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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

秋隣

2024年09月26日
大船渡 坂本麻由子
みなさん、こんにちは。
大船渡管理官事務所の坂本です。
 
北東北の短い夏が過ぎ、あっという間に9月後半。
三陸では日中は日差しが眩しい日もありながら、朝晩は肌寒くなってきました。
草むらからの虫たちによる演奏が外業務を楽しくしてくれています。
 
秋の行楽シーズンに備えて国立公園園地とみちのく潮風トレイルルートの巡視を進めています。
大船渡市碁石岬展望台
太平洋に突き出る碁石岬展望台。青い海にきらめく太陽光がまぶしい。
碁石海岸では、8月お盆に直撃した台風5号の影響で、遊歩道上に多数の倒木やかかり木が発生したため、危険木の処理作業が完了するまでの3週間は遊歩道を閉鎖していました。
現在は安全が確認され、通行可能となっています。
綾里崎トレイルから望む太平洋
綾里崎トレイルは左右に海を望める半島ならではの景色が自慢。
大船渡市綾里崎をぐるっと周回する綾里崎トレイルは台風による大きな影響はありませんでしたが、ここ数年、ある植物の繁殖状況が著しく、元々の植生が脅かされている心配があります。
その植物が「マルバフジバカマ」です。
9月末頃になると白い小さな花をつけ、その後綿毛になって種子を拡散します。
林道、林床を埋め尽くすほど拡がっているので周辺地域では困っているようです。
マルバフジバカマ
咲き始めのマルバフジバカマ。とんでもない繁殖力です。
車の入れない山中での倒木処理は手作業、刈り払い機も担いで登ります。
綾里崎は年3回同様の作業を行っていますが、昨今の草の伸び具合では追いついていけなくなってきています。
倒木処理
手鋸で倒木処理
草払い
ぐんぐん伸びるワラビで道がわからなくなります。
最後に、巡視中に出会えた秋を並べてみます。
これから本格的な秋に向かって膨らむ実や種子、命を育む昆虫たちに元気をもらって巡視を続けていきます。
みなさんも身近な自然の中で秋探ししてみてはいかがですか。
チカラシバ
抜こうとしても抜けないチカラシバ。古くから日本の秋を彩る在来種です。
ハギ
「くさかんむり」に「秋」と書く。まさに秋を代表する植物ですね。
ススキ
碁石埼灯台に秋の風物詩ススキを添えて。
オミナエシ
花姿が美しいオミナエシ。古来から人々を魅了してきたのも納得。
オトコエシ
白花のオトコエシ。オミナエシと隣り合って咲いていることもありますね。
クサギの実
一度見たら忘れないクサギの実。
アケビの実
アケビの実が生長中。パカッと割れたら食べ頃です。
山栗
秋空を背景にたわわにクリが実っていました。
ヤマナシ
大船渡のトレイルルートでイワテヤマナシと思われる木にたくさん出会えます。宮沢賢治の『ヤマナシ』はこの実のことだと言われています。
ミドリヒョウモン
ミドリヒョウモンでしょうか。この時期にはあちらこちらで花の蜜を吸うのに大忙し。
オオカマキリ
草刈り跡で顔を出したオオカマキリ。ビックリしたよね、ごめんね!
コカマキリ
コカマキリも見つけました。カメラ目線ありがとう!