東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

八幡平の自然を守ってきた人達(その1)

2008年01月09日
鹿角
 新しい年が明けて来年度に向けての活動準備が始まった鹿角自然保護官事務所に一人の小柄な御老人が訪ねてこられました。澤口茂昭さん。昭和3年生まれ、御年79歳のバリバリ現役の八幡平地区パークボランティアです。新年のあいさつもそこそこに取り出されたのが「八幡平の植物」という自家製冊子。

 八幡平の全てのエリアにわたる詳細な手書き地図上に丹念に書き込まれた植物生育図。それぞれの植物についてその場所での花期、観察上の留意点が表にまとめられています。まさに現地をコツコツ歩いて記録を残してきた澤口さんにしかできない資料に脱帽です。長年地元の小学校、中学校で教師として
働いてきた澤口さんは、ある時に学校行事で登った焼山から八幡平を見て
今まで故郷の自然の素晴らしさに気づかなかった事にショックを受けたそうです。それ以降ずっと八幡平の自然を記録し守る活動を続けておられます。

その澤口さんが残念そうに語るのが「八幡平の植物」の付記欄に「最近見られなくなった」「少なくなった」という記述が増えていること。それと反比例して各地に外来植物が見られるようになってきたこと。盗掘も含め人間活動が主因です。それと年毎に八幡平の紅葉の色の冴えが無くなっているのが気になっているそうです。「地球温暖化の影響じゃないかな」とつぶやかれました。

 八幡平の自然が微妙に変化していることを地元の大先輩に教わりました。


澤口さんが御自身でワープロ打ち、手書き地図をつけた「八幡平の植物」
今年のビジターセンターでの自然観察会で大活躍しそう。

やはり御自身で撮影、編集した「八幡平の植物」ビデオ版を説明する澤口さん。