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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

今度はコハクチョウで

2009年12月11日
秋田
 来年の話をすると鬼が笑うそうですが・・・この時期は例え笑われても必然的に来年の話しになることがありますよね?? 私たちも先日、年末年始の勤務予定なるものを確認されたところです。もう”来年”は直ぐそこまで来てるんですね~?皆さん年末年始のご予定は決まりましたか??


 12月2日の日記で、オオハクチョウの嘴~眼にかけての黄色い部分の話をしましたが、じゃあ【コハクチョウ】はどうなんだ?と疑問に思った方もいるのでは?と思い・・・今日は同じ事を【コハクチョウ】で見てみましょう!


 こちらの【コハクチョウ】も先日の日記で取り上げたオオハクチョウと同じように怪我をして1シーズンをたった一人(鳥?)、西部承水路で過ごした逞しい個体です。
 ただ暮らす場所が、西部承水路ということで人目を避ける場所も多く、広い水辺なので中々人目に付きにくいところがお好みのようで・・・つい最近まで中々観察機会に恵まれなかったのですが、ようやく最近この【コハクチョウ】の好みが解ってきて、この日遂に近くで羽繕いする様子を間近で観察することが出来ました。

 さて、本題に入りましょう!!【コハクチョウ】の特徴は、嘴の黄色い部分がオオハクチョウに比べて小さく(狭く)、嘴の先端に向かって入り込むようなオオハクチョウとは違って途中で、スパッと途切れているように見えること。
 その黄色い部分には個体差があって一概に黒:黄の割合などは言えません。また嘴を上から見た時の黄色い模様(?)もあったり無かったり、あっても個体差があるようで、それも一概には言えないようです。
 で、この個体に注目してみると・・・黄色い部分が独特の模様になっているので個体識別が可能です(勿論厳密な話ではありませんけど・・・)。では、更にその黄色い部分が眼の周りでどうなっているのか?下の写真で確認してみましょう。


 オオハクチョウの時には黄色い部分が眼の周りを一周していてアイリングのようにも見えましたが、この【コハクチョウ】はその様にはなっていないようです。目頭の部分にのみ黄色い部分が確認できますがその他では見られません。
 もっと多くの個体を確認してみないと解りませんが・・・もしかしたらこの眼の周りの黄色い部分もオオハクチョウと【コハクチョウ】とではその形状が異なるのかもしれませんね??


 「黄色い部分」と言ってる部分を細かく見てみると、「白」や「黒」の小さな斑点が見られます。想像ですが・・・質感もなんとなく柔らかそうに見えます。こうしてみると嘴というよりは皮膚が露出している部分ではないか?と想像できます。本当のとこはどうなんでしょうか??
 なんて・・よく見ると新しい発見があるものですね??私がこれからハクチョウを観察する時はそこが注目ポイントになりそうです!!

 

 この時期大潟で出会うバードウォッチャーの中にはハクチョウ達にあまり興味がない方もいるようですが・・・なかなかどうして!!ハクチョウもまだまだ面白い観察が出来ますよ!!珍しいガン達ばかりでなく、ハクチョウ達にも目を向けてみませんか??