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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

飯豊連峰保全連絡会 第28回会合を開催

2024年06月19日
羽黒 守屋明子
令和6年5月28日(火)に喜多方市山都公民館(山都開発センター)において、飯豊連峰保全連絡会の第28回会合を開催しました。34名が出席、各議案について活発な意見交換、情報交換がありました。連絡会の事務局は、羽黒自然保護官事務所が務めています。
飯豊
山岳団体・行政機関による協議
飯豊連峰保全連絡会は平成20年2月23日に飯豊連峰に関わる機関や人たちによって設立されました。
「この会は飯豊連峰を愛する人たち、飯豊連峰に関わる人たち、飯豊連峰に登る人たちの協働により、人為的な影響で荒廃した自然を復元させ、原始性の高い飯豊連峰の自然が永続的に維持されるように、その保全活動を推進することを目的とする」として、16年間活動を行ってきました。
 
飯豊連峰は山形県・福島県・新潟県の3県にまたがり、多数の山岳団体や行政機関が関わっています。連絡会ではその関係者によって飯豊連峰の情報共有を行ってきたほか、会員のみならず賛同された多くの人達の参画による「合同保全作業」を実施。飯豊連峰の中でも、踏圧など人為的な影響に起因し、緊急の対策が必要な箇所を対象に、荒廃した登山道や植生の復元・維持に取り組んできました。そしてそれらの活動において「飯豊連峰の保全手法」を検証し、令和4年3月には「飯豊連峰 朝日連峰の保全手法 雪田草原・風衝草原の回復」(発行者:環境省東北地方環境事務所 監修:飯豊連峰保全連絡会・朝日連峰保全協議会 技術部会)を発行しております。連絡会での取組は、東北地方における登山道保全活動のさきがけになっています。
飯豊
令和3年 保全資材の梱包作業
飯豊
令和3年 御西岳での保全作業
しかしながら、近年は自然条件の変化(集中豪雨などの気候変動等)、社会状況の変化(入山者の多様化、登山環境の担い手の高齢化や資金の不足)が顕著になり、課題がより複雑化してきました。そのため飯豊連峰の自然環境を将来にわたって守るためには、関係者全体で共通の目的と認識を持って取り組む必要性がますます高まっています。
 
これらのことを踏まえ、本会合においては、飯豊連峰全体の課題解決のための総合的な協議会への発展を目指すことを事務局より提案し、協議の結果、承認を得ました。当面は連絡会における体制の再構築と仕組みづくりに注力していきます。
 
ちなみに、現在、今回の会場である山都公民館の同じ敷地内で新しい山都公民館が建設中です。これまで何度も会議の場としてお世話になってきた現・山都公民館で会合を開催するのも今回が最後となりました。ありがとうございました。