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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ご案内します 「みちのく潮風トレイル」*鍬台峠(くわだいとうげ)後編

2020年06月04日
大船渡 坂本麻由子

みなさんこんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です

今日は前回の続き みちのく潮風トレイル*鍬台峠 後編 をお届けします。

                                  前編はこちら

一里塚のクリンソウ&ワラビ畑を抜けるとそこは大船渡市と釜石市の境、

鍬台峠ピークになります。

ピークには環境省のみどころ説明看板が設置されています。

設置業者は仕事とはいえ、資材を担いで山を登り、きちっと据えてくれました。

地図をじっくり作り込んだり、現地下見をしたり、設置後の最終検査など

私たちも同行した場面も多々ありますが、色々な人がこの道に関わっていることを

歩く方々に想像してもらえたら嬉しいです。

いよいよ釜石側へ下りていきますよ。

こちら側は南の大船渡側とは全く違う表情を見せてくれます。

石畳や石垣が残っていたり、

深く切り通して道になっていたり、

かつての交易路であったことが想像できます。

そして巨石に絡みつく根や風化して砕けた岩などからは時の流れを感じます。

まさに浜街道、歴史道。

摩訶不思議な岩が現れました!

『一刀両断石』前保護官が名付けていました。

大きな丸い岩の上部がスパッと切れずれている・・・不思議です。

歴史道も下りはあっという間、もったいないので振り向きながら歩くことをお勧めします。

林道へ合流した後久々に見た海が!(ちょっとだけ)

これだけでもなんだかホッとしていまいます。

おや?どっちでしょう?

最後の最後に油断大敵。

地図を見てこの先分岐があるなと頭に入れ、見落とさないように歩かないとですね。

正解は右です。

少し行くとカエルの大合唱が聞こえてきました。水辺が近いですね。

昨年の秋の台風で水の流れが変わったようで、

小さな池だったところが大きな池に変わっていました。

そしてその池の端が決壊、小さな滝が出現しています!

ルートを横切って水の流れができてしまったのでちょっとした沢渡り気分。

その後お供えのような動物の頭蓋骨やかわいい植物を発見しながら進み、

集落が見えてきました。もう間もなくゴールです。

標高およそ430m 鍬台峠制覇。

距離は5㎞ほどですが、登り2時間、下り1.5時間みておくと安心です。

全二回春の鍬台峠への想像旅行、いかがでしたか?

夏も秋も冬も(雪が残っているときは装備を!)見応えのある峠です。

今、徐々に規制は緩和されていますが、いまだ安心できる状態ではありません。

もうしばらく遠方へのトレイルハイキングは我慢ですね。

皆さまに実際に歩いてみてもらえる時がくるのを楽しみにお待ちしております。

想像旅行、最後までお付き合いいただきありがとうございました。