東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

登山者カウンター回収 朝日連峰・飯豊連峰(国立公園看板交換)

2024年12月06日
羽黒 守屋明子
11月初旬、朝日連峰(4箇所:泡滝口・日暮沢口・古寺鉱泉口・朝日鉱泉口)、飯豊連峰(1箇所:胎内口)、に設置していた登山者カウンターの撤去・回収を行いました。
今年度も無事に5箇所の撤去を済ませ、カウンターたちが戻ってきました。
カウンタ
おかえり
カウンタ
夏の豪雨にも耐えたカウンター(朝日鉱泉口)
羽黒自然保護官事務所では、朝日連峰・飯豊連峰の5登山口における登山者数をカウントしています。登山者カウンターは6月中に設置し、11月に入ってから撤去・回収しています。
 
設置時は6月の1ヶ月のうちに完了すればいいのですが、回収は秋山シーズン後から冬仕舞いまでの短い期間のうちに完了する必要があります。11月になると冬に備えて登山道やアクセス道が徐々に閉ざされていきます。吊り橋の踏み板が撤去されてしまって川が渡れなかったとか、道路が冬季通行止めで行けなかった、という事態にならないように、登山道やアクセス道の状況と天気予報を確認しながら11月初旬にピンポイントで行程を組みます。「無事に撤去できるか」「データが取れているか」、担当者は撤去完了までヒヤヒヤです。
 
朝日連峰にいたっては、4箇所の登山口間の移動もふまえ、効率の良い回収を考えます。登山口から急登を経て辿り着く箇所や、機材を担いで吊り橋を渡る箇所があったり、日照時間が短く1日の行動時間も限られたり、様々な条件をクリアして、計画通りに完了できた時の達成感といったら…。考えられる事象を想像して計画し、実行するという流れは少し登山とも似ているところがあります。
 
緊張を強いられながらも、撤去時は紅葉の時期。日が差すとより鮮やかになる錦に目を奪われつつ、一つ一つ回収してきました。
カウンタ
朝日鉱泉口は朝日川の吊り橋通過に毎回緊張
カウンタ
錦に染まった峰(朝日鉱泉口)
カウンタ
色づき始めたカラマツに囲まれた日暮沢避難小屋
カウンタ
雪景色と紅葉の競演(古寺鉱泉口)
飯豊連峰の胎内口は、9月15日に発生した豪雨災害によってアクセス道が通行止めに。登山口に設置したカウンターはその約2ヶ月後になりました。通行止めは解除されていませんが、関係者のみが特別通行できる期間を使って現地に回収に行きました。
カウンタ
胎内口で私たちを待っていた孤高のカウンター
カウンタ
現場でデータ取り込みしているところ。肩の荷が下りる瞬間
胎内口のカウンター回収後には、山の向こう側・山形県小国町側の倉手山登山口へ車で移動。国立公園のエントランス看板の取り替えを行いました。羽黒自然保護官事務所から飯豊連峰までは片道約3時間強の移動を伴うで、現地に赴くときは、様々な用務を組み合わせています。
カウンタ
プレートを交換
カウンタ
生まれ変わった看板に太陽が後光を差してくれました
事務所に戻ってきたカウンターは4ヶ月間に溜まった汚れをふきとって、来年度まで冬眠に。その間、時々バッテリーの充電をして冬を越します。
カウンタ
気をつけていても誰か必ず連れてきてしまう(クモ)
カウンタ
お土産も持たせてくれます(日暮沢駐車場のカラマツの葉)
設置から撤去まで4ヶ月以上。あらためて設置時・撤去時の写真を並べると、季節の移り変わりが一目瞭然。
カウンタ
6月(日暮沢)
カウンタ
11月(日暮沢)
設置場所の風景は周囲の草木によってまったく変わるので、翌年の設置時に前年撤去時の写真を参考にすると、設置場所がすぐにわからないことも。しかし、この植物はどこに消えたのでしょう。
 
カウンターのデータはPCに取り込み、チェック、エラー等の精査をして、公表する数値を確定します。その後、登山シーズンである7月から10月までの計測数を、毎年3月頃に東北地方環境事務所のWEBサイトにて公表しています。

設置・撤去・計測に際し、ご協力くださいました関係者の皆様に御礼申し上げます。
カウンタ
赤外線で感知するので暗くなってもカウント。 毎日寝ずの番、お疲れ様でした(日暮沢)