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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

昆虫観察会が開催されました!

2024年08月19日
秋田 大亀那月
みなさんこんにちは! 秋田事務所の大亀です。

森吉山野生鳥獣センターにて昆虫観察会が開催されました。
秋田市では最近猛暑日が続き、8月の夏らしさに滅入っていましたが標高が約700mあるセンターは街中よりもこころなしか涼しく感じられます。

トンボやチョウが飛び交うセンターから、ブナ林にはいって昆虫採集を始めます。
アカネ科のトンボ
ノシメトンボのメス

昆虫に出会う

センターから森へ入るとアカネ科のトンボがたくさん飛んでいました。ここまで多くいると子どもたちのなかではレア度が低いそうで…網を振れば捕まえられそうなトンボたちにも目もくれず、クワガタを目当てに森へ一直線です。

昆虫は主に樹液が出ていたり花がある場所で見つけられます。また、幹に開いた穴(木の洞)や根っこの土中、葉の裏にくっついているのを見つけることもありますね。チョウがパタパタと高い位置を飛んで回っていたり、意識して観察してみると出会えるチャンスは意外とあります。

講師の田中先生の解説を聞きながら、少し土を掘ってみたり木を揺すってみます。ポトリと落ちてくることもありますがこの日はなかなかみつからず。

森吉ではヤナギの木にクワガタが止まっていることが多いです。ブナ林では立派に育った木々が立ちこめ、蹴ったり揺すったりできないほど太い木がたくさんあります。ヤナギも見上げるほど大きく、みんなで太い幹の周りをじーっと観察してみました。「クワガタいた!」と嬉しそうな声があがりました。もしかしたら1匹も見つからないのではないかとヒヤヒヤしていた私もこれにはホッとなりました。
田中さん曰く、大抵1匹が見つかるとその木ではもう見つからないことが多いそう。


 
昆虫捜索中
地面にはどんな昆虫がいるでしょう
木の幹から探す
コクワガタが見つかった木。もっといるかも!と皆で調査中
この後も土の中からコクワガタが出てきたり、目の前をゆっくり飛んで現れたクワガタなど遭遇率は高めでした。木の菌を餌にするクワガタにとって森吉は住みやすいようです。

散策路を歩き進めるとセミの声が急にミンミン聞こえてきました。木を見上げるとセミの抜け殻がちらほら…
子どもたちは腕をうんと伸ばして抜け殻をたくさん集めていました。
アブラゼミ、ハルゼミの仲間などが生息しているそうでした。
 
昆虫を探しに木を観察
蝉の声が盛んなので探してみることに
アブラゼミの抜け殻
立川沿いの散策路に入ると曇り空がカンカンと晴れてきました。こういった気候状況だとチョウが姿を現しやすくなるのだそうです。
少し進むとまた木々が立ちこめてきますが、その幹にカナブンのような昆虫がいました。スタッフが先生に質問すると、環境省レッドリストの準絶滅危惧種に登録されているオオチャイロハナムグリだったそうです。独特な色と質感の背中がキラキラとしていました。レアものに出会えてみんな興味津々。カナブンがクワガタより注目を集めた瞬間でした。

無事センターまで戻り、皆で捕まえた昆虫を見せあいっこしていました。クワガタやトンボ、ハナムグリなど多くの昆虫を捕まえ、田中先生がその種類について解説もしてくださいました。

この日見つけた昆虫(節足動物含む)はコクワガタ、オオチャイロハナムグリ、ゾウムシ、カラスアゲハ、シロチョウの仲間、フクラスズメの幼虫、シャクガ科の幼虫(尺取虫)、ノシメトンボ、アキアカネ、オニグモなどでした。

昆虫について専門的なお話しをいただけた良い観察会となりました。
散策路
晴れてきてチョウが飛び始める
戻って昆虫調査
捕まえた昆虫を見せあいっこ
先生が標本を見せてくれました
田中さんが作成した昆虫標本

施設情報

8月もあっという間に過ぎ、もうすぐ9月となります。

森吉山野生鳥獣センターでは9月にもイベントと企画展示があります。
ぜひお越しくださいませ!
9月のイベント
森吉山野生鳥獣センターで9月に開催されるイベントと企画展示