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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

シーズン本番に向けて!入山者カウンター設置-深浦町岩崎地区-

2012年05月23日
白神山地
前回は、西目屋村の高倉森登山口に入山者カウンターの設置に関する活動をこの日記で取り上げました。
(高倉森登山口設置記事はこちら)

本日は、白神山地を挟んで西目屋村暗門地区の反対側、深浦町岩崎地区の白神岳登山口と十二湖崩山登山口に入山者カウンターを設置してきました。今回は、そのときの白神岳登山口や十二湖、崩山登山口周辺の自然情報を含め報告したいと思います。
(入山者カウンターに関してはこちらをご参照ください。)

白神岳は標高1,235mで、日本二百名山にも数えられており、山頂稜線より東側が世界遺産地域核心地域に指定されています。崩山は標高939.9mと白神岳に比べて標高こそ低いですが、山頂までの登山道上では見晴らしの良い場所があり、そこからは十二湖を望む絶景を見ることが出来ます。両山ともに魅力的な山で、1泊2日の行程であれば、縦走するコースも設定されています。
白神岳の入山者は、計測期間中(5月下旬から11月上旬)多い年で約4700人、少ない年で約3100人と、測定開始から平均して約3900人/年の方々が入山されています。同じく崩山は多い年で約1200人、少ない年で700人と、測定開始から平均して約1000人/年の方々が入山され、白神岳に比べると崩山は、玄人や地域の方に愛される山のようです。

今年も調査を実施するために、各登山口に入山者カウンターを設置し測定を開始しました。入山者数を把握することは、登山道の利用実態を知る重要なデータになるので非常に重要な調査です。太陽光発電パネルへの光の当たり具合や、センサー位置など欠測を起こさないか入念にチェックしていきました。


カウンター設置風景(白神岳登山口) photo 2012.5.18

さて、白神岳登山口周辺では、頭上でウワミズザクラというサクラの仲間が花を咲かせており、足下にはカタクリやエンレイソウが次世代の種を実らせていました。さらに崩山登山口では、ニリンソウやサワハコベ、イワハタザオなどの白い花々が一面に咲き、見事な花畑が広がり、心を躍らせてしまいました。


左上:崩山登山口のニリンソウ 右上:十二湖青池 左下:十二湖湧壺の池 右下:白神岳登山口のウワミズザクラ photo 2012.5. 18

今回の設置の日は、非常に天気に恵まれた日だったので、十二湖の「青池」・「湧壺の池」ともに真っ青な湖面を望むことができ、恵まれた巡視となりました。

さて、珍しい出会いを一つ。
ふと沢筋に目をやると一匹のトンボが・・・。羽化仕立ての「ヒメサナエ」と判明。ヒメサナエは渓流部の清流に住む、小型のサナエトンボの仲間で十二湖周辺の水がきれいであることが伺い知れます。近くにいたお客さんと「もう十二湖はトンボのシーズンなんですね。」と会話を楽しみながら、トンボの姿を見て「もうすぐ春が終わるんだなぁ。」と季節の移り変わり感じる一瞬となりました。


ヒメサナエ(羽化仕立て) photo 2012.5.18