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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

冬の美しさと恐ろしさ

2024年01月24日
裏磐梯 石川 麻里子

こんにちは。裏磐梯自然保護官事務所のAR石川です。
2024年が始まりましたね。今年もどうぞよろしくお願いします。
 
今年は、年始から色々な出来事がありました。
この度の震災に際し、心よりお見舞い申し上げます。
少しでも多くの人があたたかく過ごせるよう、祈るばかりです。
 
 
さて、年始の裏磐梯はと言うと…
まとまって雪が降る日もありましたが、例年と比べかなり少ないようです。
朝除雪すれば、後は太陽の日差しで溶けてくれます。太陽って偉大ですね。
1月10日水曜日の除雪作業の様子
1/10(水)の除雪作業の様子。猪股レンジャーが除雪車で上手に雪を飛ばしています。(私も使いこなせるようにならないと・・・)
1月12日金曜日事務所に雪が積もった様子
1/12(金)の事務所。この日は除雪中も雪が降り続いていました。
1月17日水曜日事務所の屋根の雪が波打っていて可愛いです
1/17(水)の事務所。15・16と風雪が強かったため、屋根の雪が波打っています。(デコレーションみたいで可愛い)


裏磐梯にある五色沼自然探勝路も、積もったり溶けたりを繰り返していますが、スノーシューなどを履いて冬の自然散策を楽しむことが出来ます。
雪が降った青沼の様子。青色がきれいです
年末の青沼。白い雪景色の中だと、沼の青さが一層際立ちます。
さくらんぼに似た形の赤い実をみつけました
可愛いさくらんぼを発見。冬の自然散策では、赤い実も見つけやすいですね。
探勝路の看板に雪の結晶が付いていました
探勝路の看板をよく見ると、雪の結晶が!
なお、五色沼自然探勝路は倒木がありますので、散策の際はお気を付け下さい。(通行は可能です。)
雪の様子やスノーシューの貸し出し情報などは裏磐梯ビジターセンターSNSをチェックしてみてくださいね。


そして冬の自然を楽しむためには(冬に限らずですが・・・)、前もってその恐ろしさを知り、装備や対応について学ぶことがとても重要です。
裏磐梯自然保護官事務所では、1/15-16にWMAJの講師の方々をお招きし、自然ガイドを対象としたリスクマネジメント研修を開催しました。この研修は特別雪山に特化したものではなく、自然ガイドが直面するかもしれない、救急隊がすぐに駆けつけられないフィールドで発生する事故や災害による傷病者への評価を中心に学ぶものです。
 
当日、会場のある猪苗代町は雪が降り続き、2日目は吹雪で一面真っ白に・・・。
しかしWMAJの講師の皆さんがこのチャンス?を最大限に生かしたプログラムを実施してくださり、雪上での実技を含む充実した(ある意味過酷な・・・)研修となりました。参加者の皆さん、酷寒の中大変お疲れ様でした・・・!
研修の様子。傷病者を運ぶ方法を学んでいます
傷病者を運んでいる様子。支える箇所や声がけの方法などを学びます。
研修の様子その2。傷病者の包み方を学んでいます
傷病者の包み方講習。素材の性質を理解し、正しい順番で包むことが、命を守ることにつながります。
研修の様子その3。救助要請から処置までの一連の流れを実践しています
傷病者への対応(実技)の様子。状況の把握から傷病者の評価、救助要請、処置・・・リアルな現場を想定し、一連の流れを実践します。
自然ガイドを生業にしていなくても、アウトドアを楽しむ人は特にこういった状況に遭遇する(あるいは自分の身に起きる)可能性が高いと思います。私は講義や実技を見聞きしながら、自分の活動や趣味のフィールドがどんな状況下なのかを改めて自覚し、ヒヤリ汗をかいていました・・・。身体のしくみや応急処置等の基礎知識、計画の立て方や持ち物など・・・学ぶことや見直すことが沢山ありそうです。

 
事務所前の通りから見える磐梯山
研修明けの水曜日、裏磐梯は晴天となりました。青空に雪化粧の磐梯山が美しく輝いています。
雪が織りなす冬ならではの美しさと、起こりうる危険やその恐ろしさの両方を感じた1月でした。