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アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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磐梯朝日国立公園 羽黒

247件の記事があります。

2013年09月11日飯豊連峰保全連絡会 合同保全作業

磐梯朝日国立公園 羽黒 白銀 顕

今年度の飯豊連峰保全連絡会の合同保全作業は9月7日(土)に、飯豊連峰 梶川尾根で実施されました。

平成20年度に飯豊連峰保全連絡会が設立され、飯豊を愛する人々によって協働で、毎年合同保全作業が行われてきました。作業地は年により異なりますが、連絡会設立前の実証試験から数えると8年目を迎えました。

参加者には「愛着のある飯豊を守りたい」、「少しでも恩返ししたい」と毎年のように参加される方、「飯豊を愛する山仲間との再会を楽しみに参加している」といった方も大勢います。さらには、「合同保全作業を通じて知り合った仲間と山岳会の枠を超え、一緒に山登りすることもある。今まではなかった。」などとの声も。
これらの声に、保全連絡会の設立、合同保全作業を通じて、飯豊に関わる人達の連携感がうまれ、つながりも深まっているようです。


今回は大きく3班に分かれての作業でしたが、作業後には全員が集まり、振り返りの時間を設けました。班長らによって各班の作業地の説明し、施工方法の意図やポイントなどを共有しました。
最後に、連絡会の下部組織にあたる技術部会のメンバーでもある山形大学の菊池先生から「小さく、こまめに、根気よく」という言葉がありました。奥深い広大な飯豊連峰全体から見ると、ほんの小さな点のような作業かもしれません。それでも、今後も継続して保全活動を実施することによって、原始性の高い飯豊連峰の保全へつなげていきたいと思います。


今回の作業に参加いただいた17団体43名の皆さん、当日の作業に参加できなくても緑化資材の荷上げに協力いただいた皆さん、事務局としてこの場をお借りしてお礼申し上げます。本当にありがとうございました!

※作業内容等の詳細については、連絡会発行の「ニュースレター」で追って報告します。

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2013年09月04日朝日連峰保全協議会 合同保全作業

磐梯朝日国立公園 羽黒 白銀 顕

 今年度の朝日連峰保全協議会 合同保全作業を8月31日(土)~9月1日(日)の二日間、朝日連峰 古寺鉱泉ルートにある三沢清水下部で実施しました。

 羽黒自然保護官事務所は、同協議会が設立された平成19年より事務局を担っています。
これまでの活動等は下記のページの資料をご覧ください。
http://www.env.go.jp/park/bandai/data/index.html

 山形県では7月17日からの豪雨により各地で斜面が崩れたり断水したりするなどの被害に見舞われました。
 今年度は豪雨後の7月下旬に合同保全作業事前調査を実施し、三沢清水下部に豪雨によると思われる深い浸食を確認しました。浸食箇所によっては人の背丈程もありました。そのため、通行に支障をきたす状況であり、緊急性の高い当該箇所において合同保全作業を実施することになりました。


7月調査時の浸食部の一例
 中央の溝が登山道です。深い浸食と大きな段差→歩きにくい→道の脇を歩く→さらに土砂が削られる→登山道が拡幅といった悪循環が生じることが予想されます。

 今回の作業には、朝日連峰周辺の山岳会や関係機関などの14団体から34名が参加し、作業にあたりました。


作業中の様子

 作業内容は、主に現地の枯損木やササ、参加者の皆さんで荷上げした緑化資材(ヤシ製土のう袋等)を用いて、浸食部に連続して土留工を施工しました。
 土留めを設置することによって、降雨時に登山道に集まって流れる水の流速を落とすとともに、土砂を少しずつ堆積させ、今以上に浸食が進行しないようにします。また、部分的に登山道外に配水する配水工や、土のうを積んだりして歩行路の段差を改善する作業等も行いました。


作業箇所の様子(今はまだ目立ちますが、だんだんと周囲に馴染んでいくはずです)
 作業の二日間は台風の影響がとても心配されましたが、作業中はほとんど雨に当たることなく、朝日連峰を愛する人たちが手を取り合い、力を合わせ、今年度も合同保全活動を行うことができました。
 作業にご参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました。
 
 今後、巡視等を通して、土砂の堆積や登山利用者の歩行状況など、作業地の様子をお伝えしていきたいと思います。

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2013年08月01日アクティブレンジャー写真展

磐梯朝日国立公園 羽黒 白銀 顕

 東北アクティブレンジャー写真展が、8月1日より山形県鶴岡市にある月山ビジターセンターで「東北の自然~風景~」、酒田市にある鳥海イヌワシみらい館(猛禽類保護センター)で「東北の自然~いきもの~」がそれぞれ始まりました。

↑月山ビジターセンターの様子

 イヌワシみらい館で写真の設置作業をしていると、隣でイベントに参加していた子ども達がさっそく見てくれました。

 
 写真を見ている子ども達から「アクティブレンジャーって何?」、「お兄さんは、いつもどこにいるの?」など、関心を持ってくれた様子でした。

 イヌワシみらい館では、夏休み期間(7月22日~8月18日)、週替わりで楽しいイベントを開催しています。詳しくは、同ホームページ(http://www.raptor-c.com/)をご覧ください。 

 また、夏休み特別企画「トリのトリビア」が8月31日まで開催されています。展示室を巡りながら、鳥たちの意外な生態を楽しく20話も紹介しています。



 展示を巡れば、思わず友達に自慢したくなる「へぇ~!」がでてくること間違いありません。私は連発でした。

 夏休みに庄内へお越しの際は、ぜひ両施設にお立ち寄りください。

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2013年06月21日月山荷あげと山頂公衆トイレ

磐梯朝日国立公園 羽黒 白銀 顕

 月山にある神社や山小屋などによる合同荷あげが6月12日(水)に行われました。
 月山8合目へ至る月山公園線の開通、7月1日(月)の月山開山祭など、夏山シーズン前に毎年関係者がヘリコプターを使用し、合同で実施しているものです。


【荷あげ前の様子(月山8合目)】

 梅雨入り前の青空のもと、ヘリによる荷あげのほか、山頂にある公衆トイレの維持管理をされている山形県自然公園保全整備促進協議会羽黒支部の皆さんの作業をお手伝いさせていただきました。ヘリによる荷あげを間近で見るのも初めてでしたが、山のトイレに関わる作業も初めての経験となりました。

【荷あげの様子(月山頂上)】

 月山では、平成15年に9合目、翌平成16年に山頂にバイオ式おがくずトイレ(排泄物を水洗に頼らず、おがくずに含まれる微生物の動きでし尿を分解、処理するもの)が導入されました。設置されてから今まで特に大きな問題もなく、協議会や山小屋の関係者の皆さんによって、清潔なトイレが維持できるように調整されているとのことです。

 当日は、便器周りの清掃のほか、昨年の使用済みとなったおがくず(有機肥料として活用)の荷下げ、便槽へ新しいおがくずの投入、適当な水分バランスにするように適量のし尿を新しいおがくずに投入する作業などが行われました。


【作業中の様子】

 登山の際、何気なく利用している裏に、このような維持管理があって、はじめて利用できていることに改めて気づかされました。もちろん、利用者のマナーや募金によっても成り立っていることも事実です。
 
 今回の作業では、ほんの一部をお手伝いしただけですが、利用の裏には、このような作業や背景があることを少しでも知っていただけたらと思い、日記を書きました。
 ちなみに、利用者の増えるシーズン前ということもあったかと思いますが、さすがバイオ式トイレ。臭いがほとんど気になりませんでした。

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2013年06月11日朝日連峰に登山者カウンター設置してきました!

磐梯朝日国立公園 羽黒 白銀 顕

 本格的な夏山シーズンを前に、朝日連峰の登山口(日暮沢口、古寺口、朝日鉱泉口)へ登山者カウンターを6月6日(木)に設置してきました。

 環境保全対策等の基礎データとなる登山利用者数の状況調査のため、朝日連峰でも平成24年度から主要登山口4カ所(日暮沢口、古寺口、朝日鉱泉口、泡滝口)に設置し、今年度で設置二年目を迎えます。
 
 平成19年度~平成23年度までの5年間は飯豊連峰に設置してきました。



【設置の様子(日暮沢)】
 
 初めて目にする方にとっては「一体何だろう?」と疑問に思う方も多いかと思います。
 このカウンター機器の前には、赤外線センサーがでており、その前を通過すると、日時や人数がカウントされます。さらに、右から入ったか、左から入ったかで、入山と下山をも判別することができます。

 古寺鉱泉、朝日鉱泉へ設置に行った際に、それぞれ小屋の方に挨拶してきたのですが、やはり昨年度の結果が気になっていたようで、昨年度の計測結果をまとめた資料をお渡ししてきました。
 今年度の2年目の計測が終わって、ようやく年別による比較ができるので、結果がどのようになるか、私自身も楽しみです。


【設置中の様子】

 事前に準備や設置方法を確かめていたものの、初めての設置に少しあたふたとしましたが、無事に設置することができました。朝日鉱泉口で予定していた3カ所に設置し終え、ほっとした頃、振りかえると夕日で眩しい大朝日岳が仰ぎ見えました。


 今週末6月16日(日)には朝日連峰鳥原山にある「朝日獄神社」で夏山開き式典が催され、夏山シーズンを迎えます。

 なお、泡滝口については、残雪と落石等の恐れがあり、状況を確認しながら、追って設置する予定です。
→6/14に泡滝口設置完了しました。

 もし、カウンターが倒れていたり、破損などしていましたら、羽黒自然保護官事務所(0235-62-4777)まで連絡をお願いします。

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2013年05月02日月山ビジターセンター リニューアルイベントを開催しました!

磐梯朝日国立公園 羽黒 白銀 顕

 4月27日(土)に月山ビジターセンターのリニューアルオープンイベントが開催されました。
 1987年にオープンしたセンターは出羽三山地域の利用拠点施設として、月山登山者など多くの方に利用されてきました。2009年度よりクラフトルームやレクチャールームなど段階的にリニューアルを進め、昨年12月にメインのガイダンスルームとエントランスロビーの改装が終わり、プレオープンの後、改めてリニューアルイベントが催されました。

※リニューアルの詳しい経緯や館内の様子は、こちらでも紹介しています
http://c-tohoku.env.go.jp/blog/2012/12/20/index.html

 オープニングセレモニーでは、テープカットや地元特産ブルーベリージュースの乾杯で参加者の皆さんと一緒にお祝いし、新しくなった館内を見学しました。


テープカットの様子
(エントランスロビーにて羽黒山伏による法螺貝の響きの合図でテープカット!)



ガイダンスルーム見学の様子
新しく生まれ変わった展示を皆さん楽しそうに見学されていました。

 見学の後には羽黒和太鼓の太鼓演奏があり、お昼にはお餅や山菜汁などが振る舞われました。どれも月山ビジターセンターならではの内容です!


羽黒和太鼓の太鼓演奏の様子
館内に迫力のある和太鼓演奏が鳴り響いていました。


 午後からは、学習漫画家の熊谷さとし氏より「里山メッセージ」、鷹匠の松原英俊氏より「自然の中で鷹と共に」というテーマでトークイベントが行われました。


トークの様子
 熊谷氏のトークでは、野生動物の生態や、野生動物と人との関係を考えさせられるお話に皆さん「へぇ~!」「なるほど!」といった驚きと納得の表情を浮かべていました。
 松原氏のトークでは、普通の人が体験し得ない驚きとユーモアを交えた体験談に皆さん松原さんの魅力にどんどん引き込まれている様子でした。


 ご来場いただいた皆さん、ありがとうございました!
 このイベントを通して、多くの方々に親しまれているセンターだと改めて感じることができました。月山ビジターセンターでは、出羽三山の自然の紹介はもちろん、自然観察会等のイベントもたくさん開催していますので、ぜひ近くにお立ち寄りの際はご来館ください。

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2013年04月26日月山夏スキー場開き安全祈願祭 巡視

磐梯朝日国立公園 羽黒 白銀 顕

 4月15日に『月山夏スキー場開き安全祈願祭』へ柘植自然保護官と共に出席してきました。

祈願祭の様子

 澄み切った青空のもと催され、周辺の木々にはスキー場開きを祝うかのように霧氷がつき、とても綺麗でした。

 月山スキー場は、あまりに積雪量が多すぎて冬にはオープンできず、他の多くのスキー場が閉まる4月にオープンを迎えます。新潟県上越地方の雪国育ちの私も、このことを初めて知った時は、非常に驚かせられました。15日現在、約10mの雪が残っていて、この先7月まで滑走できるそうです。昨年は約140,000人の方が夏スキーを楽しまれたとのことです。

 祈願祭の後は、現地に精通している月山ビジターセンターの佐々木氏に同行いただいて、月山の頂上まで巡視に行ってきました。


リフトの様子(霧氷)



ゲレンデの様子

 月山スキー場では、一般的なスキー場のゲレンデコースとは違い、姥ヶ岳という山の南東斜面一体が広大なゲレンデとなっています。


山頂へ向かう途中の様子

 山頂では、立っていられるのがやっとな程の強風が吹いていました。

山頂の様子

 そこから南西方向に見える真っ白な朝日連峰の連なりに(管理区域の広大さに!)、思わず気が引き締まりました。

月山中腹より朝日連峰

 霧氷で白く輝いていたブナなどの木々も5月には芽吹きを迎え、空の青・雪の白に新緑の緑が加わるそうです。夏スキーに登山、高山植物、月山筍・・・たくさんの恵みを与えてくれる月山。業務や日記を通して、これからも紹介していきたいと思います。

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2013年04月18日平成25年度 羽黒地区パークボランティア年度初め集会

磐梯朝日国立公園 羽黒 白銀 顕

はじめまして。今年度より、羽黒自然保護官事務所 アクティブレンジャーに着任しました白銀 顕(しろがね たか)です。
これまで、同じ磐梯朝日国立公園内の裏磐梯で3年間を過ごしてきました。これからは、出羽三山、飯豊連峰、朝日連峰を中心に、また別の角度から磐梯朝日国立公園の自然を捉えていきたいと思っています。
 前任の佐々木さんと同じく、山が大好きです。フィールドで見かけましたら、どうぞ気軽に声を掛けてください。

 先日4月13日(土)に羽黒地区パークボランティアの年度初め集会と救命講習会が、月山ビジターセンターにて行われました。
 参加したパークボランティアの皆さん、月山ビジターセンター、羽黒自然保護官事務所、各々の体制やメンバーが替わりましたので、まずは顔合わせ・自己紹介からはじまりました。

 顔合わせの様子
 
 続いて、鶴岡市消防署の職員の方を講師に、救命講習会を実施しました。
 ここ羽黒地区のパークボランティアの皆さんには、月山ビジターセンター主催の自然観察会などのイベントにご協力頂いています。そのようなイベント時など、万が一の事態に備えて、救命の手順や方法を学びます。講師の方へ次々に質問するなど、皆さん積極的に受講されていました。
 

 救命講習会の様子
 
 その後の年度初め集会では、月山ビジターセンターのリニューアルオープンイベントの打ち合わせや年間イベントスケジュールの確認、研修会などについて、一年間のはじまりにお互い意見を交わし合いました。

 年度初め集会の様子
 
 月山ビジターセンターの『リニューアルオープンイベント』が4月27日に開催されます。ご都合のつく方、ぜひご来場ください!
詳細は→http://www.city.tsuruoka.lg.jp/601600/page4594.html

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2013年03月29日飯豊連峰・朝日連峰 合同幹事会

磐梯朝日国立公園 羽黒 佐々木 大樹

 平成25年3月24日に、飯豊連峰保全連絡会と朝日連峰保全協議会の合同による幹事会を開催しました。

 比較的近距離にあり、山脈の標高や面積、環境が近いことから、兄弟のようだとも言われる飯豊連峰と朝日連峰です。
連絡会や協議会の合同保全作業などで参加者同士の交流はこれまでもありましたが、両会合同による幹事会は今回初めてになります。


  自己紹介後、各会から活動報告・情報交換などを行いました。
登山道の草刈や保全作業の法的手続きの課題など、お互い共通する課題もあり、活発な意見交換が行われました。

 一つ例を挙げると、合同保全作業について、飯豊、朝日ともに参加者が多く集まるという嬉しい悲鳴があることから、両会の活動や他地区での事例も紹介されながら、人数に見合った作業内容の実施方法(作業回数を増やすなど)について検討していく段階に入った、との意見が上がりました。
 合同保全作業以外にも、両会の今後について再確認、再検討していく段階に入ったのではないでしょうか。


 合同保全作業での一場面。重い荷物もなんのその。

 お互いの幹事からは、山の保全に関わるようになった経緯や飯豊や朝日に対する思いなども交えながらの意見交換となりました。
 想いの形や方向性は様々ですが、「おらがやまを良くしていきたい」という気持ちを両会の幹事全員が持っていることが伝わってきて、その場にいて胸が熱くなりました。

 各会の結束力がまた一段と強くなり、そして両会の結束力が芽生え始めたことが感じられる幹事会でした。

 今後も両会で幹事会を開催していきたいとの声も上がり、飯豊と朝日のこれからの交流が楽しみです。
来年度以降も両会の活動にもご期待下さい。

 
 私事、佐々木は平成19年度から羽黒でアクティブレンジャーを務めさせていただきましたが、今年度で退職することになりました。 
 飯豊や朝日の活動は、来年度以降は事務局を離れることにはなりますが、一般参加の形でこれからも関わっていくつもりです。

皆さま、今後ともよろしくお願い致します。大変お世話になりました。

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2013年03月27日月山VCとパークボランティア体制強化に向けて

磐梯朝日国立公園 羽黒 佐々木 大樹

 3月9日、羽黒地区パークボランティア養成研修会を開催しました。

 前回の日記でお知らせしましたが、磐梯朝日国立公園 出羽三山地区において、自然観察会や美化清掃活動などの活動を行っている羽黒地区パークボランティア(以下PV)を募集していました。


 月山ビジターセンターで活躍しているPVの皆さんです。
 
 今回の養成研修会は、PVとして活動するために必要な知識・心得等の習得を目的としたものです。
募集の結果10人の応募者があり、応募者と現在登録している古株であるPVも一緒に研修を行いました。

「環境省の組織と日本の自然公園の制度について」、「磐梯朝日国立公園の概要について」、「PV制度について」といった制度上の講義が続きますが、参加者の皆さんは一生懸命耳を傾けています。
羽黒地区では自然観察会を中心に活動を行っていますが、全国のPVの中では野生生物調査、登山道整備、外来種駆除などを中心に活動している地区もあります。
他地区の活動を知ることは、古株であるPVも大変興味深かったようです。


 今日は久しぶりに講義です。

 また「月山ビジターセンタ-PVの活動について」と題し、現PVである大澤氏から羽黒地区PVの活動について、写真を交えながら年間活動について紹介がありました。
 月山VCは年60近いイベントを実施していて、イベント参加者は1,000人を越える年もあり、地元の人からも愛されている施設です。
それもPVの皆さまの人柄、チームワークがなせることであると理解できる講義でした。


 皆さん真剣に聞いています。

 いよいよ実践的な講義です。
全国森林インストラクター会副会長である三森和裕氏から、インタープリテーションの方法論についての講義を受けました。
自然観察会を行う場合は、自然に対する知識も必要ですが人と接することが基本となります。

 講師と参加者は初めて顔を合わせることも多く、その時に重要なことがアイスブレイクです。
アイスは氷、ブレイクは壊す、という意味ですが、観察会の導入部分として、全員の意識を共有するという雰囲気をつくりだすことが求められます。


 三森氏による講義です。

 ここでちょっとした心をほぐすゲームなどを行うことで、初対面の方々が多い場合、緊張の雰囲気を和らげることができ、お互いを知ることに繋がります。研修では、全員が輪になって相手の名前とボールを投げ合うアイスブレイクを行いました。
 笑顔とおもてなしの心を忘れなず、参加者に心を開くことが大切なことと学んだ講義でした。



 月山頂上小屋の管理人であり、数多くの本を出版されている芳賀竹志さんから、出羽三山の自然について講義していただきました。
 月山も現場で何十年も活動してきている芳賀さんの話は、PVの皆さんも初めて聞く話も多く大変興味深かったようです。

 全国的に○○三山という山がいくつかあり、「三山」という名のとおり釣り合いの取れた山が多いです。
 その点、出羽三山は不釣合いです。まず標高が全く違います。羽黒山は414m 月山は1,984m 湯殿山は1,500mです。しかも、湯殿山には山頂に行く登山道が存在していません。

昔は村山地域にある葉山が三山の一つだったという話もあり、出羽三山の歴史の深さを感じる講義となりました。

 大変盛りだくさんの講義で、研修が終わった後は皆さんちょっとお疲れの様子でしたが、大変勉強になる内容だったようです。


 私個人としては、環境省が協力して欲しいと思う活動とPV自身の意思で行いたいと思う活動が一致しなければ成り立たないという点が、印象に残りました。
国立公園の管理・保護と利用は、多岐に渡る関係者との連携、協働することが肝要であると改めて思いました。 

 来年度から体制強化を行い、更に充実した月山ビジターセンターとPV活動を行っていくつもりです。
 皆さま今後ともよろしくお願いします。

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