ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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十和田八幡平国立公園 鹿角

126件の記事があります。

2010年03月02日この時期、乳頭のブナの森はおもしろい

十和田八幡平国立公園 鹿角 大堀 拓

 一面まだ雪と氷の世界なのに、陽光がほんの少しばかり強くなったこの時期
乳頭のブナの森へ出かけてみました。最初に出会ったのは道路近くの枯れ木に
開けられたばかりの楕円形の大きな穴。穴の縁には鋭いノミで削ったような筋
がはっきりと残り、雪面に散らばった木片は通常目にするものより遥かに大きなサイズでした。同行のボランティアさんが、数年前に見たという大型の黒い
キツツキの話をしてくれ、その姿を確認できなかったものの不思議と嬉しい気持ちになりました。
 雪の上にはウサギやリスの足跡が縦横に駆け回り、その跡を一直線に横切る
キツネの足跡も確認できます。夏の間は笹と灌木で入ることのできないところも思いつくまま自由に歩きます。乳頭のブナの森の主、ツキノワグマの痕跡もいたるところで見ることができました。私たちのすぐ直前を歩いたニホンカモシカの足跡を追っていくと、湯気が出そうな「新鮮な糞場」にでくわしました。その一帯だけヤマブドウがまるでブドウ園のように林立してブナの木に巻き付いている不思議な空間も発見しました。
 乳頭温泉郷の周囲に広がるブナの森は二次林ですが、地元の人達が大切に守ってきたおかげで、今では多くの生き物達が生きている証しを目にすることができます。2月28日に行われた「乳頭ブナの森 生き物みっけの雪上ハイキング」に参加して、なんだかこの森から生きるエネルギーをもらった気持ちに
なったのは私一人かしら?

どんなキツツキが穴をあけたか想像するだけでも楽しい

夏の間は入れないブナの森の奥に大きなクマ棚が残っている

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2009年11月27日今年もパークボランティア活動、ご苦労様でした。

十和田八幡平国立公園 鹿角 大堀 拓

 八幡平、秋田駒ヶ岳へ通じる観光道路が今年も積雪により相次いで来春まで長い冬の眠りにつきました。紅葉時期にあれほど賑わった山も今はたまに訪れる湯治客以外ひっそりとして静まりかえっています。

 3月から自然観察会や外来植物駆除、植生回復に登山道補修などそれこそ休む暇無く活動してくれたパークボランティアの会も半年の活動を無事終え反省会を開きました。八幡平地区では「PV今昔物語」と題して発足以来のメンバーであるFさんが、試行錯誤しながら全て手作りで活動の土台を築いた創生期
の熱気あふれた時代から、次第に研修体系や機関誌発刊などが整備され、多様な活動を担うようになった現在までの歴史を語ってくれました。その当時のメンバーが23年目の今も6名も残っていて新しい仲間を指導してくれています。また隣の南八幡平地区の反省会では「ヒゲのボランティア」として有名な
地元のSさんに対してボランティア活動15年継続に対して環境省から感謝状が贈られました。

 長く活動を続けてくれる方がいる一方で、今年は多くの新しいパークボランティア仲間を迎えました。どうすれば一人でも多くのメンバーが充実した活動ができるようサポートできるかが今の自分に与えられたテーマです。
 毎月送られてくる箱根PVの機関誌「やまぼうし」の中にこういう記事を見つけました。「私達の仲間や先輩が長年継続してきてくれた活動の賜物です。
歴史を知り思いを共有することはより豊かな未来につながるでしょう。最近加入された方々も、ぜひ一緒に歴史をつくりましょう」。
 

八幡平地区PVの反省会・「楽しくなければボランティア活動では無い」と話に力が入るFさんの「PV今昔物語」。

南八幡平地区PVの反省会・地元で民宿を経営しながら積極的にボランティア活動を続けるSさんに自然環境局長からの感謝状が手渡される。

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2009年10月15日「新奥の細道」で俳句を詠む

十和田八幡平国立公園 鹿角 大堀 拓

 「わが歳に重ねしブナの幹に苔」

 乳頭温泉郷を流れる先達川に沿って一本の道が延びています。「先達渓谷出湯のみち」と名付けられたこの遊歩道が福島県白河を起点に東北6県を結ぶ全長4374kmの長距離自然歩道、通称「新奥の細道」の一部であることは、残念ながらあまり知られていません。

 今月「全国・自然歩道を歩こう大会」の一環として私達は休暇村乳頭温泉郷と共催で自然観察ハイキングを行ったのですが、ただ歩くのでは無く自然観察で感じたことを「俳句」にして表現するという新しい試みに挑戦しました。これは事務所のベテランレンジャーのアドバイスによるものでした。

 一般参加者には当日、開会式で初めて「自然観察句会」を行うことを話しました。どんな反響がくるか心配だったのですが、遊歩道終点の乳頭キャンプ場では参加した皆さんが真剣な表情でペンを走らせます。全くの偶然で一般参加者の中に秋田俳句界の第一人者の方がわかり、総評をやってもらえることになりました。全員が黄葉したブナの木の下に車座になって、一人一人の作品を読み上げると、その度に拍手が湧き上がりました。それぞれの作品が自然歩道を歩いてきた新鮮な感動に満ちていたのです。総評の中でも素直な自然描写に大変驚いたとの言葉をいただきました。「自然観察会=より知識をもった人からの一方的伝達」という図式からなかなか脱却出来ない悩みがあったのですが、今回一つの方向性が見えた思いでした。自然に接した一人一人の思いを俳句を通して交流できたことに参加者自身が主役で輝いていたのが印象的でした。
  冒頭の句はブナの老樹を詠った一句です。

「山毛欅の実や 油脂ひろがりて 秋を知る」

「透きとおる カエデの紅に ほほ染めて」

「喧噪の 声が無くなる 俳句会」

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2009年09月28日16年目を迎えた八幡平の植生回復作業

十和田八幡平国立公園 鹿角 大堀 拓

 久しぶりに実家に帰った折りに昔の登山ガイド(昭和50年頃)のページを何気なくめくっていて、当時の八幡平の黒谷地湿原の写真を見た途端、目を疑ってしまいました。その写真に写っているのは、草もまばらでガチガチに乾燥したむき出しの裸地のあちこちに座って憩う多くの登山者の姿。現在のデッキや木道が完備された姿から、当時の荒廃した状況を想像することは困難です。それほど八幡平の湿原が復元してきたということなのでしょうか?

 自然公園財団・ボランティアを主体とした湿原の植生回復の試みが本格的に始まったのは平成5年のことです。AR日記に紹介されている飯豊山登山道や
八甲田井戸岳登山道の乾性植生回復と異なり、八幡平では高層湿原での湿性植生回復の取り組みになります。耕起したり、客土してみたり、現地種を播種したり過去、様々な試行錯誤を繰り返してきましたが、現在は保水性の土壌改良材を植物性繊維で包み込んだ植生マットを裸地面に密着させ、周辺から飛散してくる種を待ち受けて自然に植生回復を計る手法を採用しています。重要なポイントが水の制御にあることが次第にわかってきました。

 9月の連休の最中、多くのパークボランティアが参加して源太別れ付近の植生回復を行いました。驚いたのは通り過ぎる利用者の植生回復に対する関心の高さで、あるボランティアは「今までいろいろな活動をしてきたが、今日ほどありがとう・ごくろうさまと言われたことは無い」と感激していました。
植生回復の目的や手法を尋ねる利用者も多く、失われた貴重な自然を回復することへ理解と期待が高まっていることを肌で感じました。しかし、詳しく植生のモニタリングをしてみると、オリジナルの湿性植生に回復しているのでは無く、あくまで初期遷移の植物グループが生育していることもわかってきました。本来の自然が回復するまでには、おそらく何十年というスケールの時の経過が必要なのかもしれません。これからも息の長い植生回復作業が続いていきます。




2年目の植生回復地。フロンティア的な植物の成長が見られる。もともとは火山基盤が露出して完全な裸地だった場所。


裸地表面の小石を取り除いてていねいに植生マットを裸地に固定する。根気のいる作業だ。


今年の参加メンバー。八幡平の植生回復は景観の保全もあるが、利用者に貴重な自然を回復する大切さを知ってもらう機会を提供する意味合いも大きい。

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2009年09月02日十和田八幡平国立公園内のパークボランティアが交流

十和田八幡平国立公園 鹿角 大堀 拓

 北の八甲田山から南の秋田駒ヶ岳まで広大なエリアを有する十和田八幡平国立公園では現在4つのパークボランティア組織が、それぞれ創意工夫に満ちた
ユニークな公園管理協力活動を行っています。そんなメンバーが知識・経験を
共有し合い、仲間として交流を深めようと、初秋の色が漂う8月末、乳頭温泉郷で合同交流会が開催されました。

 十和田自然保護官事務所の福井首席自然保護官の冒頭あいさつ、「パークボランティア活動が長期間続いてきたことにより多くの貴重な技術・知識が蓄積され公園管理に大きな貢献をしており、その高い志に感謝する」との言葉は多くのボランティアさんにとって励みになったに違いありません。

 特別講話は地元、休暇村乳頭温泉郷の二宮支配人から「国立公園を訪れるお客さまと接して」というテーマでお話しを聞くことができました。利用者は公園に何を求めて訪れ、何に感動するのかという日本各地の自然公園に勤務しての実体験からくるお話しは、日頃私達が忘れがちな利用者からの視点でものを考えることの大切さを痛感させられました。

 私もアクティブレンジャーになって3回目の合同交流会でしたが、その都度、異なる場所で異なる出会いがあり多くのことを教えられてきました。来年は十和田での開催が予定されていると聞き、また是非参加してみたいと考えています。

地元、南八幡平パークボランティア連絡会の代表から歓迎の挨拶。今回は4地区から総勢32名が参加した。

2日目は秋田駒ヶ岳と空吹湿原の2コースに分かれ、地元パークボランティアがインストラクターとなり、現地自然観察会を行った。秋晴れの下、男女岳山頂から北東北の主要な山々が全て見渡せ参加者は大喜び。

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2009年08月28日登山道を守るバトンリレー

十和田八幡平国立公園 鹿角 大堀 拓

 環境省のアクティブレンジャーになって初めて知ることが多いのですが、その中でも特に「登山道」については、以前はいつ、誰が整備しているのかなんて全く考えることはありませんでした。歩き易い登山道があって当たり前、崩壊の激しい登山道は悪態をつきながら登っていたのが正直な話です。

 八幡平から岩手山に伸びる「裏岩手縦走路」のちょうど中間点の大深岳から
西方に1本の登山道が分岐しており、曲崎山、大白森を経て乳頭山・秋田駒ヶ岳に至る長大な縦走路となっています。利用者がさほど多くない裏岩手でも特に静かなオオシラビソの森と高層湿原の点在するルートで一日中歩いていても人と行きあうことは滅多にありません。8月の末、仙北市観光課スタッフ、「八幡平を守る会・南八幡平支部」のメンバーら総勢8名で、登山道の状況調査と整備の為にこの山域に足を踏み入れました。

 6年前に一度ササ刈りしたという歩道は、背丈より高いチシマザサが両側から被さって、一体どこを歩いていいのかわからない状況です。下をよく見て僅かな浸食跡で登山道と判断し、今回、持ち上げた草刈り機で周囲を切り開いていきます。
 関東森の周辺では2年前の強風で倒れた数え切れないほどのアオモリトドマツの巨木が登山道を塞いでおり、一本一本チェーンソーで通行できるルートを確保していきました。通常、縦走するだけで食料・寝具を伴う重装備の上、器材と燃料・オイルを運びながらの調査・整備作業は今年の業務の中でも特にボリュームのあるもので、日暮れ直前にやっとの思いで宿泊予定の八瀬森の避難小屋にたどり着くことができました。

 大深岳~八瀬森間の登山道はきれいに整備され、これからの利用者はきっと快適な尾根歩きを存分に楽しむことができると思います。(その先、曲崎山と大白森の間は9月に整備予定です)。

 これまでの歴史の中でも登山道は誰かによって開かれ、誰かによって維持されてきました。その多くは言うまでもなく無名の地元の人々だったはずです。
私もこの営々と続くバトンリレーのほんの僅かな一瞬に触れられただけでも幸運だと感じました。





刈り払い開始地点。ここから延々と西方に縦走路が延びる。まだ背の低いノガリヤス類やミネヤナギで作業がはかどる。

刈り払い作業終了時の登山道。両側と同じ高さと密度のチシマザサが繁茂し作業前はルートがほとんど見通せなかった。

樹齢170年を越すアオモリトドマツが登山道を塞いでいる。強風で無理矢理引き倒され樹体全体に無理な圧力がかかており、作業は困難を極めた。

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2009年08月10日違いが見えてくる喜び

十和田八幡平国立公園 鹿角 大堀 拓

 秋田自保護官事事務所の足利ARが投稿の中で「ていねいに観察すると新しい発見がある」ということを書かれていますが、本当に同感です。

 8月に入り八幡平のパークボランティア連絡会で相次いで研修会が開かれました。最初は「八幡平の湿性植物」です。岩手植物の会の片山千賀志先生を講師に招き、八幡沼湿原周辺の植物を一つ一つ調べていきます。普段の自然観察会では派手な花のムシトリスミレやヒメシャクナゲなどの話はしますが、
地味なイネ科やカヤツリグサ科には知識が無いこともあってほとんど触れてきませんでした。
 そして今回の研修が終わりパークボランティアさん達が異口同音に述べていた感想は「八幡平の湿原の構成が非常に多様で複雑ということに驚いた」ということです。高層湿原の発達の程度が場所により様々であり、微妙な地形と水分の変化で、隣同士で全く異なる植生に替わり、全体が細かなモザイク状のパッチ状態にあることがわかりました。イネ科だけで12種、カヤツリグサ科で44種、イグサ科6種が確認されています。八幡平の魅力の一つは多くの湿原の存在ですが、みんな同じように見えていた湿原が少しずつ違って見えてきたはずです。

 もう一つの八幡平の魅力は火山の存在。岩手大学の土井宣男教授から秋田駒ケ岳で実際の地形や岩石を確認しながら火山生成の歴史を学びました。
「地形をじっと眺める。どうしてその地形が生じたかを目一杯想像して推理していく」という土井教授の言葉に思わず吸い込まれていきます。1万3千年の大爆発、山体崩壊前にあったという富士山型の秀麗な古秋田駒ヶ岳の姿が脳裏に浮かんできます。その後に何回と無く続いた水蒸気爆発や溶岩流を伴う爆発が繰り返され現在の複雑な姿ができあがってきました。
 華やかに咲き誇る高山植物で有名な山ですが、ここで活動するパークボランティアさん達は、その美しい花自体、近年まで引き続き活発な火山活動の作り出した環境が生み出したという話をこれからつけ加えていくことでしょう。


 八幡平ミクリ沼のほとりには背の高いクロヌマハリイの花がちょうど開き始めた。沼の名の由来となったホソバタマミクリは今年残雪が遅くまで残っていたせいか、生育が遅く、水面まで伸びてこない。

 秋田駒ヶ岳の焼森でスコリアの形状を調べる。この分析から焼森を覆っているスコリアはもっと西方の火口から飛散してきたことがわかった。また頂上標識を固定していた岩石の中から形が牛糞状の火山弾も見つかった。

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2009年07月17日力を合わせて登山道整備

十和田八幡平国立公園 鹿角 大堀 拓

 十和田八幡平国立公園の南端に位置する秋田駒ヶ岳から北方の八幡平へ、あるいは東の岩手山に向けて、アップダウンを繰り返しながら登山道が延びています。大小の湿原を通りながら、公園内の主要な山並みを展望できるこのルートは昔から静かな山旅を愛する人達に利用されてきました。

 しかし長年の利用と雨水の影響で浸食が進み、歩行に支障をきたす箇所も
あちこちに目立つようになっています。「このまま放置するのは危険、登山道の整備は皆で力を合わせて」という声があがり、路肩崩壊が一番激しい笹森山登山道の整備に取り組みました。集まったのは地元自治体やパークボランティアなど17名。降雨と濃霧という悪条件でしたが、重い鉄筋やつるはしを背負子につけて出発。ずぶ濡れになりながらも、なんとか階段状登山道の復元作業をやりとげることができました。

 作業終了後に八合目避難小屋で開かれた反省会では「様々な人達との共同作業で考えた以上の成果が出た」「雨の中、休憩もとらない皆のがんばりに感動した」といった声が聞かれました。この他に蒸ノ湯登山道でも様々な組織・個人の協力による登山道整備が取り組まれています。試行錯誤の連続ですが八幡平でも「登山道整備」に向けての小さな一歩が今、始まったところです。



整備前の笹森山登山道、浸食で階段状の登山道が崩壊している。

自然公園管理員をリーダーにして出発前、念入りに作業の打合せを行う。

歩道の階段を鉄筋とかすがいで組み直し、敷石で埋め戻すとやっと登山道らしくなってくる。

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2009年05月19日アクティブレンジャー写真展から

十和田八幡平国立公園 鹿角 大堀 拓

 自然保護官事務所の最前線で働く私達アクティブレンジャーの目を通して映った東北各地の自然の風景を切り取った「ミニ写真展」が現在開催中です。

 八幡平ビジターセンター「いきもの達のいる風景・(5月末まで)」、網張ビジターセンター「アクティブレンジャーのおすすめスポット(6月末まで)」が展示され訪れる利用者の関心を呼んでいます。

 アンケートには「すばらしい写真に感動した。自然を大切にしているみんなにとても感謝」「写真とてもきれい。一言コメントから撮られた方の人柄がうかがえました」等、かえって私達が励まされるようなコメントが寄せられています。

網張ビジターセンターではフィールド情報ゾーンに展示され、日帰入浴の利用者も数多く訪れています。

休日の八幡平ビジターセンターには遠く九州や関西圏からの利用者が訪れ「滅多に来る機会が無く大変貴重な写真を見られて嬉しかった」とのこと。

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2009年05月02日八幡平に春が訪れました

十和田八幡平国立公園 鹿角 大堀 拓

 八幡平の山開きが終わると毎年恒例になった環境省と自然公園財団主催の「八幡平、カンジキ履きの自然観察会」が開かれます。4月29日の朝、紺碧の空と純白の雪とのコントラストがまぶしい山頂駐車場に46名が集合。パークボランティアの指導のもと、昔ながらの輪カンジキをつけて4時間の雲上ハイキングにでかけます。

 この時期は普段入ることのできない湿原や沼の上、アオモリトドマツの樹間を自由に歩けるのがなによりの楽しみです。この日は、参加者にできるだけ自由にルートを選んでもらい目的の源太森を目指しました。

 途中、アオモリトドマツがいかに過酷な条件に耐えているかを実感したり、
新雪の上に残ったオコジョやノウサギの足跡を追ったり参加者自身が早春の空気の中に同化したみたいです。「雪上のカンジキの爪跡が不思議な青光りの色を発している」ことを発見したのは花輪から参加した山田さん。
 高校生から昭和一ケタ生まれまでと多彩な参加は自然観察会の楽しみを
一層深くしてくれるような気がします。60代の参加者が書いてくれた「何回も八幡平へ来ているけどまた今度も新しい発見をしました」という感想が私達の自然観察会の原動力になっていると強く思いました。


毎年風雪にたたかれて成長が抑えられているアオモリドマツだが、立派に球果を生産する。

参加者のリクエストで自然公園財団の土岐君がウサギの足跡の実演解説。

雲一つ無い青空の下、カンジキのサクサクといった感触がたまらない。

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