材を使っているため形や大きさが不揃いですが、それをどうやって生かすか考えながら作るのがポイントです。

          

 

参加された方は工夫しながら色々な作品を作っていました。

台風の影響で天候が心配されましたが、今年も多くの人で賑わっていました。特に2日目はどこを見ても人が多く、いつも以上の来場者があったように感じました。次回来る時にはビジターセンターから先の暗門の滝やブナ林散策歩道など現地にも足を運んで頂ければと思います。

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2015年07月23日暗門散策道オープニングセレモニー

白神山地 野原七恵

7月17日に、西目屋村の暗門の滝に向かう途中にある散策道がリニューアルオープンしました。

当日にはオープニングセレモニーが行われ、三村知事もかけつけました。

この日に合わせて、西目屋村の里山地域のガイドさんや、新たらしい白神山地のお土産がお披露目されましたが...

個人的に何より楽しみにしていたのは、白神山地の森の精の"ブナッキー"のデビューです!

ぱっと見た感じでは緑の顔のクマですが...

よくよく見るとクマでは無くブナの木で、頭にブナの実、首には暗門の滝をモチーフにしたマフラー、手には友達のクマゲラがとまっているという白神山地の魅力を詰め込んだキャラクターとのことでした。

あまりの可愛さに西目屋小学校の子どもたちにも囲まれていました。

そして、藤井保護官が参加したテープカットも行われました!

スーツの中に、1人だけレンジャー服がまじるとなかなか目立ちます...

散策道の名称も「世界遺産の径(みち) ブナ林散策道」と改められました。

ブナ林散策道は"世界遺産の径"との名前の通り、気軽に白神山地の世界遺産地域のブナ林を楽しむことができる場所です。

なかなか白神山地は山が深くて、気軽に入ることができる場所は限られてしまい、世界遺産の価値が伝わりにくいのでは...と思うこともあります。

これを機会に人類共通の宝である白神山地の自然の魅力を、多くの人に知ってもらえればいいなと思いました。

また、ブナ林散策道を抜けた先には白神山地で最も多くの人が訪れる暗門の滝があります。

毎年何人が滝までの道を利用しているのかを、西目屋自然保護官事務所では入山者数カウンターを使って計測しています。

ブナ林散策道が整備されたことで暗門の滝への利用者が増えるかどうか...

これからも私たちは調査を続け、自然を見守り続けて行きたいと思います。

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2015年06月01日ニホンジカ痕跡調査

白神山地 野原七恵

5月18日に、秋田県八峰町でニホンジカの痕跡調査を実施しました。

青森県・秋田県ではここ数年、ニホンジカの目撃情報が増加しており、世界自然遺産である白神山地周辺でも目撃情報がよせられています。

ニホンジカは繁殖力も強く、群れで生活するため多くのエサを必要とします。そのために植物が食べ尽くされてしまう可能性もあります。

もしも白神山地に入ってしまうと、世界遺産に認められた自然が壊れてしまうかもしれません。

ニホンジカの分布拡大への対策として、環境省ではニホンジカの生息情報収集のため自動撮影カメラによる調査を実施しています。

その中の八峰町の二ツ森近くに設置していた自動撮影カメラで平成26年10月17日に、ニホンジカの可能性が高い個体が撮影されました。

顔が写っていないので雌雄は不明です。

その後、写真が撮影された場所の近くでニホンジカが定着していないかどうかの確認調査を雪が降る前に一度、雪どけ後に一度実施する、ということで今回の調査が行われました。

※カメラ設置場所へ至る町道は冬期通行止め解除前でしたが、残雪が残る段階で実施しなければいけない調査ということで、町にご相談し、特別に許可をいただき安全面に配慮して実施しました。

今回は、白神山地の保全管理を行っている行政機関の集まりである、白神山地世界遺産地域連絡会議のメンバーで調査を実施しました。

カメラを設置している道の入口にはまだまだ雪が多く残っていました。

道の上にもまだまだ雪が多く残っています。

白神山地にはカモシカが多く生息しているため、痕跡だけではニホンジカと判別するのは難しいです。

そのため「もしもカモシカかニホンジカか分からないがどちらかの糞が落ちていればDNAを解析していただき判断しよう」ということで糞を探して歩いてきました。

こんな感じで雪の上をウロウロ。

雪の上の方が黒い糞は探しやすいです。

他にも、もしもニホンジカが定着していれば冬芽などを食べた痕や、角を木にこすりつけた痕、毛などもあるのではないかということで、それらも探してきました。

結果は...

雪の上にはウサギの糞がたくさんありました。

が、ニホンジカ(もしくはカモシカ)らしき痕跡は見つかりませんでした。

昨年、撮影されたニホンジカは通りかかっただけなのか、雪が降ってどこかに行ったのか分かりませんが、まだ定着していないようで一安心です。

でも、ここで油断するのではなく、早い段階で何かできるのか考え、白神山地の自然をこれからも守って行くための活動を続けていきたいと思います。

また、環境省ではこれまでニホンジカが生息していなかった青森県・秋田県の皆様にニホンジカやニホンジカ対策の必要性についてわかりやすくお伝えするためのチラシを作成し、配布しています。

以下のページからから、ダウンロードすることができますので、ぜひ興味のある方にはご覧いただければと思います。

http://tohoku.env.go.jp/to_2015/post_8.html

皆様からの有力な目撃情報もお待ちしています。

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2015年05月12日白神学習~春山トレッキング~

白神山地 野原七恵

5月8日に、西目屋小学校4年生の子どもたちと白神山地の自然を学ぶために、新緑の森に行ってきました。

まだまだ白神山地の山の中には雪が残っていて入れないため、今回も弘前大学の白神自然観察園の周辺で春の生き物観察をしてきました。

子どもたちにとっては、第1回目の白神学習です。

まずは山を楽しんでもらうためのアイテムを授けてみました。

双眼鏡を持ったことにより、テンションが上がっています。

最初に池に行ってみると、白いクロサンショウウオの卵がありました。

雪どけ水が落ち着いてきて池の水も減ってきていたため、すぐ近くで観察することができました。

皆で触ってみたところ「餅みたい」などと、思い思いの感想が返ってきました。

同じ池の中にあったヤマアカガエルの卵は「筋子」など、人それぞれ意見の違いはありましたが、例えが全て食べ物で子どもならではの感性が面白かったです。

学んだことは、一生懸命にメモをとります。

残念ながら親(成体)を見ることはできませんでしたが、夏山トレッキングの時の楽しみにとっておきます。

白神山地といえばブナ。

ということで、植物についても勉強してきました。

ブナの木をはじめとした、樹木の新緑について藤井保護官にお話をしてもらいました。

実際に、自分たちで冬芽や芽吹きを探してきては一緒に図鑑で何の木なのかを調べます。

ただ教えてもらうより、発見することが楽しかったのか、皆で次々に新しい木を探し出していました。

また、雪国の春ならではの景色ということで、雪がまだ残っている場所では根開きの観察を行いました。

さすが、西目屋の子どもたちは「木が温かいからそこから先に溶けるんだよ!」ということを教えてくれました。

今回の春山の体験から始まり、これから1年を通して白神山地の自然がどう変わって行くのか、何かを見つけて行ってもらいたいと思っています。

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2015年05月08日みどりの日の集い

白神山地 伊藤 亮平

5月4日みどりの日に白神山地世界遺産センター藤里館で、毎年恒例の自然観察会「みどりの日の集い」が開催されました。

藤里町内の観察ポイントを回る約8kmのコースを歩きました。

遺産センターからスタートして道端の植物を観察しながら最初のポイント、樹齢300年以上もあるご神木、田中の大イチョウ(権現の大イチョウ)に到着。

間近でみると迫力があり、気根(きこん)という空中にある根も見ることができました。

次に峨瓏(がろう)大滝へ行き小休憩。この日は水量が少なめでした。

すぐ隣に道路があるのに、このような滝が見られるのは不思議な感じがします。

これからこの滝の上の沢、峨瓏峡を歩いていきます。

峨瓏峡を抜けると遺産センターの裏山、高山の登山口に到着、ここからは山登りです。

すでに散っているものもありましたが、いくつか花も見ることができました。(左上:シラネアオイ、右上:キクザキイチゲ、左下:ウスバサイシン、右下:チゴユリ)

今年は気温が高く、開花時期がいつもより早くなっているそうです。

花や植物を観察しながら登っていくと、山頂が見えてきました。

標高388mですが、見晴らしがとても良く、藤里町一帯や、藤里駒ヶ岳や小岳などの山々が見えます。

山頂でお昼ご飯を食べて、スタート地点の遺産センターへ戻ります。

下山して、遺産センターまでの道の途中、セイヨウタンポポの群れの中に一輪、日本在来のタンポポらしき花がありました。花の下の部分の総包(そうほう)がそり返っていないのがわかります。普段通り過ぎるような場所でも目をとめると、意外な発見がありました。

下山途中少し雨が降ったものの、山頂の見晴らしも良く、全体的に天候に恵まれた中で、身近な自然を感じることができました。

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2015年02月27日白神学習-冬山トレッキング-

白神山地 野原七恵

2月18日に、西目屋小学校4年生の子どもたちと冬山トレッキングに行ってきました。

白神山地の山の中に行ければ良いのですが、なかなか雪崩が多い場所で入ることができません。

そのため、今回は弘前大学の白神自然観察園の周辺を使わせてもらい、冬の生きものについて勉強してきました。

※冬季閉鎖中のところを、特別に許可をいただいて入らせていただいております

まずは冬山を歩くためのアイテム「スノーシュー」を初体験!

雪には慣れている西目屋の子どもたちも、スノーシューをはくと全然沈まないということにびっくり。

歩きはじめてすぐにヤマドリの足跡を見つけました。

踏んでしまって消さないように横から観察をします。

キツネやリスなどの足跡もあり、足跡の形や歩幅、歩き方など様々な違いがあるという発見がありました。

雪山の醍醐味としては普段は見ることのできない野生動物の痕跡をたくさん見つけることができるということがあります。

けど「動物がみたい!」という子どもたちの希望を少しだけかなえるために...今回は赤外線センサーにより自動で撮影をするカメラを事前に設置していました。

自動撮影カメラではこんな写真が撮れました!

カメラに動物が写っていないか気になって走って来る子どもたち

     ↓

     ↑

冬毛のトウホクノウサギ

他にもテンの撮影に成功し、子どもたちは大喜び!

何より自分たちが写っているのを見るのも楽しかったようでした。

動物の勉強をした後は、植物の勉強。ルーペで冬芽を観察します。

冬芽のことは「理科の授業で習ったからもう知ってる~」と言っていましたが、実物には興味津々です。

申し訳なく思いながらも、一つだけとらせてもらって冬芽を剥いてみると...中から小さい新緑が出てきました。

春の芽吹きの準備をしているということがよく分かり、「すごい!教科書の通りだ!」と先生たちも喜んで観察していました。

剥いた冬芽には芽燐が何枚もあるという発見もあり、植物が寒い冬を乗り越えるための工夫をしているという気づきがありました。

生きもの観察をしてから、いざ雪山歩きへ!

ブナ林がある所まで雪の上を登ります。さすがに登り坂では疲れるのか黙々と歩きます。

大きなブナの木には、クマの爪跡がたくさんついていました。

事前学習で学んだ「クマがブナの木に登ってブナの実を食べるんだよ!」という知識を先生にも教えてあげていました。

最後は...お楽しみのしり滑りです。

あんなに時間をかけて頑張って登ったのに、下りはあっという間です。

残念ながら、実際に動物を見ることはできませんでしたが、ついさっきまでリスがご飯を食べていた痕などを見つけることができました。

夏の山と冬の山を体験して、夏と冬では山の中で見える景色が全然違うということを感じてもらえたようです。

また、白神山地の生きものの過ごし方も季節によって違うということを発見できました。

何より、冬山での楽しみ方を知ってもらえて、私も楽しい1日でした。

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