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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

コウモリ観察会が開催されました!

2024年07月17日
秋田 大亀那月
こんにちは 秋田自然保護官事務所の大亀です。

森吉山野生鳥獣センターにてコウモリ観察会が開催されました。
去年は悪天候の影響で中止した会ですが、今年は雨予報に打ち勝ちよく晴れてくれました。

講師にはNPO法人コウモリの保護を考える会の作山さんをお招きし、コウモリのお話しと観察をおこないました。
コウモリのお話しをしている
図鑑の厚みでコウモリの種類がいかに多いかが分かる
挙手する参加者
クイズにこたえながらコウモリを知る
日本には約39種類のコウモリが生息しています。森吉にもたくさんのコウモリが生息しており、最近森吉ではウサギコウモリやモリアブラコウモリの確認が初めてされました。

コウモリは超音波の跳ね返りを使って狩りをしています。その人間が聞くことのできない超音波を受け取り、音として観測できるようにしてくれる機械を『バットディテクター』といいます。例年同様、この機械を使って実際にコウモリを探しに行きました。

駐車場にでて講師から簡単なレクチャーを受けたら、いよいよ夜の森へ出発です。
バットディテクターの使い方
バットディテクターの使い方、聞き取れるコウモリの種類について教わります
バットディテクターの使い方
バットディテクターの操作方法をみんなで確認中…
森に入ると薄暗く、空気もひんやりしてきました。

舗装道路の脇に生える木に樹洞がありました。昼間のコウモリたちは樹洞や洞穴、家屋などに隠れています。
樹洞を隠れ家とするものにはヤマコウモリやヒメホオヒゲコウモリなどが該当します。
夜になると飛翔する虫を食べるためにこの洞から飛び出します。

コウモリは飛翔中に超音波を発しその超音波の跳ね返りを感知して、虫や障害物を認知しているのです。
しかし「ここに障害物はない」と分かっている場所ではこの超音波を発さずに飛翔することがあります。

そこに『ハープトラップ』という大きな罠を設置。障害物がないとおもっているコウモリはこの罠に気付かずに突っ込んでしまいます。そうするとそのハープのような線に当たって下の袋にコウモリたちが集められる仕組みです。

そうして捕まえた個体は一匹ずつ測定、同定、撮影などの記録をしたあと腕にバンドを取り付けて森へ帰します。

 
木の洞
コウモリが入り込むことがある木の洞について解説中
ハープトラップ
コウモリを捕まえる『ハープトラップ』
コウモリの腕に取り付けるバンド
コウモリに付けるバンド(作山さんの右手注目)
バットディテクターから20~24kHz、48~50kHzの超音波への反応が!
20~24KHzならヒナコウモリかヤマコウモリの可能性が、48~50KHzならホオヒゲコウモリの仲間やモリアブラコウモリかもしれないということ。

あたりは真っ暗ですが、目をこらすと横切る影が見えてきます。反応があった方向を観察し続けることがポイントです。

道路の逆側を見ていた参加者が、木の幹で逆さに止まっているコウモリを発見。小さく丸いシルエットがよく見えました。同定は困難でしたが、いつもはお目にかかれないコウモリの姿を見ることができて楽しかったです。

鳥獣センターへ戻ってからは、講師の方々が事前に仕掛けた罠からメスのコウモリを2頭連れてきてくれました。
測定してみるとお腹が大きいような…妊娠中かと思いきやご飯をたくさん食べた後だったようです。体重の三分の一の量を食べるものですからもうパンパンです。時期を考えるとねぐらに子供がいるかもしれないとのことでバンドを装着したらすぐ帰してあげました。

今回は天気に恵まれ、コウモリの声と実際の姿も見られた良い会だったと思います。

参加者からも楽しかったですとご好評いただきました。
ありがとうございます!
木の幹にコウモリを発見
参加者が見つけたコウモリ。頭は下側
コウモリ測定中
メスのヒメホオヒゲコウモリを測定中※ぼかしてます
森へ帰す
放した瞬間ブレました。左上にいるんですが見えますか…

センター情報

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『夏休みの宿題応援!木片でクワガタ作り』
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