三陸復興国立公園 宮古
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2020年11月04日秋の みちのく潮風トレイルin宮古市大沢海岸~浄土ヶ浜
三陸復興国立公園 宮古 古館 百合子
みなさんこんにちは。宮古自然保護官事務所の古館です。
自然歩道沿いの広葉樹がパレットの色を点々とのせたように鮮やかになり始めて、私の一番大好きな季節を感じるようになりました。
さて、今回ご紹介するのは、宮古市大沢海岸~浄土ヶ浜の間の1時間弱のみちのく潮風トレイルルート。
このルートは野生動物による標識の破損が確認された場所だったので、先月上旬に地元の高校生がインターンシップで3日間訪れた際に、標識の更新やトレイルの目印となるテープを枝に結ぶなど、歩く方が迷わないよう作業を行いました。
【左:目印テープの更新中 右:標識更新中】
このときは最後の深緑の風景をかみしめて歩きましたが、10月30日には色づきはじめていました。
足元に溜まっていく落ち葉を踏みしめて歩くのも好きなので、これからの巡視がいっそう楽しみになります。
この区間の見どころは蛸の浜と浄土ヶ浜の景観です。
インターン生も蛸の浜展望所から見る海の青さに感嘆していました。
蛸の浜展望所はルートから数十メートル離れた場所にありますが、立ち寄り必須です。
また、蛸の浜と浄土ヶ浜の岩の色が対照的(蛸の浜は黒っぽく、浄土ヶ浜は白い)ので、地質を比較してみると面白さが倍増します。
【左:蛸の浜 右:浄土ヶ浜】
紅葉シーズンを迎えていますが、落葉後はトレイルルートから海を垣間見ながら歩ける場所が増えるので、景色を楽しみたい方は落葉後がおすすめです。
各地の旬な情報やイベントなど、みちのく潮風トレイルのFacebookで更新中です。
みなさんもチェック漏れのないようにどうぞご覧くださいませ↓↓
https://m.facebook.com/michinoku.coastal.trail/?__tn__=HH-R
では、また。よい秋を!
2020年09月28日クロコシジロウミツバメの雛、確認!
三陸復興国立公園 古館 百合子
こんにちは、宮古自然保護官事務所の古館です。
去る9月8日に国指定鳥獣保護区の日出島へ調査に行ってまいりました。
今年度の調査は7月に続き2度目。今回は、今まで設置した巣箱で実際に雛がかえっているか確認することが調査の目的で、私は今年度初同行でした。
【左:ナラ枯れ、右:ミズナラの幼木】
日出島に上陸すると目に付くのが立ったまま枯れた木々。これは周辺で猛威をふるっている"ナラ枯れ"というナラの木を枯らしてしまう"カシノナガキクイムシ"の媒介(通称:ナラ菌)によるものです。今まで日陰をつくってくれていた木々が枯れてしまい、海鳥にも影響が出るのではと危惧していますが、巣箱を設置している区域でミズナラの幼木を発見しました。このまま順調に生長してほしいものです。
そして、こちらは調査区域の一部。
四角い板は巣箱の日よけで、この日よけの下にある巣箱を1つ1つゆっくりと開けて確認していきます。今回は7月に親鳥や卵の確認があったところを中心に調査します。
こちらの区域では、クロコシジロウミツバメの成鳥が抱卵しているのとコシジロウミツバメの雛がかえっているのを確認できました。
両種似ているため見分けが難しいですが、山階鳥類研究所の方に教えていただいたところ、尾羽の白い帯がくっきりと出ているのが一番見分けやすいポイントだそうです。
【左:クロコシジロウミツバメの尾羽拡大、写真右:クロコシジロウミツバメ成鳥】
※クロコシジロウミツバメは種の保存法により国内希少野生動植物種に指定されており、
許可を得た専門家が捕獲しています。
コシジロウミツバメの雛は、ふ化したタイミングが異なるため生育にも差があり、産毛が取れ、飛ぶための羽が生えそろい始めてきている雛と、まだ産毛に覆われたままの雛とそれぞれ確認できました。
【左:産毛がほぼ取れた雛、右:産毛に覆われている雛】
そして、もう1つの調査区域で最後にフタを空けた巣箱内に...
ついにクロコシジロウミツバメの雛を確認!親鳥は不在で、エサをとりに海上へ飛んでいっているようです。
さっそく体重測定をすると33グラムでした。産まれて間もない雛で、一人前になるのは11月頃のようです。それまでこの巣箱で無事に育って、羽ばたいていってくれることを願います。
ではまた!
過去の日出島調査についての記事はこちらから↓
2020.3.17 http://tohoku.env.go.jp/blog/2020/03/2019_1.html
2019.8.19 http://tohoku.env.go.jp/blog/2019/08/vol42019.html
2020年08月12日これもユリ科!あれもユリ科!
三陸復興国立公園 宮古 古館 百合子
こんにちは、宮古自然保護官事務所の古館です。
今年は梅雨明け発表のないまま、うだるような暑さがきた東北北部です。
みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
私は、暑さに負けず公園巡視をしており、巡視リュックの中は水分でずっしり重みを増しています。
さて、今回は私の名前にも入っているユリについてのお話。
植物名にユリと入っているものから、"えっ?これもユリの仲間?"というものまで今の季節に見られるものをご紹介します。
まずこちら、ウバユリ。ユリ科ウバユリ属。
背の高いものだと1mくらいまで生長し、花は横に鉄砲のように長く開花します。
白い花先が美しく上品さを感じられます。浄土ヶ浜園地内のいたるところ(※特に宮古湾一望コース)でよく見かけますので、夏にお越しの際には、ぐるりと歩いて探してみてください。海だけじゃなくて森にも見どころがありますよ。
続いては、ヤマジノホトトギス。
名前に"ユリ"が入っていませんが、ユリ科なんです。ユリ科ホトトギス属。
こちら、みちのく潮風トレイルの林に囲まれたルート上にひっそり咲いています。
7月~8月にかけてトレイルを歩くとき、登山のような険しいルート上で"あぁ...階段なのに足が重くて上がらない..."と疲れ果てたときに、足元に咲いているのを見ると元気になります。※個人的感想で、元気になる効能はありません。感じ方には個人差があります。
今回ご紹介したほかにも、クルマユリ、スカシユリなど、大船渡自然保護官事務所の坂本アクティブ・レンジャーが前記事で紹介した花も見られます。
【左:自然歩道脇のクルマユリ(宮古姉ヶ崎園地)、右:青空とスカシユリ(小袖海岸)】
ただ1つ、ヤマユリだけは宮古自然保護官事務所管内において見つけられていません。
気候など様々な条件があり、自生していないのかもしれません。同じ三陸復興国立公園でも違いが見られると面白いものです。
わずかばかりのご紹介となりましたが、みなさんの住んでいるお近くでも植物観察してみると面白いものが発見できるかもしれませんね。
以上、ユリコがお伝えしました。
では、また!
2020年06月10日初夏の浄土ヶ浜
三陸復興国立公園 宮古 古館 百合子
こんにちは、宮古自然保護官事務所の古館です。
時折、海霧【やませ】が陸地を覆い肌寒い日もありますが、夏の気配を感じるように
なった初夏の浄土ヶ浜の様子をお届けします。
巡視をした5月29日は、風がなく波が穏やかだったため、水面にうっすらと白い
岩肌が映っていました。
さて、浄土ヶ浜園地内には、自然歩道が北に南にと張りめぐらされているのを
ご存じですか?
森の中を歩くコースでは、初夏の花々が咲いています。今が満開のツツジの仲間の
【サラサドウダン】の花びらが足元にころころと落ちていて絨毯のよう。踏むのが
もったいなくて、足をどこに置こうか悩んでしまうくらいです。
そのほかにも、マルバダケブキ(左)とハマナス(右)も開花中です。
そしてこの日は、こんな出会いも。浜に近い草地ではハクセキレイを発見。
エサを探して右へ左へ...。私との距離はわずか2m弱。
エサを発見!虫をくわえて...
"すごいでしょう?"と言わんばかりにこちらを見つめ、去って行きました。
こんなに近くで観察したのは初めてでした。相当おなかがすいてエサ探しに夢中に
なっていたのかもしれません。
ニッコウキスゲやスカシユリ、ハマギクなど花々の開花が続き、同じ道でもまた
違った雰囲気を味わえます。
またこちらでご紹介しますので、遠方で浄土ヶ浜まで来られないみなさまは、
おうち時間でお楽しみくださいませ。
ではまた!
2020年05月20日宮古市中の浜開園から6年目の生長
三陸復興国立公園 宮古 古館 百合子
今月、5月24日で東日本大震災により被災したキャンプ場の遺構を保存している
【震災メモリアルパーク中の浜】が開園して丸6年を迎えます。
園地内の一角には、豊かな森と植生が広がっていた震災前の中の浜に戻そうと植樹をした
【復興ふれあいの森】があります。
地元の小学生をはじめ、地域の方々と一緒に植えたのは、地元由来の苗木。
ミズナラやケヤキ、ホオノキ、ウワミズザクラなど親しみのある木々です。
開園当初から震災メモリアルパーク中の浜では、半年に1回地元の小学生と環境学習を行ってきました。
-
①開園時の植樹祭で植えた樹木の生育について観察
-
②中の浜の浜辺ではどんな植物が生育しているか観察
-
③東日本大震災のときに中の浜で起こったことについて遺構を通して学ぶ
今回は、そのうちの①の樹木の生育状況についてご紹介してまいります。
こちらが復興ふれあいの森。植えた当初の平成26年5月24日に撮影した植樹祭の様子です。
子どもたちの背よりも低かった樹木が、1年後には同じくらいの背に。
(平成27年6月12日撮影)
はじめは、樹木の計測はメジャーで行っていましたが、ぐんぐん伸びて...
(平成28年9月30日撮影)
3年前の平成29年分からメジャーで測るのが難しくなり、黄色い目印テープを
目盛り代わりに竹につけて計測しています。
(令和元年6月14日撮影)
今や大人の背丈の2倍3倍にも生長し、幹も太く、たくさんの花々や実をつけ、
森の雰囲気を感じるようになってきました。
人々や動物たちが憩う豊かなふれあいの森に生長していくことを願って、
これからも子どもたちと生長を観察・記録していきます。
(左:平成26年5月24日植樹後、右:令和2年5月15日同場所)
平成26年5月24日の開園式・植樹祭を振り返ってみたい方はこちらから↓
その1
http://tohoku.env.go.jp/blog/2014/06/1912.html
その2
2020年04月28日春の目覚め
三陸復興国立公園 宮古 古館 百合子
みなさん、こんにちは。
2月の半ばに今春の最初の開花確認をしてから、本日4/28までにたくさんの春の花が咲きました。
巡視等での業務で写真におさめた花々を、時系列で振り返ってみましょう。
【2月】
13日/福寿草(左)・マンサク(右)(浄土ヶ浜園地)
【3月】
25日/ウグイスカグラ(左)(宮古姉ヶ崎園地)
31日/カタクリ(右)(宮古市みちのく潮風トレイルルート)
【4月】
3日/クロモジ(左上)(宮古姉ヶ崎園地)
22日/ニリンソウ(右上)・タチツボスミレ(左中)・シロバナエンレイソウ(右中)
・オオバキスミレ(左下)・オオカメノキ(右下)(浄土ヶ浜園地)
【4月・桜編】
22日/イチヨウ(左上・右上)・オオヤマザクラ(左下)・スルガダイニオイと
メジロ(右下)(浄土ヶ浜園地)
桜にはメジロのほかに、ヤマガラ、シジュウカラ、コゲラが訪れていました。
特に、ヤマガラが夢中になって桜の花びらをつまんでは密を吸い、吸い終わった花びらを
ひらひらと地面に落としていました。
写真撮影後は、時間を見つけて花のことを調べたりしますが、それぞれの花には名前の
由来や花言葉などストーリーがあるようで、私も"へぇー!"と思うことが多々あります。
自宅で過ごす時間が長くなっているので、こういう機会に知識をさらに深めたいなぁと
思っている今日この頃です。
花の写真で少しでも気持ちが安らぎますように...
これからも三陸に足を運べない方々へ日記を通して発信していきます。
それでは、また!
2020年03月17日アクティブ・レンジャー古館の今日この頃/2019のその後
三陸復興国立公園 古館 百合子
みなさん、こんにちは。
早いもので、あっという間に3月も半ばを過ぎましたね。
ここ最近は、みちのく潮風トレイル業務で野外に出たりする中で、春の陽気を
感じるようになりました。
さて今回は、昨年日記で紹介した記事のその後についてお伝えいたします。
昨夏にお伝えした海浜植物の育苗のその後はというと...
↓昨夏の日記
http://tohoku.env.go.jp/blog/2019/07/vol32019.html
【左上:いきいきと生長! 右上:岩手県立大学の先生による植え方講座】
【左下:植栽の様子 右下:植栽後のハマエンドウ】
11月4日、田野畑村の明戸(あけと)浜にて地元の方々やパークボランティア、
岩手県立大学の先生と一緒に植栽しました。
発芽してくれるか心配でしたが、全ての苗が発芽・生長し、真夏には元気に地を這って
伸びていきました。
台風19号で浸水した苗が一部ありましたが、根が枯れることもなく11月に全て植栽できました。
順調に根付けば今年の初夏には花をつけるので、近くを訪れた際にはお立ち寄りください。
【明戸浜園地】
続きまして、7月に国指定鳥獣保護区の日出島(ひでしま)へ上陸調査をしたその後です。
↓日出島上陸調査の日記
http://tohoku.env.go.jp/blog/2019/08/vol42019.html
昨秋にクロコシジロウミツバメの雛の確認を目的として上陸調査を行いました。
上記日記で、クロコシジロウミツバメらしき親鳥の巣箱利用が確認できたとお伝えしましたが、
その後同じウミツバメ類のコシジロウミツバメだと判明。7月上陸時にクロコシジロウミツバメ
の羽を日出島内で見つけており、飛来していることは確かでしたが、クロコシジロウミツバメ
ではなく残念でした。
【クロコシジロウミツバメの羽】
また、7月上陸時に木にくくりつけた自動撮影カメラを昨秋回収し画像を確認したところ、
ウミツバメ類と思われる個体が巣箱を設置している保護エリア内に複数写っていました。
※種の保存法では、羽一枚であっても持ち出すことができないので撮影後元通り島に戻
しておきました。
クロコシジロウミツバメ(2019) 平成31年1月18日告示 種の保存法による指定種。
【赤○がウミツバメ類】
今年度は巣箱の追加設置や、土が流れないよう設置していた木の柵の傷んだ箇所を
直すなどの取り組みを行いました。
暖かくなると繁殖シーズンを迎えます。昨秋はクロコシジロウミツバメの雛は確認
できませんでしたが、クロコシジロウミツバメが営巣しやすい環境となるようこれ
からも見守っていきたいと思います。
2019年08月09日アクティブ・レンジャー古館の今日この頃Vol.4/2019
三陸復興国立公園 宮古 古館 百合子
みなさん、こんにちは。
先月、岩手県宮古市にある国指定鳥獣保護区の日出島(ひでしま)に上陸してきました。
この島は、環境省レッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)で、絶滅危惧IA類(ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの)に指定されているクロコシジロウミツバメの繁殖地です。
クロコシジロウミツバメの巣穴は以前に比べて減少しているため、繁殖しやすい環境づくりに取り組んでおり、今回は、一昨年と昨年設置した巣箱で実際に利用があるか確認します。
最寄りの漁港を出港して、いざ上陸。
※この島は上陸に許可が必要で、誰もが立入れる場所ではありません。
お分かりになりますでしょうか、この急傾斜。
岩場から水平にロープを伝い、さらにかなり角度のある斜面を、ロープを何本も持ち替えながらのぼります。
(※翌日から数日間筋肉痛になりました...)
島の足元には、同島で繁殖しているオオミズナギドリ(クロコシジロウミツバメより大きい鳥)の巣穴がたくさん。横穴を掘って生活するため、足を置くところを間違えると横穴に落ちてしまい、横穴をふさいでしまいます。なので、注意を払って歩かなければなりません。
ちなみに、調査にご協力いただいている研究所の方によると、この巣穴の密集具合は日本一だそうです。
さっそく巣箱を設置したところで利用状況の調査を行います。
確認の仕方は、巣箱を開けて目視での確認とCCDカメラで行います。
写真はCCDカメラを巣穴に入れているところ。
残念ながら私がCCDカメラを入れた巣箱での利用は確認できませんでした...ですが、別の巣箱でクロコシジロウミツバメらしきの親鳥の利用が確認できました!
私自身、初めての確認で大変嬉しく思いました。
そのほか、コシジロウミツバメの親鳥や雛も確認、さらに、昨年度クロコシジロウミツバメの営巣エリアを守るために設置した金網(ウミツバメが入れる大きさ)のエリアでは、巣箱を使わない自然巣が18巣(うち、クロコシジロウミツバメを含むウミツバメ類と考えられるものは14巣)確認できました。
【左:コシジロウミツバメの親鳥と卵、右:雛】
次回調査はクロコシジロウミツバメ雛の確認を目的として今年度実施予定なので調査後またご報告いたします。
ではまた、Vol.5で。
2019年07月25日アクティブ・レンジャー古館の花だよりVol.2/2019
三陸復興国立公園 宮古 古館 百合子
梅雨明けが待ち遠しい岩手県沿岸からこんにちは。
今回は、事務所のすぐそば【浄土ヶ浜周辺】にフォーカスして、散策路で今の時期に見ら
れる植物をご紹介いたします。
浄土ヶ浜を背にして森の中の散策路を進むと、足元で色々咲いていました。
個人的にヤマジノホトトギスを見られたのは嬉しいです。
毎年、この時期に行う巡視の楽しみになっています。
浜辺の歩道では、スカシユリとハマナスの実を発見。
どちらも目を引く鮮やかな色が夏の浜辺を彩っていました。
実はこれらの写真、地元の高校生がインターンシップで宮古自然保護官事務所に訪れた際
に撮影したもの。
3日間で浄土ヶ浜園地内の看板や手すりの掃除と、植物の情報収集、巡視を担ってくれました。
7月20日に今シーズンの海水浴場が開設された浄土ヶ浜。夏が始まるわくわく感に包まれ
ています。
この夏の旅の選択肢に三陸はいかがですか?
みなさまのお越しをお待ちしています!
【浄土ヶ浜園地内:御台場展望所より撮影】
浄土ヶ浜に来たらここ!浄土ヶ浜ビジターセンター
→http://jodogahama-vc.jp/
浄土ヶ浜を含む三陸復興国立公園の見所をチェックしたい方はこちら
→https://www.env.go.jp/park/sanriku/
ではまた、花だよりVol.3で。
みなさん、こんにちは。宮古自然保護官事務所の古館です。
11月7日~8日にかけて、みちのく潮風トレイルの楽しいイベントが開催されたので、お届けします。
1,000kmの長いみちのりにおいて、各地域でみちのく潮風トレイルの情報発信を担うビジターセンターごとにブロックを分け、トレッキングと講演会を組み合わせたフォーラムを企画しており、今回は岩手県田野畑村の北山崎ビジターセンターで2日間にわたり開催されたブロックフォーラムに参加してきました。
スタート地点は北山崎。1日目は約10km、2日目は約8kmを歩き、約18km先の鵜の巣断崖を目指します。
【北山崎展望所からの景観】
岩の裏に辿り着くまでは、ここならではのアドベンチャーなコースが待っています。
200mの急峻な階段を上り下り(登山のようです)、紅葉が綺麗なブナ林をくぐり、波音に耳を澄ませながら手堀りのトンネルを進みます。
落葉が進んでいる場所からは、透き通った青い海が垣間見えて写真におさめる方々も少なくありませんでした。
【左上:約200m下がって登る階段、右上:木立の間から見える海、
左下:手堀りトンネル、右下:波打ち際の岩場を歩いている様子】
そうして辿り着いたのは陸中弁天埼灯台。北山崎の展望所で見えた岩の裏側までやってきました。陸中弁天埼灯台は、みちのく潮風トレイル沿線の灯台のなかでも珍しい紅白タイルの愛らしい灯台で、昭和40年代から海の安全を見守り続けています。
【左上:陸中弁天埼灯台、灯台からの眺望(南側)
左下:灯台からの眺望(北側)、右下:これから行く先を眺める参加者】
ゴール地点まではもう少し!ここからは県道歩きですが、普段車で通過しているところを歩くと、絶景スポットや新たな発見があるもので、みなさんカメラのシャッターをたくさん切っていました。
参加者は岩手県内をはじめ東北各地のみちのく潮風トレイルファンの方々で、歩きながら今まで歩いたみちのく潮風トレイルの思い出話や歩きたい場所のお話などを伺い、交流を深めさせていただきました。
【左:自然歩道から眺める灯台も良いですね!
右:歩いているから撮れる県道沿いからの眺望(近くに駐車場はありません)】
ゴール後は、自然や植物に詳しい講師2人による講演。
みちのく潮風トレイル周辺の自然環境のお話や魅力、海外のロングトレイルを歩いて体験した現地の方々のトレイルとの関わり方のお話など、興味深いものばかりで、あっという間の2時間の講演会でした。
そして、2日目も元気にスタート!
講師による地層や津波で打ち上げられた石、植物の解説などに耳を傾けながら歩を進めました。
【左上:明治の津波で打ち上げられたと語りつがれている石、
右上:サルトリイバラの解説、左下:ムラサキシキブの実、
右下:冬鳥としてやってくるシノリガモの集団を海岸で発見!】
【左:この地の一揆で活躍された方の解説、右:流木で作られた親切な矢印!】
1人で歩くと通り過ぎてしまうところに、地域で活躍された方の歴史が残っていたり、道路端にちょこんと成っている果実や野鳥で季節の進みを感じたりと、私自身も普段とは違う視点でトレイルを深く楽しむことができて勉強になりました。
みちのく潮風トレイルFacebookには、八戸自然保護官事務所の太刀川レンジャーがこのイベントレポートを投稿しているので、スクロールして、あわせてチェックしてみてください↓↓
https://m.facebook.com/michinoku.coastal.trail
ブロックフォーラムは来月にかけて各地で開催されていますが、ブロックフォーラム以外でもイベントを各地で開催しているので、計画を練って歩く旅を楽しまれてはいかがでしょうか。
名取トレイルセンターホームページにてイベント情報更新中↓↓
https://www.mct-natori-tc.jp/
では、また!