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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

満員御礼・・・ならぬ成功御礼2

2008年10月31日
十和田
 前回(http://tohoku.env.go.jp/blog/2008/10/476.html)に引き続き、10月4日に行われた酸ヶ湯集団施設地区運営協議会主催の自然体験プログラム「燻製づくり体験&秋の田代平湿原散策」の様子をお知らせします。前回は午前中の燻製づくり体験についてでしたが、今日は、午後の東八甲田散策のレポートです。
 私、午後の散策の方は講師の外崎さんにほとんどお任せしてしまいました。というのも午後の散策の講師、外崎さんは東八甲田のエキスパートだからです。外崎さんは、東八甲田の一角、箒場で飲食店を経営されており、自然公園指導員としても八甲田、特に田代平湿原や雛岳、グダリ沼などで活躍されている方です。外崎さんとの事前打ち合わせの際に、当日の運営上の懸案事項をまとめて質問したところ、どの質問にも即答で解決方法を提示されたので、午後はすっかり安心して、外崎さんのガイドを楽しんでおりました。
 朝は雨がぱらついたり、霧も出ていたりして、天気が非常に心配だったのですが、時間が経つにつれ、雨も上がり、雲が消え、最初の散策の場所、グダリ沼に着く頃には見事に晴れました。

グダリ沼湧き口

 グダリ沼は田代牧野の中に湧きだしている川です。一面の牧草地の中を進んでいくと沼のように広く美しい川面が視界に入り、その美しさに参加者の方々から思わず歓声が上がります。水辺におりて、グダリ沼の湧き口付近で外崎さんのお話を伺いました。今年は八甲田山の湧き水が止まる事件がありました。ここグダリ沼も例外ではなく、湧水量は減ってきていて、それに伴い植生の変化も起きているそうです。

グダリ沼散策の後は、外崎さんの秘密(?)の森の広場で、お昼ご飯を食べました。

森の広場

この広場は、田代平キャンプ場の利用者がものすごく多くて、芝生のテントサイトが満杯になった時の予備のテントサイトだったのだそうです。お昼の後は田代平湿原を一周しました。秋の景色の他に、夏の花の時期のお話、田代牧野のお話、遠くに見えた上北鉱山の昔の様子についても解説していただきました。

 そして、再びバスに乗って、酸ヶ湯キャンプ場に戻ると、燻製ができあがっていて、スモーカーのフタを開けたとたんにみんなで試食会が始まっていました。特にチーズやちくわなどが好評だったようです。

試食会

 こうして、参加者の皆さんが自分で作った燻製を持って笑顔で会場を後にしたところで、「燻製づくり体験&秋の田代平湿原散策」は無事終了しました。終了後のアンケートでは、「グダリ沼が印象に残った」とか「燻製づくりは難しいと思っていたけれど少し工夫すれば楽しめることがわかりました」など、楽しんでいただけたようでうれしかったです。
 ここまで、準備期間や内容を思い出しつつ、日記を書いてきましたが、あそこでこんな助言をいただいたなぁ、とか、あそこで助けていただいたなぁ、とかいろいろな場面やお世話になった方々の顔がうかんできました。今回の成功に満足することなく、今後も協議会、八甲田に関係する方々の力を結集して、酸ヶ湯地区ひいては八甲田全体の新しい魅力を発信していければ、と考えております。実はすでに次のアイデアも、おぼろげながら、温めていたりします。皆様よろしくお願いいたします。