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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

国立公園出前授業~陸前高田市広田小学校~

2022年10月14日
大船渡
こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本麻由子です。
 
7月の日記でみちのく潮風トレイル体験をした広田小学校のご紹介をしました。
みちのく潮風トレイルを歩くハイカーへ向けて今年度もマップを制作していますが、児童たちの理解を深めるため、更に野外授業を行いましたのでその様子をお届けします。
 
まず、広田に伝わる大切なことを学ぶため、六ヶ浦漁港周辺へ。
陸前高田市観光物産協会の多勢さんから、言い伝えや津波石碑について教えてもらいました。
いつも通りがかる石碑に込められた思いを聞くことができました。
法華様の石碑について説明
法華様の石碑について説明がされました
疫病退散の願いを込めて建てられた石碑です。令和の今の困った病気からも守ってくれるかも知れませんね。


 
津波記念碑について説明
広田にある津波記念碑について説明がされました
「津波と聞いたら欲捨て逃げろ」
「低いところに住家を建てるな」
「地震があったら津波の用心」
「それ津波機敏に高所へ」
広田町には津波への備えを刻んだこれと同じ石碑が7基、過去の津波到達点に建てられています。

 
次に、広田が誇る風景、広田崎へと向かいました。
三陸復興国立公園にも指定されている素晴らしい場所について勉強しました。
椿島と青松島の説明
特別保護地区の椿島と青松島の説明をしました
「青松島は海の上では2つの島に見えるけれど、海中で繋がっていて実は一つの島です。」
「ええぇーーー!!」
「椿島と名が付いているように、昔は椿で青々とした島でした。ウミネコの糞で枯れちゃった。」
「えええぇぇーーー!!!」
知っているようで知らないこともありましたね。
広田崎について説明
絶景スポット広田崎について説明しました
見えている岩は花こう岩というもので、広田崎は1億3千万年前の地層であることや、岩手県では貴重な海の夕焼けを楽しめる場所であることを知ってもらいました。
 
広田に住んでいても広田崎に訪れたことがある児童はなんと0ゼロでした。
今回の授業で興味を持って、家族で訪れるようになってくれたら嬉しいです。
 
思い思いに岩場で休憩
思い思いに岩場で休憩するみんな、それを心配そうに見守る大人
たくさん話を聞いて頭を使ったので、ちょっとブレイク。
思い思いに岩場で休憩をしました。
海をのぞき込む、高いところによじ登る、岩の上で寝転ぶ・・・
自分がこどもだったらなんてことないことかも知れませんが、見守る大人の立場になるとハラハラドキドキ。
 
さて、今回の野外授業で学んだことはマップにどう活かされるでしょうか。楽しみです。
マップが完成したらご報告しますね。