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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

羽黒自然保護官事務所だより 2024年7月

2024年08月06日
羽黒 守屋明子
羽黒自然保護官事務所は出羽三山の1つ・羽黒山の麓にあります。
事務所の周囲には住宅地が広がっていて、月山が源の今野川が流れています。裏庭に多様な植物が繁茂し、時には生き物がやってくることも。
彼らは職員にとって一番身近な自然。時に自然の理を示す教師であり、時に切磋琢磨しあう貴重な友人です。
その中から草取りや休憩中に運良く出会い、カメラに収まってくれた面々をご紹介します。
 
7月は梅雨らしく雨が多い一方で、気温は急上昇。冷房のために窓を閉め切りがちでしたが、二重サッシをものともしないアブラゼミの大声量が夏の雰囲気を醸し出してくれました。
木陰では小さな植物たちがひそかに開花したり生えてきたり。
羽黒自然保護官事務所
ねじれているネジバナ
羽黒自然保護官事務所
ヤブコウジが小さい花を咲かせました
羽黒自然保護官事務所
雨の後には必ず登場
羽黒自然保護官事務所
鮮やかな黄色のオトギリソウ
梅雨の晴れ間に草取りをしたらしばらく見なかったカエルたちを発見。夏場は涼しいところで凌いでいるようです。
羽黒自然保護官事務所
床下のコンクリートの壁際に。ひんやりしてそうです
羽黒自然保護官事務所
視線を感じる・・・と思ったら見られてました(写真中央の暗がり)
7月25日の豪雨の際には事務所脇の今野川も大幅に水位が上がりました。
羽黒自然保護官事務所
いつもは水面が見えない場所からもはっきり見えるほどの水量に
羽黒自然保護官事務所
通常時。川底が低く植物が繁茂して邪魔になっているので、水面は見えません
事務所の周りでは時折黒い羽をひらひらとさせて飛んでいる虫と遭遇しました。
羽黒自然保護官事務所と同じ「羽黒」を冠するトンボ、ハグロトンボです。
このトンボが現われたとき、滅多なことでは撮影をしない自然保護官がカメラを手に撮りに行っていたので、「何事か」と驚いたのですが、止まった際の羽を開閉させる姿が人が祈るときに手を合わせる仕草に似ていることから「神様トンボ」とも呼ばれ、縁起がいいとされるトンボだそうです(諸説あります)。地域によっては絶滅危惧種に指定されています。
羽黒自然保護官事務所
羽をひらひらとさせて飛び、止まるときは羽を閉じるハグロトンボ(メス)
羽黒自然保護官事務所
排水溝の周りが気に入った様子のハグロトンボ(オス)。少し羽を開いたところ
トンボは後ろに下がることなく常に前に進むことから不退転の象徴とされ「勝虫」とも呼ばれます。
それゆえ昔から武具や模様のモチーフとされ、現在でも和風柄等に使用されています。剣道家の友人がトンボ柄を愛用していることを思い出しました。
 
ハグロトンボにあやかって、前進あるのみの羽黒自然保護官事務所です。