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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

はじめまして

2023年05月09日
白神山地 下堂前 大樹
今年度から新しく西目屋自然保護官事務所のアクティブ・レンジャーになりました下堂前(しもどうまえ)です。
突然ですが、皆さんこちらの動物はご存じでしょうか?
 
 
(撮影地:北海道 知床)
 
(撮影地:東京都 青梅市)
そうです。左がシカ(ニホンジカ)で右がカモシカ(ニホンカモシカ)です。
これまで私は、同じ草食動物であるシカとカモシカが何を食べているのか気になり、同所的に生息するシカとカモシカの食べ物について研究してきました。
生物学では、同じものを食べる二種が生息する環境下において、十分な食物量がなくなると食べ物を巡って競争を起こす可能性があるといわれています。
そのため、環境によって生息する生物の食べ物は異なりますが、シカとカモシカが同じものを食べていた場合争いが起きる可能性があります。

なぜこんな話をしたかというと、実は西目屋自然保護官事務所が管理している白神山地にも、この二種が生息しています。
 
白神山地周辺の自動撮影カメラで撮影されたシカ
 
白神山地周辺の自動撮影カメラで撮影されたカモシカ
シカは、白神山地周辺地域では明治から昭和初期に絶滅したとされていたのですが、近年目撃情報が相次いでおり、世界遺産地域においても目撃されています。
シカが侵入すると農作物や林産物への被害だけでなく、林床の植物が減ることで森が大きく変化することから、貴重な植物や動物を脅かす存在でもあります。
そのため西目屋自然保護官事務所では、様々な方法と道具を駆使して調査を行い、シカの侵入状況や植生への影響を把握するために情報収集をしています
 
自動撮影カメラ(センサーカメラ)
 
ボイストラップ
 
食痕調査
自然豊かな白神山地を守っていくためにも、私も森の小さな変化に気を配って取り組んでいきます。
これからよろしくお願いします。