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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ヨシキリ 囀りの競演

2008年05月26日
秋田
東北地方環境事務所のHPに先日5月18日の大潟草原での野鳥観察会の報告が掲載されました。是非ご覧下さい。http://tohoku.env.go.jp/to_2008/0518a.html

 5月16日の日記では【オオヨシキリ】が元気いっぱい囀りを始めたことを報告しました。
 先週末の時点で大潟草原内で最も多く姿を見かけ、鳴き声が聞かれるのは【コヨシキリ】です。保護区内に限らず、大潟村内に点在するヨシ原・ススキ原では【オオヨシキリ】の『ギョギョシ ギョギョシ・・』の大合唱に負けない【コヨシキリ】の『チリチリ チュチュ・・』と澄んだ鳴き声が響いています。

 大雑把に話をすると【オオヨシキリ】は5月の初旬にやってきて、中旬にはヨシや低木の先端などで盛んに囀りを初め、【コヨシキリ】は5月の中旬にやってきて今現在、盛んに囀りだしました。
 遅れてやってきたコヨシキリですが繁殖地として選ぶ環境はオオヨシキリとよく似ているので当然両者は同じような場所に行き着くようです。そしてそこの1等地は既に体の大きいオオヨシキリが縄張りとして押さえているものですから、遅れてやってきた体の小さいコヨシキリはヨシ原の周辺部を縄張りとして確保したようです。その結果、我々が目にする機会も増えているのかも知れません。
 ただし保護区内は例外的で広いヨシ原では【コヨシキリ】が数的に優位のようで、ヨシ原の1等地を確保した者も居るようです。彼らが好む環境も併せて観察していくと同じように見えた両者の好みの環境も実は微妙に違っているのかも知れません。それが解るような観察が出来たらまた報告しますね!



【コヨシキリ】黄色い喉の奥まで見えるくらい元気いっぱい囀っています。声量はオオヨシキリに負けるようですが音色の美しさでは勝っていると思います。



【オオヨシキリ】この鳴き声は夜になっても聞かれるそうです。この真っ赤な喉を見ると「一生懸命に鳴き続けて喉が痛くなって居るんじゃないか?」と心配しますがこれはオオヨシキリの特徴の1つなので心配ありません!

 今、囀っているのは♂の個体で、やや遅れてやってくるとされる♀の個体を待ちわびて『一所懸命』に鳴き声を上げています。別の種との縄張り争い、同じ種の雄同士の縄張り争いを経て、獲得した自分の縄張りでアピールする♂の姿は『かっこイイ』と感じます。その雄姿はやっぱり絵になりますね!!