アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
みちのく潮風トレイル~未開通区間の調査~後編
2016年04月13日こんにちは、宮古自然保護官事務所の古館です。
前編に引き続き、みちのく潮風トレイルの未開通部分・岩手県田野畑村区間の道の様子をお届けいたします。
★前編はこちら→http://tohoku.env.go.jp/blog/2016/04/post_105.html
【2日目】
机浜からスタート。机浜では、「番屋」と呼ばれる漁師の方々の作業小屋が立ち並んでおり、実際に漁師の方々が使用しているほか、一般の方が塩づくりや料理づくりを体験できる番屋があるので、体験を通して訪れた地域の名産や歴史を知ることができます。
前日の筋肉痛を若干引きずりつつ、約10km先のゴール地点・島越(しまのこし)駅を目指します。
机浜に別れを告げて歩みを進めると、陸中弁天埼灯台が見えてきます。
この灯台、赤と白のタイルでできていて、とっても外観が可愛らしいです。
照らし続けて丸50年を過ぎましたが、今も現役で漁師の方々の安全を照らしてくれています。
灯台近くのルートは、澄みきった海を眼下に眺めながら歩くことができます。
また、山道を抜けた先の舗装道からは、太平洋を一望できる場所があり、太平洋の雄大さが感じられました。
おや...?この写真だけ見ると3人で木を押し合いっこしているように見えますが、実は、みちのく潮風トレイルの「オリジナルストレッチ」をしているところです。
この時に行ったのは、歩いているときにできる簡単なストレッチですが、歩く前・歩き終えたときに行うストレッチもあり、凝り固まった体をほぐしてくれます。ストレッチの方法は、みちのく潮風トレイルホームページに動画が掲載されているので、ご覧ください。
みちのく潮風トレイルオリジナルストレッチ→http://tohoku.env.go.jp/mct/guide/stretch.html
さて...体が軽くなったので、再び歩き始めます。
明治に発生した大津波の際に、打ち上げられた「羅賀(らが)の津波石」を発見しました。海抜およそ30mの場所に、こんなに大きな石が海底から運ばれてきたとはびっくりです。津波の力のすさまじさが伝わってきました。
ひと山越えて田野畑駅に到着。駅で昼食・休憩を終えて出発しようとしたそのとき、列車が駅に到着しました。宮古に向けて出発する列車に大きく手を振って見送ると、乗客の方が手を振り返してくださり、心がポッと温かくなった瞬間でした。
さあ、ゴールに向けてあとひとふんばりです。
一緒に歩いていた一人が「あっ!」と声を上げ、双眼鏡を取り出しました。目をこらしてみると、カモシカが1頭じっとこちらを見つめています。私たちもカモシカを川越しからじっと静かに見つめます。つぶらな瞳、まだ小さい角など双眼鏡を使ってカモシカを観察すること数分、カモシカが斜面を駆け上がっていきました。田野畑の大自然の中で生きるカモシカとの偶然の出逢いに感動しつつ、私たちは歩みを進めました。
そして...ついにゴール地点の島越駅に到着!
島越駅内の売店のドアには、みちのく潮風トレイルのステッカーが貼ってありました。このステッカーは、3月末に福島県相馬市にゴールを果たしたなすびさんが、島越駅に訪れた証です。なすびさんが歩いた後も温かい思い出がずっと残るように、また、地域にもっともっとみちのく潮風トレイルが広まるようにとの想いがこもったステッカーです。
この想いをしっかり受け止めつつ、未開通部分を含め、今後もみちのく潮風トレイルの取り組みを進めていきます。
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今月初めに、みちのく潮風トレイルのホームページがリニューアルされました。トレイルの歩き方やモデルコースなどの紹介があり、トレイル初心者の方でも分かりやすいものとなっています。
リュックサックを背負って歩きたくなった方は、下記の「みちのく潮風トレイルホームページ」や「みちのく潮風トレイルFacebook」から開通区間の情報をチェックしてみてください。
★みちのく潮風トレイルホームページ→http://tohoku.env.go.jp/mct/
★みちのく潮風トレイルFacebook→https://ja-jp.facebook.com/michinoku.trail