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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

マガン大群れの採餌

2009年02月20日
秋田
 秋田自然保護官事務所では来る3月8日(日)に開催を予定している大潟草原鳥獣保護区とその周辺で行う野鳥観察会の参加者を募集しています。当日はガンの群れ、貴重な猛禽類等多くの野鳥を観察できるはずですので、ドンドンご応募下さい。
詳しくはこちらをご覧下さい。→http://tohoku.env.go.jp/pre_2008/0130a.html


 昨日は【ヒシクイ】の群れがひしめき合って採餌している様子をお伝えしましたが、今日は【マガン】の群れが採餌している様子をお伝えしようと思います。

 大潟で【マガン】の大群が見られるのは宮城県内で越冬していた群れが、北帰行を開始した直後に1回目の中継地として利用を始める2月中旬以降になるのですが、今年はその北帰行が早まっていて2月になって直ぐの頃から【マガン】の群れが観られるようになり、現在その数が増えていて、そろそろピークを迎えようとしています。
 また【ヒシクイ】の群れは大潟村で越冬している群れもいて、厳冬期で積雪の増えたごく僅かな期間を除いて、普段から見ることが出来ます。特に今年は積雪も少なかったのでそのごく僅かな期間もなく、切れ目なく観察できていました。
 なので、私にとって見慣れた「ガンの群れ」は【ヒシクイ】の群れであって、その大群が採餌する様子というのは、極々狭い範囲に多くの【ヒシクイ】が集まって身体が触れあうくらいの距離で落ち穂や雑草を啄んでいるというものですが、【マガン】の場合はそれとは違う傾向が見られます。



 
 最近、たまたま同じ日に大潟で調査をしていた鳥獣保護区の管理員さんとこんなお話しをしました。

 私:「宮城から来た(らしい)マガンの群れはだいぶ大きくなってきましたね?」
 管理員さん:「んだがらな~でもマガンの群れはあまりくっつかねでバラバラで餌を食べでるように見えるべ?」
 私:「そう言われればそうっすね!」
 管理員さん:「ヒシクイだばピタッとくっついで餌を食べでで、どれが家族なんだが解らねべ?」
 私:「そうっすよね?」
 管理員さん:「あのマガンは家族毎に餌を食べでるのが解るもの!」
 私:「おぉぉぉ~そうですよね!!」


 この時の会話の様子をそのまま写真に写すのは私には無理な注文なので出来ればご自分で確かめて頂きたいのですが・・・その後、何回か巡視に行っていますがその傾向については毎回「やっぱり今日もそうだ!」という印象をもちます。

 より、具体的にこの日の例で言うと・・・約3000羽の【ヒシクイ】の群れがほぼ1枚の田んぼでお互い近い距離で採餌している様子を観察した直後、別の場所で、約2800羽の【マガン】の群れが田んぼ3枚に散らばって採餌する様子を観察しています。

 勿論、【ヒシクイ】の中にも距離を開けて採餌する集団がいますし、【マガン】の群れの中にはくっついてお互い近い距離で採餌している集団はいるものの「おおよその傾向」として、大潟ではそんな様子が観察されています。