磐梯朝日国立公園 羽黒
247件の記事があります。
2012年09月13日登山道の通行状況について
磐梯朝日国立公園 羽黒 佐々木 大樹
残暑が厳しい日が続いていますが、ようやく朝夕に秋を感じるようになりました。
夏山の時期も終わりが近く、これからはいよいよ紅葉シーズンです。
紅葉の山歩きに向けて、登山計画を立てている方も多いと思いますが、現在工事中の林道や通行に支障がある登山道がいくつかあります。
下記に状況をまとめましたので、登山計画にお役立て下さい。
<月山>

・肘折コース
念仏ヶ原と千本桜の中間にある清川橋が雪害によって倒壊しています。
通行することは困難です。
<朝日連峰>

・白滝コース
登山口から3基目の目白沢橋が損傷しています。
地元山岳会によって通行できるように応急処置が行われていますが、
十分に注意して通行して下さい。
・日暮沢小屋林道
9月下旬まで日暮沢小屋への林道が工事の為、小屋手前約3キロの砂防ダムから車による通行ができません。
砂防駐車場に駐車して徒歩で日暮沢小屋まで通行して下さい。
<飯豊連峰>
・ダイグラ尾根コース
檜山沢吊り橋のワイヤーが破損し、人が渡ることができない状態です。
渡渉することも困難です。
・杁差岳西俣コース(大熊尾根)
大熊小屋手前の本流に架かる橋が破損して渡れない状態となっています。
※最新情報等詳細については、各市町村にお問い合わせ下さい
9月中旬頃から標高が高いところでは色がつき始め、紅葉前線が山頂から山麓への下がって行きます。
出羽三山、朝日、飯豊の紅葉はそれぞれに本当に見事なものです。

写真は昨年の10月上旬に撮影した朝日連峰・大玉山の稜線写真です。
事前にしっかりと情報を収集して、楽しい登山をなさって下さい!
夏山の時期も終わりが近く、これからはいよいよ紅葉シーズンです。
紅葉の山歩きに向けて、登山計画を立てている方も多いと思いますが、現在工事中の林道や通行に支障がある登山道がいくつかあります。
下記に状況をまとめましたので、登山計画にお役立て下さい。
<月山>

・肘折コース
念仏ヶ原と千本桜の中間にある清川橋が雪害によって倒壊しています。
通行することは困難です。
<朝日連峰>

・白滝コース
登山口から3基目の目白沢橋が損傷しています。
地元山岳会によって通行できるように応急処置が行われていますが、
十分に注意して通行して下さい。
・日暮沢小屋林道
9月下旬まで日暮沢小屋への林道が工事の為、小屋手前約3キロの砂防ダムから車による通行ができません。
砂防駐車場に駐車して徒歩で日暮沢小屋まで通行して下さい。
<飯豊連峰>
・ダイグラ尾根コース
檜山沢吊り橋のワイヤーが破損し、人が渡ることができない状態です。
渡渉することも困難です。
・杁差岳西俣コース(大熊尾根)
大熊小屋手前の本流に架かる橋が破損して渡れない状態となっています。
※最新情報等詳細については、各市町村にお問い合わせ下さい
9月中旬頃から標高が高いところでは色がつき始め、紅葉前線が山頂から山麓への下がって行きます。
出羽三山、朝日、飯豊の紅葉はそれぞれに本当に見事なものです。

写真は昨年の10月上旬に撮影した朝日連峰・大玉山の稜線写真です。
事前にしっかりと情報を収集して、楽しい登山をなさって下さい!
2012年09月05日朝日連峰・保全修復工事のお知らせ(以東岳直登コース・金玉水)
磐梯朝日国立公園 羽黒 佐々木 大樹
現在環境省では、磐梯朝日国立公園・朝日地域で自然環境保全の為、植生復元及び登山道の保全修復の工事を行っています。
施工箇所は、①以東岳直登コース(標高約1445m~1588m付近) ②金玉水植生復元施設付近の2箇所です。

ガスが少しでも出るとヘリコプターは飛行することができません。
山の上の天気は気まぐれで、1分1秒で状況が変わってしまうので、ヘリによる荷揚げが無事終了するまでハラハラしました。

今回の工事資材荷揚げに合わせて、9/29~30に予定している朝日連峰保全協議会の合同保全作業用資材も荷揚げしました。
荷揚げした資材の一部は狐穴小屋管理人さんの協力の下、小屋の倉庫に保管いただきました。
今年度の合同保全作業については、下記をご覧下さい。
http://c-tohoku.env.go.jp/to_2012/data/0831ab.pdf
(朝日合同保全作業の開催通知へのリンク)

以東岳の工事は9/2~開始しました。
写真は植生復元を促進するために麻製の緑化ネットを敷設しているところです。
その他、ヤシ製の土のう袋や粗朶、現地の石を使って土留めや歩行路のステップ、排水工を設置していきます。
公共工事、と聞くとコンクリートなどの人工物を用いての大規模な工事を想像されるかもしれませんが、前回の日記で紹介させていただいた「近自然工法」の考え方に基づく工事です。
磐梯朝日国立公園の飯豊連峰・朝日連峰では、極めて自然性が高く奥深い山岳地域になじむ整備を心がけており、自然環境への影響が少ない天然資材等を用いての整備を行っています。
工事中でも安全確保に努めていますが、施工箇所を通行の際は気をつけてお通りください。
またヘリコプターによる資材運搬等、安全のために一時的に通行を規制するなどご不便をおかけする場合がありますが、ご理解ご協力お願い致します。
本工事の概要等につきましては、下記をご覧下さい。
http://c-tohoku.env.go.jp/to_2012/0829a.html
また9/22~23に予定している飯豊連峰保全連絡会の合同保全作業では、事前作業として資材の荷揚げのご協力をお願いしています。
荷揚げにご協力頂ける方他、羽黒自然保護官事務所0235-62-4777まで問い合わせ下さい。
飯豊の合同保全作業については、以下をご覧下さい。
http://c-tohoku.env.go.jp/to_2012/data/0831aa.pdf
施工箇所は、①以東岳直登コース(標高約1445m~1588m付近) ②金玉水植生復元施設付近の2箇所です。

ガスが少しでも出るとヘリコプターは飛行することができません。
山の上の天気は気まぐれで、1分1秒で状況が変わってしまうので、ヘリによる荷揚げが無事終了するまでハラハラしました。

今回の工事資材荷揚げに合わせて、9/29~30に予定している朝日連峰保全協議会の合同保全作業用資材も荷揚げしました。
荷揚げした資材の一部は狐穴小屋管理人さんの協力の下、小屋の倉庫に保管いただきました。
今年度の合同保全作業については、下記をご覧下さい。
http://c-tohoku.env.go.jp/to_2012/data/0831ab.pdf
(朝日合同保全作業の開催通知へのリンク)

以東岳の工事は9/2~開始しました。
写真は植生復元を促進するために麻製の緑化ネットを敷設しているところです。
その他、ヤシ製の土のう袋や粗朶、現地の石を使って土留めや歩行路のステップ、排水工を設置していきます。
公共工事、と聞くとコンクリートなどの人工物を用いての大規模な工事を想像されるかもしれませんが、前回の日記で紹介させていただいた「近自然工法」の考え方に基づく工事です。
磐梯朝日国立公園の飯豊連峰・朝日連峰では、極めて自然性が高く奥深い山岳地域になじむ整備を心がけており、自然環境への影響が少ない天然資材等を用いての整備を行っています。
工事中でも安全確保に努めていますが、施工箇所を通行の際は気をつけてお通りください。
またヘリコプターによる資材運搬等、安全のために一時的に通行を規制するなどご不便をおかけする場合がありますが、ご理解ご協力お願い致します。
本工事の概要等につきましては、下記をご覧下さい。
http://c-tohoku.env.go.jp/to_2012/0829a.html
また9/22~23に予定している飯豊連峰保全連絡会の合同保全作業では、事前作業として資材の荷揚げのご協力をお願いしています。
荷揚げにご協力頂ける方他、羽黒自然保護官事務所0235-62-4777まで問い合わせ下さい。
飯豊の合同保全作業については、以下をご覧下さい。
http://c-tohoku.env.go.jp/to_2012/data/0831aa.pdf
2012年08月31日近自然工法普及技術講習会を開催しました
磐梯朝日国立公園 羽黒 佐々木 大樹
8/18~8/19に、飯豊地域を対象に近自然工法普及技術講習会を開催しました。
飯豊連峰では、原生的な自然環境の保全を第一に考え、登山道の浸食や植生荒廃防止については現地にある自然石等を活用して、雨水や土砂の動きをコントロールする「近自然工法」と呼ばれる方法で登山道の保全修復や植生復元を試みています。
本講習会は、保全作業について参加者が増えて来ており保全修復技術について学ぶ場がほしいとの要望を受け、昨年に引き続き開催しました。
実地で学ぶ前に座学で理論的なことについて学びます。

①NPO法人飯豊朝日を愛する会 井上邦彦氏より、「飯豊朝日連峰における登山道修復の過程と現状」
②山形大学農学部准教授 菊池俊一氏より、「登山道はなぜ荒れたのか」
③株式会社ニュージェック 川端郁子氏より、「梶川尾根と丸森尾根における施工箇所の見どころ」
菊池先生からは山岳域保全は飯豊連峰だけでなく「流域」といった広い生態系についても意義のあることだ、との講義をいただきました。
その後、これまで整備を行ってきた梶川尾根を登り、施工箇所、施工方法等の確認を行いました。
施工箇所は梶川尾根上部です。飯豊連峰の急登を6時間程度登り続けて、ようやく現地にたどり着くことができます。

こちらは、施工箇所の一つです。登山道が拡幅して裸地化、水路化しています。

水路化し、洗堀された箇所には要所要所に現地石材等を用いて、土留め工を設置しています。
施工方法、理屈、効果、影響等について、確認していきます。
場所によっては有効に機能していないところや、設置したことによって新たな洗堀が生じてしまったところもあります。
なぜそのようになったのか、一つ一つ確認していきました。

こちらは裸地化したところに敷設した緑化ネットです。
場所によって芽吹きに差があります。
種の供給源(シードソース)の近くや水路上には、種がネットに付着しやすく、芽吹きが促進されるようです。
今年度の合同保全作業も梶川尾根を予定しているので、今年の作業の検討も行いました。
今回は講習会なので荷物は少なくてすみましたが、実際の作業時は緑化ネット等の資材の荷上げもしなくてはなりません。
資材については、一度で荷上げすることはできず、事前に何度も荷上げ作業をしなくてはなりません。本当に骨が折れる作業であり、改めて山を愛する人たちの熱意と頭が下がる思いを感じました。

現地確認時にはタカネマツムシソウが満開で見事でした。

こちらは滝見場からみた石転び沢です。石転び沢の大雪渓は本当に大きな雪渓で、雪が多かった今年は8月だというのにまだまだたくさん雪渓が残っています。
上級者コースとなりますが、ここは夏でも歩くことができます。
飯豊連峰では、原生的な自然環境の保全を第一に考え、登山道の浸食や植生荒廃防止については現地にある自然石等を活用して、雨水や土砂の動きをコントロールする「近自然工法」と呼ばれる方法で登山道の保全修復や植生復元を試みています。
本講習会は、保全作業について参加者が増えて来ており保全修復技術について学ぶ場がほしいとの要望を受け、昨年に引き続き開催しました。
実地で学ぶ前に座学で理論的なことについて学びます。

①NPO法人飯豊朝日を愛する会 井上邦彦氏より、「飯豊朝日連峰における登山道修復の過程と現状」
②山形大学農学部准教授 菊池俊一氏より、「登山道はなぜ荒れたのか」
③株式会社ニュージェック 川端郁子氏より、「梶川尾根と丸森尾根における施工箇所の見どころ」
菊池先生からは山岳域保全は飯豊連峰だけでなく「流域」といった広い生態系についても意義のあることだ、との講義をいただきました。
その後、これまで整備を行ってきた梶川尾根を登り、施工箇所、施工方法等の確認を行いました。
施工箇所は梶川尾根上部です。飯豊連峰の急登を6時間程度登り続けて、ようやく現地にたどり着くことができます。

こちらは、施工箇所の一つです。登山道が拡幅して裸地化、水路化しています。

水路化し、洗堀された箇所には要所要所に現地石材等を用いて、土留め工を設置しています。
施工方法、理屈、効果、影響等について、確認していきます。
場所によっては有効に機能していないところや、設置したことによって新たな洗堀が生じてしまったところもあります。
なぜそのようになったのか、一つ一つ確認していきました。

こちらは裸地化したところに敷設した緑化ネットです。
場所によって芽吹きに差があります。
種の供給源(シードソース)の近くや水路上には、種がネットに付着しやすく、芽吹きが促進されるようです。
今年度の合同保全作業も梶川尾根を予定しているので、今年の作業の検討も行いました。
今回は講習会なので荷物は少なくてすみましたが、実際の作業時は緑化ネット等の資材の荷上げもしなくてはなりません。
資材については、一度で荷上げすることはできず、事前に何度も荷上げ作業をしなくてはなりません。本当に骨が折れる作業であり、改めて山を愛する人たちの熱意と頭が下がる思いを感じました。

現地確認時にはタカネマツムシソウが満開で見事でした。

こちらは滝見場からみた石転び沢です。石転び沢の大雪渓は本当に大きな雪渓で、雪が多かった今年は8月だというのにまだまだたくさん雪渓が残っています。
上級者コースとなりますが、ここは夏でも歩くことができます。
2012年08月20日登山道保全修復技術講習会
磐梯朝日国立公園 羽黒 佐々木 大樹
7月28日(土)~29日(日)にかけて、地元の山岳関係者の方々に粗朶(そだ)を使った登山道修復技術を習得していただくことを目的に、登山道保全修復技術講習会を行いました。
※粗朶:昔から河川工事や暗渠排水等に活用されている広葉樹の枝のこと。

実技前に、(株)ニュージェックの川端氏から、
①登山道荒廃メカニズムと対策の考え方、②流水コントロールの考え方 ③粗朶(そだ)工法の特徴と粗朶を用いた登山道修復方法、について講義をいただきました。
その後、朝日連峰古寺ルートにてシダチョウ建設(株)大橋氏に実技指導を受けながら実践的な登山道の修復作業に取りかかりました。
まずは粗朶排水溝の設置についてです。
作業の流れとしては、現地の地形を観察し、排水に適した地点を選ぶ → 資材となる粗朶を集める排水溝を掘る → 排水溝に粗朶を詰める というもので、コツは排水溝を3~40cmの深さまで掘ること、排水工には粗朶の細い方が下流側になるように詰めることの2点です。

粗朶を使った排水溝の設置作業です
登山道は降雨による表流水の集中が原因で洗掘が進むケースが非常に多く、表流水をいかにコントロールするかが課題です。
これまでは浅く排水工を掘って表流水を登山道外に排水してきましたが、すぐに排水工が土砂等で埋まってしまっていました。
粗朶を効率的に使うことでこの問題が改善されることが期待できます。

粗朶を使った排水溝の完成です。

その他、ぬかるみ部に粗朶による排水工と階段工を設置、居合わせた一般登山者の方からは「通りやすくなった」との声が聞かれました。
粗朶を使った登山道修復は、これまで朝日連峰や飯豊連峰では行ったことがありません。
参加した皆さんは非常に熱心に講習に参加されていました。
脆弱な山岳域の保全は、自然が相手です。
試行錯誤しながら改良に改良を重ねていく順応的管理を今後も心がけていく必要があると感じました。
これからも、様々な関係者の皆様と一緒になって山の保全について考えていきたいと思います。
※粗朶:昔から河川工事や暗渠排水等に活用されている広葉樹の枝のこと。

実技前に、(株)ニュージェックの川端氏から、
①登山道荒廃メカニズムと対策の考え方、②流水コントロールの考え方 ③粗朶(そだ)工法の特徴と粗朶を用いた登山道修復方法、について講義をいただきました。
その後、朝日連峰古寺ルートにてシダチョウ建設(株)大橋氏に実技指導を受けながら実践的な登山道の修復作業に取りかかりました。
まずは粗朶排水溝の設置についてです。
作業の流れとしては、現地の地形を観察し、排水に適した地点を選ぶ → 資材となる粗朶を集める排水溝を掘る → 排水溝に粗朶を詰める というもので、コツは排水溝を3~40cmの深さまで掘ること、排水工には粗朶の細い方が下流側になるように詰めることの2点です。

粗朶を使った排水溝の設置作業です
登山道は降雨による表流水の集中が原因で洗掘が進むケースが非常に多く、表流水をいかにコントロールするかが課題です。
これまでは浅く排水工を掘って表流水を登山道外に排水してきましたが、すぐに排水工が土砂等で埋まってしまっていました。
粗朶を効率的に使うことでこの問題が改善されることが期待できます。

粗朶を使った排水溝の完成です。

その他、ぬかるみ部に粗朶による排水工と階段工を設置、居合わせた一般登山者の方からは「通りやすくなった」との声が聞かれました。
粗朶を使った登山道修復は、これまで朝日連峰や飯豊連峰では行ったことがありません。
参加した皆さんは非常に熱心に講習に参加されていました。
脆弱な山岳域の保全は、自然が相手です。
試行錯誤しながら改良に改良を重ねていく順応的管理を今後も心がけていく必要があると感じました。
これからも、様々な関係者の皆様と一緒になって山の保全について考えていきたいと思います。
2012年07月24日H24朝日連峰保全協議会 合同保全作業事前調査(三方境)
磐梯朝日国立公園 羽黒 佐々木 大樹
7月20日(金)~7月22日(日)に平成24年度朝日連峰保全協議会、合同保全作業地の事前調査を関係者で三方境で行いました。
三方境は風衝地と称される、日本海から直接吹き付ける季節風で冬期間は雪がほとんど積もらないほど風が強い場所です。
現地は花崗岩の非常にもろい地質ということもあり、平成20年度より行ってきた関係者合同による保全作業は試行錯誤の連続でした。
これまで深く掘れて荒々しかった侵食地ですが、施工4年目にしてようやく努力が実って登山道の侵食がゆるみ、植物が徐々に芽を出しつつあるのが確認できました。

関係者による調査風景です

厳しい環境から融けてしまった緑化ネットからもしっかり芽吹きが確認できました。

もろい土壌から土砂が流れを止めることに試行錯誤していましたが、ヤシ繊維を詰めた土留がしっかり効いていました。

ダブルストック利用の登山者増加に伴い、ストックによる登山道への影響が感じられるようになってきました。
夏の朝日連峰の稜線上は比較的危険箇所が少ないため、ストックを使用される場合はゴムキャップを装着いただたき、特に以東岳~三方境にかけてのもろい花崗岩土壌の場所では使用を控えていただければと思います。
今回の事前調査の結果を踏まえて、合同保全作業を10月29日(土)~30日(日)に予定しています。
第4会合の報告、ニュースレター第7号と飯豊連峰保全連絡会ニュースレター第16号を下記の磐梯朝日国立公園のホームページにアップしましたので、ご覧下さい。
http://www.env.go.jp/park/bandai/

調査中は天候に恵まれ、朝日連峰の稜線は素晴らしい展望でした。
写真は以東岳です。

ニッコウキスゲの群落が見事でした。
20日の夜は、山形新聞社が企画している朝日連峰縦走ルポの登山隊と狐穴小屋で一緒になり、保全作業について取材を受けました。記事について下記から閲覧できるので、ご覧下さい。
http://yamagata-np.jp/news/201207/21/kj_2012072100561.php
三方境は風衝地と称される、日本海から直接吹き付ける季節風で冬期間は雪がほとんど積もらないほど風が強い場所です。
現地は花崗岩の非常にもろい地質ということもあり、平成20年度より行ってきた関係者合同による保全作業は試行錯誤の連続でした。
これまで深く掘れて荒々しかった侵食地ですが、施工4年目にしてようやく努力が実って登山道の侵食がゆるみ、植物が徐々に芽を出しつつあるのが確認できました。

関係者による調査風景です

厳しい環境から融けてしまった緑化ネットからもしっかり芽吹きが確認できました。

もろい土壌から土砂が流れを止めることに試行錯誤していましたが、ヤシ繊維を詰めた土留がしっかり効いていました。

ダブルストック利用の登山者増加に伴い、ストックによる登山道への影響が感じられるようになってきました。
夏の朝日連峰の稜線上は比較的危険箇所が少ないため、ストックを使用される場合はゴムキャップを装着いただたき、特に以東岳~三方境にかけてのもろい花崗岩土壌の場所では使用を控えていただければと思います。
今回の事前調査の結果を踏まえて、合同保全作業を10月29日(土)~30日(日)に予定しています。
第4会合の報告、ニュースレター第7号と飯豊連峰保全連絡会ニュースレター第16号を下記の磐梯朝日国立公園のホームページにアップしましたので、ご覧下さい。
http://www.env.go.jp/park/bandai/

調査中は天候に恵まれ、朝日連峰の稜線は素晴らしい展望でした。
写真は以東岳です。

ニッコウキスゲの群落が見事でした。
20日の夜は、山形新聞社が企画している朝日連峰縦走ルポの登山隊と狐穴小屋で一緒になり、保全作業について取材を受けました。記事について下記から閲覧できるので、ご覧下さい。
http://yamagata-np.jp/news/201207/21/kj_2012072100561.php
2012年07月12日登山者カウンターを設置しました(朝日連峰)
磐梯朝日国立公園 羽黒 佐々木 大樹
利用者数等の状況調査のために、磐梯朝日国立公園では平成19年度~平成23年度までの5年間飯豊連峰に登山者カウンターを設置してきました。
飯豊連峰における登山者カウンター設置情報については、こちら をご覧ください。
「朝日連峰においても登山者カウンターを設置してほしい」との地元からの要望を受け、平成24年度からは朝日連峰の4つの登山口(古寺口、日暮沢口、朝日鉱泉口、泡滝口)に設置します。
7月11日に朝日連峰の古寺口、日暮沢口、朝日鉱泉口に設置作業を行いました。

日暮沢口に設置した登山者カウンターです。
●古寺口
古寺鉱泉約20分ほど歩いた尾根上の地点
●日暮沢口
日暮沢小屋より徒歩約5分ほどの地点
●朝日鉱泉口
朝日鉱泉より徒歩約10分 朝日吊橋を渡った地点
カウンタ-で異常が見受けられた場合は、お手数ですが羽黒自然保護官事務所℡0235-62-4777までご一報ください。
よろしくお願い致します。
設置作業を行っている際に、大朝日小屋に宿泊したという登山者が通り、満面の笑みでこんなお話をしてくれました。
「本当に素敵な山ですね。小屋では各地から来ている登山者と話ができ、管理人さんも快く迎えてくださり、本当に楽しかったです」
嬉しくて疲れも吹き飛んでしまいました^^
古寺口は、地元の山岳会によって本当に丁寧に整備されています。
登山をされた方が、今回お話してくださったような気持ちで下山してもらえたならば、こんなに嬉しいことはありません。

登山道整備の際に出た資材を利用して、ぬかるみ部が通行しやすいように丁寧に整備されています。

このようにくしゃくしゃになったブナの葉が多数見られました。
ブナハムシの影響か、今年の豪雪の影響かもしれません。
飯豊連峰における登山者カウンター設置情報については、こちら をご覧ください。
「朝日連峰においても登山者カウンターを設置してほしい」との地元からの要望を受け、平成24年度からは朝日連峰の4つの登山口(古寺口、日暮沢口、朝日鉱泉口、泡滝口)に設置します。
7月11日に朝日連峰の古寺口、日暮沢口、朝日鉱泉口に設置作業を行いました。

日暮沢口に設置した登山者カウンターです。
●古寺口
古寺鉱泉約20分ほど歩いた尾根上の地点
●日暮沢口
日暮沢小屋より徒歩約5分ほどの地点
●朝日鉱泉口
朝日鉱泉より徒歩約10分 朝日吊橋を渡った地点
カウンタ-で異常が見受けられた場合は、お手数ですが羽黒自然保護官事務所℡0235-62-4777までご一報ください。
よろしくお願い致します。
設置作業を行っている際に、大朝日小屋に宿泊したという登山者が通り、満面の笑みでこんなお話をしてくれました。
「本当に素敵な山ですね。小屋では各地から来ている登山者と話ができ、管理人さんも快く迎えてくださり、本当に楽しかったです」
嬉しくて疲れも吹き飛んでしまいました^^
古寺口は、地元の山岳会によって本当に丁寧に整備されています。
登山をされた方が、今回お話してくださったような気持ちで下山してもらえたならば、こんなに嬉しいことはありません。

登山道整備の際に出た資材を利用して、ぬかるみ部が通行しやすいように丁寧に整備されています。

このようにくしゃくしゃになったブナの葉が多数見られました。
ブナハムシの影響か、今年の豪雪の影響かもしれません。
2012年07月04日朝日連峰保全協議会、飯豊連峰保全連絡会の活動について
磐梯朝日国立公園 羽黒 佐々木 大樹
7月1日には月山開山祭が行われ、夏山はいよいよシーズンインです。
今回は月山開山祭をご紹介する前に本格的夏山シーズンを前に開催された朝日連峰保全協議会と飯豊連峰保全連絡会の会合についてご報告します。

<朝日連峰保全協議会第4回会合> 6月14日(木)山形県鶴岡市
●合同保全作業(関係者合同による主にボランティアによる活動)
・日程:9/29(土)~9/30(日)
・場所:朝日連峰保全方針書の重点整備箇所である狐穴小屋・三方境周辺が候補地。
7/21(土)~7/22(日)に関係者で現地調査を行って施工場所、方法等を決定します。

<飯豊連峰保全連絡会第9回会合>6月26日(火)新潟県関川村
●合同保全作業(関係者合同による主にボランティアによる活動)
・日程:9/22(土)~9/23(日)
・場所:天狗平ロッジをベースとして梶川尾根、丸森尾根にて実施。
会員の皆様に後日ニュースレターにて、詳細を報告させていただきたいと思います。
これまで合同保全作業に参加して、山岳地域の保全や登山道の維持管理に興味を持っていただけた一般登山者も増えてきたように感じています。
このことは会の目的の一つでもあり、とても嬉しいことです。
山岳域保全のためのもっと詳しい技術を学びたいとの声を受け、昨年度に引き続き今年度も技術講習会の開催を予定しています(8/18(土)~8/19(日))。
詳細が決定しましたら、またHP等で告知させていただきたいと考えています。

昨年合同保全作業の様子です。毎年山を愛する多くの人が現場で汗を流しています。
山の美しい景観を守りたいと願い、支えている多くの人達がいて飯豊朝日の登山は成り立っています。
登山道やその周辺環境での保全活動や維持管理などにも多くの人に関心を持ってほしいと思います。
飯豊連峰、朝日連峰での山岳域保全に関して興味を持たれた方は下記URLより過去のニュースレター等を閲覧いただけると嬉しいです。
http://www.env.go.jp/park/bandai/data/index.html
今回は月山開山祭をご紹介する前に本格的夏山シーズンを前に開催された朝日連峰保全協議会と飯豊連峰保全連絡会の会合についてご報告します。

<朝日連峰保全協議会第4回会合> 6月14日(木)山形県鶴岡市
●合同保全作業(関係者合同による主にボランティアによる活動)
・日程:9/29(土)~9/30(日)
・場所:朝日連峰保全方針書の重点整備箇所である狐穴小屋・三方境周辺が候補地。
7/21(土)~7/22(日)に関係者で現地調査を行って施工場所、方法等を決定します。

<飯豊連峰保全連絡会第9回会合>6月26日(火)新潟県関川村
●合同保全作業(関係者合同による主にボランティアによる活動)
・日程:9/22(土)~9/23(日)
・場所:天狗平ロッジをベースとして梶川尾根、丸森尾根にて実施。
会員の皆様に後日ニュースレターにて、詳細を報告させていただきたいと思います。
これまで合同保全作業に参加して、山岳地域の保全や登山道の維持管理に興味を持っていただけた一般登山者も増えてきたように感じています。
このことは会の目的の一つでもあり、とても嬉しいことです。
山岳域保全のためのもっと詳しい技術を学びたいとの声を受け、昨年度に引き続き今年度も技術講習会の開催を予定しています(8/18(土)~8/19(日))。
詳細が決定しましたら、またHP等で告知させていただきたいと考えています。

昨年合同保全作業の様子です。毎年山を愛する多くの人が現場で汗を流しています。
山の美しい景観を守りたいと願い、支えている多くの人達がいて飯豊朝日の登山は成り立っています。
登山道やその周辺環境での保全活動や維持管理などにも多くの人に関心を持ってほしいと思います。
飯豊連峰、朝日連峰での山岳域保全に関して興味を持たれた方は下記URLより過去のニュースレター等を閲覧いただけると嬉しいです。
http://www.env.go.jp/park/bandai/data/index.html
2012年06月29日朝日連峰山開き
磐梯朝日国立公園 羽黒 佐々木 大樹
6月17日(日)、朝日連峰の夏山開き式典が行われ、出席してきました。
山開き式典とは、シーズンになる前に登山者の無事故などを祈る為、神主が中心になって関係者が一堂に集まって行う、日本各地で行われている神事です。
朝日連峰の山開き式典は、鳥原山にある朝日嶽神社で行われます。
鳥原山には、朝日鉱泉口、山毛欅峠口、白滝口などアプローチできる登山道がいくつかありますが、雪害によって破損した吊り橋の現状確認も兼ねて白滝口から登りました。

白滝口の吊り橋の破損状況。(通行は可能です)
当日の天気予報では雨マーク。朝から小雨模様の中の巡視となりました。
それでも、雨具を着なくとも歩くことができました。どうしてだか分かりますか。
広葉樹の森では、葉っぱが傘の役目をしてくれるからです。
特にブナの森は、葉っぱがしっかり雨を受け止めてくれるので、多少の雨ならば雨具を着ないで歩くことができます。
葉で受け止めた雨水が、ブナの樹肌を伝って流れてくるのが分かります。雨の森も、みどころはたくさんありますね。

雨のブナ林はキレイですね^^

途中、ミツバオウレンやイワカガミが花を咲かせていて、鳥原山の湿原ではワタスゲがキレイでした。
予定よりも早くに鳥原山に到着しましたが、あいにく雨が強くなってきてしまい、雨の中の山開き式典となりました。

式典の様子です。
今年は、雪が多かったことが影響し、飯豊連峰、朝日連峰、月山の一部では橋が破損して通行ができない登山道もあります。登山を予定されている方は、事前にしっかり情報を収集するようにして下さい。
山開き式典とは、シーズンになる前に登山者の無事故などを祈る為、神主が中心になって関係者が一堂に集まって行う、日本各地で行われている神事です。
朝日連峰の山開き式典は、鳥原山にある朝日嶽神社で行われます。
鳥原山には、朝日鉱泉口、山毛欅峠口、白滝口などアプローチできる登山道がいくつかありますが、雪害によって破損した吊り橋の現状確認も兼ねて白滝口から登りました。

白滝口の吊り橋の破損状況。(通行は可能です)
当日の天気予報では雨マーク。朝から小雨模様の中の巡視となりました。
それでも、雨具を着なくとも歩くことができました。どうしてだか分かりますか。
広葉樹の森では、葉っぱが傘の役目をしてくれるからです。
特にブナの森は、葉っぱがしっかり雨を受け止めてくれるので、多少の雨ならば雨具を着ないで歩くことができます。
葉で受け止めた雨水が、ブナの樹肌を伝って流れてくるのが分かります。雨の森も、みどころはたくさんありますね。

雨のブナ林はキレイですね^^

途中、ミツバオウレンやイワカガミが花を咲かせていて、鳥原山の湿原ではワタスゲがキレイでした。
予定よりも早くに鳥原山に到着しましたが、あいにく雨が強くなってきてしまい、雨の中の山開き式典となりました。

式典の様子です。
今年は、雪が多かったことが影響し、飯豊連峰、朝日連峰、月山の一部では橋が破損して通行ができない登山道もあります。登山を予定されている方は、事前にしっかり情報を収集するようにして下さい。
2012年06月25日アクティブレンジャー写真展を開催しています(月山ビジターセンター)
磐梯朝日国立公園 羽黒 佐々木 大樹
月山ビジターセンターでは、6月23日より東北アクティブレンジャー写真展「天然色」を開催しています。
本写真展は、東北管内のアクティブレンジャーが日頃の業務において撮影した写真を展示するもので、東北のビジターセンター等の各施設で開催しています。
※写真展の詳細については、下記をご覧下さい。
http://c-tohoku.env.go.jp/to_2012/0330a.html

写真展開催中です。

各地の自然情報等を発信しています。
今年度、月山ビジターセンターでは秋頃に改装工事を予定していて、工事が始まるまで開催する予定です。
お近くにいらした方は是非遊びにいらして下さい。お待ちしています^^
本写真展は、東北管内のアクティブレンジャーが日頃の業務において撮影した写真を展示するもので、東北のビジターセンター等の各施設で開催しています。
※写真展の詳細については、下記をご覧下さい。
http://c-tohoku.env.go.jp/to_2012/0330a.html

写真展開催中です。

各地の自然情報等を発信しています。
今年度、月山ビジターセンターでは秋頃に改装工事を予定していて、工事が始まるまで開催する予定です。
お近くにいらした方は是非遊びにいらして下さい。お待ちしています^^


金玉水はかつて美しい雪田草原だったそうですが幕営地として利用された影響によって、現在は大規模に裸地化・崩落しています。
一雨降る度に土砂崩落が進み侵食が進行してしまうほど、深刻な状況です。
写真は粗朶(昔から河川工事や暗渠排水等に活用されている広葉樹の枝)を使った土留め工です。
金玉水は地形的に雨が降ると雨水が集中し、その集中した水によって侵食が進行しています。
土砂を堆積させること、水が流れる速度を遅くして今以上の侵食を防ぐことを目的にこのような施工を行いました。
こちらは別の粗朶と現地の石による施工です。
雨水を集中させず分散させて排水させると、水による侵食作用を低減できます(これを分散排水と言います)
写真は、分散排水させるために、地面を掘って粗朶を詰めて暗渠排水を設置している作業です。
最終日は天候に恵まれ、無事ヘリコプターによる荷下ろしも完了しました。
地元山岳会や大朝日小屋の管理人さんを始め、様々な人に支えられ、9/14に一通りの作業を終了することができました。
施工後の金玉水全体像の写真です。
分かりにくいかもしれませんが、景観になじむ整備を行いました。
工事は終了しましたが、施行箇所は土砂が安定するまで少し時間がかかります。通行の際は十分にお気をつけてお通りください。
飯豊朝日両連峰ではそれぞれの山を愛する人たち、関わる人たち、登る人たちの協働により、原始性の高い自然を永続的に維持することを目的とし、多様な主体が多様な方法で山を守ってきています。
今回環境省が行った整備がその一助となることを願ってやみません。