白神山地
202件の記事があります。
2010年03月18日西目屋村の雪山を歩こう(後編)
白神山地 檜垣 育子
こんにちは。もうすぐ春分の日で、最近ちょっとお天気が落ち着いてきたなと思っていたら、今週末は冬型のようでこの時期は山の天気が予測しづらいですね。
遅くなってしまいましたが、2月25日に開催した授業「西目屋村の雪山を歩こう(後編)」をお伝えします。
▼前回までのあらすじはこちら
「西目屋村の雪山を歩こう(前編)」
西目屋村の昔の生活についてお話を聞いた後、子どもたちと一緒に西目屋村の小さな山に登り始めました。
すると、なんだか顔のある植物が!?

これ、何だろう?サル?ヒツジ?の顔が刻まれた人面・・ではなく動物面植物?
すると子どもたちのほうから「あ!知ってる!冬芽だ」との声。
ちょうど4年生の理科の教科書に出てきていたようです。
実物を見るのは初めてで子どもたちは興味津々。
この枝の先と脇にあるのが「冬芽」。
春になるとこの冬芽から新しい葉っぱが出てきます。
この顔に当たる場所は「葉痕」と呼ばれています。
「葉痕」とはその名前の通り、葉っぱが落ちた痕で、枝にその痕が残っている部分をいいます。そこがヒツジの顔に見えるわけです。
これは【オニグルミ】でした。
この葉痕や冬芽は植物の種類によっても全く違っていてとっても面白いんです。可愛いヤツ、寄り目のヤツ、帽子かぶったオシャレなヤツ、色々です。
みなさんも、もしこの時期の山を歩くときにはぜひじっくり見てみてください♪
それから、みんなに冬芽を持ってきてもらいました。たくさん取ってこないように一人ひとつだけ。それでも小さな冬芽、大きな冬芽、いい香りのする冬芽、ふわふわな冬芽。色んな冬芽が見つかりました。大事に持ち帰って、どんな葉っぱが出てくるのか水にさしてもらうことにしました。

雪の林をスノーシューで下ります。
そして、雪山歩きの最後の楽しみ「しり滑り!!」。
ビニールシートを持ってみんなで一気に滑り降ります。大人も子どももこれが大好き。20分くらい夢中になって遊んで、学校に帰りました。

しり滑りで大はしゃぎ!
この「西目屋村の雪山を歩こう」は、地域の子どもたちに身近な自然や文化に触れてもらいたくて行いました。
自然の中に入った子どもたちの表情の生き生きしていること!
この授業が少しでも地域の豊かな自然をたくさん肌で感じてもらえるキッカケになっていたらいいなぁと思います。
遅くなってしまいましたが、2月25日に開催した授業「西目屋村の雪山を歩こう(後編)」をお伝えします。
▼前回までのあらすじはこちら
「西目屋村の雪山を歩こう(前編)」
西目屋村の昔の生活についてお話を聞いた後、子どもたちと一緒に西目屋村の小さな山に登り始めました。
すると、なんだか顔のある植物が!?

これ、何だろう?サル?ヒツジ?の顔が刻まれた人面・・ではなく動物面植物?
すると子どもたちのほうから「あ!知ってる!冬芽だ」との声。
ちょうど4年生の理科の教科書に出てきていたようです。
実物を見るのは初めてで子どもたちは興味津々。
この枝の先と脇にあるのが「冬芽」。
春になるとこの冬芽から新しい葉っぱが出てきます。
この顔に当たる場所は「葉痕」と呼ばれています。
「葉痕」とはその名前の通り、葉っぱが落ちた痕で、枝にその痕が残っている部分をいいます。そこがヒツジの顔に見えるわけです。
これは【オニグルミ】でした。
この葉痕や冬芽は植物の種類によっても全く違っていてとっても面白いんです。可愛いヤツ、寄り目のヤツ、帽子かぶったオシャレなヤツ、色々です。
みなさんも、もしこの時期の山を歩くときにはぜひじっくり見てみてください♪
それから、みんなに冬芽を持ってきてもらいました。たくさん取ってこないように一人ひとつだけ。それでも小さな冬芽、大きな冬芽、いい香りのする冬芽、ふわふわな冬芽。色んな冬芽が見つかりました。大事に持ち帰って、どんな葉っぱが出てくるのか水にさしてもらうことにしました。

雪の林をスノーシューで下ります。
そして、雪山歩きの最後の楽しみ「しり滑り!!」。
ビニールシートを持ってみんなで一気に滑り降ります。大人も子どももこれが大好き。20分くらい夢中になって遊んで、学校に帰りました。

しり滑りで大はしゃぎ!
この「西目屋村の雪山を歩こう」は、地域の子どもたちに身近な自然や文化に触れてもらいたくて行いました。
自然の中に入った子どもたちの表情の生き生きしていること!
この授業が少しでも地域の豊かな自然をたくさん肌で感じてもらえるキッカケになっていたらいいなぁと思います。
2010年03月05日西目屋村の雪山を歩こう!(前編)
白神山地 石橋 史朗
遺産センターからみえる岩木山の山頂は、一月前まではほとんど雲に隠れて見えませんでしたが、
最近ではたびたび姿を現すようになってきました。
雪が降る日も次第に減ってきたようで春が近くなってきたのを感じさせます。
さて、2月25日に西目屋小学校の4年生と一緒に
遺産センターの裏山に行ってきました。
当日は雪の反射でまぶしすぎて歩けないのでは?と思うほどの
晴天に恵まれて歩いていると汗が噴き出てきました。
小学校から歩いて移動して、
近くにある熊野宮神社で今日の安全をお祈りしてから、
足にスノーシューを履いて出発です。
途中にはウサギの足跡や、キリの実が転がっていたりと子ども達の
興味はつきません。
冬のリンゴ畑の中で作業しているおじいさんに何をしているか聞きました。
リンゴに十分太陽があたるように混みすぎた枝を今のうちに切っておくのだそうです。


そして、アクティブレンジャーを先頭にきつい上りを登っていくと、
西目屋村の田代地区が一望できます。
真ん中に移っているのが西目屋村役場で、一番右奥の緑色の建物が
西目屋小学校です。さらに奥には岩木川があります(見えないですけど)。

そして、子ども達にこう質問しました。
「江戸時代には、弘前城下ではたくさんの薪が必要で、そのために白神山地からたくさんの木が切り出されました。じゃあ、その木はどうやって弘前まで運んだのでしょう?」
子ども達からは、「転がして運ぶ」「切って運ぶ」という意見があがりましたが、どちらも外れです。当時は人が歩くような道しかありませんし、短く切って運ぶより効率的な方法があるのです。
私が「岩木川」とヒントをあげると(単に口が滑っただけですが…)子ども達は感づいたようです。「岩木川で運ぶ」という答えが返って来ました。
ただ、岩木川で運ぶと言っても上流で流して下流で引き上げるだけではありません。
途中で引っかかったりするので、流した薪と一緒に川沿いを歩き、ひっかかった薪を外しながら歩いたようです。それに、木流しは水が多い時期、つまり春の雪解け水が豊富にある時期に行うので、とても冷たくつらい作業だったのでしょう。
このような昔話に子ども達が興味を持ってくれるか心配でしたが、
話し始めると最初騒がしかった子ども達も次第に真剣に聞いてくれるのが
分かってほっとしました。
昔は人と岩木川や白神山地が今よりもずっと密接に関わっていたのですね。
その事を子ども達に伝えることができてよかったです。
次回は西目屋村の雪山を歩こう!(後編)をお送りします。
最近ではたびたび姿を現すようになってきました。
雪が降る日も次第に減ってきたようで春が近くなってきたのを感じさせます。
さて、2月25日に西目屋小学校の4年生と一緒に
遺産センターの裏山に行ってきました。
当日は雪の反射でまぶしすぎて歩けないのでは?と思うほどの
晴天に恵まれて歩いていると汗が噴き出てきました。
小学校から歩いて移動して、
近くにある熊野宮神社で今日の安全をお祈りしてから、
足にスノーシューを履いて出発です。
途中にはウサギの足跡や、キリの実が転がっていたりと子ども達の
興味はつきません。
冬のリンゴ畑の中で作業しているおじいさんに何をしているか聞きました。
リンゴに十分太陽があたるように混みすぎた枝を今のうちに切っておくのだそうです。
そして、アクティブレンジャーを先頭にきつい上りを登っていくと、
西目屋村の田代地区が一望できます。
真ん中に移っているのが西目屋村役場で、一番右奥の緑色の建物が
西目屋小学校です。さらに奥には岩木川があります(見えないですけど)。
そして、子ども達にこう質問しました。
「江戸時代には、弘前城下ではたくさんの薪が必要で、そのために白神山地からたくさんの木が切り出されました。じゃあ、その木はどうやって弘前まで運んだのでしょう?」
子ども達からは、「転がして運ぶ」「切って運ぶ」という意見があがりましたが、どちらも外れです。当時は人が歩くような道しかありませんし、短く切って運ぶより効率的な方法があるのです。
私が「岩木川」とヒントをあげると(単に口が滑っただけですが…)子ども達は感づいたようです。「岩木川で運ぶ」という答えが返って来ました。
ただ、岩木川で運ぶと言っても上流で流して下流で引き上げるだけではありません。
途中で引っかかったりするので、流した薪と一緒に川沿いを歩き、ひっかかった薪を外しながら歩いたようです。それに、木流しは水が多い時期、つまり春の雪解け水が豊富にある時期に行うので、とても冷たくつらい作業だったのでしょう。
このような昔話に子ども達が興味を持ってくれるか心配でしたが、
話し始めると最初騒がしかった子ども達も次第に真剣に聞いてくれるのが
分かってほっとしました。
昔は人と岩木川や白神山地が今よりもずっと密接に関わっていたのですね。
その事を子ども達に伝えることができてよかったです。
次回は西目屋村の雪山を歩こう!(後編)をお送りします。
2009年12月08日「もうすぐクリスマス☆親子で作ろう!!自然の素材でクリスマスカード
白神山地 檜垣 育子
こんばんは。一昨日から冷える日が続き、すっかり冬らしい景色となってきましたね。
さて、白神山地世界遺産センター西目屋館ではこの冬、
白神の自然と文化を学ぶことをテーマに、
自然の素材を利用したクラフトづくりや
西目屋村で作られたそば粉でソバ打ちを行います。
クラフトづくりでは、
トウモロコシや葦(よし)、ワラを使って紙を漉いて作るクリスマスカード、
また廃油を利用したろうそく作りを行います。
この冬、クリスマスカードとろうそくを自分で手作りして、身の周りの環境について一緒に考えてみませんか?
まだ、募集人数に空きがあります!
ぜひ、この機会にご参加されてみてはいかがでしょうか。
詳しくは、東北地方環境事務所HP(「もうすぐクリスマス☆親子で作ろう!!自然の素材でクリスマスカード&白神そば」)をご覧ください。

チラシ
さて、白神山地世界遺産センター西目屋館ではこの冬、
白神の自然と文化を学ぶことをテーマに、
自然の素材を利用したクラフトづくりや
西目屋村で作られたそば粉でソバ打ちを行います。
クラフトづくりでは、
トウモロコシや葦(よし)、ワラを使って紙を漉いて作るクリスマスカード、
また廃油を利用したろうそく作りを行います。
この冬、クリスマスカードとろうそくを自分で手作りして、身の周りの環境について一緒に考えてみませんか?
まだ、募集人数に空きがあります!
ぜひ、この機会にご参加されてみてはいかがでしょうか。
詳しくは、東北地方環境事務所HP(「もうすぐクリスマス☆親子で作ろう!!自然の素材でクリスマスカード&白神そば」)をご覧ください。

チラシ
2009年11月25日アクティブレンジャー写真展を開催中です!!
白神山地 檜垣 育子
こんにちは。寒い日が続きますね。
ゆっくりと、でも確実に冬が近づいてきている今日この頃です。
テレマークスキーにはまっている私としては
「早く積もらないかな~~~!?」なんてワクワクしています(^^)!
昨日、秋田県藤里町にある世界遺産センター藤里館に写真展の準備に行ってきました。
何度かアクティブレンジャー写真展を色々な場所で開催しているのですが、
今回は、白神山地・森吉山・十和田・八幡平の各地域のアクティブレンジャーが撮影した水のある風景を「水彩~北東北の水風景~」と題して写真展を行っています。
「滝が好き!!」
「もうこの時期になると山に入れなくて、何をしようかなぁ・・・」
「藤里町へ来てみたのだけど、何を見ようかな?」etc...
という方(もちろんそれ以外の方も)、ぜひこの機会に世界遺産センター藤里館へ訪れてみてはいかがでしょうか?
アクティブレンジャー写真展
「水彩~北東北の水風景~」
●場所:白神山地世界遺産センター 藤里館
●時間:8:30~17:00
●休館日:火曜日
●問い合わせ先:0185-79-3001


写真展の様子
また、世界遺産センター西目屋館でも「アクティブレンジャー写真展 いきもの達のいる風景」を開催中です。こぢんまりとしていますが西目屋村にお立ち寄りの際は、ぜひご覧くださいませ。
★おまけ★
藤里町のセンター近くにある
「権現の大イチョウ(田中のイチョウ)」を見てきました。
さらさらと舞い落ちてくる葉っぱが綺麗です。
樹齢300年以上の大きな木。見応えがあります!

ゆっくりと、でも確実に冬が近づいてきている今日この頃です。
テレマークスキーにはまっている私としては
「早く積もらないかな~~~!?」なんてワクワクしています(^^)!
昨日、秋田県藤里町にある世界遺産センター藤里館に写真展の準備に行ってきました。
何度かアクティブレンジャー写真展を色々な場所で開催しているのですが、
今回は、白神山地・森吉山・十和田・八幡平の各地域のアクティブレンジャーが撮影した水のある風景を「水彩~北東北の水風景~」と題して写真展を行っています。
「滝が好き!!」
「もうこの時期になると山に入れなくて、何をしようかなぁ・・・」
「藤里町へ来てみたのだけど、何を見ようかな?」etc...
という方(もちろんそれ以外の方も)、ぜひこの機会に世界遺産センター藤里館へ訪れてみてはいかがでしょうか?
アクティブレンジャー写真展
「水彩~北東北の水風景~」
●場所:白神山地世界遺産センター 藤里館
●時間:8:30~17:00
●休館日:火曜日
●問い合わせ先:0185-79-3001


写真展の様子
また、世界遺産センター西目屋館でも「アクティブレンジャー写真展 いきもの達のいる風景」を開催中です。こぢんまりとしていますが西目屋村にお立ち寄りの際は、ぜひご覧くださいませ。
★おまけ★
藤里町のセンター近くにある
「権現の大イチョウ(田中のイチョウ)」を見てきました。
さらさらと舞い落ちてくる葉っぱが綺麗です。
樹齢300年以上の大きな木。見応えがあります!

2009年11月25日冬支度
白神山地 石橋 史朗
こんにちは。
最近はめっきりと寒くなりご近所でも冬支度に追われているようです。
今日はお隣の家の方が庭木の冬囲いをしていました。
さて、我々白神のアクティブレンジャーも冬シーズン前に
11月上旬は大忙しでした。
ブナ林調査で森に設置している葉取り網(リタートラップ)の撤去、
温度や雨量などを測っている気象観測施設の維持管理、
入山者数を計測する入山者数カウンタの撤去などなどがありました。
そのなかで今日はカウンタの撤去の様子をご紹介します。
白神山地の入山カウンタは、秋田県、青森県合わせて13個!設置しているので、その撤去だけでも今年は6日かかりました。
まず、固定しているロープを外してカウンタを外します。

寒いのでアクティブレンジャー仕様のコートを着用。胸にはA.Rangerの文字が刻印されている(11/18 白神岳登山口)。
カウンタを駐車場まで運びます。

雪の十二湖大崩を背にカウンタを運ぶ檜垣AR(11/18)
そして、駐車場で解体して遺産センターまで運びます。

数日前に降った雪が残り、手袋を持っていかなかったのを猛烈に後悔する石橋AR(11/12 天狗峠)
そして、センターに持ち帰り掃除して倉庫にしまいます。
これで、冬支度の完了です!
でも、この後夏の間の大量のデータを集計して月ごとの入山者数を出さなくてはいけません。
その仕事は長い冬の間に行うことにします。
季節の変わり目は体調を壊しやすいといいます。
みなさんもしっかりと冬支度をして
冬を迎えてください。
昨年度のデータは↓で公開しています。
http://www.sizenken.biodic.go.jp/park/tohoku/banner/10/03__nyuzan.html
最近はめっきりと寒くなりご近所でも冬支度に追われているようです。
今日はお隣の家の方が庭木の冬囲いをしていました。
さて、我々白神のアクティブレンジャーも冬シーズン前に
11月上旬は大忙しでした。
ブナ林調査で森に設置している葉取り網(リタートラップ)の撤去、
温度や雨量などを測っている気象観測施設の維持管理、
入山者数を計測する入山者数カウンタの撤去などなどがありました。
そのなかで今日はカウンタの撤去の様子をご紹介します。
白神山地の入山カウンタは、秋田県、青森県合わせて13個!設置しているので、その撤去だけでも今年は6日かかりました。
まず、固定しているロープを外してカウンタを外します。
寒いのでアクティブレンジャー仕様のコートを着用。胸にはA.Rangerの文字が刻印されている(11/18 白神岳登山口)。
カウンタを駐車場まで運びます。
雪の十二湖大崩を背にカウンタを運ぶ檜垣AR(11/18)
そして、駐車場で解体して遺産センターまで運びます。
数日前に降った雪が残り、手袋を持っていかなかったのを猛烈に後悔する石橋AR(11/12 天狗峠)
そして、センターに持ち帰り掃除して倉庫にしまいます。
これで、冬支度の完了です!
でも、この後夏の間の大量のデータを集計して月ごとの入山者数を出さなくてはいけません。
その仕事は長い冬の間に行うことにします。
季節の変わり目は体調を壊しやすいといいます。
みなさんもしっかりと冬支度をして
冬を迎えてください。
昨年度のデータは↓で公開しています。
http://www.sizenken.biodic.go.jp/park/tohoku/banner/10/03__nyuzan.html
2009年11月13日白神山地ブナ林モニタリング調査最終日
白神山地 檜垣 育子
今日は、すっきりとした青空のいい天気でした。
事務所から見える岩木山には、うっすら雪がかかっていました。
こんな晴れた日は、書類の山は置いておいて、外の山へ出かけたくなりますね・・・!
先週末、櫛石山で行っているブナ林モニタリング調査も今年の調査は最終日を迎えました。
この調査は、白神山地の世界遺産地域に3つの調査区を設定し、その中の木の高さや太さを毎年はかることで木がどのように変化しているのか、また森の中でどの木が倒れて次の世代が育っていくのかという変化を知るため、ボランティア・研究者・環境省で協力して行っています。
また、木を測ることだけでなく、森の中に「リタートラップ」と呼ばれる落ち葉や種などを集める網を設置し、毎月中身を回収し、葉や花や種子などがどのくらい落ちるのかを調べています。

森の中に設置している「リタートラップ」
「リター」とは、落葉や落枝のことです。
今回は、雪が降る前にリタートラップの撤収作業を行いました。
ずっと使い続けてきたこの網。
もう破れてしまって、そろそろ交換時期です。おつかれさま!

中に入っている落ち葉や枝、種子を回収します。
今回は、この「リター」について少しお話したいと思います。
月に1度リターを回収するのですが、その中身は様々です。
種子は、どんなものが入っているかというと、調査区で数や種類の違いはありますが、ブナ、ウダイカンバ、イタヤカエデ、ハウチワカエデ、コシアブラ、サワグルミ、ホオノキ、トチノキなどが入っていました。
この中でもブナの種子は、数年に一度大豊作があると言われています。
この調査ではどうかというと、2000年が圧倒的にブナの種子が多く落ち、そのほかの年は調査区によって変動はありますが、2000年ほどではありませんでした。この年は最も多い調査区だと1㎡あたり1000個を超える種子が落ちていました。その秋にはネズミが大発生し、春にはもやしのように多くのブナの芽が地面を覆っていたようです。
種子の数は、他の動物たちにも大きな影響を与えているようです。

2001年の春。ブナの芽が一斉に出ています。
そして現在、この調査が11年目。
わたしはこちらに来て3年目なので未だにその豊作ぶりを見たことがありません。そろそろ来るんじゃないかな~!と次の年を楽しみにしているところです。
事務所から見える岩木山には、うっすら雪がかかっていました。
こんな晴れた日は、書類の山は置いておいて、外の山へ出かけたくなりますね・・・!
先週末、櫛石山で行っているブナ林モニタリング調査も今年の調査は最終日を迎えました。
この調査は、白神山地の世界遺産地域に3つの調査区を設定し、その中の木の高さや太さを毎年はかることで木がどのように変化しているのか、また森の中でどの木が倒れて次の世代が育っていくのかという変化を知るため、ボランティア・研究者・環境省で協力して行っています。
また、木を測ることだけでなく、森の中に「リタートラップ」と呼ばれる落ち葉や種などを集める網を設置し、毎月中身を回収し、葉や花や種子などがどのくらい落ちるのかを調べています。

森の中に設置している「リタートラップ」
「リター」とは、落葉や落枝のことです。
今回は、雪が降る前にリタートラップの撤収作業を行いました。
ずっと使い続けてきたこの網。
もう破れてしまって、そろそろ交換時期です。おつかれさま!

中に入っている落ち葉や枝、種子を回収します。
今回は、この「リター」について少しお話したいと思います。
月に1度リターを回収するのですが、その中身は様々です。
種子は、どんなものが入っているかというと、調査区で数や種類の違いはありますが、ブナ、ウダイカンバ、イタヤカエデ、ハウチワカエデ、コシアブラ、サワグルミ、ホオノキ、トチノキなどが入っていました。
この中でもブナの種子は、数年に一度大豊作があると言われています。
この調査ではどうかというと、2000年が圧倒的にブナの種子が多く落ち、そのほかの年は調査区によって変動はありますが、2000年ほどではありませんでした。この年は最も多い調査区だと1㎡あたり1000個を超える種子が落ちていました。その秋にはネズミが大発生し、春にはもやしのように多くのブナの芽が地面を覆っていたようです。
種子の数は、他の動物たちにも大きな影響を与えているようです。

2001年の春。ブナの芽が一斉に出ています。
そして現在、この調査が11年目。
わたしはこちらに来て3年目なので未だにその豊作ぶりを見たことがありません。そろそろ来るんじゃないかな~!と次の年を楽しみにしているところです。
2009年11月02日白神探検隊(後編)
白神山地 石橋 史朗
こんにちは。
今朝、岩木山が麓の方まで白くなっていました。
この様子だと東北各地の山々も初冠雪でしょうか。
さて、白神山地探検隊後編です(前編はこちら)。
カツラの巨木を見た後は再び子ども達を先頭にして元来た道を帰ります。
お昼ご飯を食べた後は、
津軽平野を流れる岩木川の源流で生き物調査です。
網と箱メガネを使って岩木川の源流にどんな生き物がいるのかを調査してもらいました。

最初はどうやったら生き物を捕まえることが出来るか分からず
試行錯誤していましたが、少しコツを教えて上げると、
ほら、カジカが採れました。

カジカとヘビトンボの仲間
一人の子がカジカを捕ると残りの子も俄然(がぜん)やる気が出てきます。
ヘビトンボやサンショウウオなどカジカ以外の生き物も捕れ始めました。
終いには、こんなものまで…

大きなイワナです。子どもってすごいですね。
子ども達はまだやりたい様子でしたが、
そうこうしているうちに時間切れになりました。
そして、小学校に帰って振り返りをして発表してもらいました。
その中に、「わたしは実際歩いてみて自然を大切にしたいと思いました」
と発表してくれた子がいました。
山を歩いているときは、その事をあまり強調しなかったのですが、
歩きながら自ら感じてくれたようでとてもうれしくなりました。
人から聞いたりインターネットで調べたりしただけでは、
白神山地のすばらしさはなかなか伝わりません。
実際に山に入って見て、におって、触って、感じる事で
そのすばらしさを少しでも感じ、
またそれを大切にしたいと思ってくれたのなら
この授業は大成功だったのかなと思います。
*生き物調査は特別に許可をもらって行っています。
今朝、岩木山が麓の方まで白くなっていました。
この様子だと東北各地の山々も初冠雪でしょうか。
さて、白神山地探検隊後編です(前編はこちら)。
カツラの巨木を見た後は再び子ども達を先頭にして元来た道を帰ります。
お昼ご飯を食べた後は、
津軽平野を流れる岩木川の源流で生き物調査です。
網と箱メガネを使って岩木川の源流にどんな生き物がいるのかを調査してもらいました。
最初はどうやったら生き物を捕まえることが出来るか分からず
試行錯誤していましたが、少しコツを教えて上げると、
ほら、カジカが採れました。
カジカとヘビトンボの仲間
一人の子がカジカを捕ると残りの子も俄然(がぜん)やる気が出てきます。
ヘビトンボやサンショウウオなどカジカ以外の生き物も捕れ始めました。
終いには、こんなものまで…

大きなイワナです。子どもってすごいですね。
子ども達はまだやりたい様子でしたが、
そうこうしているうちに時間切れになりました。
そして、小学校に帰って振り返りをして発表してもらいました。
その中に、「わたしは実際歩いてみて自然を大切にしたいと思いました」
と発表してくれた子がいました。
山を歩いているときは、その事をあまり強調しなかったのですが、
歩きながら自ら感じてくれたようでとてもうれしくなりました。
人から聞いたりインターネットで調べたりしただけでは、
白神山地のすばらしさはなかなか伝わりません。
実際に山に入って見て、におって、触って、感じる事で
そのすばらしさを少しでも感じ、
またそれを大切にしたいと思ってくれたのなら
この授業は大成功だったのかなと思います。
*生き物調査は特別に許可をもらって行っています。
2009年10月21日白神探検隊(前編)
白神山地 石橋 史朗
こんにちは。
各地から紅葉の便りが届いていますが、
白神山地も紅葉の盛りを迎えています。
さて、先月の事になりますが、
前回に引き続き西目屋小学校4年の子ども達と
白神山地に行ってきました。
今回は地図、コンパス、クマスプレー、お弁当などを持って
白神の山の中を探検を行いました。
名付けて白神探検隊!
子ども達も地図とコンパスを持って獣道を
道をたどりながらカツラの巨木まで目指します。

先頭の子の手にあるのが地図とコンパスです。
交代で隊長になり先頭を歩きます。
隊長が意気揚々と前進するのですが隊員がついて来れなかったり、
途中獣道を踏み外して茂みに飛び込む隊長もいましたが、
なんとかカツラの巨木までたどり着くことが出来てホッと一安心。

巨木の大きさを知るためにみんなで手をつないでカツラの木を囲みますが
子ども達11名では足りません。
大人3名も加わってようやくカツラの木を囲むことが出来ました。

その後、
私の方から
巨木がたくさんある白神の森は人の手がほとんど入っていない貴重な森なので
大切に守っていきましょうとお話ししました。
ちょっと難しい話だったかもしれないけど、
真剣に聞いてくれました。
→後半の川の生き物調査編に続きます。
各地から紅葉の便りが届いていますが、
白神山地も紅葉の盛りを迎えています。
さて、先月の事になりますが、
前回に引き続き西目屋小学校4年の子ども達と
白神山地に行ってきました。
今回は地図、コンパス、クマスプレー、お弁当などを持って
白神の山の中を探検を行いました。
名付けて白神探検隊!
子ども達も地図とコンパスを持って獣道を
道をたどりながらカツラの巨木まで目指します。
先頭の子の手にあるのが地図とコンパスです。
交代で隊長になり先頭を歩きます。
隊長が意気揚々と前進するのですが隊員がついて来れなかったり、
途中獣道を踏み外して茂みに飛び込む隊長もいましたが、
なんとかカツラの巨木までたどり着くことが出来てホッと一安心。
巨木の大きさを知るためにみんなで手をつないでカツラの木を囲みますが
子ども達11名では足りません。
大人3名も加わってようやくカツラの木を囲むことが出来ました。
その後、
私の方から
巨木がたくさんある白神の森は人の手がほとんど入っていない貴重な森なので
大切に守っていきましょうとお話ししました。
ちょっと難しい話だったかもしれないけど、
真剣に聞いてくれました。
→後半の川の生き物調査編に続きます。
2009年07月31日【行事報告】白神山地「マタギの知恵キャンプ」を行いました!
白神山地 檜垣 育子
こんにちは。今日は、すっかり夏らしい天気の西目屋村です。
夏休みシーズン突入ですね。みなさんはどこへお出かけの予定でしょうか?
先週末、2泊3日で子どもたちと一緒に「マタギの知恵キャンプ」を行いました。
お陰様で19名の参加者に集まって頂きました。
このキャンプでは、西目屋村のマタギである工藤光治さんに、森を歩きながら植物のことや森と一緒に暮らしてゆくために大切なことを教わりました。中でも印象に残っているのは、山菜など自分の食べられるものだけ採るということ。マタギの人たちは、一緒に危険な猟へ行くことからチームワークが大事で、絶対に自分だけよいという考えはしないということ。
「欲張らない、人を思いやる」という事が、自然と共に生きる知恵だと教えてくれました。

工藤さんに植物のはなしを聞いているところ。子どもたちも真剣です。

川にどんな生き物が棲んでいるのかを調べています。
サンショウウオがたくさん見つかりました。
また、岩木山自然学校の高田敏幸さんより「土壌クッキング」という、どんなものが土に還っていくのかを楽しく学ぶプログラムが行われ、みんなで木や葉っぱが土に還るにはどんな事が必要なのかを考えました。
そして、日頃わたしたちが行っているパトロールや調査についてもお話しました。

「土壌クッキング」とっても面白いプログラムです!
2泊3日は、アッという間ですが、きっとこの体験は子どもたちの心にもしっかりと残ったんじゃないかなと思います。
白神山地は、手つかずの原生林と言われていますが、自然とずっと暮らしてきた人たちの素晴らしい文化がたくさんあります。
今回は、白神山地を流れる岩木川の源流文化、次回は岩木川の河口域の文化を学びます。
このキャンプで自然とどうやって向き合い暮らしてゆくのか、それを少しでも多くの子どもたちと一緒に感じることが出来ると嬉しいです。
次回は、8月8日~9日に「漁師と調べる!岩木川の魚たち」キャンプを行います!
夏休みシーズン突入ですね。みなさんはどこへお出かけの予定でしょうか?
先週末、2泊3日で子どもたちと一緒に「マタギの知恵キャンプ」を行いました。
お陰様で19名の参加者に集まって頂きました。
このキャンプでは、西目屋村のマタギである工藤光治さんに、森を歩きながら植物のことや森と一緒に暮らしてゆくために大切なことを教わりました。中でも印象に残っているのは、山菜など自分の食べられるものだけ採るということ。マタギの人たちは、一緒に危険な猟へ行くことからチームワークが大事で、絶対に自分だけよいという考えはしないということ。
「欲張らない、人を思いやる」という事が、自然と共に生きる知恵だと教えてくれました。

工藤さんに植物のはなしを聞いているところ。子どもたちも真剣です。

川にどんな生き物が棲んでいるのかを調べています。
サンショウウオがたくさん見つかりました。
また、岩木山自然学校の高田敏幸さんより「土壌クッキング」という、どんなものが土に還っていくのかを楽しく学ぶプログラムが行われ、みんなで木や葉っぱが土に還るにはどんな事が必要なのかを考えました。
そして、日頃わたしたちが行っているパトロールや調査についてもお話しました。

「土壌クッキング」とっても面白いプログラムです!
2泊3日は、アッという間ですが、きっとこの体験は子どもたちの心にもしっかりと残ったんじゃないかなと思います。
白神山地は、手つかずの原生林と言われていますが、自然とずっと暮らしてきた人たちの素晴らしい文化がたくさんあります。
今回は、白神山地を流れる岩木川の源流文化、次回は岩木川の河口域の文化を学びます。
このキャンプで自然とどうやって向き合い暮らしてゆくのか、それを少しでも多くの子どもたちと一緒に感じることが出来ると嬉しいです。
次回は、8月8日~9日に「漁師と調べる!岩木川の魚たち」キャンプを行います!


四月からは岩手県でやはり自然に関わる仕事をすることになります。
四年間で本当にたくさんの人に出会いました。
ブナ林調査で事務所に来られた先生やボランティアの方々
パトロールで一緒に白神を歩いた方々、
白神のガイドの方々、
小学校の授業で出会った子ども達、先生方、
会議で会った方々、
アクティブレンジャー日記を見ていてくれる方々、
環境省の方々
などなど
そのような方々に囲まれて、支えられて、仕事を出来たのは楽しくとても幸せでした。
四年間で出会ったすべての方、日記を見てくれたすべての方に・・・・
「ありがとうございました。」
石橋史朗