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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

砂浜のアーティスト?

2010年05月17日
仙台
仙台海浜鳥獣保護区蒲生干潟は5月に入り、潮干狩りの人々が多くなってきています。この季節は、シギ・チドリも多く、人が多いと野鳥が遠慮していまうのではとちょっと心配な季節でもあります。

波打ち際でも、野鳥との出会いはあるのですが、貝殻、流木、木の実などの拾いものをしたくなるのです。皆さんはそんなことありませんか?
今日は、海岸は波打ち際のおもしろいものを見つけたので紹介します。



貝にはこの写真のように穴が開いていることがありますよね。穴を開けた主は、ツメタガイ(巻貝)食事の痕なのです。穴を開けられた貝は、ヒメバカガイですが、仙台海浜の海岸では多く見られる貝です。

でも、穴を開けた主のツメタガイを中々見ることができませんでした。ところが・・・・・

発見!ツメタガイの卵なのですが、これは砂と卵を混ぜ合わせて産卵したものなのです。形が茶碗のような感じなので、砂茶碗といわれています。
二枚貝の中身を食べるために貝に穴を開けたのですがアクセサリーになりそうな貝殻、卵を砂と混ぜておもしろい形のものを作ったりと芸術家のようです。

持ち上げてみました。大きさは7㎝位、感触はプルンプルンとした弾力があります。乾燥したものは、まるでうす焼きゴマ煎餅のようです。これが卵!という感じです。

アサリなど食用貝の食害のもとのツメタガイなのですが、視点を変えると陶芸家にも思える存在です。皆さんのお近くの海岸でも探してみてください。