東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

小友浦について学ぼう

2024年07月23日
大船渡 坂本麻由子
こんにちは。大船渡管理官事務所の坂本です。
 
まだ梅雨明け宣言はされないものの、ここ数日急に朝から30度を超える暑さとなっている東北北部、三陸海岸です。そろそろ明けました宣言が聞こえるでしょうか、30度オーバーは東北人の体にはこわいです(東北弁 意味:堪えます)。
やませで真っ白な碁石海岸
三陸初夏の風物詩『やませ』に覆われ涼しい日々が懐かしい・・・
今日は、2年前に載せた日記のその後のレポートです。
(2年前の記事はコチラかえってきた干潟*広田湾小友浦 | 東北地方環境事務所 | 環境省 (env.go.jp)
 
震災後に現れた干潟が再生していく様子を見守り、調査などおこなって関係者以外立ち入らない場所だった小友浦ですが、昨年から地元小学生の学びのフィールドとして利用されています。

水産教室 事前学習

翌週に干潟で活動をするので、事前学習で小友浦のこれまでを勉強しました。
干潟の学習をするのは陸前高田市立小友小学校5年生の皆さんです。
 
地元陸前高田市立博物館学芸員の浅川さんと岩手医科大学の松政先生を講師に迎え、小友浦の歴史や干潟の役割、干潟に棲む生物たちについて学びました。
真剣に話を聞くみんなの中には、学校の先生方も認める大人顔負けの“生きもの博士”がいました。どうすればこんなに生きものに夢中になれるのか、親・大人の関心度が子どもの興味の広さに関係するのではないかと、仕事中ではありながら、2人の息子の母として考えさせられるものがありました。
真剣に授業を聞くみんな
質問が止まりません

水産教室 小友浦干潟クリーン作戦及び生物観察会

小友浦に流れ着く漂着ゴミを全員で拾う、クリーン大作戦を決行しました。
ロープや発泡スチロール、缶やお人形まで様々なゴミが集まりました。
地元の方々で毎年何度か清掃活動をするそうですが、海から打ち上げられるゴミはなかなか減らないそうです。できることをしよう、捨てない、拾おう。
ひとり一枚のゴミ袋はすぐいっぱいになりました
大きなゴミから小さなゴミまでたくさん集まりました
ゴミ拾いの後はお待ちかねの干潟の生きもの観察です。
生きものがいそうな場所を松政先生に聞いた後は各々好きに石をひっくり返したり、泥を掘ってみたり。事前学習していた生きものを見つけることもできました。
カニがいた!すぐ泥に潜っちゃう!
みんなで採取した生きものを観察。めずらしいものも見つけたね。
みんなで採取した生きものを観察、めずらしいものも見つけたね。
オオノガイの仲間
イソガニの仲間
アサリ
アサリが増えてきたそうです
テッポウエビの仲間
地元の干潟で生きものに興味を持ち、生物多様性について、海洋環境について、震災について、たくさんの学びの種を拾いました。
私たちにとっても、子どもたちがフィールドに出る大切さを教わる機会になりました。
小友浦干潟は、地元の子どもたちにとっての学びの場にもなっています。
地域の皆さんはこの授業をきっかけに三陸の産業である水産関係の仕事に興味を持ってもらえたら嬉しいとおっしゃっていました。
三陸では貴重な干潟、大切に見守っていきたいと思います。