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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

秋田杉の樹氷

2008年01月25日
秋田
 昨日の秋田県内は強風の影響で公共交通機関のダイヤが大幅に乱れました。私が帰宅時に利用する電車も1時間半以上の遅れ・・。また道路もツルッツルに凍結していて雪に慣れた秋田の人でも足を滑らせている光景を何度も見ました。今もまだ強風や雪による影響が予想され、週末も予報はよくありません。お出かけを予定されている方は時間と心に余裕を持って行動しましょう!
 
さて、下の写真は森吉山の外輪山石森山頂付近から北西方向を写した物です。



 この写真をよーく見ると尾根・沢に自生する針葉樹と広葉樹の割合が一目瞭然です。広葉樹はその形を留めて居ますし、針葉樹には大きく成長した樹氷がびっしりとまとわりついて白い塔のように聳え立っています。以前の日記で樹氷が出来る条件には「常緑針葉樹が自生していること」が挙げられると書きましたが、その証拠写真です。
 地元の樹氷に詳しい方に広葉樹にもエビの尻尾は出来るんだけど直ぐに落ちてしまって樹氷には成長しない。広葉樹の枝に着いた霧氷を樹氷って書いてある物をたまに見るけどあれは正確ではないんだよ」と教えてくれました。

 樹氷が出来る条件下に自生する常緑針葉樹はオオシラビソ(別名アオモリトドマツ、秋田での呼び名モロビ)です。ですから一般に「樹氷=オオシラビソ」と思われていますが、森吉では豊富な天然秋田杉が生息地を標高の高い地域にも広げていてその秋田杉にも樹氷が出来ます。数年前,時々お会いする山の先輩が地元の新聞に情報提供して、その写真が掲載されたことがあって秋田ではちょっと知られた事実なんです。

秋田杉の樹氷。オオシラビソに出来る樹氷は木のてっぺんから地面まで白く覆われますが杉の場合は地上付近に枝・葉が少なくて傘に近いような形をしています。

一部葉が露出していたところで間違いなく杉だと確認しました。