東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

森吉山の現地調査

2024年05月02日
秋田 大亀那月
はじめまして この春、秋田自然保護官事務所に着任したAR大亀です
国指定森吉山鳥獣保護区にある森吉山野生鳥獣センターの現地調査にいってきました
 
道路はまだ交通規制が掛かっているため、センターまでゆっくり歩いて向かいます。
 
歩き始めてすぐ、道路の端に淡紫色のキクザキイチゲを発見。3~5月に花を咲かせる高山植物です。
1本の茎に1輪をつけるので、「菊咲一華」と書かれるそう。
広葉樹の下で群生し、白~紫色の花を絨毯のように咲かせていました。
キクザキイチゲ
キクのような見た目ですがイチリンソウの仲間
キクザキイチゲ
色鮮やか、絨毯のように開花
4月末の森吉山はどんどん雪解けが進みます。川の勢いも増し、ミズバショウが咲き出していました。
勢いよく流れる川
雪解けで水かさが増しゴウゴウと流れる
開花したミズバショウ
遠くからでも目立つ白い仏炎苞
雪解けが始まったとはいえども、標高が上がりセンターに近づくにつれ残雪が目立ちます。
センターに到着し、いざ調査をしようにも屋根から落ちた雪が出入り口を塞ぎ施設内の確認はできませんでした。
開館する6月までには、この雪も溶けきることでしょう。
 
舗装道路を歩きノロ川橋へ。
センターのすぐ裏手なのですが木の幹にクマの爪痕を見つけました。ブドウを目当てに登ったようです。
この長い爪痕は、木から降りる際にずるずる滑り降りてできた跡です。
クマの爪痕
ブドウが食べたかったらしい
枝に止まるツグミ
人間を遠くからうかがうツグミ
桃洞滝に続くブナ林はまだまだ雪が残っていました。雪が少ない県出身の私には積もっているだけでも驚きですが…
4月末にこんな厚い雪があるのは不思議な気持ちになります。

火の鳥といわれるアカショウビンに出会えるとして、これまで野鳥観察会の目的地に設定していた池を視察しました。まだ水面には薄く氷が張っているようで、アカショウビンのほか小鳥すら見つかりませんでした。
6月8日(土)に野鳥観察会が開かれますので、その時に会えたら嬉しいですね。
 
雪の残るブナ林
まだ空気もひんやり。これからどんどんブナが芽吹く
ブナ新緑の芽吹き
道路沿いのブナは若葉が出ていた。ふさふさの縁毛は若葉の証
センター周辺の調査を切り上げ、行きと違うルートで帰ります。
午前中は暖かい気温でしたが午後の山陰は冷えていました。水辺の近くはより冷たい空気を感じます。

日が傾き山の景色も変わって見えます。花を開いていたキクザキイチゲも、帰りに見たときには頭をシュンッと下げてしまいました。

初めて訪れた森吉山。ブナ林は明るくて散策しがいがありました。
 
夕日に照るふきのとう
この日ずっと見かけたフキノトウ。春を感じさせる
開花したオオカメノキ
まさかの自分と同じ名前。白い花が咲くオオカメノキ
これから登山に来られる方も、キャンプに来られる方もセンターに足を運んでみてはいかがでしょうか
 
新緑の季節が過ぎ来たる6月からの開館時にぜひお越しください
開花したカタクリ
春の初めに咲くカタクリ。この開花には8年かかる
開花したこぶしの花
白いこぶしの花。その花からは上品な香りがする