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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ミコアイサの飛び立ち

2011年02月15日
秋田
 みなさん三連休はいかがお過ごしになりましたか?いよいよ2月も中盤を過ぎ今年度もあと一月半・・・。そして季節の変わり目です。体調管理には十分に注意して乗り切っていきましょう。



 同じような内容のネタを続けたり、同じ野鳥のネタを続ける事が度々ある私ですが・・・既に【ミコアイサ】の記事を2回続けているにも関わらず今日また【ミコアイサ】の話です。


 皆さんは【ミコアイサ】がどの様にして飛び立つのか、ご覧になったことがありますか?

 私は、水辺を泳いでいる【ミコアイサ】が危険を察知し、「水面を走るようにしてバシャバシャと激しく水しぶきを上げながら助走を付けてから飛び立つ」シーンは何度も観察したことがありました。
 恐らくはそうしたスタイルの飛び立ちが一般的なのかと思われます。


 が!!!


 先日、それとは違う飛び立ちシーンを目撃しましたのでご報告します。


 この場所は水路にアーチ状の橋が架かっていて、水路と道路がほぼ直角に立体交差しています。水路の大部分は凍結していて水面が開けた僅かな場所に数羽の【ミコアイサ】が散在していました。


 水面にいる【ミコアイサ】です。彼の向こう側は凍結していてこうした水面が望める場所は近くには見当たりません。
 この時、一羽のノスリが【ミコアイサ】の後方上空を飛んでくるのが見えました。


 それを確認したからでしょうか?【ミコアイサ】が翼で勢いよく水面を叩くようにして飛び立とうとしています。
 私はというと・・・『うそ・・橋の下を走って逃げるんじゃないの?』と驚いてしまいました。


 翼で水面を勢いよく叩いた【ミコアイサ】の身体はスッと上空に持ち上がり、橋の上にいた私を横目に橋の向こう側へと逃れていきました。


 このようなスタイルの飛び立ちはコガモやカルガモなどいわゆる淡水ガモでは一般的なスタイルのようで彼らが慌てて飛び立つ時には決まってこの様にしていましたが、【ミコアイサ】の様ないわゆる潜水ガモ達は水面を走って助走を付けて飛び上がるモノだとばかり思っていました。しかし実際にはこうして淡水ガモ達のようなスタイルでも飛び立つことが出来ます!!

 正に臨機応変!!彼らはその飛び立ち一つをとってもその場面に応じた最適な方法で飛び上がっているようです。
 
 【ミコアイサ】の近い仲間にはカワアイサやウミアイサなどがいますが彼らも飛び立つ時は助走が必要だと思いこんでいますがもしかしたらこの【ミコアイサ】のように淡水ガモ達のような水面を叩いて飛び上がるスタイルも持ち合わせているのかも知れませんね!!

<参考>
ミコアイサの飛び立ちシーンはこちらをご参照下さい。
カルガモの飛びたちはシーンはこちらをご参照下さい。