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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

食欲の秋には

2023年09月25日
大船渡 坂本麻由子
こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

2023年の夏は暑くて暑くて「秋はやってくるのだろうか?」と不安になっていましたが
9月下旬になってやっと朝晩の肌寒さを感じ、身のまわりでもちゃんと秋を感じている三陸の昨今です。

さて秋と言えば断然「食欲の秋」ですね。(私だけ?)
秋の味覚は堪能していますか?
焼き芋、揚げ栗、きのこ汁に山ぶどうジャム、先週だけでそんな秋の実りを楽しみました。
自然の恵みに感謝し、丁寧にいただきたいと思っています。

食欲の秋とはいえ、食品としての資源を大切にしていきたいものですよね。
国内外で関心が高まっている"食品ロス"問題ですが、環境省でも食品ロスに関して正確でわかりやすい情報を得られるよう、情報を集約したサイトを作成・更新していますので是非ご覧ください。食品ロスポータルサイト (env.go.jp)
秋の大船渡の味覚と言えばなんと言っても『サンマ』です。
本州一のサンマ水揚げ量を誇る大船渡ですが、年々その水揚げ量は減少、大衆魚で親しまれたサンマは今では高級魚です。
それでも地元民にとっては秋に食べたい魚No.1の座は不動です。

この時期タイミングが合えば大船渡魚市場に着岸するサンマ船を見ることができます。
サンマ漁は太平洋戦争前後、光でサンマの群れを集約し漁獲する「棒受網漁」が生み出されひろがったそうです。
サンマ船は船の両脇に集魚灯がたくさん立っているのが特徴で、近年はLEDをはじめとする電灯で投光するのが主流ですが、その昔最初に灯光に使われたのは松明だったそうです。

先日、みちのく潮風トレイルのイベントで、大船渡漁港に入港したサンマ船のすぐ脇を歩く機会がありました。
すでに水揚げ作業は終わっていましたが、またすぐサンマ漁に出発するということで大事な網の手入れをしている場面を間近で見せてもらいました。


 
サンマ船のすぐ脇を歩く
サンマ船のすぐ側を歩かせてもらいました。

食卓に並ぶ前の食品のことを知ると、より一層大切に食べようと思えますよね。
サンマが食卓で美味しくいただけるのも、漁師さんたちのお仕事のおかげです。
本当にありがとうございます!

魚市場をあとにしようとしたところ、気になる青い堆積物を発見。
よくよく見ると、サンマの鱗でした。
透明ないびつな丸の一部がブルーに染色されています。なんて綺麗な鱗なのでしょう。
そういえばサンマを下処理する際、鱗が気になったことないですよね?
サンマに鱗がないわけではなく、鱗が剥がれやすく、網の中でもがいて接触するだけで剥がれてしまうそうです。
焼きサンマの胃を開けて鱗がぎっしり詰まっていて"ギョっ"と言う経験があるのですが、剥がれ落ちた鱗混じりの海水を飲み込んでしまった故だったんですね。(食べるときは鱗の塊は取り除いた方がいいそうですよ。)

青い堆積物
なにやら青い堆積物が・・・
サンマの鱗でした
サンマの鱗でした!
最後に、大船渡の炭火焼きサンマの画像をお楽しみください。
炭火焼きサンマ
サンマ焼き師による炭火焼きサンマ