アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
エゾハルゼミ初鳴き
2024年05月28日
十和田
グリーンシーズンはどんどん深まり、5月23日、事務所周辺ではエゾハルゼミの初鳴きを確認しました。ここより標高の低い奥入瀬渓流では少し早く鳴いていました。
いま深い緑につつまれる奥入瀬渓流ですが、それぞれの樹木の葉っぱが個性を主張していて、飽きさせません。渓流の足もとを彩る白いニリンソウの中に可愛らしい花を見つけました。
昨年は全部が緑のニリンソウを見つけました。
さて、5月25日は、パークボランティア活動です。北八甲田の東側に位置する田代湿原にロープを設置する作業を行いました。
湿原は、季節にはワタスゲやキンコウカで一面がおおわれます。ヒメシャクナゲ、サワランやトキソウ、カキランなど、お花好きにはたまらない花々を、標高の低い、平坦な木道を散策しながら見られるので、多くの方が訪れます。花に近づいたり、写真を撮るために、木道からはみ出さないように、ロープを張る作業を毎年パークボランティア活動で行っています。(歩道管理者である青森市から委託を受けています)
田代平湿原での作業のあとは、箒場のブナ林に移動して自然観察会を行いました。昨年のブナの実は凶作だったため、ヘルメットブナ(芽吹いたブナが実をかぶったままの状態)はほとんどありません。低い気温のためか、エゾハルゼミは鳴くことなく、ブナの樹に張り付いています。
ブナ林は、多くの動植物を育む豊かな森です。ブナに話しかけながら、ゆっくり深呼吸して歩くと、身体中の細胞が生き返る気がします。森の恵みに感謝です。登山とは少し違う森との関わり方も、忙しい現代人には必要なことかもしれません。時間を忘れてゆっくりできる森が、この先もずっと続いていきますように。