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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

山を愛する一員として (H24飯豊連峰保全連絡会・合同保全作業)

2012年10月03日
羽黒
 9月22日(土)に平成24年度飯豊連峰保全連絡会の合同保全作業を行いました。

 今年の施工箇所は梶川尾根上部です。
これまでも平成21年度、22年度に合同保全作業等で作業を行ってきた箇所です。

 これまでの作業で敷設した緑化ネットからは順調に芽吹きがあり、設置した土留め工には土砂の堆積が見られるなど、一定の効果は得られたものの、今年度新たな荒廃が確認されたこともあり、重点整備箇所から梶川尾根上部が選定されました。

以前の日記でもお伝えした技術講習会での講習を行った上での近自然工法による作業です。

 ※合同保全作業事前調査、近自然工法普及技術講習会については下記をご覧下さい。
http://tohoku.env.go.jp/blog/2012/08/1667.html


 <種子の採取、播種、緑化ネット敷設>
 裸地部の植生を復元されるため、あらかじめ許可を得て周辺の植物から種を採取し、播種を行いました。
その上で、あらかじめ荷上げしておいた緑化ネットを敷設しました。


 緑化ネット敷設の様子。

 <ガリー侵食部への土留め工、排水工の設置>
 ガリー侵食部へ土砂を堆積させるため、現地転石やあらかじめ荷上げしたおいた土嚢袋やヤシ繊維を用いて土留め工を設置し、要所には排水工を設置しました。


 土留め工を設置します。

<歩行路固定>
 梶川尾根上部は登山道が大きく拡幅しているため、歩行路の固定を行いました。
 登山者の踏みつけが軽減が期待されます。


 写真では分かりにくいかもしれませんが、登山者が道をはみ出さないように歩行路に緑ロープによる目印を設置しています。
 

 作業終了後には、全員で作業の振り返りを行いました。
 どこでどのような意図を持って作業を行ったのか自分達で把握することが、来年以降の活動に繋がります。


 今回の作業に使うために事前に荷上げした資材の一部です。
  軽トラック2台分はあろうというほどの緑化資材を全てボランティアさん達が人力で荷上げしてくださいました。
 中には毎週、連日荷上げ下さった方もいました。
 飯豊連峰を想う人たちの熱意に頭が下がります。


 これまでも日記で書いてきましたが、磐梯朝日国立公園には本当に多くの人の支えと協力、協働の中で整備や保全作業を行っています。
 私もその一員として、今後ともこの地域に貢献できるよう精進していきたいと改めて思いました。

※合同保全作業の報告については現在ニュースレターを作成しています。
完成しましたら、関係者の皆さまには郵送するとともに磐梯朝日国立公園のホームページにもアップしますので少しお待ち下さい。