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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

鷹ノ巣野営場 2024シーズンイン

2024年04月24日
羽黒 守屋明子
羽黒自然保護官事務所は集団施設地区を2ヶ所(羽黒:山形県鶴岡市羽黒町、鷹ノ巣:新潟県岩船郡関川村)管轄しています。
4月中旬、鷹ノ巣集団施設地区の環境省施設である鷹の巣キャンプ場(鷹ノ巣野営場)にオープン前の点検・注意表示掲示等の作業に行ってまいりました。
 
鷹ノ巣集団施設地区は新潟県北部を流れる荒川沿いに位置しています。荒川は急峻な山岳地として知られる山形県の朝日連峰・大朝日岳を源とする清流。途中で飯豊連峰を発した玉川などと合流し、赤柴峡や荒川峡を経て、大きく蛇行しながら越後平野に入ります。その蛇行点のまるで荒川に抱かれたような立地にあるのが鷹ノ巣集団施設地区。日本を代表する風景地である国立公園らしく、風光明媚な場所です。
急流の荒川流域はたびたびの大水害を被り、過去の水害を風化させないために、関川村では蛇行する急流を大蛇になぞらえた「大したもん蛇まつり」が開催されています。
 
鷹の巣
園地には駐車場から吊り橋を渡って向かいます
鷹の巣
吊り橋の下を流れる荒川と春色の山
鷹の巣キャンプ場は毎年4月下旬から11月初旬まで営業しています。営業終了後から3月のクローズ期間は積雪の影響を受けることも多く、4月の雪解け後に設備や危険木(倒木の可能性がある木)・支障木(通行の妨げとなる木)の点検が必須です。令和5年11月~令和6年3月までの期間は暖冬だったこともあり、設備の故障等もなく春を迎えられました。
点検終了後、注意表示の掲示作業に移りました。
 
鷹の巣
キャンプサイトで危険木の確認
鷹の巣
注意表示設置作業
鷹の巣キャンプ場は令和4年8月に起きた記録的大雨によって土砂の流入や浸水、設備の流出等の被害を受けました。通行は可能ですが、荒川に面した園路の一部にはその際の土砂の堆積や多少の起伏が残っています。その手前の数カ所に注意表示を掲示しました。歩行される際には足元にお気をつけください。
鷹の巣
土砂流入箇所は管理棟から荒川沿いの道(右手)
鷹の巣
土砂流入箇所に通じる分岐点等に掲示しています
鷹の巣
土砂流入箇所(管理棟側から撮影)
鷹の巣
土砂流入箇所(管理棟と反対側から撮影)
場内にはカタクリの群生地があり、雪解け後に一斉に花を咲かせます。キャンプ場のオープン前にもカタクリをはじめ早春の花々(スプリングエフェメラル)を目当てに散策に訪れる方も多くいらっしゃいます。点検に訪れた際には残念ながらすでに花の盛りは終了。群生地ではカタクリの特徴的な葉がイキイキと光を浴びていました。
鷹の巣
花はしぼんでしまったカタクリ
鷹の巣
群生地にて この写真に何株あるでしょう
カタクリは終わってしまいましたが、様々な花が咲き始め、木々のやさしい若葉色に園内が包まれる、心躍る鷹の巣キャンプ場の春が始まりました。
鷹の巣
あちこちで咲いていたスミレ
鷹の巣
いろいろな形の大木も待っています
鷹の巣
葉っぱの傘を差しているようなキバナイカリソウの花
鷹の巣
アラカワカンアオイの花も健在
※植物は採取が禁止されている種や場所があります。また彼らはそこに根付いて暮らしています。写真や心に収めるだけにとどめましょう。