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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

エビガライチゴ

2008年09月01日
秋田
 今朝、自宅で月毎のカレンダーをめくって1年の2/3が過ぎていったことを実感し、事務所でも「もう9月か・・早いな・・」なんて会話がありました。


 さて、実りの秋は森吉でも実感できるようになってきました。ヤマブドウやサルナシの実が大きく膨らんできました。そんな中から今日ご紹介するのは【エビガライチゴ】です。森吉山麓高原の日当たりの良い場所で見られ、道路脇にも見られるので、もうお馴染みの方も多いかも知れません。





 茎や実の下に着く萼や葉柄に細かな腺毛が密生していて、それを”エビ”に見立ててこの名前が付けられたそうですが、どうやらこんな感じに毛の生えたエビはいないそうなんです・・・よく見ると萼の部分なんかはエビに見えてこなくもありませんがどうして【エビガライチゴ】になったのでしょうか?この見た目から”毛ガニ”なら連想できますけどね?


 この野いちごには、【ウラジロイチゴ】の別名があります。それについてはローアングルで撮影した↓の写真を見ると納得できます。


 裏側が白っぽく見えていますよね?葉の表は未だ緑のものから紅葉が始まって黄色みを帯びているものまで様々ですが裏側が全て白くみえます。葉の裏側には白い腺毛が密生していました。


 植物の名前の由来を調べると「なるほど確かに!」と思うものもあれば「え~そうかな?○○に見えるけど・・」と思うものもあるように感じます。奇しくもこの種は「どっちかというと毛ガニに見えるけど?」と思う名前と「なるほど確かに裏が白い!」と思う名前の両方があって、きっと何処で見かけても直ぐに「あっエビガライチゴだ!」と名前が浮かぶことと思います。そして「これ美味いんだよな~」とも・・・(^^)

 先月の観察会の報告が東北地方環境事務所のHPに掲載されましたので、よろしかったらそちらもご覧下さい!
 http://tohoku.env.go.jp/to_2008/0827a.html