アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
暗門の滝がオープンしました!
2024年06月04日
白神山地
こんにちは。西目屋自然保護官事務所の神です。例年だと6月下旬~7月に暗門歩道が開通するのですが、今年はなんと5月30日にオープンしました。白神山地の夏と言えば「暗門の滝」を真っ先にイメージする私ですが、昨冬は少雪だったため、異例の早さでの開通です。
この日は、関係機関の皆様とオープン前の安全確認に行って参りました。緩衝地域のブナ林散策道入口から約30分~40分ほど歩くと第三の滝に到着します。西目屋村にある「暗門の滝」は、下流側から第三、第二、第一と3つの滝から構成されています。自然歩道を歩いて、最初に見えるのが「暗門第三の滝」です。お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、通常、下流側から第1、第2と数えるのですが、ここ暗門では上流側から番号が付けられています。これには、諸説あるのですが、その昔、杣夫達が切り出した木(流し木)を滝の上から流す際に、上流側から番号を付けたため、現在もその名称で呼ばれている説や菅江真澄が暗門を訪れた時に尾根から滝を目指し、最初に現れた滝を「第一」とし、下ったためとも言われております。いずれにしても、他の地域とは異なるので、説明する時は気を遣います。
第三の滝から歩道を10分ほど上がったところに第二の滝があります。スラリとしたスタイルの良い滝で水量も多く、迫力があります。歩道の整備は、この第二の滝までとなっており、ここから先へは進めません。上流には、さらに高さ42mの第一の滝がありますが、現在は、安全に通行できる状態ではないため閉鎖しております。(第一の滝に行きたい方は、ガイド付を奨励しております。徒渉もありますので、沢歩きの準備が必要です。)
入山者数調査のためのカウンターも設置しました。第三の滝手前に設置してあります。今シーズンは、1ヶ月以上早い開通となったため、入込み数にも変化がありそうです。
数少ない春の花がまだ残っていました。
暗門歩道の途中には、カラスアゲハの吸水スポットがあるようで、大体ここに来れば見られるとガイドさんに教えていただきました。白神も着々と夏に近づいています。昔は、カラスアゲハが見られる時期は、夏も本番というイメージがあったのですが、この時期に見られるとちょっと季節感が狂います。「アゲハ」は夏の季語ですが、気候の変化で日本の季語が変わる日がくるかもしれませんね。