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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

南の池のオオハクチョウ ~嘴・眼編~

2009年12月02日
秋田
 昨日、カレンダーをめくって「12月」にしたんですが・・・もう最後の1枚ですね?図柄も雪景色だったり、雪の中の野鳥たちであったり・・


 さて、昨日に引き続き、大潟草原鳥獣保護区の南の池で過ごしている【オオハクチョウ】の話題です。

 この【オオハクチョウ】ですが、先日ちょっとした冒険(?)に出かけたようです。南の池からほど近い西部承水路に仲間のハクチョウ達が飛来してきているのですが、その群れが日々餌場に向かったり、塒に戻ってくる時などに南の池の上空を通過するみたいで、負傷した【オオハクチョウ】も仲間の所へ行ってみたくなったのではないでしょうか??
 空を飛べない彼は歩いて、南の池から西部承水路を目指して移動しました。前にも未遂に終わった冒険をしていたのですが、今回は南の池に姿を見なくなってのを心配した村の農家の方やJA大潟村の職員の方々が探してくれたそうです。

 逞しく過ごしてきた【オオハクチョウ】はやはり仲間と一緒に過ごす時を楽しみにしていたんでしょうかね??私は『これで仲間の近くで過ごすことが出来るな』と喜んでいました。が・・・
 その数日後今度は事務所に『あのハクチョウがまた南の池に戻った』という電話が入りました。なにか心境の変化があったのでしょうか?それとも空を飛んで採餌に向かう仲間を観て疎外感を感じたのでしょうか?焦燥感があったのでしょうか?先日はまた「いつもの場所」で過ごす【オオハクチョウ】の姿がありました。


 そしてその【オオハクチョウ】をじっくり観察したときの話です。
 岸に上がって水を飲んだり、羽繕いをしている時に、望遠レンズで頭部のアップを撮影してみました。はじめはハクチョウ類の識別ポイントである嘴のアップの画像があれば色々と参考になるのでは?と思って撮影したのですが、例によって(?)・・撮影してみると面白い発見がありました。


 嘴の黒い部分と黄色い部分がハクチョウ類の識別ポイントになるのですが、【オオハクチョウ】は黄色い部分が嘴の先端部に向かって入り込み、コハクチョウに比べて黄色い部分が大きいのが特徴です。


 しかし更にアップにしてみるとその「黄色い部分」が意外な場所にも広がっているのが解ります!!
 よーーく観て下さい。眼の回りを・・・

 【オオハクチョウ】のつぶらな瞳を黄色い部分がぐるっと覆っていますよね?これも「アイリング」と呼ぶのでしょうか??何処までが【オオハクチョウ】の嘴なんでしょうか??
 ドアップにするとつぶらな瞳と思っていた【オオハクチョウ】の眼もかなり目力がありますね?目はかなり黒目がちだと思っていましたが虹彩は暗褐色とでも言いましょうか?黒ではないですね!!

 本当にじっくり見ると色んな発見があるものですね?その発見してたことを調べるのも楽しい作業です。