三陸復興国立公園 宮古
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2016年09月08日シートピアなあどにて写真展開催中
三陸復興国立公園 宮古 古館 百合子
みなさんこんにちは、宮古自然保護官事務所の古館です。
今回は、【アクティブ・レンジャー、アクティング・レンジャー写真展】の開催案内です。
写真展の会場は、
宮古市にある【シートピアなあど(道の駅みやこ)】です。
9月1日から15日までの約2週間、ロビーにて展示させていただいています。
道の駅の名前になっている【なあど】は、【いかが?】という意味の宮古地域の方言です。
使用例:【(会話の一部)どこに行く? 浄土ヶ浜はなあど?】、【調子はなあど?】など...。
施設の中では、地域のお土産品を揃えているほか、新鮮な野菜や果物・魚介類が並んでいて、市外の方々はもちろん、地元の方も訪れる市民の台所のような場所です。
魚介類コーナーでは秋の味覚・サンマが並び始めていました。新鮮なサンマが並んでいるので、刺身でもいただけます。絶品ですよ。
さて...話は逸れてしまいましたが、こちらが写真展を行っているロビーの様子です。
イスに腰をかけながらゆったりと写真を楽しめるようになっています。
シートピアなあどにお立ち寄りの際は、ぜひ私たちが撮影した写真展をご覧ください。
その写真展会場となっているロビーの一角に気になる方を発見いたしました。
お話を伺うと、竹などの木やアワビの貝殻を使ってキーホルダーなどを作って実演・販売してらっしゃる方でした。
私たちが普段何気なく目にしている自然のものがこんなステキなものに変身するとは驚きでした。
宮古出身のこの方は、海や森など様々なお話をにこやかに話してくださり、自然が大好きなんだなぁというのが伝わってきました。
先日岩手県に上陸した台風10号で、宮古自然保護官事務所の管轄範囲である岩手県久慈市~山田町では大きな爪痕が残りました。
水は引いたものの、今なお民家や道路の泥のかき出しや復旧作業に追われている方々は少なくありません。
ときに自然が牙をむき爪痕を残すこともありますが、人々と自然は切っても切り離せない関係です。海や森からは日々たくさんの恵みをいただいています。
これからも写真展を通して自然環境への関心理解を深めていただき、自然の美しさ、豊かさを伝えていこうと思いました。
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東北アクティブ・レンジャー、アクティング・レンジャー写真展
【シートピアなあど】
期間:9月1日~15日 時間:9:00~17:00
場所などの詳細はシートピアなあどホームページから↓
2016年08月10日夏のお出かけスポット紹介その②~浄土ヶ浜~
三陸復興国立公園 宮古 古館 百合子
こんにちは、宮古自然保護官事務所の古館です。
今回も引き続き夏のお出かけスポットをご紹介、第2弾は浄土ヶ浜です。
浄土ヶ浜といえば、この場所からの情景が思い浮かぶ方が多いのではないかと思いますが、実はこの場所以外にも見どころスポットがあるのです。
浄土ヶ浜周辺には、野鳥や植物、潮風を楽しみながら歩くことができる散策路や美しい海を眼下に眺められる展望所がいくつもあります。
今回はその中から、浄土ヶ浜を訪れたらぜひ足を運んでいただきたい展望スポットを2つご紹介いたします。
まずは【御台場(おだいば)展望台】。青く透きとおった海で海上遊覧を楽しむ小型船と浄土ヶ浜の白い岩を眼下に眺めることができます。また、浄土ヶ浜の岩の奥に目を向けると、ロウソクのような形をした細長い岩【ローソク岩】や、絶滅危惧種のクロコシジロウミツバメが繁殖を行う島【日出島(ひでしま)】が見えます。イソヒヨドリなどの野鳥が展望台周辺にやってくることもあるので、野鳥の声に耳を澄ませながらゆったりとしたひとときを過ごせます。
2つめの展望スポットは【竜神崎(りゅうじんざき)展望所】です。こちらは、遠くの山々をバックに宮古湾が一望できる展望所で、視界が良ければ岩手県で2番目に標高が高い【早池峰(はやちね)山】までくっきりと見えます。私は、このベンチで景色を眺めながらお弁当を広げてランチタイムを過ごすのがお気に入りです。日差しをよけられるベンチもあるので、読書やお昼寝をしても気持ちよいかもしれません。
浄土ヶ浜周辺を散策してみたくなりましたか?
ご紹介した2つの展望所への散策コースをはじめ、浄土ヶ浜周辺の散策路は、浄土ヶ浜ビジターセンターで配布している散策マップ【浄土ヶ浜フィールドガイド】に載っています。
ご紹介した他にも展望所があるので、訪れた際にはマップを手にしながら各展望所からの眺望をお楽しみください。
ただ、【やませ】という冷たい風が海から吹いてくると視界がまっ白になって、今回ご紹介した景色などが見られなくなってしまうこともあります。
そんなときに、浄土ヶ浜の対岸にある山【月山(がっさん)】に登るとこのような景色が見られることもあります。
やませが海岸に近い場所を包み込んでいて、浄土ヶ浜周辺もまっ白!まるで雲海のように広がって幻想的な景色が広がっていました。
こんな幻想的な景色を楽しめるのも三陸復興国立公園の一つの魅力ですね。
月山は、やませが吹かない日でも眺望は美しく、宮古市街地を見下ろしながら、遠くの山々や太平洋の雄大さを感じることができる絶景スポットです。
8月も中旬となり、夏も残りわずかとなりました。
休日を利用して三陸復興国立公園へ足を運んでみてはいかがでしょうか?
2016年08月05日夏のお出かけスポット紹介その①~普代浜園地~
三陸復興国立公園 宮古 古館 百合子
宮古自然保護官事務所の古館です。
7月末、東北北部も梅雨明けの発表があり、待ちに待った本格的な夏が到来しました。
夏休みを利用して三陸復興国立公園を訪れる計画を練ってらっしゃる方もいるかと思います。今回から2回に分けて岩手県沿岸北部のお出かけスポットを紹介いたします。
第1弾は、先月7月16日に開園したばかりの普代浜園地です。
開園当日は普代浜園地の整備に携わった関係者などが出席し、普代浜園地の愛称発表やテープカットなど開園式が執り行われました。
【開園式の様子】
普代浜園地の愛称は、地元の中学生が考えた「キラウミ」に決定しました。光輝く普代村の海を想像させる爽やかな愛称ですね!
この日は梅雨時期らしいどんよりとした雲に覆われてしまいましたが、晴れた日の普代浜の様子を写した写真があるので、こちらとともに普代浜の様子をご紹介いたします。
【気持ちよい潮風を感じながらゆったりと過ごせる休憩所】
【津波で海底から打ち上げられた石】
海を目の前にした休憩所が整備されたほか、園地内は芝生が張ってあるので、ピクニックシートを広げてお弁当を食べたり、寝転んだり、思いっきり走り回ったりと思い思いの時間を楽しめる場所です。
また、園地内の随所には津波で打ち上げられた大きな石を展示していて、津波の威力を感じることができます。
このほか、周辺にも見どころがたくさんあります。
【黒崎展望台からの景色】
この写真は、普代浜園地から車で15分ほどのところにある黒崎からの眺望です。
断崖の上にある展望台からは、普代の美しい海岸線の風景を眺められ、視界の良い日は普代浜園地や15km以上先の半島までくっきりと見ることができます。
今年の夏は普代浜園地の浜辺で思いっきり遊んで、あなただけの楽しい夏の思い出を作ってみてはいかがでしょうか。
第2弾は、浄土ヶ浜の夏の様子をご紹介したいと思います。お楽しみに!
2016年06月15日パークボランティア活動で公園名のプレート設置を行いました
三陸復興国立公園 宮古 古館 百合子
突然ですが、みなさんは【パークボランティア】という言葉を耳にしたことはありますか?
パークボランティアとは、全国の国立公園などで活動しているボランティアさんのことで、標識や自然歩道などの修理や、美化清掃を行っています。宮古周辺で活動している【三陸復興国立公園中部地区パークボランティア】には22名が所属しており、浄土ヶ浜ビジターセンターの野外イベントのサポートやみちのく潮風トレイルの管理などを行っています。
※パークボランティアについて詳しく知りたい方は下記URLからご覧いただけます。
→https://www.env.go.jp/park/workers/index.html
先日のパークボランティア活動では、標識に記載されている【陸中海岸国立公園】の公園名の表示を【三陸復興国立公園】に変える作業を行いました。名称が変更されたのは3年前ですが、名称がそのままになっていた場所が数か所あったので、ボランティアさんのお力を借りて直してきました。
普代村・黒崎園地にある案内看板です。ここでは公園名を変更するほか、【環境庁】のままになっている省庁名を変えたり、老朽化により落ちてしまった【アンモ浦展望台】の板を取り付ける作業を行います。
電動ドリルを使いプレートを固定すること15分...
看板が息を吹き返しました。これからは看板の役割をしっかり果たしてくれることでしょう。
実は...木材でできたこのプレートは、4月に行ったボランティア活動で作製したものです。
(左上から時計回りに)
① 木材をノコギリで適当な大きさに切断している様子
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② 木材に防腐剤を塗っている様子
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③、④ スポンジに絵の具を染みこませ、自分たちで作製したテンプレートの上から板に文字をのせている様子
【完成したプレートを持って集合写真】
【取り付けたプレートの前で集合写真】
今後もボランティアさんたちとともに国立公園を訪れる方々のことを想って活動していきたいと思います。
2016年04月13日みちのく潮風トレイル~未開通区間の調査~後編
三陸復興国立公園 宮古 古館 百合子
こんにちは、宮古自然保護官事務所の古館です。
前編に引き続き、みちのく潮風トレイルの未開通部分・岩手県田野畑村区間の道の様子をお届けいたします。
★前編はこちら→http://tohoku.env.go.jp/blog/2016/04/post_105.html
【2日目】
机浜からスタート。机浜では、「番屋」と呼ばれる漁師の方々の作業小屋が立ち並んでおり、実際に漁師の方々が使用しているほか、一般の方が塩づくりや料理づくりを体験できる番屋があるので、体験を通して訪れた地域の名産や歴史を知ることができます。
前日の筋肉痛を若干引きずりつつ、約10km先のゴール地点・島越(しまのこし)駅を目指します。
机浜に別れを告げて歩みを進めると、陸中弁天埼灯台が見えてきます。
この灯台、赤と白のタイルでできていて、とっても外観が可愛らしいです。
照らし続けて丸50年を過ぎましたが、今も現役で漁師の方々の安全を照らしてくれています。
灯台近くのルートは、澄みきった海を眼下に眺めながら歩くことができます。
また、山道を抜けた先の舗装道からは、太平洋を一望できる場所があり、太平洋の雄大さが感じられました。
おや...?この写真だけ見ると3人で木を押し合いっこしているように見えますが、実は、みちのく潮風トレイルの「オリジナルストレッチ」をしているところです。
この時に行ったのは、歩いているときにできる簡単なストレッチですが、歩く前・歩き終えたときに行うストレッチもあり、凝り固まった体をほぐしてくれます。ストレッチの方法は、みちのく潮風トレイルホームページに動画が掲載されているので、ご覧ください。
みちのく潮風トレイルオリジナルストレッチ→http://tohoku.env.go.jp/mct/guide/stretch.html
さて...体が軽くなったので、再び歩き始めます。
明治に発生した大津波の際に、打ち上げられた「羅賀(らが)の津波石」を発見しました。海抜およそ30mの場所に、こんなに大きな石が海底から運ばれてきたとはびっくりです。津波の力のすさまじさが伝わってきました。
ひと山越えて田野畑駅に到着。駅で昼食・休憩を終えて出発しようとしたそのとき、列車が駅に到着しました。宮古に向けて出発する列車に大きく手を振って見送ると、乗客の方が手を振り返してくださり、心がポッと温かくなった瞬間でした。
さあ、ゴールに向けてあとひとふんばりです。
一緒に歩いていた一人が「あっ!」と声を上げ、双眼鏡を取り出しました。目をこらしてみると、カモシカが1頭じっとこちらを見つめています。私たちもカモシカを川越しからじっと静かに見つめます。つぶらな瞳、まだ小さい角など双眼鏡を使ってカモシカを観察すること数分、カモシカが斜面を駆け上がっていきました。田野畑の大自然の中で生きるカモシカとの偶然の出逢いに感動しつつ、私たちは歩みを進めました。
そして...ついにゴール地点の島越駅に到着!
島越駅内の売店のドアには、みちのく潮風トレイルのステッカーが貼ってありました。このステッカーは、3月末に福島県相馬市にゴールを果たしたなすびさんが、島越駅に訪れた証です。なすびさんが歩いた後も温かい思い出がずっと残るように、また、地域にもっともっとみちのく潮風トレイルが広まるようにとの想いがこもったステッカーです。
この想いをしっかり受け止めつつ、未開通部分を含め、今後もみちのく潮風トレイルの取り組みを進めていきます。
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今月初めに、みちのく潮風トレイルのホームページがリニューアルされました。トレイルの歩き方やモデルコースなどの紹介があり、トレイル初心者の方でも分かりやすいものとなっています。
リュックサックを背負って歩きたくなった方は、下記の「みちのく潮風トレイルホームページ」や「みちのく潮風トレイルFacebook」から開通区間の情報をチェックしてみてください。
★みちのく潮風トレイルホームページ→http://tohoku.env.go.jp/mct/
★みちのく潮風トレイルFacebook→https://ja-jp.facebook.com/michinoku.trail
2016年04月08日みちのく潮風トレイル~未開通区間の調査~前編
三陸復興国立公園 宮古 古館 百合子
ご無沙汰しております、宮古自然保護官事務所の古館です。
4月になり、アクティブ・レンジャー3年目に突入しました。
今年度も国立公園の様子やみちのく潮風トレイルなどの取り組みについて情報発信してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
先日、みちのく潮風トレイルの未開通部分・岩手県田野畑村区間を2日間歩いて調査する機会がありました。
景勝地・北山崎から島越(しまのこし)駅間の道の様子を中心に、2回に分けてご紹介いたします。
【1日目】
北山崎からスタート。この日は快晴で、北山崎第1展望台からの眺めは最高でした。
第1展望台からこの日のゴール地点を確認しました。矢印で示した場所までの約7kmを歩きます。
第1展望台からは700段以上ある階段を降りていきます。
まっすぐで勾配がある階段が続くので、高所恐怖症の私は多少怖さがありましたが、一番下まで降りると、このような大迫力の岩が待ちうけています。
200mある断崖を上からだけではなく、下からも楽しめます。北山崎周辺ならではの圧巻の風景ですね。
北山崎周辺は、陸中海岸自然歩道の1つ「北山崎・黒崎海岸を望むみち」に設定されており、200mある断崖を縫うように遊歩道があります。登って降りてのくり返し。登山をしているかのような感覚になります。
このあとは登りの階段が待ちうけていますが、どこを歩くのか最初に登場した写真に当てはめてみましょう。
えぇっ!と驚かれている方もいるのではないかと思いますが、第1展望台から見えていた向かい側に、同じくらいの高さまで登っていきます。
森では、フクジュソウやカタクリのつぼみなどが見られ春の気配を感じられました(今頃は咲いているかも!)。まだ枝に葉っぱが茂っていないこの時期は海が眺められて、海岸線のトレイルを実感、堪能することができました。
この周辺は広葉樹林が広がっているので、新緑の季節や紅葉もまた違った雰囲気になって気持ちのよい道になります。
そして、また海岸線に出ました。
ここから先には、高波の時は立ち入れない三陸ならではの遊歩道が待っています。
岩場にはしごが掛けられている場所や、手彫りのトンネルがあるのです。
手彫りのトンネルは2ヵ所あり、トンネル内でみんなのヘッドライトを消してみました。すると一瞬にして濃い暗闇となり、波が打ち寄せる音だけがトンネル内に響き渡りました。ちょっと怖くもありましたが、大自然の中にいることを感じられる体験となりました。
このトンネルをつくった方々に想いを馳せながら進んでいき、再び森のなかへ。ひと山越えた先には、この日のゴール・机浜!翌日は机浜から島越駅までの約10kmを歩きます。
この日歩いた区間は、みちのく潮風トレイルとしても、険しい地形などここでしか感じられない大自然を堪能できる要素がたくさん詰まっていると感じました。
翌日の様子は、【みちのく潮風トレイル~未開通区間の調査~後編】でお届けします。
2016年01月15日「なすびが歩く みちのく潮風トレイル」に密着!~後編~
三陸復興国立公園 宮古 古館 百合子
前回の「なすびが歩く みちのく潮風トレイル」に密着!~前編~に続き、後編をお届けします。
◆前編はこちら↓
http://tohoku.env.go.jp/blog/2016/01/post_94.html
昼食に山田町のカキを食べてパワーをつけたなすびさんと一緒に小谷鳥地区に戻り、午後の部スタートです。
小谷鳥地区から牛転(うしころばし)峠までは砂利道が約1時間弱続きます。
なすびさんの歩くスピードは砂利の坂道でも衰えることなく、カキパワー健在のまま牛転峠に到着しました!
【牛転峠に到着したなすびさん】
ここから先は、ヤブをかき分けながら十数メートル登り、尾根沿いの踏み跡をたどって陸中海岸自然歩道に合流します。
【歩いてきた小谷鳥地区を眺めるなすびさん】
【これから目指す釜石・箱崎半島方面を眺めるなすびさん】
ここは東日本大震災で発生したふもとの火災が燃え移り木々が焼失した場所。
なすびさんは、ところどころ黒焦げになった木を目にするたびに震災の爪痕を感じながら歩いていました。
夕日が遠くの山に隠れ、薄暗くなった道を歩くこと約50分。無事にゴール地点の旧タブの木荘(船越園地)に到着しました。
薄暗くなってしまい、写真を撮れなかった海岸線と黒島(通称:ライオン島)の様子を別の日に撮影した写真でお届けします。
【海岸線トレイルコース】
タブの木自生北限地とされている「タブの大島」が望めます。
【黒島(通称:ライオン島】
みなさんは、ライオンに見えますか?それとも...?
想像を膨らませて考えてみると楽しいですね。
最後になりますが、今回ガイドに送迎にと大変お世話になりました山田町観光協会のみなさまに感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
【今回歩いた場所の地図】
1日なすびさんに同行させていただきましたが、ガイドの方から被災状況を伺い、その地域のことを知ろうとする真剣なまなざしに、終始被災地への熱い想いが伝わってきました。
また、行く先々で出会った方々と交流を楽しんだり、写真撮影に応じたりする姿が印象的で、なすびさんの温かみのある人柄が溢れ出ていました。
なすびさんが、みちのく潮風トレイルを南下し続ける様子は下記Facebookで見られます。
◆更新中!「なすびが歩く みちのく潮風トレイル」はこちら↓
引き続き応援よろしくお願いいたします。
http://www.facebook.com/nasubi.michinoku.trail/
2016年01月12日「なすびが歩く みちのく潮風トレイル」に密着!~前編~
三陸復興国立公園 宮古 古館 百合子
みなさま、明けましておめでとうございます。
お正月にお餅を食べ過ぎて体重が増加した古館です。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
私からお知らせする新年最初の話題は、ただいまみちのく潮風トレイル全線踏破にチャレンジしているなすびさん!
11月26日に青森県八戸市を出発。お仕事の合間を縫ってトレイルを歩き、現在は岩手県釜石市まで南下しています。
◆更新中!「なすびが歩く みちのく潮風トレイル」はこちら↓
https://www.facebook.com/nasubi.michinoku.trail/
そのうちの1日、なすびさんに同行させていただく機会がありましたので、写真とともになすびさんが歩くトレイルの様子をお届けいたします。
1月8日(金)快晴 山田町トレイルコース
【出発時に漉磯海岸を眺めるなすびさん】
船越半島・漉磯(すくいそ)海岸からのスタート。この日は、前日からなすびさんのガイドとして同行している山田町観光協会の方と3人で歩きました。
車道を進むこと1時間弱、地元の釣り人2名と遭遇。
なすびさんがみちのく潮風トレイルを歩いていることは知っていたが、まさか会えるとは...!と思っていたそうで、びっくりされていました。
しばし釣り人との会話を楽しんで、別れを惜しみつつ再スタート。ここからは、豊かな森の中を抜ける道を歩きます。
途中、なすびさんがポーズを決めてくださいました。
この道は、陸中海岸自然遊歩道の「船越半島を訪ねるみち」として設定されており、人の手が入っていないありのままの自然を堪能できます。
落ち葉をワッサワッサと踏みならしながら歩きましたが、ガイドさんは「秋の燃えるような紅葉に囲まれて歩くのは最高だよー!」とおっしゃっていました。広葉樹が多く自生しているので、新緑の季節もまた爽やかで違った雰囲気が楽しめ、1年通して大自然を感じられます。
自然遊歩道を歩き切り、車道を1時間弱進むと、ガイドの方が立ち止まって「山田町の杉は優等生なんだよー!」と。というのも船越半島の杉は、太く、高くまっすぐ育ち、病虫害にかかっていない木として昭和31年「精英樹(せいえいじゅ)」に指定されたそうです。見上げるとまさにその通り、太く立派な杉の木が育っていました。
精英樹林の中を進み小谷鳥(こやどり)海岸に到着。小谷鳥地区では震災復興の工事を行っていました。
震災前、震災時の様子などをガイドの方から伺い、復興に向けて思いを馳せていました。
ちょうどお腹が空いてきたところで、お昼休憩...と思ったら、山田町観光協会さんのご厚意でカキ小屋に連れて行っていただけることになりました。
年末から元旦にかけて宮古市~山田町市街地を歩いた際は、年末年始の漁師さんの休みとかぶり「カキ小屋」に行きたい!との願いが叶わず...。
その願いがこの日、実現しました。
【カキ小屋スタッフがスコップで豪快にカキを鉄板にのせて蒸しガキに】
【たくさんのカキを前にして満面の笑みのなすびさん】
スコップ2杯分のカキを平らげ、午後のトレイルウォークへと活力をつけました。
カキを食べてますます元気になったなすびさんの午後の様子は次回お届けいたします。
2015年09月10日山田町エコツーリズム先進地視察in田野畑村
三陸復興国立公園 宮古 古館 百合子
宮古自然保護官事務所の古館です。
9月1日、山田町でエコツーリズムの取組を行っているメンバーや山田町役場関係者など13名が、体験型観光の先進地である田野畑村の机浜番屋群で視察会を行いました。
今回の視察は、机浜番屋群を運営しているNPO法人体験村・たのはたネットワークの方々や、田野畑村役場のご協力のもと、体験メニューやガイドの解説の中で、どのようにお客さんの満足度上げているのかなどを、各体験メニューを通して学びました。
机浜番屋群では、漁師の方々の作業場である番屋を拠点に、海水から塩を作る「塩づくり体験」や、地元の漁師の方が「サッパ船」と呼ばれる小型船で北山崎周辺の断崖を案内する「サッパ船アドベンチャーズ」などの体験メニューを提供しており、その中の4つのメニューを体験!
番屋群漁師ガイドでは、震災前の机浜番屋群の様子や地名(机)の由来、番屋の中に展示してある漁具などを、クイズを交えながら案内してくださりました。
【番屋群漁師ガイド】
塩づくり体験は、海水を汲んで塩づくり番屋内の窯に入れ煮立たせ、結晶化した塩の水分を蒸発させるまでの一連の工程を。また、番屋料理体験では、その日獲れた新鮮な魚を捌いたり、地元で獲れた食材を使用して漁師のお母さん方と一緒に和やかな雰囲気の中、昼食を作りました。
【塩づくり体験一時間コース】
【番屋料理体験】
そして4つ目の体験では、現役漁師の方の案内で「サッパ船」と呼ばれる小型船で北山崎周辺の断崖を案内していただきました。
【サッパ船アドベンチャーズ】
多少見えづらいかもしれませんが、○印で囲んだ部分にサッパ船がいます!200mある断崖をこんなに近くに見上げながら海上を進んでいくクルーズは、迫力満点!また、ガイドの方のお話しが面白く、とても魅力あふれるサッパ船アドベンチャーズでした。
各メニューを体験したあとは、机浜番屋群の立ち上げ・運営に携わっているNPO法人体験村・たのはたネットワークの方・田野畑村役場の方から、組織を立ち上げた当時のお話・運営体制や運営経費のお話などを伺いました。
一連の視察を終えて、机浜番屋群で体験型観光に携わる方々の、お客さまへの細やかな気遣いや工夫がそれぞれの体験メニューから感じられる部分があり、視察に訪れた山田町のエコツーリズムメンバーは、とても参考になったのではないでしょうか。
また、お話の最後にはNPO法人体験村・たのはたネットワークの方から「みんなで三陸を盛り上げていきましょう!」という言葉をいただきました。
山田町は、体験型観光を進めていく運営体制が十分に整っておらず、提供できる体験メニューも、モニターツアーを行うなどして試行錯誤している段階です。体験型観光の先進地である田野畑村とは違いがありますが、三陸で観光に携わり盛り上げようとしていることは同じ。お客さんの取り合いをするのではなく、地域全体で観光を盛り上げていこうという意識が伝わってきました。
今回の視察で体験したメニューは、一般の方々も体験できます。
机浜番屋群や体験メニューについて、興味がある方はこちらから↓
http://www.tanohata-taiken.jp/


こんにちは!宮古自然保護官事務所の古館です。
今回は今月行われたパークボランティア活動の様子をお届けします。
私が担当している宮古自然保護官事務所管内では、毎月1~2回集まり国立公園内の清掃や遊歩道の補修、浄土ヶ浜ビジターセンターのイベントサポートを行っています。
9月の活動は【みちのく潮風トレイルの管理作業】。8月末の台風10号の直撃や大雨の後の活動だったので、川を流れてきたゴミが至るところにあったり、木橋の水没がいくつも見られました。
パークボランティアのみなさんも台風後の道の変化に驚いた表情を浮かべながらも、みちのく潮風トレイルを歩きに来られるハイカーの方々のために復旧作業にご尽力いただきました。
この日集まった8名と一緒に、私も川に腕を入れて作業を行いましたが、大きな枝に草や蔦、石などが橋に絡みつくように引っかかっている場所が多く、苦戦しました。
作業を行ったトレイルルートには木橋がいくつも架かっており、水没している場所はこの1か所だけではありません。午前はずっとこの作業の繰り返しでした。
また、橋が流された場所もあり、現場にたまたまあった角材にロープを引っかけて岩にしっかり固定し、見事に木橋がよみがえりました。流された橋は数十メートル下流にて発見。かなりの水の勢いがあったのでしょうね。
作業が一段落した頃にちょうどお昼を迎えたので、浜辺でお弁当を広げて休憩をとることにしました。
人里離れたトレイルルートの場合、食事を提供しているお店がルートから遠いことも少なくありません。地域にある商店などから歩く前に昼食を購入して、浜辺など自分のお気に入りの場所を見つけて休むのもステキだなー!と感じました。
お昼を食べてますます元気になった午後は、午前に作業を行った道でゴミを拾いながら戻りました。
1時間弱ほどでしたが、45リットルゴミ袋4袋分のゴミを回収しました。道もだいぶ歩きやすく、かつキレイになりました。
これからトレイルを歩きやすくなる季節を迎えます。
秋本番はもう少し先ですが、道では栗や栃の実、クルミなど、秋の果実があちらこちらに落ちていたり、木々も秋にむけて色づき始めている場所がありました。
ハイカーの方々がみちのく潮風トレイルを歩いて「気持ちいいなー♪」と感じていただけるよう、ボランティアのみなさん含め、地域の方々とともに今後も活動を続けてまいりたいと思います。