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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

朝日連峰保全協議会 第16回会合を開催

2024年06月18日
羽黒 守屋明子
令和6年5月23日(木)に大江町中央公民館ぷくらすにおいて、朝日連峰保全協議会の第16回会合を開催しました。37名の出席があり、各議案について意見交換、情報交換を行いました。協議会の事務局は、羽黒自然保護官事務所が務めています。
朝日連峰
行政機関・山岳会関係者による協議
朝日連峰
37名が参加
朝日連峰保全協議会は平成21年5月22日に朝日連峰に関わる機関や人たちによって設立されました。
「朝日連峰を愛する人たち、朝日連峰に関わる人たち、朝日連峰に登る人たちの協働により、人為的な影響で荒廃した自然を復元させ、原始性の高い朝日連峰の自然が永続的に維持されるように、その保全活動を推進すること」を目的として、15年間に渡り活動を行ってきました。
 
協議会では朝日連峰に関わる様々な情報共有を行ってきたほか、「合同保全作業」を実施。朝日連峰の中で踏圧など人為的な影響に起因し、緊急の対策が必要な箇所に対し、保全作業を行ってきました。会員をはじめ、活動に賛同される多くの人たちの参画により、荒廃した登山道や植生の復元や維持に挑んできました。その活動を通じて「朝日連峰の保全手法」を検証し、令和4年3月には「飯豊連峰 朝日連峰の保全手法 雪田草原・風衝草原の回復」(発行者:環境省東北地方環境事務所 監修:飯豊連峰保全連絡会・朝日連峰保全協議会 技術部会)を発行しました。
朝日連峰
平成23年 金玉水での合同保全作業
朝日連峰
令和5年 三方境での合同保全作業
一方、15年の経過のうちに新たな課題にも直面しています。近年は自然条件の変化(集中豪雨などの気候変動等)、社会状況の変化(入山者の多様化、登山環境の担い手の高齢化や資金の不足)が著しくなっています。複雑化する課題に対応し、朝日連峰の自然環境を将来にわたって守るためには、関係者全体で共通認識を持って取り組む必要性がますます高まっています。
 
これらのことを踏まえ、本会合においては、朝日連峰全体の課題解決のための総合的な協議会への発展を目指すことを事務局より提案し、承認を得ました。当面は協議会における体制の再構築と仕組みづくりに注力していきます。